2010/09/24 - 2010/09/24
676位(同エリア928件中)
もろずみさん
5月には藤原京跡を中心に大和三山を踏破しました。
その続きで、さらに時代を遡って飛鳥京へ。
時代が古くなればなるほどミステリアスになります。
中大兄皇子が蘇我入鹿を討った大化の改新も、その現場となったのはどこなのか?
事件の背景も登場人物の性格や思想も遠い歴史の彼方、あるいは地面の下。
今なお発掘が続いていて、新たな発見がある飛鳥は古代史ロマンのふるさとです。
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
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スタートは樫原神宮前。
駅からは前回とは逆の東へと歩き始めます。
少し歩けば町並は途切れ、やがて万葉歌碑の建つ剣池に出ます。
『軽の池の 浦廻(うらみ)行き廻(み)る 鴨すらに
玉藻(たまも)のうへに 独り宿(ね)なくに』 (紀皇女) -
軽の池が剣池のことかどうかは疑わしいです。
「軽」は蘇我氏の聖地を指すということで、この辺りが本拠であったことは間違いなさそうです。
何しろ遠い昔のこと。何にも残ってません。 -
続いて現れるのが和田池。
歴史的には何もない灌漑用溜池ですが、竜神でも棲んでいるような雰囲気があります。 -
池から回り込むと昔から何も変わってないような風景が広がっています。
-
日本で最初に仏像が置かれたお寺「向原寺」。置いたのは蘇我稲目です。
この地は推古天皇の即位した豊浦の宮跡でもあります。
年表を書かないとわかりにくいですが、向原寺の起こりが552年、推古天皇即位が592年。
この時から飛鳥時代が始まります。 -
さて推古天皇を戴いた蘇我馬子が飛鳥時代幕開けの立役者です。
謀略を積み重ねて権力を集中させていきました。
馬子の跡を継いだのが蘇我蝦夷とその子の入鹿で、甘樫丘に邸を築きました。
登ってみれば要塞です。 -
歴史はさておき、甘樫丘からは大和三山が一望できます。
北に見えるは耳成山。 -
西には畝傍山。
眼下には先ほど通った和田池が見えます。 -
東には天香久山。
飛鳥随一の展望スポットですね。
さらに心地よい風が渡っていきます。
これが歌に詠まれた「明日香風」? -
そして南には飛鳥古京が一望できます。
もっとも藤原京以前の宮は転々としたので、掘ればいずれかの宮跡が出てくるというくらいのものです。 -
飛鳥京に向かって丘を下っていきます。
萩が花を咲かせていました。 -
丘を下った所に早速遺跡があります。
これは水落遺跡という中大兄皇子がわが国で初めて造らせた水時計の跡。
1350年ほど前のことです。 -
観光地ですが平日なので数える程しか人はいません。
バスで回っている人は町並を歩きませんからね。
こういう所は地図を片手に歩くのが一番。 -
道の突き当りのこんもりした森が飛鳥座神社です。
ちょっと読めないけど「あすかにいますじんじゃ」と読みます。 -
では石段を登って行きます。
この山は飛鳥の神奈備山といわれる鳥形山。 -
なかなか重厚で立派な社殿。
土地が土地だけに創建は神話の時代らしいです。
どうやら伊勢神宮にも祀られている神様たちの社で、元伊勢とも呼ばれているらしい。
天皇系の天津神に征服された土着の国津神のようです。 -
ここでひと休み。
今回は彼岸花いっぱいの飛鳥の里を期待していたけど遅れているみたい。
こうなると史跡巡り中心になりそうです。 -
気を取り直して飛鳥寺へ。
蘇我馬子が588年に創建した蘇我氏の氏寺です。
日本最古の本格寺院である法興寺が前身だったという説があります。
法興寺は平城京に移って今の元興寺であるわけで、その辺の詳細は謎。 -
伽藍は鎌倉時代にほとんど焼失したので、中金堂跡に建つ本堂は江戸末期の建物。
中には重文の飛鳥大仏がおわします。お顔は典型的な飛鳥仏。
補修を重ねた釈迦如来坐像は鞍作鳥の作といわれ、国産で最古の仏像ですがどこまでオリジナルなのでしょう? -
境内には山部赤人の万葉歌碑。
と言っても長歌なので書き写すこともせず。 -
境内を出て少し離れた所に蘇我入鹿の首塚があります。
宮で討たれた入鹿の首だけが飛んで来たという言い伝えがあります。
まぁ、今は寺の外ですが、当時は境内だったのでしょう。
背後の森が邸宅のあった甘樫丘です。 -
首塚は広々とした所にポツンとあるのが印象的。
この辺の田んぼの畦は彼岸花で縁どられています。
あと一週間で満開というところかな。 -
飛鳥寺を後にして田んぼを眺めながらしばらく行くと明日香民俗資料館。
築300年の茅葺古民家を移築してあるけど、周囲の景色が変わってないので他の町の移築建築ほど感動はありません。 -
その隣が万葉文化館です。
館内展示のテーマはもちろん万葉集ですが、広い庭園にいくつも万葉歌碑が点在しているのでそれで十分かな。(^^; -
中にはレストランもあり、せんとくんがお出迎え。
ところが予約貸切で入れず。
結局入館は見合わせました。 -
そうそう。庭には万葉植物も数多く植えられているようです。
季節によっては花目当てに散策するのも良いかも知れません。
やはり春だな。 -
飛鳥は広いのでテーマを絞って見所をチョイスしないと一日では無理。
今回はやはりお寺と仏像目当てなので、酒船石遺跡の亀形石造物はちらりと樹間から眺めるだけにしました。 -
その割には酒船石はしっかりと見て行きます。
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小さな丘を越えると伝飛鳥板蓋宮(いたぶきのみや)遺跡。
例によって想像するしかありませんけど。 -
飛鳥板蓋宮は大化の改新の舞台となった場所です。
この時代は頻繁に宮を遷したので、この場所は飛鳥岡本宮、後飛鳥岡本宮、飛鳥浄御原宮(きよみはらのみや)など4層が重なっています。
こういうのを歴史の厚みというのでしょう。 -
想像力を駆使しても板蓋宮は姿を現さず。
もっとも藤原京に都を遷した直後もがらんとした光景だったようです。
そんな都を懐かしむ万葉歌碑が建ってます。
『采女(うねめ)の 袖吹きかへす 明日香風
都を遠み いたずらに吹く』 (志貴皇子)
やっと飛鳥巡りも半分。
長くなるので旅行記を分けて後編に続きます。
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