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 数ヶ月前にマレーシアでの鉄道旅行を決め航空券を手配し、1ヵ月くらい前にインターネット(マレーシア鉄道公社:KTMB)で予約決済をしようとしたが、アップグレード中ということでシステムダウン中であった。せっかくの初マレーシア、鉄道の切符が取れなくては意味がない。そこで、英語などは大学入試以来ウン十年とご無沙汰だったが、ネットで英文レターの書き方をあれこれ調べ適当に書いてメールを送信したところ、数日後に返信があり無事予約することができた。<br /> 予約完了のメールをプリントアウトし、クアラルンプールに到着した晩にクアラルンプール・セントラル駅(以下「セントラル駅」)で発券してもらい購入した。行程はシンガポールまでの往復、往路のファーストクラス(1等座席)がRM68(約1900円)、復路の寝台下段がRM46(約1300円)である。それぞれ8時間近い旅程にしては、格安この上ない。<br /><br />@マレーシアで初めて発券した切符

マレーシア−シンガポール、鉄道の旅

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2010/06/27 - 2010/06/28

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国電

国電さん

 数ヶ月前にマレーシアでの鉄道旅行を決め航空券を手配し、1ヵ月くらい前にインターネット(マレーシア鉄道公社:KTMB)で予約決済をしようとしたが、アップグレード中ということでシステムダウン中であった。せっかくの初マレーシア、鉄道の切符が取れなくては意味がない。そこで、英語などは大学入試以来ウン十年とご無沙汰だったが、ネットで英文レターの書き方をあれこれ調べ適当に書いてメールを送信したところ、数日後に返信があり無事予約することができた。
 予約完了のメールをプリントアウトし、クアラルンプールに到着した晩にクアラルンプール・セントラル駅(以下「セントラル駅」)で発券してもらい購入した。行程はシンガポールまでの往復、往路のファーストクラス(1等座席)がRM68(約1900円)、復路の寝台下段がRM46(約1300円)である。それぞれ8時間近い旅程にしては、格安この上ない。

@マレーシアで初めて発券した切符

旅行の満足度
4.0
観光
3.5
交通
4.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
鉄道

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  • ■6月27日<br /> チャイナタウンにある安宿を朝7時前に出発し、旧クアラルンプール駅などを観るために歩いてセントラル駅へと向かう。早朝だというのにハーフマラソン大会が行われていて、道路の半分はランナーで占められていた(しかし結果的にはこれが幸いした。車優先のマレーシアでは、上下合わせて6車線以上あって横断歩道のない道路を渡ることはできなかったであろう。マラソン大会のおかげで、無事に徒歩移動ができた)。<br /> セントラル駅は手狭になった旧駅の代わりに中枢機能を担っているところで、2001年に開業した駅である。駅構内には英語による表記もあるが、なぜか日本語の表記も多用されている。これはクアラルンプール七不思議の1つといえるが(残りの6つは知らない)、それほど多いとは言えない日本人観光客への案内にしては親切すぎるように思える。もしかしたら、この駅の設計が日本人の黒川紀章氏であることが影響しているのかもしれない(彼はクアラルンプール空港も設計している)。<br /><br />@なぜか日本語表記

    ■6月27日
     チャイナタウンにある安宿を朝7時前に出発し、旧クアラルンプール駅などを観るために歩いてセントラル駅へと向かう。早朝だというのにハーフマラソン大会が行われていて、道路の半分はランナーで占められていた(しかし結果的にはこれが幸いした。車優先のマレーシアでは、上下合わせて6車線以上あって横断歩道のない道路を渡ることはできなかったであろう。マラソン大会のおかげで、無事に徒歩移動ができた)。
     セントラル駅は手狭になった旧駅の代わりに中枢機能を担っているところで、2001年に開業した駅である。駅構内には英語による表記もあるが、なぜか日本語の表記も多用されている。これはクアラルンプール七不思議の1つといえるが(残りの6つは知らない)、それほど多いとは言えない日本人観光客への案内にしては親切すぎるように思える。もしかしたら、この駅の設計が日本人の黒川紀章氏であることが影響しているのかもしれない(彼はクアラルンプール空港も設計している)。

