2010/12/26 - 2010/12/29
351位(同エリア462件中)
蛙鳴蝉噪さん
湯治宿は東北地方には多いのに、飛騨や信州には見当たらない。少しでも近くにないものかと探していたところ、四万温泉の積善館に行き着いた。アニメ「千と千尋の神隠し」のモデルの一つになったともいう古い宿である。
ここは2人で連泊した場合、一人当たり一泊5350円という格安の宿である。積善館で湯治をしてみたい人は読んでください。
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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この赤い橋から見た積善館本館の様子が、「千と千尋の神隠し」に出てくる湯屋に似ているのだそうだ。実際、宮崎駿監督が泊まったという。
積善館は元禄年間にできた湯宿で、今の本館の建物は木造三階建てである。寛政12年(1800)以前に建てられた二階建て建物をベースに、その後、明治30年(1897)頃に増築されたものと考えられている。
もともとは1階が家族の居室で、2階が湯治客のための部屋だった。1階は農家の作りと同じであり、そうしたものをもとに湯宿建築ができている。2階部分には外廊下がめぐらされ、そこに七輪などが持ち込まれて自炊がされていたという。今は壁で囲い込まれている。 -
泊まった部屋は8畳に3畳の出っ張りがあるところ。二人で泊まるには広いくらい。前は川に面している。きれいではないが、湯治ならば十分である。
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部屋からの眺め。赤い橋の左の建物の1階が元禄の湯という浴室で、その上はもともとは客間だった。今は使っていない。
この川の上流はダム湖になっていて、途中には滝もかかっている。渓流散策にはもってこいだ。 -
これが浴室の元禄の湯。昭和初期の建築で、アールヌーボー調。もちろん源泉掛け流し。少し塩っぱいお湯である。湯治は基本的にはやっていることがないので、本を読んで飽きたら、このお湯に浸かって、とにかくゴロゴロしていた。
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これは夕食の弁当。刺身もあるし天ぷらもある。湯治食はこのくらい簡素なのがよい。毎回ご馳走攻めだと太ってしまう。基本的には大広間で食べるのだが、部屋への持ち込みもできる。酒類を持ち込むのもOK。このあたりは湯治スタイルなのが嬉しい。
しかし、3泊したが、毎回同じ弁当が出てきて飽きてしまった。3日目はスーパーでおかずをゲットすることになる。その点、東北の自炊または半自炊の湯治宿は、おかずを売る売店が宿にあったり、宿の前に朝市が立ったりしておもしろい。今日は何を食べるかを考えるのも湯治の楽しみだと思った。 -
木族3階建ての建物は歩くとギシギシいう。トイレが部屋にないとだめだとか、となりの声が聞こえるとだめだと言う人は泊まってはいけない。
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ひたすらお湯に浸かっては部屋でゴロゴロし、温泉街をぶらぶらして暇つぶしをすることができる人だけが泊まれるのが湯治宿である。
かつて、日本人の旅行スタイルには物見遊山と湯治があった。物見遊山は神社仏閣・名所旧跡巡りであり、湯治は10日程度は温泉に浸かってのんびりするもの。湯治は、今ならリゾートに出かけるという感覚でしょうね。しかし、10日も滞在するとお金もかかる。だから自炊が基本。
湯治という文化は廃れつつあるという。昨今の日本人はリゾートに行ってもあくせくと動き回っている。何もしないことが贅沢だと思えないと、湯治は苦痛である。
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