ブダペスト　春の旅　【15】ゲッレールトの丘

2010/03/29 - 2010/03/29

最後にゲッレールトの丘へ

歩き疲れてもう辞めておこうかとも思いながら、これが、いつもにない“良くない”予感だったのかも・・・
ついついあと少し、あと少し・・・といつもの調子で上り始めてしまったゲッレールトの丘です。
辞めておけばよかったのかも？とは後の祭りです、眺めを楽しみながら、一人で上っていることが少しふあんになってはいたものの、すぐ後から一人の観光客らしき男性も上ってきてるし、大丈夫かと思って、上り続け、その男性が私を追い抜いて行ってしまった後は誰も居なかったはずなのに、ちょっと道端の綺麗に咲いているお花を座り込んで写真を撮っていたら・・・

エリア ブダペスト(ハンガリー)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス
• 航空会社: ルフトハンザドイツ航空

エルジェーベト橋からくさり橋方面の眺め

最初は、お土産物でリュックも重くなったことだし
この橋を見たらホテルへ戻ろうと思っていたのですが
橋の上に来てみたら、向こうまでは渡ってみよう！
と歩き出しちゃった・・・

ドナウ川沿いのペスト地区

ゲッレールトの丘を見上げると

棕櫚の葉を掲げる女性像

橋の途中で戻るつもりが橋を渡りきっちゃった・・・

聖ゲッレールトのモニュメントまでは、上れそう

よし、あそこまで行ってどんな眺めか見てこよう！

と上り始めました。

ゲッレールトの丘への登り口を見上げたところ

あそこが、聖ゲッレールトの像がたっているところです

エルジェーベト橋のちょうどまん前を登っていく感じです

聖ゲッレールトの像

上り始めたときは、ここで終わるはずだったのですが
上に行けば眺めはよくなるし、もうちょっと上ってみようか・・・
と欲張ってしまったのがいけなかった・・・

いくつにも上る道は分かれていて、

こちらがいちばん川に近くって川を眺めながら上れる

でも、辺りは誰もいなくて、ちょっと寂しい山道…
（いつもなら、それほど気にならない寂しさ）

と一人の観光客らしき男性が後から上ってきている姿が目に入り

これなら大丈夫か！と思って、上り続けたのです。

風景をみながら、上っているうちに

先ほどの観光客らしき男性が私を追い抜いて上っていってしまった・・・

後からは誰も上ってきていない

上には、女性像が見え

観光客の人たちの話し声も聞こえるので

あと、もう少しと思って上り続けます。

写真を撮りながら

少しずつ上へ

足元の花を撮っていると後ろで不意に男の人の声！

立って振り向くと、はじめて見る手ぶらの若い男の人で、手招きしている
写真でも撮ってあげようかと言っているのかと思ってニコッと笑った瞬間、彼がポケットから何やらシルバーのものを取り出したのです。
二つ折りになったそのシルバーのものを伸ばしたら、それは、なんとナイフ！！
そして、「マネー！マネー！」と言うのです。
ここで初めて、ナイフを突きつけられてお金を要求されているんだとわかった私！
なんとおバカで警戒心が全くなくなっていたことでしょう！
とっさにどうしていいかわからず、お金なんてさっきお土産を買ってほとんどないよ！と頭の中はグルグル状態・・・
やっと出た言葉が日本語で「イヤー！」

このままナイフをこっちに向けられるのか、そうなったらどうしよう、と思ったとたん、その男はナイフを折りたたんで「ノープロブレム！」を繰り返し、後ずさりを始めたのです。
おまけに、「どうぞどうぞお通りください」見たいな手の動き
私って何かしたっけ？ただ「イヤー」と数回言っただけなんだけど・・・
「は〜？」案外、気弱なやつだったようで、「ノープロブレム」を繰り返し、道を引き返し始めました。
そして、下っていこうとしている・・・

いったい、ナンだったのか、頭の中は真っ白け状態で、ドキドキがおさまらず、とにかく、人がたくさん居る声が聞こえてくる方を目指して走りました。

ほんの数十メートルほどでこの像の元に到着

観光客が居るほんとに平和な風景を目の前にして

さっきの出来事は、夢の中だったような錯覚・・・

ゲッレールトの丘の棕櫚の葉を高く掲げる女性像のもとで

心臓だけはまだはドキドキ状態だけど、
まるで何事もなかったかのような風景に
だんだん頭の中がはっきりしてくる・・・

え〜〜〜？？？
私、ここに居るよね？
さっき出会った人ってナンだったの？

一瞬の事だったようで、すごく長かったようで

しばらくここで、あの男が居ないかどうか
恐る恐る辺りを眺め回し、
居ないことがはっきりし、しかも、
アイツは下のほうへ下って行ったし
他にも観光客が何人かいるのを見て一安心