    @なぜか日本語表記

  • @電光掲示版は使われていなかった

    @電光掲示版は使われていなかった

  •  シンガポール行の急行SINARAN PAGIの出発予定時刻は8時25分である。まだ30分以上もあるため3階にあるファーストクラス専用の待合室へ入ろうとしたが、まだ鍵がかかっている。仕方なく2階にある待合室に座り、駅構内のコンビニで買ったナシゴレンを食べる。ナッツの風味や辛み調味料がちょうどよく、これで約50円以下はお買い得である。<br /> そのうちに案内のアナウンスが聞こえてきた。最初のマレー語は意味不明であったが、次の英語によれば出発が遅れて9時10分頃になるとのことである。理由までは聞き取れなかったが、運休になるよりはマシだろう。諦めて駅構内を適当に散歩する。ファーストクラスの待合室も開いたので、そこに入って読めもしない現地語の新聞を見る(写真と数字でサッカーのワールドカップの結果だけはわかった)。<br /><br />@ファーストクラス専用待合室(人がいない)

     シンガポール行の急行SINARAN PAGIの出発予定時刻は8時25分である。まだ30分以上もあるため3階にあるファーストクラス専用の待合室へ入ろうとしたが、まだ鍵がかかっている。仕方なく2階にある待合室に座り、駅構内のコンビニで買ったナシゴレンを食べる。ナッツの風味や辛み調味料がちょうどよく、これで約50円以下はお買い得である。
     そのうちに案内のアナウンスが聞こえてきた。最初のマレー語は意味不明であったが、次の英語によれば出発が遅れて9時10分頃になるとのことである。理由までは聞き取れなかったが、運休になるよりはマシだろう。諦めて駅構内を適当に散歩する。ファーストクラスの待合室も開いたので、そこに入って読めもしない現地語の新聞を見る(写真と数字でサッカーのワールドカップの結果だけはわかった)。

    @ファーストクラス専用待合室(人がいない)

  •  9時少し前に乗車のアナウンスがあったので、エスカレータでホームへと降りていく。ホーム自体はまだ新しいが、電源車から排出される煙が籠っていてかなり煙たい。先頭のディーゼル機関車などの写真を撮ってみたが、ただでさえ暗い構内、煙と車両の古さも加味されてあまり綺麗に写らなかった。<br /><br />@セントラル駅ホーム

     9時少し前に乗車のアナウンスがあったので、エスカレータでホームへと降りていく。ホーム自体はまだ新しいが、電源車から排出される煙が籠っていてかなり煙たい。先頭のディーゼル機関車などの写真を撮ってみたが、ただでさえ暗い構内、煙と車両の古さも加味されてあまり綺麗に写らなかった。

    @セントラル駅ホーム

  •  編成は、機関車+2等座席+2等座席+2等座席+2等座席+1等座席+電源車、であった。1両しかないファーストクラスを押さえてあるが、韓国の現代製の車両はかなりくたびれており、お世辞にも綺麗とは言い難い(各座席に電源コンセントのある新しい車両もあるらしいので、それは次回以降に期待したい)。席は3列(2列+1列)で運よく1人席になったが、窓との相性はあまり良くない位置になってしまい、残念ながら外は見にくい。<br /> 1等席の最前列には車掌たち(つまり複数人)の席となっているようだ。車掌2人以外にも、掃除のおばさんと他の業務を担当する若い男もいる。<br /> 9時11分に大きな笛の音がしたため、さてやっと出発かと思ったが、それは反対側のホームに停まっていたイポー行のシャトル列車の出発合図であった。連なっていた車両の後半くらいしか見ることができなかったが、車内はガラガラで回送のようであり、ドアも開いたままであった。<br /> 定刻より遅れること49分、9時14分に汽笛が鳴って出発した。しばらくは近郊列車と同じ路線上を走るため、通過する駅には乗客がちらほらと待っているのが見える。路盤の整備があまり良くないためか、分岐を過ぎる際などは特によく揺れる。関係あるのかどうかは不明だが、枕木は日本のそれと比べてかなり細い。<br /> 10時頃になると、雑務係(?)の若い男がミネラルウォーターとお菓子を配付し始めた。事前にネットで調べた際には小さいケーキのようなものということだったが、今回は袋入りのクッキーである。彼は停車駅で新しい客が乗ってくるたびに、プリントアウトされた紙を照合しながらそれらを配らなければならない。<br /><br />@今回のお菓子

