2002/09/23 - 2002/09/23
365位(同エリア6880件中)
エンリケさん
旅行9日目(バルセロナ3日目)。
バルセロナはガウディをはじめとする芸術的なモデルニスモ様式の建築群や、ピカソやミロなど独創的なアーティストの美術館があふれる大観光都市。とても一日や二日では見足りません。
この日はサグラダファミリアやカサ・ミラ以外にも魅力的なガウディの建築群や、彼と同時期のモデルニスモ建築家、ドメネク・イ・モンタネールのサン・パウ病院を見て回ります。
なかでも、グエル別邸のドラゴンの門と闇に浮かぶサグラダファミリアの姿は、まるで魂をもって生きていると思えるほど躍動感があり、その場にしばらく惹きつけられました。
<旅程表>
2002年
9月15日(日) 成田→アムステルダム→ニース
9月16日(月) ニース→エズ
9月17日(火) エズ→アンティーブ
9月18日(水) アンティーブ→マルセイユ→アルル
9月19日(木) アルル→アヴィニョン
9月20日(金) アヴィニョン→ポンデュガール→ニーム→モンペリエ
9月21日(土) モンペリエ→バルセロナ
9月22日(日) バルセロナ
○9月23日(月) バルセロナ
9月24日(火) バルセロナ(メルセ祭)→フィゲラス→バルセロナ
9月25日(水) バルセロナ→アムステルダム→
9月26日(木) →成田
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- KLMオランダ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
9月23日(月)
バルセロナ3日目。
これまでガウディの代表作サグラダファミリアやカサ・ミラ、カサ・バトリョを見てきましたが、バルセロナにはまだまだたくさんの見どころがあります。
この日はまず、カタルーニャ広場からランブラス通りを南に行ったところにあるグエル邸へ。
途中にあるサンジョセップ市場(Mercat de Sant Josep)へも立ち寄ってみました。
迷子になりそうなほど大きい倉庫状の建物の中に、肉や魚、野菜、果物など様々な食材を売る店が並び、朝からたくさんの人でにぎわっています。まさに“バルセロナの胃袋”。
さて、グエル邸はランブラス通りから少し横道に入ったところにあるのですが、着いた時にはすでに長い行列ができていました。
当然ながら並んで待ちます。
数十分待ってやっと中に入れたと思ったら・・・建物の中にも行列ができていました。。
こうして見るとバルセロナはガウディのテーマパークとも言え、その建築物に入るにはディズニーランドのように行列を覚悟しなければなりません。
そして正午をまわってようやく内部見学の順番がまわってきました。
内部は撮影禁止で、アラブ風のレンガでできた地下室(厩舎)や木彫の家具をそろえた居室などがあり、薄暗くところどころライトアップされていて、オシャレな飲み屋のような雰囲気。屋上へ出てみると奇妙な形をした煙突(排気口)が並んでいます。ここでやっとガウディっぽい感じに。 -
屋上の中央にはこんなひときわ大きい塔があります。
このグエル邸(Palau Guell)は、ガウディが実業家エウセビ・グエル伯爵からの依頼で設計し、1886年から1890年にかけて建造されたもので、ガウディ初期の傑作のひとつとされています。
1984年に“バルセロナのグエル公園、グエル邸、カサミラ”の名称で世界遺産登録され、2005年にはサグラダファミリアやカサ・バトリョとともに“アントニ・ガウディの作品群”として拡張登録されています。 -
煙突はひとつひとつ形が違っていて、比較してみると面白いです。
-
こんなカラフルなものも並んでいます。
鮮やかな色にはタイルが使われています。 -
こちらの煙突は鮮やかな緑色がきれいです。
ガウディはタイルの使い方が上手いですね。
ただ、グエル邸は旧市街の中にあるので周りの景観がちょっと残念。。 -
屋上からはゴシック地区にあるカテドラル(サンタエウラリア大聖堂)の尖塔も見渡せます。
・・・こうして旧市街の景観を見ると、華やかな大観光都市バルセロナは、一面、まだまだ貧しい街であることを感じさせます。
ガイドブックにもひったくりや強盗に対する注意喚起がされていますし(幸いにも自分はそのような危険を感じることはありませんでしたが。)。
現在はどうなっていることでしょうか。
なお、このグエル邸は2004年10月から始まった大規模な改修工事のため、2010年現在屋上は見学できないようです。 -
続いてカサ・ビセンス(Casa Vicens)へ。
