2010/03/12 - 2010/03/12
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コクリコさん
シャガール美術館で心が満杯になりましたが、「今日は歩くぞ!見てやるぞ!」の一日。
シャガール美術館前からシミエ地区の丘の上にあるマティス美術館のに向かいます。
マティス美術館に行くことが第一の目的でしたが、古代ローマの遺跡に惹きつけられてしまいました。
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シャガール美術館からプラタナスの並木道の続くシミエ大通りを歩きます。
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通りに沿って瀟洒な豪邸が並び目を見張りました。
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このあたりはニースの高級住宅街。
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ピンクの可愛らしい邸宅。
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鳩山首相には申し訳ないですが、去年唐辛子ばあさんやかにちゃんたちと行った鳩山邸レベルはざら。
世界中の大金持ちが居を構えているのですね。
マティス美術館や古代ローマの遺跡のあるシミエの丘までひたすら上る「おのぼりさん」の私。
もうキョロキョロ、写真パチパチ。
狭い日本の小さな高級住宅地しか歩いたことない私。
いまだかつてこんなゴージャスな高級住宅地を歩いたことがない! -
メインストリートから横道に入ったら、ミモザの花がたわわに咲く邸宅に突き当たる。
ほんの前庭にミモザの大木が植わっているなんて、かなりの豪邸! -
寄り道していたら迷うはずのない道を迷い、地元の方に道を聞いてやっとマティス美術館やフランシスコ会修道院、考古学博物館のある公園へ。
シャガール美術館から20分ほど歩いたかな、今日はかなり歩いてる。
公園近くに建つひときわゴージャスな建物は?
マティスが生前アトリエとして使っていたというレジナ・ホテルかしら? -
公園に入りすぐ目についたのが、古代ローマの遺跡。
柵があり中を見られなかったのは修復中だったのか、遺跡大好きのワタシにはちょっと残念。
ガイドブックに書いてある円形闘技場跡だと思います。 -
さらに歩くとオリーブの林の広場。
オリーブの木々をみながらオープンカフェで軽食。
あまり美味しくなかったけれど、随分歩いたしお昼も食べていなかったので小休止。
ちょっと広場があるとお約束のメリーゴーランドがあるのはご愛嬌。 -
ごく普通のカップルなのですが、絵になるのがフランス。
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オリーブの林でペタンクに興じるオジサンたち
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こんなにたくさんのオリーブの木を見たのは生まれて初めて!
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オリーブの林の突き当たりに鮮やかな外壁の邸宅が見えてきました。
マティス美術館です。
ニースの市立美術館なので無料で見学できます。
写真は不可。
マティスの絵、デッサン、家具などの遺品、ヴァンスのロザリオ礼拝堂(翌日訪問しました)の壁画のための習作、模型、カラフルな修道服などが展示されていました。 -
「ああ、ニースは美しいところなんだよ。光が輝くばかりなのに、なんて穏やかで優しいんだろう」(1918年5月、マティスがシャルル・カワモンに宛てた手紙より)
ガンに侵されたマティスが渾身の力を振り絞って作品を仕上げてゆく場面(テレビ番組をカメラで写したのでブレています)などが展示されていました。
でも、なぜか物足りない。
作品があまりなかったのは、他の美術館に貸し出し中だったのか、、、それともシャガール美術館の印象が強すぎたのか。 -
期待して来たのに残念でした。
再びコクリコ・メモ。
人魚の絵のようです。
この人魚をモチーフにしたデッサンが数多く展示されていたのでヤケになってメモした私。
本の挿絵にするつもりだったらしいです。
「マティスの絵があった!」と喜び勇んで見たら、ロバート・デ・ニーロ・シニアの特別展だった。
マティスそっくりな画風なんですもの、調子狂った。
特別展があったのでマティスの作品が少なかったのか。 -
絵葉書1枚買って、裏(表?)の出口から出ると。
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ロバート・デ・ニーロ・シニアの特別展の看板。
マティスっぽい絵でしょう?