     編成は、機関車+2等座席+2等座席+2等座席+2等座席+1等座席+電源車、であった。1両しかないファーストクラスを押さえてあるが、韓国の現代製の車両はかなりくたびれており、お世辞にも綺麗とは言い難い(各座席に電源コンセントのある新しい車両もあるらしいので、それは次回以降に期待したい)。席は3列(2列+1列)で運よく1人席になったが、窓との相性はあまり良くない位置になってしまい、残念ながら外は見にくい。
     1等席の最前列には車掌たち(つまり複数人)の席となっているようだ。車掌2人以外にも、掃除のおばさんと他の業務を担当する若い男もいる。
     9時11分に大きな笛の音がしたため、さてやっと出発かと思ったが、それは反対側のホームに停まっていたイポー行のシャトル列車の出発合図であった。連なっていた車両の後半くらいしか見ることができなかったが、車内はガラガラで回送のようであり、ドアも開いたままであった。
     定刻より遅れること49分、9時14分に汽笛が鳴って出発した。しばらくは近郊列車と同じ路線上を走るため、通過する駅には乗客がちらほらと待っているのが見える。路盤の整備があまり良くないためか、分岐を過ぎる際などは特によく揺れる。関係あるのかどうかは不明だが、枕木は日本のそれと比べてかなり細い。
     10時頃になると、雑務係(?)の若い男がミネラルウォーターとお菓子を配付し始めた。事前にネットで調べた際には小さいケーキのようなものということだったが、今回は袋入りのクッキーである。彼は停車駅で新しい客が乗ってくるたびに、プリントアウトされた紙を照合しながらそれらを配らなければならない。

    @今回のお菓子

  •  10時16分、近郊列車の終着駅であるセレンバンに到着。ホームにはそれなりに人がいるが、この列車に乗る人(つまり長距離で南下する人)は少ない。私が乗っていた1等車には、かなり体格の良い女性が子供と一緒に乗ってきた。<br /><br />@セレンバン駅と近郊列車のKTMコミューター

     10時16分、近郊列車の終着駅であるセレンバンに到着。ホームにはそれなりに人がいるが、この列車に乗る人(つまり長距離で南下する人)は少ない。私が乗っていた1等車には、かなり体格の良い女性が子供と一緒に乗ってきた。

    @セレンバン駅と近郊列車のKTMコミューター

  •  セレンバン出発後しばらくすると、列車はスローダウンし始めた。それも人が歩くような速度である。辺りはかなり大がかりな路盤の付け替え工事をしているようで、線路そのものを取り外して付け替えたり、駅を新設していたりの大規模な工事である。住居民族の関係か漢字の広告が多くなり、タイガービールのそれも目に入ってきた。海などが見えないためあまり変化の多くない車窓が続くが、それが影響してかしばらくウトウトとしてしまった。<br /><br />@大規模工事中(暑そう)

