1997/11/23 - 1997/12/23
83位(同エリア106件中)
北風さん
俺は世界を陸路で周っている。
インドネシアでは、山羊と共に乗り込んだじいちゃんが車内で乳を搾り始め、フレッシュ・ミルク販売をしていた。
チベットじゃ、−30℃の星空の下、エベレストを越える為にいきなりエンジンを分解しだした。
ビルマの長距離バスは、300kmの長旅に車内に「降車ボタン」までついた大阪市内バスの払い下げを使っていた。
インドでは、力技でトレーラーにバスを繋げていた為、傾いた車内で皆しがみついていた。
パキスタン・バスは、ものすごいペイントで飾られたボディに比べ、車内では壊れかけたギヤを入れる為、ドライバーがバットの様なスパナでシフトレバーを叩き込んだ。
石油王国イランでは、豪華ベンツバスのスピードメーターの底がキャンディBOXになっていた。
トルコ・バスは、2時間おきにオーディコロンのサービスを顔に塗りたくっていた。
アメリカのグレイハウンドじゃ、ハイウェイでトレーラーとカーチェィスを繰り広げてくれた。
そして、チリ・バスは、・・
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強烈な陽射しに、最後の一滴まで絞りとられたひび割れた大地が広がるチリ北部。
ちゃんと仕事をしているエアコンのおかげで冷たい窓ガラスに映る砂色の荒野は、ビデオから流れるアメリカン・ムービーより現実味が無いように思える。
「エアコンつき」とは言っても、ほとんどのバスが、「ついてはいるけど動かない」南米バスではなかった。
バスの中央通路にも人が座り込んでいる南米バスでもなかった。
しかもこのバスは、ドライバーの他に2人の乗務員が乗り込んでいる。
いそいそと朝食の後片付けや、毛布のサービスをするその姿は、まるで飛行機に乗っているみたいだ。
チリ・バスは南米バスの常識を覆す程、
「素晴らしい!」 -
「チリ・バスは南米No.1!」その噂は本当だったらしい。
日本の高速バスがあまりに貧弱に見えるほどの
ピカピカボディ、
ゆったりしたシート、
3台あるテレビ、
朝食つき、
しかもジュースなんて2回も配られた。
余ったジュースをそっと懐に忍ばせてしまう自分の貧乏性が、このバスの乗客として恥ずかしく感じてしまう。
乗務員が手際よく四角い紙を配り始める。数字が縦横に並んでいるものだ。
マイク片手に乗務員が叫んだ。
「Let's Bingo Time !」
・・久々に目を丸くする瞬間だった。なんと、このバス、アトラクションのビンゴ・ゲームまで用意しているらしい。
チリ・バス、No.1!
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