女性像の足元には台座だけがあります。

元は、ナチス・ドイツから町を開放したソ連軍の慰霊碑として建てられ、この台座にはソ連兵の銅像が建っていたのですが、1989年東欧革命後取り除かれて、台座だけになったそうです。

しばら〜くしてから、平静さを装ってシャッターを押していました。

でも、頭の中はアイツが戻ってきてないか、
その辺をまだうろうろしているのではないか

下りの道をどうしようか、一人で行くのが不安・・・

この辺の風景はほとんどうろ覚えで

ただただ、平常心を取り戻したくってシャッターを切っていただけ

ツィタデッラの城壁に要塞の名残がありました。

かつて、ハプスブルグ家がハンガリーの独立運動を鎮圧した後、ハンガリーを監視するために建てられたもの。
1894年にブダペストの所有になったが、第二次世界大戦でナチス・ドイツに占領され、ブダペストの町はここから砲撃を受けたとのこと。
２０世紀に入って市民に開放されたようです。

お土産物屋さんのおばさんが声をかけてくれ

ちょっとしたたわいもないおしゃべりで落ち着けた

お礼の気持ちで、刺繍製品を買った

これで、ほとんど現金はゼロ！

ツィタデッラ

入ろうかとも思ったけど、とにかく早くここから戻りたくなって

誰か下っていく人たちが居ないかどうか物色中

王宮のアップ

くさり橋をアップ

聖イシュトヴァーン大聖堂のアップ

国会議事堂をアップ

王宮をさらに拡大〜

写真を撮りながら、心を落ち着かせようと

できるだけいつもと同じにしていたい・・・

誰か歩いて下っていく人！いないの〜？

たいていの人は、ここも車で来ていて

ツィタデッラの下の駐車場に停めている車の方へ戻っていく・・・

物色中に写した写真って、記憶が薄い！

下に下っていく道を見ていて、下りていく二人組みの女子達を発見

よし、悪いけどあの人たちの後をついて下ろう！

一人での行動に、こんなに臆病になっている自分がうそみたい

この辺りで、ホームレスの人？寝転がっている人がいたり

フラフラの歩き方をしている人もいたし

あの人達がいてくれたおかげで無事に下りてくることができました。

途中、ナイロン袋を口に当て、フラフラ状態の人がいたり

この辺は、女性の一人歩きはオススメできないようです。

エルジェーベト橋から自由橋方面の眺め

この辺まで戻ってきて、やっといつもの自分に戻れました。

さっきまでの事は、夢の中？

トラムに乗って、国会議事堂方面へ

地下鉄駅にいちばん歩かなくていい所まで行きます。

民俗博物館前まで来てしまい、停留所一つ分歩いて戻ります。

民俗博物館

民俗博物館正面

午後の光線が当たり、朝より素晴らしく見えました。

ここから地下鉄で一駅のデァーク広場へ

デァーク広場駅を上がった所にあるスーパー

この右側の通りが Kiraly 通り

ホテルのある Kiraly 通り

ホテル・アルファ・フィエスタ

おかげさまで、無事にホテルへ戻って来れました。

この旅行記へのコメント （8）

• コクリコさん 2010/05/27 23:09:16

  ご無事で良かった。

  デコさん、こんばんは。
  お久しぶりです。
  
  私の旅行記においでくださり、投票もたくさんありがとうございました。
  
  3月の旅行記がなかなか進まず、まだニームやポン・デュ・ガールに辿りつけないのでデコさんの所に遊びにきてみたら危険な目にあわれたとのこと、驚きました。
  ゲッレールトの丘での出来事、恐かったでしょう。
  読んでいるだけでもハラハラしてしまいました。
  でも、お怪我もなく良かった。
  私はデコさんほど恐い目には合いませんでしたが、2年前のフランス旅行の時にパリからブリュッセルに日帰り旅行したのですが、ブリュッセルでひったくりに合いました。
  夫のショルダーバッグでしたが、あっという間に「いったい何か起こったの!?」ときょとんとしてしまいました。
  治安が悪いと言われていたマルセイユではなんともなかったので、ブリュッセルでは旅も後半、慣れてきて気を許した隙をつかれたのでしょうね。
  お互いこれからも気をつけて楽しい旅をしましょうね。
  
  そうそう、デコさんの旅行記で下調べをしたので、ニームもポン・デュ・ガールもとても気持ちよく歩けました。
  特にポン・デュ・ガールはもう本当に素晴らしかったです。
  バスの便があまりないので4時間もポン・デュ・ガールにいましたが飽きることはなかったです。
  