     セレンバン出発後しばらくすると、列車はスローダウンし始めた。それも人が歩くような速度である。辺りはかなり大がかりな路盤の付け替え工事をしているようで、線路そのものを取り外して付け替えたり、駅を新設していたりの大規模な工事である。住居民族の関係か漢字の広告が多くなり、タイガービールのそれも目に入ってきた。海などが見えないためあまり変化の多くない車窓が続くが、それが影響してかしばらくウトウトとしてしまった。

    @大規模工事中(暑そう)

  •  12時08分、定刻より遅れること44分で、イースト・コースト線が分岐するグマスに到着した。ジャングルを通り抜けて東海岸へ向かうこの路線は、来月にまた来て乗る予定である。構内には長い編成の貨物列車が停まっている。<br /><br />@グマス駅と貨物列車(ここも暑そう)

     12時08分、定刻より遅れること44分で、イースト・コースト線が分岐するグマスに到着した。ジャングルを通り抜けて東海岸へ向かうこの路線は、来月にまた来て乗る予定である。構内には長い編成の貨物列車が停まっている。

    @グマス駅と貨物列車(ここも暑そう)

  •  それから1時間ほど走ってラビス駅に近づくと、どうにも駅付近の雰囲気がそれまでと異なっている。構内には機関車数両と、さらには客車、これが貴賓車のようなものから座席、寝台と様々な車両が連なっていて、幟のような案内も見える。それの内容からすると、26日から28日にかけて鉄道関係のイベントをやっているようである。<br /><br />@ラビス駅(鉄道フェスタの様子はうまく撮れず)

     それから1時間ほど走ってラビス駅に近づくと、どうにも駅付近の雰囲気がそれまでと異なっている。構内には機関車数両と、さらには客車、これが貴賓車のようなものから座席、寝台と様々な車両が連なっていて、幟のような案内も見える。それの内容からすると、26日から28日にかけて鉄道関係のイベントをやっているようである。

    @ラビス駅(鉄道フェスタの様子はうまく撮れず)

  •  またしばらくウトウトしてしまい、14時55分にクライに到着した。しばらくそこで停車してから、なんと列車はスイッチバックをし始めた。マレーシア国内でスイッチバック駅など聞いたことがないので意外な驚きを感じていたが、列車はいったん戻った後、再びクライ駅構内へ向かってそれまで入線していた隣りの路線へと入っていった。そしてそれから10分以上も動かない。<br /> しばらくは意味がわからなくて、持て余した時間で入国カードの記入などをしていたが、この付近の路線が単線であることを思い出して理由がわかった。要するに、遅れているためにこの駅で対向列車との行き違いをすることにしたのだろう。そして乗客の乗降ができるホームが1面しかないから、一度ホーム側で停車して客扱いをして、それから線路だけの場所に移動したのだろう。案の定、15時10分くらいに、さきほどまでこちらの列車が停まっていたホームに対向列車が入ってきた。おそらくシンガポール発セントラル行のSINARAN PETANGが来たものと思える。<br /><br />@無事に行き違い

     またしばらくウトウトしてしまい、14時55分にクライに到着した。しばらくそこで停車してから、なんと列車はスイッチバックをし始めた。マレーシア国内でスイッチバック駅など聞いたことがないので意外な驚きを感じていたが、列車はいったん戻った後、再びクライ駅構内へ向かってそれまで入線していた隣りの路線へと入っていった。そしてそれから10分以上も動かない。
     しばらくは意味がわからなくて、持て余した時間で入国カードの記入などをしていたが、この付近の路線が単線であることを思い出して理由がわかった。要するに、遅れているためにこの駅で対向列車との行き違いをすることにしたのだろう。そして乗客の乗降ができるホームが1面しかないから、一度ホーム側で停車して客扱いをして、それから線路だけの場所に移動したのだろう。案の定、15時10分くらいに、さきほどまでこちらの列車が停まっていたホームに対向列車が入ってきた。おそらくシンガポール発セントラル行のSINARAN PETANGが来たものと思える。

