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http://sankei.jp.msn.com/world/america/100716/amr1007161102007-n1.htm<br /><br />2000年08月09日〜08月15日にキューバを訪問し社会主義の現実につきガイドのパブロさんから聞いたことを以下に抜粋する。<br />http://4travel.jp/traveler/u-hayashima/album/10058087/<br /><br />ガイドのパブロさんにいくつか質問をしてみた。<br />先ず、土地や建物の所有制度について聞いてみると土地も建物も国家の所有であり、国民や企業は国からこれを借りて利用しているという。建物を店舗または事務所として借用し商売を営むには収入の10%を家賃として国家に収めなければならないし、営業利益から税金も収めなければならない。観光バスの運転手やガイドのパブロさんも公務員であり世界的に有名なダンシングチーム「トロピカーナ」の踊り子達も公務員なのだという。<br /><br />次に公務員の給料について聞いてみると水準は職種により通常1カ月当たり100ペソから186ペソであり、特殊なものは最高800ペソのものもある。1ドルが21ペソとして換算すると4.8ドル(528八円)から8.9ドル(979円)という低い標準であり、最高職でも、38ドル(4180円)にしかすぎない。勿論これだけでは生活できないわけで、米や肉類等の生活物資は別途配給されるらしいが詳しいことは教えて貰えなかった。<br /> <br />ソビエット連邦の崩壊はキューバ経済にも深刻な影響を与え従来のように社会主義大国からの経済援助が受けられなくなったので、苦難の経済運営を余儀なくされた。経済自立のための色々な試みがなされるようになったのであるが、その一つが5年ほど前から始まったドル通貨の採用と国内自由市場の認容である。ペソの国際信用力は皆無に近いので信用力のあるドルを自国で流通させて自国経済を国際経済システムの中へ強制的に組み込んでいこうといういわば一種の荒療治である。ペソ経済とドル経済という二重の経済制度を取り入れたことになり、外来の観光客の頭には経済の混乱がおこるのではないかという心配があるがガイドはあまり触れたがらなかった。<br /><br />そして農産物等の60%は政府で収納し政府の管理下へおかれるが30%は自由市場へ廻されて市場経済原理に基づく価格形成が行われるようになった。それでも自由市場で売られる商品は価格が高いという。この自由市場ではドルしか通用しないからドルを持っていない人は買い物ができないのである。市場の入り口にはペソとドルの交換所が設けられているが何故か撮影が禁止されている。<br /><br />最初道路に自動車が異常に少ないと感じたことの秘密は輸入に頼るガソリンの供給を政府がコントロールしていることと新車の購入権を独占している政府が新車の購入をコントロールしていることにあるようだ。タクシーには新車が目立つが、値段の安い韓国製が多く目についた。中古車ならば民間人も購入できるということであり、1960年式のアメリカ車が大いばりで町中を走っているのも近頃珍しい光景である。古い年式の車だと部品がなくて困るだろうと聞いてみると、ソ連製の車の部品が転用できるから大丈夫だということである。<br /><br />道路の風景について更に印象を述べると自動車の数が少ないことに比例するように、この国のバスは何れも超満員で走行しており、バスの停留所には沢山の乗客が屯している。 そして土曜日とか日曜日になるとトラックの荷台に若者達が立錐の余地もないほど立ったままで乗っていて楽しそうに話している。これは休日を利用して海浜へ水浴に行く人達で、会社に申請してトラックを行楽のため借りだしているのである。また道路端には停留所のない場所に佇んで、通りかかりの車に手を挙げて合図している人の群れをよく見かける。このような人を発見した場合、運転手には車に収容する余地のあるときには停車してピックアップする義務が課せられているのだという。このあたりに需要を無視した何かチグハグな社会主義国家の統制力というようなものを見る思いがした。<br /><br />更に町中の公園近くの歩行路に夥しい数の人の群れが行列を作っている光景をみかけることがある。これはコッテリアのアイスクリームを求めて並ぶ群衆である。<br /><br />ホテルの個室に備えられているテレビではCNNのチャンネルも選択できる。ハバナのホテルではCNNの言葉はスペイン語であったが、バラデーロでは英語であった。アメリカと国交を断絶しているのにCNNが受信できるとは情報統制が意外に緩やかだなと意外に思いながらそのへんの事情を聞いてみると謎が解けた。つまりスペイン語の放送はCNNの生放送をそのまま翻訳して流しているのではなくて政府の手で取捨選択が行われたうえで放映されているのであり、英語の放送はバラデーロというリゾート地故、外国人しか聞く人がいないから生放送をそのまま流しているのだという。キューバ人がパラボラアンテナを設置してCNNの生放送を受信することは禁止されており違反すると処罰されるというのである。北朝鮮の報道統制の厳格さと比較して情報統制の巧妙さを感じた。<br /><br />キューバとアメリカの民間人の相互の国への出入国について聞いてみると先ずアメリカ人がキューバへ入国するには第三国を経由すれば原則自由であるが、キューバ人がアメリカへ入国することは非常に難しい。先ず年間二万枚に制限されているビザを入手することが最初の難関であり、次に十分なドルを調達するのが難しいからであるという。<br /><br />