グラシア通りを北西にいったところにある地下鉄フォンタナ(Fontana)駅の近くにあります。
歩いていると普通の住宅街の中に突然アラビアチックな赤と緑の市松模様の建物が現れびっくり。
色遣いの点でカサ・ミラやカサ・バトリョより奇抜な印象・・・でもほかの人は何事もないように通りすぎていきます。
地元の人にとっては街にとけこんでいる当たり前の風景なんでしょうね。 -
これまで見てきたサグラダファミリアやカサ・ミラが曲線をふんだんに用いていたのに比べ、カクカクした直線的なところがあまりガウディっぽくないですが、見上げると屋根についている奇妙な形の塔がガウディを感じさせます。
しかし通りが狭いので、建物全体がカメラに収まりきれません。
カサ・ビセンスは、ガウディが実業家マヌエル・ビセンスの依頼により設計し、1883年から1885年にかけて建造されました。
ガウディ初期の代表作のひとつで、アルハンブラ宮殿やムデハル様式といった、イスラム建築の影響を強く受けています。 -
塔をズームアップしてみました。
ここもきちんと市松模様になっていますが、よくみるとところどころ規則的に花をあしらった柄がほどこされており、何だかメルヘンチックでかわいらしいです。
なお、このカサ・ビセンスも、他のガウディ作品同様、2005年に“アントニ・ガウディの作品群”としで世界遺産登録されました。 -
庭には南国風のヤシも植えられていて、まさにアラビアンな雰囲気です。
こんな家だと住んでいる側はプレッシャーがかかりますね(笑)。 -
入口のドアや左側のランプ(?)もアラビアチックでオシャレな感じです。
カサ・ビセンスは建築主がタイル業者だったため、タイル張りの壁となっていますが、このタイルも近くで見ると花柄が細かく鮮やかでまたオシャレです。
ちなみに、カサ・ビセンスは個人宅のため普段は非公開(外観のみ見学可)となっていますが、この年(2002年)はガウディ生誕150周年の記念イベントとして、内部を一部見ることができました。
撮影禁止だったので写真は残っていないのですが、ガウディのほかの作品の印象が強すぎて、これについて特に印象に残るものはありませんでした。 -
次にグエル別邸へ。
地下鉄パラウ・レイアール(Palau Reial)駅から歩いて数分の所にあります。
ガウディの奇抜な作品などありそうもない閑静な住宅街を歩いて行くと・・・一風変わった建物が見えてきました。
門の中央には・・・。 -
なんとドラゴン!
色といい骨格といい、本当にこんな爬虫類がいそうに思えるほどリアルにつくられています。
まさに番犬ならぬ番龍。
ガウディ作品の中ではマイナーな方かもしれませんが、ちょっとドッキリなリアルさにおススメのスポットです。
このグエル別邸(Finca Guell)は1884年から1887年にかけて建てられたエウゼビ・グエル伯爵の夏の別邸で、ガウディとエウセビ・グエルが初めて手を組んだ作品です。
入口門扉の印象的な鍛鉄彫刻のドラゴンは、ガウディがデザインし、バルセロナの工房バジェット・アンド・ピケが制作、1885年に完成しました。
当時は様々な色で塗られ、仕掛けにより動いたそうです。
でも、こちらの色の方がリアルな爬虫類っぽさを出していていいですね。 -
ドラゴンに近づいてみました。
本当にリアルで、今にも鳴き声を上げ、動き出してかみついてきそうです。
グエル別邸は現在は守衛小屋と厩舎、門が残されているのみで内部見学はできません。
しかし、この印象的な門を見られただけでも大満足でした。 -
続いてグエル別邸か少し歩いたところにあるミラーリェス邸の門へ。
なんとも奇抜な、やわらかいゴムのような印象の門が見えてきました。
この門と塀は、1901年にガウディの友人で印刷、製本などを手がける出版業者ミラーリェスの別邸の門塀としてデザインされたもので、鉄骨の骨組みにレンガで形を整え石張りで仕上げられています。
現在はミラーリェス邸はなく、単なる(?)アパートへの出入口になっていますが、アーチ屋根の下にはガウディの業績を記念して彼の像が立っており、一目で彼の作品とわかるようになっています。
・・・そんなことをしなくても目の肥えたひとならすぐ分かりますよね(笑)。 -
さて、19時をまわってだんだん日が落ちてきましたが、ここは貪欲にもうひとつサン・パウ病院(Hospital de Sant Pau)をまわります。
1902年から1930年にかけて建築された今も現役の病院で、設計はモデルニスモ建築家であるリュイス・ドメネク・イ・モンタネール(Lluis Domenech i Montaner、1850年〜1923年)が手がけています。