    @無事に行き違い

  •  間が持たないので、トイレにも行ってみる。洋式もあって、座る場所に立たないような注意書きがあった(大昔の日本でもそういう注意書きがあったような気がする)。対向列車が走り去った後に、こちらもすぐに出発した。<br /> 15時45分、遅れは1時間7分に増え、ジョホール・バルに到着した。サッカーファンには馴染みの都市であるが、ここでしばらく停車してパスポートチェックを受ける。出国カードを提出するが、立ったまま車内で処理する係員はパスポートにはスタンプを押せない(そもそも持っていない)ため、日本からマレーシアへの入国時のスタンプの上にペンで日付などが書かれるだけである。自分の番が終わったため、ホームに降りてみたが特にすることもない。<br /><br />@ジョホール・バル駅ホーム

     間が持たないので、トイレにも行ってみる。洋式もあって、座る場所に立たないような注意書きがあった(大昔の日本でもそういう注意書きがあったような気がする)。対向列車が走り去った後に、こちらもすぐに出発した。
     15時45分、遅れは1時間7分に増え、ジョホール・バルに到着した。サッカーファンには馴染みの都市であるが、ここでしばらく停車してパスポートチェックを受ける。出国カードを提出するが、立ったまま車内で処理する係員はパスポートにはスタンプを押せない(そもそも持っていない)ため、日本からマレーシアへの入国時のスタンプの上にペンで日付などが書かれるだけである。自分の番が終わったため、ホームに降りてみたが特にすることもない。

    @ジョホール・バル駅ホーム

  •  全員のチェックが終わった後、列車は走り出して橋を渡って国境を超え、シンガポール入国審査をするウッドランドに到着した。ホームには犬がいたりするが、警官が連れていることからその意味は説明するまでもないだろう。<br /><br />@国境越え

     全員のチェックが終わった後、列車は走り出して橋を渡って国境を超え、シンガポール入国審査をするウッドランドに到着した。ホームには犬がいたりするが、警官が連れていることからその意味は説明するまでもないだろう。

    @国境越え

  •  タイミングが悪いと結構並ぶという話を聞いていたが、1等車の位置が一番後ろで入国審査の入口の目の前だったので、走ることもなく一番乗りができた。いつも通りの空港のような入国手続きを済ませ、荷物検査をしてロビーへと出るが、すぐには車両には戻れずにしばらくそこで待たされる。待合室からは出口につながる階段もあり、意外とここで降りてしまう乗客も多い。<br /> 全員の手続きが終わると、ホームへのドアが開かれて皆が元の車両に戻る。1等車内の乗客はかなり減り、もう数えるほどしかいない。列車はシンガポール国内を走るが、やはり背の高いビルが多い。<br /> SINGAPURAの駅名が見え、17時15分にシンガポールに無事到着した。ホームに降りて、さて先頭の機関車でも撮ろうとすると、もうすでに客車から外されて反対側へと走っていってしまった。<br /><br />@機関車はすぐにどこかへ

     タイミングが悪いと結構並ぶという話を聞いていたが、1等車の位置が一番後ろで入国審査の入口の目の前だったので、走ることもなく一番乗りができた。いつも通りの空港のような入国手続きを済ませ、荷物検査をしてロビーへと出るが、すぐには車両には戻れずにしばらくそこで待たされる。待合室からは出口につながる階段もあり、意外とここで降りてしまう乗客も多い。
     全員の手続きが終わると、ホームへのドアが開かれて皆が元の車両に戻る。1等車内の乗客はかなり減り、もう数えるほどしかいない。列車はシンガポール国内を走るが、やはり背の高いビルが多い。
     SINGAPURAの駅名が見え、17時15分にシンガポールに無事到着した。ホームに降りて、さて先頭の機関車でも撮ろうとすると、もうすでに客車から外されて反対側へと走っていってしまった。

