1957/02/01 - 1957/02/01
348位(同エリア434件中)
ソフィさん
1957年2月1日(金)
奥只見の冬は、雪の本場だけあって、これでもかこれでもかと、雪が降り続く。
まるで空の底が抜けたかのようだ。
窓の隙間から吹き込む粉雪は枕元の机上に積り、ミカンは凍ってしまう。
遊びに出かけるところもなく、毎日寝室、食堂、工事区を、雪を掻き分けながら往き来するだけだ。
そうした単調な日常の中で、雪崩やトンネル現場の落盤で死亡事故が相次ぐ。
当時工事現場の事故死は、工事費1億円当たり1人と言われた。
私の担当する第二工区でも、ひと冬に合計5人が死んだ。
楽しみは、宿の妙齢の娘さん相手の、カルタ取りだった。
力量が伯仲しているので、負けてはならじと、真剣勝負だった。
この辺りは桐の産地で、取り札も桐で出来ている。
それを「ハイ」と、広い座敷の壁にまで飛ばすものだから、もの凄い迫力である。
突貫工事は、豪雪にめげることなく、着々と進められた。
しかし隣工区の作業現場の立会人はサボって、吹雪を避け、こっそりと飲み屋で焼酎を傾けているという噂を耳にする。
だがそれを注意しようとする人は、誰もいない。
毎日の雪にウンザリして、元気を失っているからだ。
隣工区には、静岡県の秋葉ダム工事現場で、全国に悪名を売った前科者ばかりの飯場が来ていて、飲み屋まで秋場ダムからそっくりやって来ていた。
そんな暗く閉ざされた日常生活に、朗報が近付いていた。
第3工区のトンネルの開通が、間近に迫って来たのだった。
開通祝いに何がいいだろうかと皆で相談の末、スキヤキに一決する。
スキヤキの肉は、会津坂下まで出て、最上級のものを買うことに決まった。
この記事は「ソフィーさんのマイページ」(訪問59カ国、文章1,750件 写真8,000枚)、には掲載されません。
http://4travel.jp/traveler/katase/
スイスの写真が美しい「片瀬貴文さんのマイページ」(文章625件 写真2,400枚)マッターホルンは、ゴルナーグラート鉄道の各駅で下車しながら、移りゆく姿を捕らえました。
http://4travel.jp/traveler/takafumi/
ブログの作成日順に並んでいる、文章主体の「片瀬貴文の記録」(文章1,800件)
http://blog.alc.co.jp/d/2001114
旅行記以外の記事は「ソフィーさんのマイページ」に掲載せず、このブログに載せますので、ご来訪をお待ちします。
(片瀬貴文 2010.12.16)
- 交通手段
- JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
0