1997年、彼のもうひとつの作品であるカタルーニャ音楽堂とともに“バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院”としてユネスコの世界遺産に登録されました。
この写真は病院の入口に過ぎず、中に入るとその広大な敷地内にいくつもの芸術的な建築物が立ち並んでおり、あちこち目を奪われます。 -
入口の建物を見上げてみます。
この赤いレンガ造りの建物は、イスラム風建築のムデハル様式を取り入れていて、建設当時は(時代の先を行きすぎていた)ガウディ以上に評価が高かったそうです。
ちなみに、ドメネク・イ・モンタネールはその才能から若くしてバルセロナ建築学校の教授になったのですが、その教え子のひとりにアントニ・ガウディがいたそうです。 -
入口の建物をくぐって病院の敷地内に入ってみました。
本当に病院とは思えないほど美しい建物が並んでいます。
これなら脳が刺激されて病気の回復も早そうですね(笑)。
【サン・パウ病院HP】
http://www.santpau.es/ -
観光客も特に制限なく敷地内を散歩できるのがこの病院のスゴイところです。
市民の散歩の場所ともなっていそうですね(笑)。
サン・パウ病院は均整のとれた美しさがあって、ガウディの作品と違ってヘンに心を揺り動かされない、心が安静でいられる、そんな感じがします。 -
サン・パウ病院の美しい建築群に心を平穏にさせられて外に出てきました。
ふと前方を見ると、来たときは気づきませんでしたが、真っすぐのところにサグラダファミリアの8本の塔が見えます。
まるでここに入院していた患者が退院したときにサグラダファミリアが目に入るよう考えて設計されているようです。
人生立ち直った時にサグラダファミリアの壮麗な姿が目に飛び込んでくると、神に祝福された気持ちになりますよね。 -
20時をまわってついに日が落ちてしまいました。
前日まではサッカー観戦に行ったりバルで酔っぱらっていたり(笑)して、ろくに夜景も見ていなかったのですが、バルセロナ滞在もあとわずかなのでこの日は貪欲に見て回ります。
まずはカサ・ミラへ。
今も現役の住居らしくところどころ明りがついています。
はでにライトアップされていないところが“石切り場”っぽく見えますね。 -
昼は観光客であんなに賑わっていたカサ・ミラも夜はひっそり、普通の住居然としています。
のぞき見している怪しい人物と思われないうちに次へ急ぎます(笑)。 -
参考までに普通の建物も撮ってみました。
こうしてみるとガウディの建築物の特異さがいっそうよく分かりますね。 -
カサ・バトリョです。
こちらは人が住んでいないので、周りの建物が暗い中ひときわ明るくライトアップされており、遠くからでもよく目立ちます。
光に照らされた青い屋根と白壁に映える模様が幻想的で、地中海の輝く青い海を表しているようです。 -
下では観光客など行き交う人が足をとめて、その美しいライトアップされた姿を見上げています。
-
こうしてみると、なんだか人間の顔のようにも見えますね(笑)。
-
真下から見上げる姿も、壁面のパステルカラーが映えて幻想的です。
-
もう一枚パチリ。
何度撮っても見飽きない、魅力的な建物です。 -
この日の観光の最後はやはりサグラダファミリアへ。
地下鉄駅を出ると、目の前に神々しくライトアップされた姿が。
サグラダファミリアは期待を裏切りません。 -
内部は怪しく緑に輝いており、何か生き物のようにさえ見えます。
そう、“風の谷のナウシカ”に出てくる“巨神兵”のような印象です。 -
近くでは全景がカメラに収まらないので、目の前の公園に行ってパチリ。
この公園は夜は強盗が出るとか言って、ガイドブックに散々おどされていましたが、何事もなく撮影できました。
ちょっとビクビクして手ぶれになってますが(笑)。 -
中央の“聖母マリアの戴冠”を中心にズームアップ。
その堅牢で怪しい光を放つ姿は、本当に巨神兵のようです。
もちろん、“邪悪な”、という意味ではなく、“圧倒的な神の力を感じる”、という意味で。
(当然サグラダファミリアの方が芸術として先なのですが、アニメにかぶれた日本人の表現としてお許しを。) -
最後に、地下鉄駅に入る前にパチリ。
気付くと23時30分、サグラダファミリアの夜景だけで30分も見とれてしまいました。
この日は夜遅くまで歩き回ってくたびれましたが、ガウディの主な作品は夜景も含め目に焼き付けることができ、あとは思い残すことなく観光できそうです。
(バルセロナ観光4日目(メルセ祭)に続く。)
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