    @機関車はすぐにどこかへ

  •  駅構内で日本円からシンガポールドルに両替し、市内での夕食等に備える。駅の建物は観光パンフレットにも載っているほど有名であり、室内や外観の装飾がとても瀟洒な感じである。<br /><br />@シンガポール駅

     駅構内で日本円からシンガポールドルに両替し、市内での夕食等に備える。駅の建物は観光パンフレットにも載っているほど有名であり、室内や外観の装飾がとても瀟洒な感じである。

    @シンガポール駅

  •  夕食等を済ませ、午後9時過ぎにシンガポール駅へと戻ってきた。すぐにはホームには入れないため、駅の売店で大きなミネラルウォーターを買ったりして準備をする。駅の有料トイレの入口に係員がいて、その机の上で猫が寝そべっていて可愛いが、トイレを使わないのに写真を撮りに行くのも気が引けるので、心の中にだけ映像を焼き付けておく。<br /> 21時30分過ぎに改札が開いたので、行列の後ろに付いて並んでホームへ入っていく。入ってすぐのところでマレーシア入国の手続きがある。そもそもマレー鉄道の設備は(当然このシンガポール駅も)マレーシア鉄道公社の所有物であるから、入国審査の施設があること自体は不思議なことではない。それより不可思議なことは、まだシンガポールの出国手続きをしていないということである(このことに関する詳細は各ブログ等で解説があるので、そちらをご参照ください)。いずれにせよ、ウッドランドへ行くまでは2つの国に同時に滞在していることになる。<br /><br />@国を出る前にもう一つの国に入っておく

     夕食等を済ませ、午後9時過ぎにシンガポール駅へと戻ってきた。すぐにはホームには入れないため、駅の売店で大きなミネラルウォーターを買ったりして準備をする。駅の有料トイレの入口に係員がいて、その机の上で猫が寝そべっていて可愛いが、トイレを使わないのに写真を撮りに行くのも気が引けるので、心の中にだけ映像を焼き付けておく。
     21時30分過ぎに改札が開いたので、行列の後ろに付いて並んでホームへ入っていく。入ってすぐのところでマレーシア入国の手続きがある。そもそもマレー鉄道の設備は(当然このシンガポール駅も)マレーシア鉄道公社の所有物であるから、入国審査の施設があること自体は不思議なことではない。それより不可思議なことは、まだシンガポールの出国手続きをしていないということである(このことに関する詳細は各ブログ等で解説があるので、そちらをご参照ください)。いずれにせよ、ウッドランドへ行くまでは2つの国に同時に滞在していることになる。

    @国を出る前にもう一つの国に入っておく

  •  パスポートの手続きを終えた後は、X線設備も何もないホームの上での原始的な荷物検査がある。大きなスーツケースのある人はそれを開けさせられていたが、いかにもな日本人でリュック一つしかない私を見た係員は、指差しで私の顔を指してから「行っていいよ」という感じでホームの先を指差した。<br /> ホームにはすでにくたびれた客車がたくさん並んでいる。編成は、機関車+個室寝台+2等座席+2等座席+2等座席+2等寝台+2等寝台+2等寝台+2等寝台+2等寝台+電源車、である。よそ様のサイトでは食堂車があるような日記を読んだことがあるが、どうやら外されて付いていないようである。いずれにせよ、翌朝の到着も朝早いから必要ないであろうが。<br /> 指定された車両に入って自分のベッドを探す。上段の番号はわかりやすいところに貼ってあるのだが、下段のそれが見つからない。あれこれ悩んでいると、近くにいたおばさんがマレー語で教えてくれた(マレー語は理解できないが、指差しの方向でわかった)。寝台は進行方向に向かって並列になっていて、下段は充分な高さもあるので室内で上体を起こすこともできる。日本の開放型A寝台ほどではないが(幅はそれより狭い)、料金が1等座席よりも格段に安いことを考えると、かなりのお買い得感はある。韓国現代製の車両は少しく古い感じが否めないが、シーツ等は清潔で、枕の大きさと上品さは確実に日本より勝っていると言える。<br /><br />@開放型の2段式寝台

