1997/11/22 - 1997/11/23
87位(同エリア107件中)
北風さん
1997年11月22日、ボリビアよりチリに入国。
チリと言えば、中南米の3C(3大美人産出国)に数えられるほどの国。(まぁ、こればっかりはあてにはならないが・・)
が、しかし、旅行雑誌には「チリは良い所、一度はおいで」と口を揃えて書いてある。
標高4000mの山小屋みたいなパスポート・コントロールで出国スタンプはもらった。
その後、10人乗りぐらいのミニ・バンに詰め込まれた後、バスは遙か下界のチリ入国管理事務所を目指して、・・・
・・・目指して落ちて行った。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
-
地理の教科書に載っていそうな地層の中、ポツンと、ボリビア〜チリの国境サインが立っていた。
境界を示すフェンスの類なぞどこにも見当たらない。
おまけにチリ入国管理事務所も無かった。
・・どうやら、ここから2000m程、
下界にあるらしい -
旅日記
「4000mの滑り台」
「ウ、ウ、ウィィィーッ」、
けたたましいエンジン・ブレーキの音が、車内でオーケストラを奏でていた。
「ガラガラ、ゴロッ、ザザーッ」、
また誰かの荷物が、前方へ転がり「落ちて」いった。
別に表現に間違いがあるわけではない。
フロントガラスには雲に霞む下界、リアガラスには青一色のボリビアの空が見える現在、バスは確実に、そして急激に傾いている。
驚くべき事には、このバスはこの状態でかなり前から走っているという事だ。
つまり、かなり前から俺達は、うっかりすると荷物と同じ状態になりそうな身体を、両手両足で踏ん張って支えているという事にもなる。
これは、本当にボリビア入出国管理事務所で乗り込んだシャトル・バスなのだろうか?
発車の際、誰かがドライバーに「チリ国境管理事務所までどれぐらいかかるの?」と尋ねた所、
「ん〜、距離はそう無いけど、高さがあるからね。1時間以上かな?」
・・「高さ」?
現在、その意味が手に汗を握るぐらい生々しく実感できる。
やっとの思いで高地順応をしたボリビアの大地が、リアガラスからあっと言う間に消えてしまった。
確かにバスは、ガードレールまで整備された久々に見る現代的な舗装路の上を滑るように進んでいる。
唯一つ問題なのは、ボリビア〜チリをつなぐこの道路、標高差2000m以上の地点を直線で結んでいた事だった。
つまり、普通なら何度もジグザグを描いてゆっくり降りてくるのが山道のはずなのだが、この道は雲に霞む下界まで一直線に繋がっている。
数分毎に空気が濃くなり、呼吸が楽になるのを考えると、一体どれぐらいの速さで駆け下りているのだろう?
ジェット機が墜落する時もこんな感じなのだろうか?
かれこれ40分は経った気がする。
ブレーキが焦げる匂いがするのは気のせいだろうか? -
着いた!下界だ!
(それでも2000mはあるけど・・)
空気が美味い!
これほど、空気のありがたみを覚えたのは、エベレスト以来だ。
日本のテレビ番組では、この道を関野さんがチャリンコでやって来たらしい。
こんな地平線が見渡せる一本道でチャリンコを漕いだら、気持ちのいいものだろうか?
俺だったら、気が遠くなりそうな気がするのだが・・ -
旅日記
「11月22日、チリ入国」
「所持品、荷物は台の上に!ジッパーは全て開けて!パスポートを早く!」
チリ入国チェックは非常に厳しい。ツーリストは農作物保護の為の検疫で、他国で買った水のボトルさえも取り上げられてしまう。
そして、ボリビア〜チリは非常に仲が悪かった。
しかもここは、ボリビアからチリが戦争でぶん取った地域の国境だ。
「検疫体制南米ベスト1」、
「犬猿の仲のボリビアからの入国」、
「3日間風呂に入ってない砂だらけの格好」、
よく考えたら、俺にとって南米で最も厳しい入国審査を受けているのかもしれない。
身体中に緊張が走る中、前に並んでいたアメリカ人のおじいちゃんが、アマゾンから大事に持ってきたという木の実を取り上げられた。
まぁ、あんな未開の土地のもんを後生大事に持って歩けば、これは当然の結果だろう。
が、しかし、何故検疫官が2人体制で俺のバッグをまさぐっているのは理解に苦しむ。
何故、俺だけ2人がかりで念入りに調べられなきゃならないんだ?
・・もしかして、疑われているのか?
案の定、ちょび髭を生やした偉そうな係官が、俺のパスポートを前に聞いてきた。
「お前、ボリビアーノ(ボリビア人)のくせに、どうして日本人のパスポートを持っているんだ?」
・・確かにカメレオンのように、その国によって顔立ちが変わる俺の順応性は、よく現地人と勘違いされる。
特に南米に来てからは、俺のご先祖様がどこから来たかわかり始めた気はするが・・
「100%、メイド・イン・ジャパンだ!」
と答えると、今度は腕まくりをさせられた。
お次は麻薬中毒者の嫌疑をかけられているらしい。
指の間まで注射針の跡を調べられる中、俺はこの頃ご無沙汰だった初めての経験を味わっている。
食生活で顔立ちまで激変する俺にとって、日本人かどうかの疑いをかけられるのは慣れてはいたが、犯罪者かどうかの疑いは初めてだった。
噂じゃ、チリ人は南米1親切で気立てがいいと言う。
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