夫が美術館の人に、イタリア系アメリカ人の俳優ロバート・デ・ニーロと関係があるのか聞いたら、父親だそうです。
ロバート・デ・ニーロ・ジュニアのお父さんは画家だったとは知りませんでした。
フランスの俳優ジャン・ポール・ベルモンドのお父さんも彫刻家であったことを思い出しました。 -
少し物足りなさを感じたマティス美術館を後に、心の持って行きどころがなくどうしたものかと思いながら歩いていると眼下に古代ローマの遺跡が現れました。
心のふさがりがいきなり晴れて
「ローマの遺跡見たい!」
とまた心が躍動し始めました・・・単純なワタシ。 -
公園入り口にあった円形闘技場はロープが張ってあり入れなかったけれど、ここはどうやって入るのかしら。
行きたい、行きたい! -
よく見ると遺跡内を歩いている人が一人、二人、
入れるはず! -
逸る気持ちを抑えてまずは、シミエ・フランシスコ会修道院へ。
美しい修道院の建物が見えてきました。 -
階段を上って。
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マントンと同じく、階段には小石のモザイク模様が施されています。
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フランシスコ会修道院附属教会。
暗い教会内の微かな明かりをステンドグラスで。 -
16世紀にニースで活躍した画家ルイ・ブレアの3枚の祭壇画が有名だそうで、「十字架降下」などの絵を見ることができました。
内部は薄暗く、写真を撮ることができせんでしたが、天井画だけやっとこさ写しました。
かなりブレていますが、ひっそりと建つ修道院にふさわしい落ち着いた色合いの素晴らしい天井画でした。 -
かつて修道院の菜園だった所が今は庭園になっています。
3月でも花が咲いていましたが、初夏のバラが咲く頃は棚には蔓バラが絡みつきさぞや美しいことと思われました。
waterlilyさんのプロフィール写真がこの庭園の蔓バラです。 -
突き当たりのテラスまで行ってみましょう。
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突き当たりのテラスから晴れていればニースの街並みや地中海まで見渡すことができるのですが、夕方になり少し曇ってきたので地中海までは見渡せませんでした。
このテラスの棚も初夏には蔓バラが絡みつき、バラのアーチを作ることでしょう。
waterlilyさんのプロフ写真のバラはもこちらのバラかもしれません。 -
テラスの下の花壇はきちんと幾何学的にデザインされた花壇。
背景はニースの町並。 -
テラスから来た道を戻ります。
フランシスコ会修道院と、附属の教会が夕方の庭園にしっとりと佇んでいました。 -
オリーブの林にはペタンクおじさんでいっぱいになっていました。
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古代ローマ円形闘技場跡の正面に考古学博物館があり、博物館から古代ローマ共同浴場跡のある遺跡に入れました。
考古学博物館はニース市立なので入館無料、もちろん遺跡も無料。
18時閉館間際だったので急いで見学。
ダッシュ!
遺跡の入り口付近。 -
急いでいたのでパンフレットももらわずに入ったので、詳しくはわかりません。
確か紀元前1,2世紀のガロ・ロマンの遺跡から、4,5世紀のキリスト教に教化されてローマの遺跡だったと思います。
見所は古代ローマの共同浴場跡です。
フランスはプロヴァンスのアルルやオランジュ、ニームに多くのローマの遺跡が残っていることからイタリアに近いニースにも残っていて当たり前なのですが、ニースはリゾート地としての方が有名なので、こんな素晴らしい遺跡が保存されていたので新鮮な喜びを感じました。 -
遺跡に咲く野の花って好きなんです。
閉館間際だったので、遺跡を独り占め。
すうーっと古代ローマに入って行けます。 -
遺跡からマティス美術館。
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掘り起こされた建築物に触れてみたり。
ローマ人が歩いた同じ土を踏んだり、座ってみたり。
アウグストゥスはここには来なかったらしいですが、
いったいどんな人物が行ったり来たりしたのでしょう。
うわーい、ローマだ、ローマだ! -
正面の建物が浴場跡。
よくぞ残っていてくれた。 -
遺跡の主?
ローマの遺跡の門番?