     パスポートの手続きを終えた後は、X線設備も何もないホームの上での原始的な荷物検査がある。大きなスーツケースのある人はそれを開けさせられていたが、いかにもな日本人でリュック一つしかない私を見た係員は、指差しで私の顔を指してから「行っていいよ」という感じでホームの先を指差した。
     ホームにはすでにくたびれた客車がたくさん並んでいる。編成は、機関車+個室寝台+2等座席+2等座席+2等座席+2等寝台+2等寝台+2等寝台+2等寝台+2等寝台+電源車、である。よそ様のサイトでは食堂車があるような日記を読んだことがあるが、どうやら外されて付いていないようである。いずれにせよ、翌朝の到着も朝早いから必要ないであろうが。
     指定された車両に入って自分のベッドを探す。上段の番号はわかりやすいところに貼ってあるのだが、下段のそれが見つからない。あれこれ悩んでいると、近くにいたおばさんがマレー語で教えてくれた(マレー語は理解できないが、指差しの方向でわかった)。寝台は進行方向に向かって並列になっていて、下段は充分な高さもあるので室内で上体を起こすこともできる。日本の開放型A寝台ほどではないが(幅はそれより狭い)、料金が1等座席よりも格段に安いことを考えると、かなりのお買い得感はある。韓国現代製の車両は少しく古い感じが否めないが、シーツ等は清潔で、枕の大きさと上品さは確実に日本より勝っていると言える。

    @開放型の2段式寝台

  •  さてそろそろ出発であるが、この後にウッドランドで出国手続きがあるために、まだ寝るわけにはいかない。しかしシンガポール市内の屋台でのビールが効いてどうにも眠かったので、しばらくウトウトとしてしまった。<br /> ふと起きるとちょうど車内検札で車掌が近くに来ていた。私の切符を見てから車掌は、「ウッドランドで一度降りないといけないよ」と教えてくれたので、往路と同じように「荷物も?」と聞いたら「いや、パスポートだけでいい」とのこと。そういえば、荷物検査はシンガポール駅でパスしていたのだった。<br /> 列車が減速して停車してから、眠い目をこすりながらウッドランド駅のホームに降り立つ。こんな面倒な手続きでなく、乗車後すぐに寝られるようにすべきとは思うが、両国の思惑等があることだから仕様がないのであろう。パスポートだけの事後的な出国手続きを済ませ、やっとマレーシア「だけ」の滞在となった。<br /> 往路と同じように待合室で待たされていたが、入国検査の警備員が控室から出てきて手にしているのは、紛れもないタブレット(鉄道に詳しくない人にとっては意味不明であろうが、これは線路が単線での閉塞区間で、列車衝突を避けるために使用するもの)である。目も覚めてしまってどうしても写真を撮りたくなったが、イミグレーションという場所柄撮影はご法度であるため、しぶしぶ諦めた(シンガポール駅でのトイレ猫と同様に、心の中にだけ焼き付けた)。<br /> しばらくしてホームへのドアが開放され、乗客はめいめい自分の場所へと戻る。ホームのすぐ向こう側は住宅街で、夕方に通った際には小さい子供たちがこちらを覗きこんでいた場所であるが、よくよく見てみると円形に渦巻いた有刺鉄線で取り囲まれていることに気付く。<br /> さて、あとは寝て朝を待つだけである。車内は騒がしいという噂を聞いていたが、満席の割には皆おとなしくて静かである(たまたまそういう車両だったのかもしれないが)。それよりは、路盤が良くないためか左右にかなり揺れる方が気になってしまう。<br /><br />■6月28日<br /> 東南アジアでは有名な「効きすぎる冷房」も、寝台のカーテンを閉めるとまったく気にならない程度であった。目が覚めるともう5時過ぎであり、夜明け前の暗闇を走行している。5時54分には到着時間等を知らせる車掌のアナウンスがあった。<br /> 駅名標なども見えるようになってきて、ふと見るとカジャン駅である。時刻は朝6時4分、遅れは13分だけである。<br /> しばらくして、遅れを少しだけ取り戻しながらセントラル駅へと着いた。駅構内は、朝早いというのに混雑している。駅の構造が自然光を取り入れる形になっているため、まだ全体的に薄暗い。<br /> 車両にちゃんとした洗面所がなかったため、事前に調べておいた駅構内の有料シャワールームへと向かった。<br /><br />@帰りの飛行機が深夜発のため、マラッカへ日帰り観光(こんなものが展示されている)<br /><br />*旅行記および私の詳細については以下で。<br />「鐡旅」http://www2u.biglobe.ne.jp/~kokuden/tetu.htm