"カストロ氏が水族館を訪問 政府系サイトに写真"を読みキューバの旅を回顧

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2000/08/03 - 2000/08/15

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早島 潮

早島 潮さん

http://sankei.jp.msn.com/world/america/100716/amr1007161102007-n1.htm

2000年08月09日〜08月15日にキューバを訪問し社会主義の現実につきガイドのパブロさんから聞いたことを以下に抜粋する。
http://4travel.jp/traveler/u-hayashima/album/10058087/

ガイドのパブロさんにいくつか質問をしてみた。
先ず、土地や建物の所有制度について聞いてみると土地も建物も国家の所有であり、国民や企業は国からこれを借りて利用しているという。建物を店舗または事務所として借用し商売を営むには収入の10%を家賃として国家に収めなければならないし、営業利益から税金も収めなければならない。観光バスの運転手やガイドのパブロさんも公務員であり世界的に有名なダンシングチーム「トロピカーナ」の踊り子達も公務員なのだという。

次に公務員の給料について聞いてみると水準は職種により通常1カ月当たり100ペソから186ペソであり、特殊なものは最高800ペソのものもある。1ドルが21ペソとして換算すると4.8ドル(528八円)から8.9ドル(979円)という低い標準であり、最高職でも、38ドル(4180円)にしかすぎない。勿論これだけでは生活できないわけで、米や肉類等の生活物資は別途配給されるらしいが詳しいことは教えて貰えなかった。
 
ソビエット連邦の崩壊はキューバ経済にも深刻な影響を与え従来のように社会主義大国からの経済援助が受けられなくなったので、苦難の経済運営を余儀なくされた。経済自立のための色々な試みがなされるようになったのであるが、その一つが5年ほど前から始まったドル通貨の採用と国内自由市場の認容である。ペソの国際信用力は皆無に近いので信用力のあるドルを自国で流通させて自国経済を国際経済システムの中へ強制的に組み込んでいこうといういわば一種の荒療治である。ペソ経済とドル経済という二重の経済制度を取り入れたことになり、外来の観光客の頭には経済の混乱がおこるのではないかという心配があるがガイドはあまり触れたがらなかった。

そして農産物等の60%は政府で収納し政府の管理下へおかれるが30%は自由市場へ廻されて市場経済原理に基づく価格形成が行われるようになった。それでも自由市場で売られる商品は価格が高いという。この自由市場ではドルしか通用しないからドルを持っていない人は買い物ができないのである。市場の入り口にはペソとドルの交換所が設けられているが何故か撮影が禁止されている。

最初道路に自動車が異常に少ないと感じたことの秘密は輸入に頼るガソリンの供給を政府がコントロールしていることと新車の購入権を独占している政府が新車の購入をコントロールしていることにあるようだ。タクシーには新車が目立つが、値段の安い韓国製が多く目についた。中古車ならば民間人も購入できるということであり、1960年式のアメリカ車が大いばりで町中を走っているのも近頃珍しい光景である。古い年式の車だと部品がなくて困るだろうと聞いてみると、ソ連製の車の部品が転用できるから大丈夫だということである。

道路の風景について更に印象を述べると自動車の数が少ないことに比例するように、この国のバスは何れも超満員で走行しており、バスの停留所には沢山の乗客が屯している。 そして土曜日とか日曜日になるとトラックの荷台に若者達が立錐の余地もないほど立ったままで乗っていて楽しそうに話している。これは休日を利用して海浜へ水浴に行く人達で、会社に申請してトラックを行楽のため借りだしているのである。また道路端には停留所のない場所に佇んで、通りかかりの車に手を挙げて合図している人の群れをよく見かける。このような人を発見した場合、運転手には車に収容する余地のあるときには停車してピックアップする義務が課せられているのだという。このあたりに需要を無視した何かチグハグな社会主義国家の統制力というようなものを見る思いがした。

更に町中の公園近くの歩行路に夥しい数の人の群れが行列を作っている光景をみかけることがある。これはコッテリアのアイスクリームを求めて並ぶ群衆である。

ホテルの個室に備えられているテレビではCNNのチャンネルも選択できる。ハバナのホテルではCNNの言葉はスペイン語であったが、バラデーロでは英語であった。アメリカと国交を断絶しているのにCNNが受信できるとは情報統制が意外に緩やかだなと意外に思いながらそのへんの事情を聞いてみると謎が解けた。つまりスペイン語の放送はCNNの生放送をそのまま翻訳して流しているのではなくて政府の手で取捨選択が行われたうえで放映されているのであり、英語の放送はバラデーロというリゾート地故、外国人しか聞く人がいないから生放送をそのまま流しているのだという。キューバ人がパラボラアンテナを設置してCNNの生放送を受信することは禁止されており違反すると処罰されるというのである。北朝鮮の報道統制の厳格さと比較して情報統制の巧妙さを感じた。

キューバとアメリカの民間人の相互の国への出入国について聞いてみると先ずアメリカ人がキューバへ入国するには第三国を経由すれば原則自由であるが、キューバ人がアメリカへ入国することは非常に難しい。先ず年間二万枚に制限されているビザを入手することが最初の難関であり、次に十分なドルを調達するのが難しいからであるという。

同行者
一人旅
交通手段
観光バス
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)

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    ハバナ市内

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