世界中どこにでもいるんですね門番ネコ。 -
下水道。
ちゃんと残ってる。 -
共同浴場跡に向かいます。
数年前、古代ローマの講義を受けたことを思い出しワクワク・・・その時のプリントどこにやったかなぁ、読み返してみなくては。 -
写真を撮る夫。
10年以上前、イタリアのローマにある古代ローマの共同浴場「カラカラ帝の共同浴場」に行きましたが、さすがにカラカラ浴場ほどの大きさではありませんでしたが。 -
夫の身長が大体170センチなので浴場の大きさがわかると思います。
カラカラ帝の浴場ほど大きくはありませんが、かなり大きな浴場がニースにもあったということです。
共同浴場は当時の社交場、健康ランドとして使われ市民の憩いの場所になっていました。 -
浴場内部。
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浴場内部。
壁にペタペタ触れてしまいました。
手のひらからローマへワープ。 -
心を遺跡に残しながら。
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考古学博物館も駆け足で見学。
思っていた以上に広く充実しているので、ざっとしか見られなくて残念でした。 -
シミエの遺跡から発掘されたたくさんの遺物が展示されています。
ローマ時代このあたりは
CEMENELUMと呼ばれていたそうで、そこからCIMIEシミエという地名になったそうです。 -
シミエの遺跡からはこんな素晴らしい女性像が発掘されています。
「これは凄い」
と声を上げた私たち。
こんな彫刻が出土したら考古学者冥利につきるというものです。
この女性は小アントニア(紀元前38年〜紀元37年)
母親はローマ初代皇帝アウグストゥス(オクタヴィエヌス)の姉オクタヴィア、父はあのクレオパトラと結婚したアントニウス。
息子は4代目ローマ皇帝クラウディウス。
物凄い家系だわ〜美貌の女性だったそうです。
大きさは2メートル、ミロのヴィーナスほどではないけれどとても美しい大理石の女性像でした。 -
ローマ人の食卓風景。
椅子に横たわりながら怠惰に食す。
食べては吐き、食べては吐く飽食の徒。
ほとんど現代と同じものを食べ飲んでいた贅沢なローマ市民。 -
船でワイン、油などを運ぶための壺。
船底に丸く穴を開けた板を張り、その穴に壺を差し込めば船が揺れてもこぼれません。
この展示のようにしっかり支えられていますから。 -
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石棺。
長い間眠りについていた石棺が、掘り出され明るい日の元に展示されているのですね。
どんな夢を見ていたんだろう。 -
現実に戻って、ステキな建物とトラムの走る
オシャレなマセナ広場。
マセナ広場の夜は座禅した不思議な男たちの裸体がボーっと浮かびあがる。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- waterlilyさん 2010/05/22 16:09:50
- 何て素晴らしい〜☆
- コクリコさん、早速飛んで参りました〜♪
早いでしょ(*^_^*)
何と綺麗な旅行記が一杯〜!!
もうどれから見たら良いものやら、目移りしてしまいます。
シャガール美術館のコクリコさんの解説が素晴らしくて、またプリントアウトして何度も読み返したくなってしまいます。
こんなに深く詳細で素晴らしいシャガール美術館旅行記が嘗てあったでしょうか。さすがコクリコさん!
とてもとても勉強になりました。
シャガール美術館の前庭のベンチで、ニースの街で買ってきたお菓子を食べたことなど昨日のことのように思い出しながら、コクリコさんの解説で学び、再び楽しませて頂きました。
そして、本題のシミエ・フランシスコ会修道院!
シミエの大通り沿いは本当に豪邸揃いでしたよね。
>「ああ、ニースは美しいところなんだよ。光が輝くばかりなのに、なんて穏やかで優しいんだろう」
それは誰でもこんな所に住みたくなってしまいますよね。
そしてマティス美術館が物足りなかったとおっしゃるのよく解ります。私も同じくでした。
ロザリオ礼拝堂の習作だけはとても興味深かったのですが、美術館の建物が少し荒れた感じで、シャガール美術館の明るさ、清潔さを思うと、どうして修復されないのかしら、と思ってしまいました。
で、古代ローマの遺跡!
古代の遺跡って大好きなので、同じく見たくて、でも入れないと思い込み、外からチラと眺めるだけになってしまったのですが、入れたのですね!
その遺跡をコクリコさんの旅行記で見せて頂いてとても嬉しいです!!
そして円形闘技場跡だとばかり思っていたのですが、浴場跡だったのですね。後でコメント書き直さなくちゃ(^_^;)
偶然なのですが、私も昨日、イギリス・バースの古代ローマ浴場跡の古〜い旅行記を、前日光さんのソールズベリの旅行記との偶然に感激してUPしたところでした。何という偶然の連鎖!
