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インド北部の4都市(デリー、アーグラー、カジュラーホー、バナーラス)を周遊してきた時に見てきたものを建築を中心に紹介してみます。<br /><br />まずはインドの建築で恐らく一番有名なタージ・マハルから始めましょう。

インド北部の旅~タージ・マハル

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2010/12/15 - 2011/01/01

969位(同エリア1059件中)

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6

ヌールッディーンさん

インド北部の4都市(デリー、アーグラー、カジュラーホー、バナーラス)を周遊してきた時に見てきたものを建築を中心に紹介してみます。

まずはインドの建築で恐らく一番有名なタージ・マハルから始めましょう。

旅行の満足度
3.0
観光
4.0
ホテル
2.0
グルメ
3.0
ショッピング
1.5
交通
2.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
15万円 - 20万円
交通手段
鉄道
旅行の手配内容
個別手配
  • タージ・マハルは美しい建築ですが、その完全なシンメトリーが美しさの重要な要素となっているため、美しく写真に撮るのが難しいです。シンメトリーを生かすと、ありきたりな「見たことがある写真」にしかならないので。<br /><br />この写真もタージ・マハルを撮影する時のパターンの一つかな。

    イチオシ

    タージ・マハルは美しい建築ですが、その完全なシンメトリーが美しさの重要な要素となっているため、美しく写真に撮るのが難しいです。シンメトリーを生かすと、ありきたりな「見たことがある写真」にしかならないので。

    この写真もタージ・マハルを撮影する時のパターンの一つかな。

  • タージ・マハルの背後にはヤムナー河が控えており、その河岸近くに建てられています。<br /><br />そして、前面にはペルシア由来の形式の庭園である四分庭園(チャハール・バーグ)を置き、門を入るとこの庭園の向こうに白亜の建物が浮かび上がるようになっています。<br /><br />通常、チャハール・バーグと廟建築の組み合わせの場合、庭園の中心に廟が置かれるのですが――例えば、このブログでも別に紹介しますが、同じくアーグラーにあるイティマド・ウッダウラー廟などはそうなっています――ここでは庭園の向こう側に置かれているのが大きな特徴です。これによって何物も妨げるものがないパースペクティブの中心に廟が存在することになるのです。<br /><br />廟は1653年に22年の歳月をかけて竣工しましたが、ペルシャから建築家が招かれたと言われるとおり、ペルシャ建築の影響が濃厚です。四分庭園もペルシャの庭園形式ですし、入口などを飾るイーワーンや二重殻ドームなどもペルシャないし中央アジア方面から齎された建築要素です。ミナレットも平面が円形なのはペルシャ的だと言えそうです。<br /><br />ただ、イラン(ペルシャ)の建築との大きな違いは、それらの建築要素の組み合わせ方がインド亜大陸にもともとあったやり方で組み合わされていることだと思います。<br /><br />例えば、タージ・マハルの場合、入口のイーワーンは建物の四方に囲むようにしてついており、内部空間を囲むというよりは、建物の外側に向かってその空洞の空間を主張しているように見えます。こうした外向きの配置はペルシャや中東の建築にはほとんどなく、ジャイナ教寺院で発展した四面堂という形式の影響であるという指摘もあります。<br /><br />また、廟建築が基壇の上に乗っていることやミナレットもその四隅に取り付けられており、建築やミナレットに囲壁がないことなどもイランや中東の建築の配置とは違っています。明らかに外から見られることをを意識して建てられているという点もインドの宗教建築などに見られるパターンですし、基壇の中央に主たる建物があり、その四隅に塔状の建物を建てて中心の建物を強調するというのは、ヒンドゥ教などの寺院で見られたパンチャー・ヤタナ(五堂形式)という配置――今回の旅ではカジュラーホーで見て来ました――と同じだと思います。<br /><br />このように個々の要素はペルシア的なものが多く、要素の配置の仕方はインド亜大陸の土着的なものが多くみられるのが、タージ・マハルの大きな特徴です。(インドのイスラーム建築の多くにこの傾向は見られますが。)<br /><br /><br />