     さてそろそろ出発であるが、この後にウッドランドで出国手続きがあるために、まだ寝るわけにはいかない。しかしシンガポール市内の屋台でのビールが効いてどうにも眠かったので、しばらくウトウトとしてしまった。
     ふと起きるとちょうど車内検札で車掌が近くに来ていた。私の切符を見てから車掌は、「ウッドランドで一度降りないといけないよ」と教えてくれたので、往路と同じように「荷物も?」と聞いたら「いや、パスポートだけでいい」とのこと。そういえば、荷物検査はシンガポール駅でパスしていたのだった。
     列車が減速して停車してから、眠い目をこすりながらウッドランド駅のホームに降り立つ。こんな面倒な手続きでなく、乗車後すぐに寝られるようにすべきとは思うが、両国の思惑等があることだから仕様がないのであろう。パスポートだけの事後的な出国手続きを済ませ、やっとマレーシア「だけ」の滞在となった。
     往路と同じように待合室で待たされていたが、入国検査の警備員が控室から出てきて手にしているのは、紛れもないタブレット(鉄道に詳しくない人にとっては意味不明であろうが、これは線路が単線での閉塞区間で、列車衝突を避けるために使用するもの)である。目も覚めてしまってどうしても写真を撮りたくなったが、イミグレーションという場所柄撮影はご法度であるため、しぶしぶ諦めた(シンガポール駅でのトイレ猫と同様に、心の中にだけ焼き付けた)。
     しばらくしてホームへのドアが開放され、乗客はめいめい自分の場所へと戻る。ホームのすぐ向こう側は住宅街で、夕方に通った際には小さい子供たちがこちらを覗きこんでいた場所であるが、よくよく見てみると円形に渦巻いた有刺鉄線で取り囲まれていることに気付く。
     さて、あとは寝て朝を待つだけである。車内は騒がしいという噂を聞いていたが、満席の割には皆おとなしくて静かである(たまたまそういう車両だったのかもしれないが)。それよりは、路盤が良くないためか左右にかなり揺れる方が気になってしまう。

    ■6月28日
     東南アジアでは有名な「効きすぎる冷房」も、寝台のカーテンを閉めるとまったく気にならない程度であった。目が覚めるともう5時過ぎであり、夜明け前の暗闇を走行している。5時54分には到着時間等を知らせる車掌のアナウンスがあった。
     駅名標なども見えるようになってきて、ふと見るとカジャン駅である。時刻は朝6時4分、遅れは13分だけである。
     しばらくして、遅れを少しだけ取り戻しながらセントラル駅へと着いた。駅構内は、朝早いというのに混雑している。駅の構造が自然光を取り入れる形になっているため、まだ全体的に薄暗い。
     車両にちゃんとした洗面所がなかったため、事前に調べておいた駅構内の有料シャワールームへと向かった。

    @帰りの飛行機が深夜発のため、マラッカへ日帰り観光(こんなものが展示されている)

    *旅行記および私の詳細については以下で。
    「鐡旅」http://www2u.biglobe.ne.jp/~kokuden/tetu.htm

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