2010/06/15 - 2010/06/20
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ヌールッディーンさん
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ジョサイア・コンドルの設計で明治29年に竣工した洋館と撞球室(ビリヤード場)、そして和館と庭園からなる重要文化財。
実際に見てみると予想以上に多くの発見があり、私のお気に入りの建築の一つになりました。
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正門から入り、ゆったりとした登り坂を登っていったちょっとした丘の上に岩崎邸はあります。
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迎賓館として使われていた洋館。
左右対称ではなく向かって右側(西側)がやや小さく見えるようになっています。公共建築などでは左右対称が好まれましたが、やや威圧感があるスタイルなので避けられたようです。
木造2階建・地下室付きの洋館は、イギリスのジャコビアン様式を基調としながら、ルネッサンスやイスラーム風のモティーフを随所に採用しているのが特徴とされています。 -
北側正面に向かって左側にある大きな三連窓はこの建築のファサードの見所の一つです。
三連窓の上にある半円形の装飾の中心にある丸い玉(メダリオン)には、普通、その建築の持ち主のシンボルマークなどが刻み込まれているものだそうです。
そうなると、家紋である「重ね三階菱」などが刻まれているべきところなのでしょうが、当時の日本ではまだそうした伝統が浅く、岩崎家もまだ新興勢力であったためか、空白のメダリオンとなっているのが一つの特徴です。
この時代の日本には、よくこうした空白のメダリオンがあったそうです。
なお、この三連窓の部分は内部でも最大の見せ場の一つである「大階段」になっています。 -
袖塀には岩崎家の家紋である「重ね三階菱」があります。この家紋が三菱のマークの元になったと言われています。
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この建築で採用されているイスラーム風のデザインとしてはスペインなどでよく見られるこの貝殻風の窪みが挙げられると思います。
西洋(オクシデント)風の建築を東洋(オリエント)に持ち込むにあたり、イスラーム風(≒当時のヨーロッパの人々から見た場合の「オリエント」)のデザインを用いるというあたりに、当時のイギリスなど欧米の感性(「オリエンタリズム」などとして批判されたりもする)が反映しているように思われ、興味深いものがあります。 -
洋館の南側にはコロニアル様式の大きなベランダがあります。
通常のコロニアル様式ではこうしたベランダが建物の四方を囲んでいますが、東南アジアなど暑い地域で発達したこの様式は日本の風土(夏は湿潤で暑く、冬は寒い)にはあまり馴染まず、南側だけで採用されています。
2階の柱の柱頭はイオニア式で、1階の柱の柱頭はトスカナ式になっています。 -
南側ベランダと東側サンルーム。
東側サンルームは明治40年(1907年)以降に増築されたものです。寒い時期にベランダ代わりとして利用していたようです。 -
東側サンルーム。
増築であることをあまり感じさせない自然な造形になっているように思いました。
古い洋館の多くは、こうしたやや出っ張った壁面の箇所があるのも特徴ではないか、と私は思っています。 -
撞球室(ビリヤード場)
設計は洋館と同じくジョサイア・コンドルとされ、明治30年以降に建てられたとされます。
スイスの山小屋風の建物であるとされ、木造ゴシックの流れを汲んでいるとされています。 -
撞球室の内部。
社交の場である洋館の内部にビリヤード場が設けられるのが普通だったそうですが、岩崎邸では別棟になっているのが珍しいところです。雨天や夜間などでも困らないよう、地下道で洋館と繋がっています。 -
上げ下げ窓が多いのは、日本にある古い洋風建築の特徴ではないかと思っています。
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岩崎邸というと、どうしても派手な洋館が目立ちますが、生活スペースだった和館は落ち着きがあり、心地よい建物だったのが印象に残っています。
当時は550坪もある広大な建物だったものが、現在は100坪ほどしか残っていないのは本当に残念。
随所(廊下の天井など)に非常に長い一本の木材などが使われているのも興味深かったところです。
ガイドによると明治時代というのは、大きな木材を建材として使うことができた稀有な時代だとのこと。なぜならば、江戸時代には伐採が禁止されていたものが明治時代には伐採できるようになりましたが、次々と伐り出してしまうと、大木というのはすぐになくなってしまうため、大正期以降には大木を使った木造建築はできなくなったからだそうです。 -
和館では随所に菱形が使われていて面白かったです。
例えば、襖の上の部分や襖の取っ手などが菱形でした。
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