2010/08/01 - 2010/08/01
100位(同エリア194件中)
sakaikazunoriさん
- sakaikazunoriさんTOP
- 旅行記25冊
- クチコミ5件
- Q&A回答1件
- 36,099アクセス
- フォロワー11人
滋賀県・湖北地方は、白州正子や井上靖などに拠るまでなく、古来より十一面観音像を始めとした純朴な信仰の残る土地柄です。
ただ、集落の人が大事に継承してきているため、普段は拝観がなかなか困難なのですが、年に一度、8月第一日曜の「観音のさとまつり」だけは格別で、集落の小さなお堂に至るまで「ようお参りやす」と大歓迎されます。
その機を利用して、あちこちと巡って来ました。
理覚寺、井口・円満院、保延寺観音堂、保延寺阿弥陀堂、雨森観音堂、石道寺、己高閣世代閣、赤後寺、横山神社、西野薬師堂、そして締めは渡岸寺。
このうち、印象的なところをいくつかアップしました。
▼奥びわ湖観光連盟
http://www.okubiwako.jp/index.htm
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
ある方のおススメで、井口・円満院。
日吉神社の境内にお堂が建っています。
ここら辺で多いのは、日吉神社や白山神社との習合ですね。
そして、この日は集落の方がテントを張って迎えてくれます。 -
井口・日吉神社。
質朴ながら良い作りをしています。 -
井口・円満院の中の十一面観音像。
小ぶりながらも精微なお像です。
表情と腰のひねりがいい味を出しています。 -
井口の集落の隣の集落は、保延寺という集落に保延寺観音堂があります。
井口・円満院から徒歩5分程度でしょうが、熱中症も心配された炎天下の為、マイカーで移動です。
田園の中の集落の一角に、一坪ていどの小さなお堂が。
そして、ここでも集落の方がテントを張って出迎えてくれます。 -
お堂は、本当に小ぶりですね。
そして、軒の造りなどから、雪国の造りを思わせます。
やはりここら辺は、滋賀県(関西)でありながらも、北陸的な風土を感じさせます。 -
保延寺観音堂の十一面観音像。
「これを見たかったのだ」って感じです。
浅井氏ゆかりの高さ17cmの木彫。
表情といい、四頭身程度のプリティ感といい。
でも造りは長谷寺十一面観音を意識していますよね。 -
雨森観音堂。
江戸時代に朝鮮との外交にあたった雨森芳州の出身地です。観音堂の境内には雨森氏の墓地もあり、苔むした石塔も残っています。 -
雨森観音堂の十一面観音。
そう思うと、どこか韓流女優のような面長な感じが…。
地元のおじいちゃん・おばあちゃんに「こちらの方は面長の美人ですねー」と声を掛けると、とっても喜んでくださいました。
さっきの保延寺の方には「愛くるしい小学生みたいな感じですねー」って言っていたのですが(苦笑) -
少し車を飛ばして、木之本・石道寺へ。
かなり細い道を運転して登って行きます。
撮影不可でしたが、こちらの十一面観音は渡岸寺十一面観音と双璧をなします。
欅造りの色白で唇に朱色が残っていて。
しかも、足の親指がクッと上がっている。
小股の切れ上がった艶っぽい感じです。 -
再び車を飛ばして、己高閣世代閣。
まずは己高閣へ(拝観料は二館あわせて500円)。
注目すべきは、木彫の兜跋毘沙門天。
由来や系譜も分かっていない損壊仏なのですが、目が良い。
木目をそのまま、「目」に当てているんですね。
彫ったり描いたりしていない。
夏目漱石『夢十夜』を思い出します。 -
こちらは、世代閣。
なぜ、己高閣世代閣と二つの宝物館があるのかと地元の当番のおじさんに聞いてみたら、前者は文化庁が国の予算で建てたもの。後者は地元の檀家さんとか有志が建てたものだそうです。
こんなとこにもタテ割り行政があるとは。
-
つづいて、赤後寺。
日吉神社と同居しています。先ほどの白山神社といい、古い習合の形を残していますね。
ここの千手観音立像と聖観音立像の二体が厨子に納められています。 -
赤後寺にも地元の方が番をしておられました。
いろいろ聞くとおもしろいですね。
戦後しばらくまで秘仏だった事や、彫刻の多い厨子が日光東照宮に影響を与えた事(井伊・彦根藩の宮大工が日光造営に関与しているとか)、「コロリ観音」の伝承など。
でも、手首から先が、戦乱を避けて川に隠された時に流されたとかで、痛々しい姿ではあります。 -
赤後寺では、冷たいお茶だけでなく、地元で採れたスイカも振舞ってくれます。
-
こんな感じで、境内に「お接待」用のテントもあったり。
ま、スタンプラリーの中継点でもあったりするのですが。 -
横山神社。
ここの社務所に観音像があるとは。
うーん、さすが神仏習合。 -
地元の方に声をかけて、写真を撮らせてもらいました。
馬頭観音像。湖北では珍しいですね。
普段は、渡岸寺近くの資料館に委託されているそうですが、この日だけは実家の横山神社に里帰りだそうです。 -
少し離れた集落・西野にある西野薬師堂。
薬師如来と十一面観音の二体が安置されていますが、茶褐色の漆を掛けられて、独特な色彩と輝きを持ってらっしゃる。
小さな児童公園みたいなところで、この寺院とまでは言いにくいお堂が、いかに集落の日常生活に溶け込んでいるかが分かります。 -
最後は、渡岸寺・十一面観音を拝まないわけにはいきません。
たぶん、表情といい、腰のセクスィーなくびれといい、背後の暴悪大笑面といい、日本の美術史上の最高傑作といってもいいでしょう。
この日は無料公開でしたので、大勢の方が拝観されていました。
-
ふだん静かな渡岸寺境内も、この「観音の里まつり」の日は、地元の方々による露店が出たり、ステージで出し物があったりと、大変にぎやかでした。
時間が許せば、冷たいお茶(本音はビール)と焼きそばなどを食べてみたい、ちょっとした夏祭りでした。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (1)
-
- ゆうこママさん 2010/11/19 21:35:59
- 湖北の千手
- こんばんは、初めておじゃまいたします。
この千手さま、素朴で可愛らしくていいですね。
仏像のこと専門的なことは分かりませんが、いかにも都から少し離れた風合いが。
いつかは観音まつりにと思いながら暑さに負けてなかなか行けないので、旅行記で楽しませていただいております。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
1
20