    タージ・マハルの背後にはヤムナー河が控えており、その河岸近くに建てられています。

    そして、前面にはペルシア由来の形式の庭園である四分庭園(チャハール・バーグ)を置き、門を入るとこの庭園の向こうに白亜の建物が浮かび上がるようになっています。

    通常、チャハール・バーグと廟建築の組み合わせの場合、庭園の中心に廟が置かれるのですが――例えば、このブログでも別に紹介しますが、同じくアーグラーにあるイティマド・ウッダウラー廟などはそうなっています――ここでは庭園の向こう側に置かれているのが大きな特徴です。これによって何物も妨げるものがないパースペクティブの中心に廟が存在することになるのです。

    廟は1653年に22年の歳月をかけて竣工しましたが、ペルシャから建築家が招かれたと言われるとおり、ペルシャ建築の影響が濃厚です。四分庭園もペルシャの庭園形式ですし、入口などを飾るイーワーンや二重殻ドームなどもペルシャないし中央アジア方面から齎された建築要素です。ミナレットも平面が円形なのはペルシャ的だと言えそうです。

    ただ、イラン(ペルシャ)の建築との大きな違いは、それらの建築要素の組み合わせ方がインド亜大陸にもともとあったやり方で組み合わされていることだと思います。

    例えば、タージ・マハルの場合、入口のイーワーンは建物の四方に囲むようにしてついており、内部空間を囲むというよりは、建物の外側に向かってその空洞の空間を主張しているように見えます。こうした外向きの配置はペルシャや中東の建築にはほとんどなく、ジャイナ教寺院で発展した四面堂という形式の影響であるという指摘もあります。

    また、廟建築が基壇の上に乗っていることやミナレットもその四隅に取り付けられており、建築やミナレットに囲壁がないことなどもイランや中東の建築の配置とは違っています。明らかに外から見られることをを意識して建てられているという点もインドの宗教建築などに見られるパターンですし、基壇の中央に主たる建物があり、その四隅に塔状の建物を建てて中心の建物を強調するというのは、ヒンドゥ教などの寺院で見られたパンチャー・ヤタナ(五堂形式)という配置――今回の旅ではカジュラーホーで見て来ました――と同じだと思います。

    このように個々の要素はペルシア的なものが多く、要素の配置の仕方はインド亜大陸の土着的なものが多くみられるのが、タージ・マハルの大きな特徴です。(インドのイスラーム建築の多くにこの傾向は見られますが。)


  • ペルシア的な要素が多いとは言っても、もちろん、個々の要素にインド亜大陸で発展したものも多くみられるので、付け加えておきます。<br /><br />まず、主ドームの脇に小さく見えるドーム上のものはインドの土着の建築要素であるチャトリ(小亭)です。<br /><br />また、タージ・マハルの場合、廟の東西にはモスクと迎賓館が左右対称になる形で配置されているのですが、このモスクはインドに特有の「壁モスク」と呼ばれるタイプの建物になっています(この写真がモスクです)。<br /><br />この建物のように、中庭を囲む壁と礼拝空間がなく、モスクの建物だけが独立して建っているのは、インドではかなりポピュラーですが、インド以外では大変珍しいのではないかと思います。<br /><br />

    ペルシア的な要素が多いとは言っても、もちろん、個々の要素にインド亜大陸で発展したものも多くみられるので、付け加えておきます。

    まず、主ドームの脇に小さく見えるドーム上のものはインドの土着の建築要素であるチャトリ(小亭)です。

    また、タージ・マハルの場合、廟の東西にはモスクと迎賓館が左右対称になる形で配置されているのですが、このモスクはインドに特有の「壁モスク」と呼ばれるタイプの建物になっています(この写真がモスクです)。

    この建物のように、中庭を囲む壁と礼拝空間がなく、モスクの建物だけが独立して建っているのは、インドではかなりポピュラーですが、インド以外では大変珍しいのではないかと思います。

