四川省の旅④ 公共バスで、雅安、九寨溝・黄龍、松藩、楽山【九寨溝】

2010/07/22 - 2010/08/02

□6日目・7/27（火）九寨溝一日観光
紅叶青年旅舎（100元）泊／九寨溝

朝6時に起床。九寨溝のゲートが開く７時少し前に入場券売り場に並んだ。
戸が開くと同時にチケット（220元・乗り放題バス代90元）を購入し、直ちにバスに乗り込んで「日則溝景区」の奥「原始森林」に向かった。
空気が澄み渡り太陽が顔を出している。
旅行６日目にして初めて観る太陽であり、幸福感が満ちてきた。
バスの窓外には鏡面のような湖水に山々が映し出され、人影のなさもあって神秘性が漂う。

※五花海

エリア 九寨溝(中国)

6時50分。
入場券売り場が開場されるのを待つ。
30人ほどが並ぶ。

「芳草海」はバスの車窓からながめ、「箭竹海」から降りて見て回った。


※箭竹海

水面に映し出された青い空は絶品だった。写真に撮ると実際の空は強い明るさのため白く色が飛ぶが、水面の空は逆に本来の青みが出ている。

※熊猫海瀑布

「熊猫海瀑布」を経由し遊歩道を歩いて「五花海」に至ると、木の間に出来た水際に人だかりが出来ている。
みんな水のブルーに驚嘆しているのだ。

石灰物質が創り出した天然のアートとも称すべき光景が目の前に広がっていた。

池は、周囲の木々、山々、青い空を取り込み、

息を飲むほど美しい。

遊歩道近くのそこかしこに、
秀明菊や可憐な野の花が咲き乱れ、つい足をとめて魅入った。

展望台ではチベット族の衣装をレンタルして写真を撮る観光客、

そして結婚式前撮りのカップルもいて、混雑していた。

カメラマンの他に照明助手やスタイリストも同行していて本格的な撮影会だった。

五花海を背景にウェデングドレスの白が映えて美しかった。

水面近くには小魚が泳いでいたが、

まるで空中を浮遊しているようだ。

※珍珠灘瀑布

「珍珠灘瀑布」の飛沫を楽しみ、諾日朗の観光センターに戻ったが、昼時のセンター界隈は大変な人だかりで、熱気ムンムン。
長居は無用と、バスを乗り換えて、

「則査窪溝景区」の奥「長海」に向かった。
こちらの景区も奥が深く20分ほどバスに揺られただろうか。

3100mの高見にある「長海」は堂々とした風格のある佇まいを見せていた。
木立と湖、そして山々とのバランスがよく構図に安定感があった。

※長海

真上から降り注ぐ強い日差しは実に強烈、しかし日陰のほとんどはチベット衣装をレンタルしているおばちゃんたちが独占していて、休む場所がなった。
目をつけたのが、展望台の向こうに見えたタルチョあたり、道ばたの石畳に座り靴をぬぎ、持参していたビスケットを食べた。
足を伸ばして体を横たえた。タルチョが長海からの風をはらんでたなびく。その祈りの旗音を子守歌にしばしまどろんだ。
sutarimosutoも熟睡。
疲れを癒した至福の時間であった。

森の中に作られた遊歩道を下って「五彩池」に向かった。
この池の色彩はなんと形容して良いか。

自然が包含する分子の希有な結びつきが不可思議な景観を作り出したのだが、人工に色づけしたような色合いで落ち着かなかった。

観光センターにもどり、「樹正溝景区」に入った。

「樹正群海」の鳥瞰図は実に美しかった。

チベットの村人が営む土産物屋をのぞいた。「九寨溝」とは九つの村がある溝という意味であり、この景区内には他にも村が点在している。



午後4時出口に。およそ9時間滞在したことになる。
見所満載の「国家級風景名勝区」であった。

バスターミナルで、明日の「黄龍」行きを求めたが、残念ながら満席。朝１本しかないため売り切れは早いのだろう。「松藩」行きをなんとかゲットして一安心。ここに行けば「黄龍」に行けるだろう。

夕飯の後、チベツトの歌と踊りをみせる「蔵王宴舞」をとりあえずチェックしたが、10分後の19時30分から始まるという。タイミングが良いので、チケット（150元）を購入して入場した。

中程の席でステージに近くなく遠くなく、程なく場内はツアー客でほぼ満席となって幕が上がった。
座席の前に茶碗が置かれていて、少量の白酒が入っていたが、開会に先立ち全員起立して乾杯。

舞台は歌あり民族舞踊ありで盛りだくさんで、観客の乗りもよい。独唱になると客が歓迎の「カタ」（白いレイ）を歌手の首に巻こうとして大挙ステージに登り、警備員が整理する始末。

中国版紅白歌合戦に出たという人気のスマップ風若者グループもなかなか見応え、聴き応えがあった。
幕間には、客が壇上に上がって腰に綱を回して引きあう楽しい時間もあって、観客席は終始盛り上がり爆笑に包まれた。

九寨溝の余韻に浸りながら、楽しいステージを観ることが出来て、幸福感に満ちた。
素晴らしい一日だった。