その旅行記で前日光さんから頂いたコメントに、私もまたコクリコさんの名を勝手に出してしまい、ごめんなさいm(__)m
修道院の庭園は嘗ては菜園だったのですか。
コクリコさんの旅行記は本当に勉強になります。
そして素晴らしい考古学博物館。
この考古学博物館もローマの遺跡も、こんなに素晴らしいのに訪れる人が少ないのが勿体ないですね。
あぁ、もう全てが素晴らし過ぎて、コメントが長くなってしまいそうなので、今日はこの辺で自粛しますね。
素敵な旅行記を本当にありがとうございました。
また、少しずつ拝見させてくださいね。
- コクリコさん からの返信 2010/05/22 22:35:49
- RE: 何て素晴らしい〜☆
- waterlilyさん、早いっ!
たくさん感想を書いてくださって、投票もいっぱいしてくださってありがとうございます。
私もお返事が長くなるかもしれませんが、覚悟の程を。
シャガール美術館はwaterlilyさんの旅行記を拝見して是非とも行きたくなったのです。
本当に素晴らしい美術館でしたね。
ちょうど団体客もいなかったのでオーディオガイドを聞きながらゆっくり静かに観賞することができました。
旅行記のコメントはオーディオガイドで聞いたことをメモしたものや私のトラの巻き本阿刀田高氏の『旧約聖書を知っていますか』(へへへ ^^;)を元に書きましたからあまり褒められると恥ずかしいです。
でも、色々調べながら書いたのでとても楽しかったです。
> シャガール美術館の前庭のベンチで、ニースの街で買ってきたお菓子を食べたことなど昨日のことのように思い出しながら、
前庭でゆっくりすれば良かった〜
それに、waterlilyさんがご覧になった美術館の庭のモザイク、すっかり見るのを忘れていました。
ああ、くやしい〜〜
> >「ああ、ニースは美しいところなんだよ。光が輝くばかりなのに、なんて穏やかで優しいんだろう」
心が沈んでいる時は本当にニースを始めとするコートダジュールは光輝き、気持ちを明るくさせてくれますね。
心が元気な時は静かな村でも、暗い海辺でも、ドンと来い、どこでも行っちゃえ・・・になれるけれど。
> そしてマティス美術館が物足りなかったとおっしゃるのよく解ります。私も同じくでした。
> ロザリオ礼拝堂の習作だけはとても興味深かったのですが、美術館の建物が少し荒れた感じで、シャガール美術館の明るさ、清潔さを思うと、どうして修復されないのかしら、と思ってしまいました。
waterlilyさんもそう思われましたか。
ロザリオ礼拝堂の習作以外はね。
もっとマティスの作品が展示されていると思ったのですが。
> 古代の遺跡って大好きなので、同じく見たくて、でも入れないと思い込み、外からチラと眺めるだけになってしまったのですが、入れたのですね!
> その遺跡をコクリコさんの旅行記で見せて頂いてとても嬉しいです!!
> そして円形闘技場跡だとばかり思っていたのですが、浴場跡だったのですね。後でコメント書き直さなくちゃ(^_^;)
円形闘技場跡は考古学博物館の前にあったのですが、修復中のようで入れませんでした。
どなたの旅行記だったか、4トラではなかったか忘れましたが円形闘技場跡も見学できるようですね。
ホント、もう外から浴場跡の遺跡が見えた時、どうすれば入れるのかばかり考えていました。上から見た時に遺跡内を歩いていた人がいたので、絶対入れる・・と思って。
博物館共に無料だし、是非お薦めしたいのですが、遺跡はちゃんとした形で残っているわけではないので「つまらない」と思う方もいらっしゃると思うとあまり押し付けられないし(^^;)
waterlilyさんなら、想像力豊かなので、きっと遺跡のあちこちから古代人の足音やヒソヒソ話を聞くことができそうですね(^o^)/
> 偶然なのですが、私も昨日、イギリス・バースの古代ローマ浴場跡の古〜い旅行記を、前日光さんのソールズベリの旅行記との偶然に感激してUPしたところでした。何という偶然の連鎖!
> その旅行記で前日光さんから頂いたコメントに、私もまたコクリコさんの名を勝手に出してしまい、ごめんなさいm(__)m
おなじところに旅されたのですか!
あら、私の名前?
はい、ではうかがいます♪
> 修道院の庭園は嘗ては菜園だったのですか。
> コクリコさんの旅行記は本当に勉強になります。
いえ、どこかの本に書いてあったので。
私も旅行記書きながら、そうだったのか〜と勉強になりました。
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