  • インドの建築は内部空間が平凡だといわれますが、タージ・マハルもその例外ではありませんでした。中東のモスクと比較すると、飾られた空間としての華やかさもなく、空間が心を落ち着かせるような心理的な効果もなく、「単に大きな空洞が空いているだけ」という感じに近いことは否めません。<br /><br />そうした空間体験をしたことがない人にとっては、立派なものに見えるかも知れませんが、他の地域のモスクや廟建築などをある程度体感してからインドの建築に行くと、内部の飾り方(ムカルナスやアーチネットが控えめでイーワーンの曲面が単調に見える箇所があることなど)や空間の構成の仕方(天井のドームが扁平で空間の広がりが感じられず、圧迫感があるなど)がワンパターンないし単調であると感じざるを得ませんでした。<br /><br />こうした傾向はタージ・マハルにかぎったことではなく殆んどすべての歴史的な建造物に共通して見られ、インドでは建築は内部の空間で何かをするためのものではなく、外に見せるものとして建てられているということを今回の旅を通して強く感じました。<br /><br />

    インドの建築は内部空間が平凡だといわれますが、タージ・マハルもその例外ではありませんでした。中東のモスクと比較すると、飾られた空間としての華やかさもなく、空間が心を落ち着かせるような心理的な効果もなく、「単に大きな空洞が空いているだけ」という感じに近いことは否めません。

    そうした空間体験をしたことがない人にとっては、立派なものに見えるかも知れませんが、他の地域のモスクや廟建築などをある程度体感してからインドの建築に行くと、内部の飾り方(ムカルナスやアーチネットが控えめでイーワーンの曲面が単調に見える箇所があることなど)や空間の構成の仕方(天井のドームが扁平で空間の広がりが感じられず、圧迫感があるなど)がワンパターンないし単調であると感じざるを得ませんでした。

    こうした傾向はタージ・マハルにかぎったことではなく殆んどすべての歴史的な建造物に共通して見られ、インドでは建築は内部の空間で何かをするためのものではなく、外に見せるものとして建てられているということを今回の旅を通して強く感じました。

  • 建物の中に描かれた絵はペルシア風の雰囲気のものが多かったと記憶していますが、このように立体的な彫刻があるのは、インドの彫刻が多く施されたヒンドゥやジャイナ教の寺院などとの共通性を感じさせます。

    建物の中に描かれた絵はペルシア風の雰囲気のものが多かったと記憶していますが、このように立体的な彫刻があるのは、インドの彫刻が多く施されたヒンドゥやジャイナ教の寺院などとの共通性を感じさせます。

  • タージ・マハルの近くのホテルに泊まると屋上からタージ・マハルを望むことができることがあります。私はシャンティ・ロッジというホテルに泊まり、その屋上のレストランから日の出頃のタージ・マハルを見てみました。<br /><br />ホテルはホットシャワーの出も微妙で、スタッフも宿泊料を払ったのにまだ払っていないと言ってきたり、チェックアウト後に荷物を預けたら鍵を買うよう薦められたり、あまり好感は持てませんでしたが、屋上からのタージ・ビューはまぁまぁでした。<br /><br />この写真、肉眼ではタージ・マハルが全く確認できない状態で当てずっぽうで狙ったものなのですが、そのくらい暗い時間帯の方が写真としては良い感じになるようです。ちなみに時刻は午前6時くらいだと思います(6時半ころ本格的に日が上る)。<br /><br />朝日で次第に浮かび上がってくるタージ・マハルの様子はなかなかのものがありました。

    タージ・マハルの近くのホテルに泊まると屋上からタージ・マハルを望むことができることがあります。私はシャンティ・ロッジというホテルに泊まり、その屋上のレストランから日の出頃のタージ・マハルを見てみました。

    ホテルはホットシャワーの出も微妙で、スタッフも宿泊料を払ったのにまだ払っていないと言ってきたり、チェックアウト後に荷物を預けたら鍵を買うよう薦められたり、あまり好感は持てませんでしたが、屋上からのタージ・ビューはまぁまぁでした。

    この写真、肉眼ではタージ・マハルが全く確認できない状態で当てずっぽうで狙ったものなのですが、そのくらい暗い時間帯の方が写真としては良い感じになるようです。ちなみに時刻は午前6時くらいだと思います(6時半ころ本格的に日が上る)。

    朝日で次第に浮かび上がってくるタージ・マハルの様子はなかなかのものがありました。

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