  ではまた寄らせていただきますね。

  デコさん からの返信 2010/05/29 07:17:31

  RE: ご無事で良かった。

  コクリコさん、ご覧下さって＆温かいメッセージありがとうございます(~~)
  
  おかげさまで、何事もなかったかのように帰ってくることができ感謝です。
  コクリコさんも、ブリュッセルでひったくりにあわれたとのこと、
  ほんとに、ちょっとの隙をついてこういうことが起こるのですね〜
  おっしゃるとおり、お互いこういうことに出会わないよう
  気をつけながら楽しい旅を続けていきましょうね(^^)
  
  ところで、ニームとポン・デュ・ガール楽しんでこられたようでよかった！
  ポン・デュ・ガールに4時間いられたなんて、羨ましいです。
  私の場合は、たった一人のツァーとはいえ、ガイドさんに遠慮してしまい、
  川の中に入ったり橋の上のほうをもっと歩き回りたかったけれど、
  時間がおしていて次の訪問地へ向かってしまいました。
  でも、ガイドさんのおかげで、一日でたくさん周る事ができたのだから
  贅沢を言ってはいけませんね！
  
  コクリコさんがアップして下さるのを楽しみにさせていただきますよ〜(~~)
  

• キートンさん 2010/05/25 22:40:24

  サスペンスを見てるよう

  こんばんは、デコさん。
  
  読んでるこっちもドキドキものでした。
  旅行記を書いてるので無事なのはわかっていても・・・
  男でもこの状況は怖いわ。
  相手が意外と気が弱かったようで良かったですね。
  とりあえず人のいるところまでは上がって来たものの、歩いて同じ道を下りて行く人がなかなか見つからなかったていうのも心細いですよね。
  ハラハラさせてもらいましたが、これからも新作の旅行記が見れそうなので安心しました。
  
  キートン
  

  デコさん からの返信 2010/05/27 05:11:56

  RE: サスペンスを見てるよう

  キートンさん、ご覧下さってありがとうございました。
  文章表現がもっと上手く出来たらよかったのですが・・・
  
  今回、あっさり引き下がってくれた相手でほんとにラッキーでした。
  あのまま、突きつけられたりこちらに向かってこられたりしたら・・・
  と思うとゾッとします。
  今回のようなことが私も含めて皆さんに起こらないように願うばかりです。
  
  これからは、気を引き締めて！と反省でした(> <)
  

• バートンさん 2010/05/17 00:40:55

  大変でしたね

  デコさん、こんにちは。
  
  とても怖い思いをされましたね。
  被害はなかったけど、一人だったから
  とても不安な気持ででいっぱいだったでしょう。
  無事にホテルまで戻ることが出来良かったですね。
  
  こんなコメントを書いた後ですが、
  お誕生日おめでとうございます。
  
  デコさんにとって良い一年でありますように。
  
  ばーとん
  
  

  デコさん からの返信 2010/05/17 05:59:22

  RE: 大変でしたね

  バートンさん、お祝いのメッセージありがとうございます(~~)
  
  おかげさまで無事に戻ってくることができて、ほんとにラッキーでした。
  この時は、ほんとに気が緩んでいたのかもしれません。
  つい、ボケーとしていた事を反省しながら・・・
  一人旅の心得をしっかり思いなおさなくっちゃ！ですね。
  お気遣い頂いてありがとうございました♪

• でいめくと さん 2010/04/30 23:31:30

  ご無事で何よりです。

  デコさん
  
  こんばんは。
  旅行記を拝見して驚きました。
  ご無事だったみたいで、本当に良かったです。
  とにかくお怪我もなく、何よりでした。
  とは言えお気持ち的には大変だったと思います。
  比較になりませんが、昔アンマンで
  ぼったくりタクシーに遭っただけでも
  凄く不安になったことがありました・・・。
  これからのご旅行のご無事をお祈りいたします。
  
  でいめくと

  デコさん からの返信 2010/05/01 16:24:41

  RE: ご無事で何よりです。

  でいめくとさん、ご覧&メッセージ下さってありがとうございます(^^)
  
  ほんとに、後から思うとゾッとする一瞬だったのですが
  きっと、あの時は、あまりにも突然で、思考回路がついていってなくて
  彼にとっても拍子抜けするような私の反応だったのかな？と・・・
  いつになく気弱になってしまいながらも
  トラムに乗ってからはすっかりいつもの調子でした。
  懲りないヤツですよね！
  
  > これからのご旅行のご無事をお祈りいたします。
  
  ありがとうございます(~~)
  このお言葉、お守りとさせていただきますね♪