2009/07/06 - 2009/07/06
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Yattokame!さん
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シカゴでフランク・ロイド・ライトの建築に触れる旅の続きです。ライト関係では、オークパークの住宅のほかに、ループ地区の「ルッカリー」の室内装飾とハイドパークのロビー邸も見てきました。
ルッカリーへは、早朝にホテルから歩いて行き、出勤客で混む前の時間帯にじっくりとロビーの装飾を眺めてきました。白い壁に、茶色の鉄骨の階段が印象的です。
この後、バスに乗って南のハイドバークを目指しました。科学産業博物館(Museum of Science and Industory)行きのバスに乗って科学産業博物館前まで行き、そこから20分ほど歩くとロビー邸に到着。ロビー邸では、最近少人数でじっくりと内部を見学するツアーを開始したそうで、それに参加しました。参加料は55ドル(2009年7月現在)と高いですが、普通の見学ツアーでは禁止されている写真撮影が可能で、しかも1階から3階まで保存財団のオフィスなど一部を除きほとんどすべての部屋を見学できます。
内部のじっくり見学ツアー(Private Spaces In-depth Tour)は、曜日・時間が限られていますので、このツアーへの参加を予定している場合、事前に保存財団のホームページでツアーの催行日時を確認されることをお薦めします(HPで予約することもできます。ただし予約時に数ドルの手数料が追加されます)。
http://www.wrightplus.org/
【他のライト建築の見学記】
他のライトの建築を見学したときの様子も旅行記として残しています。よろしければご参照ください。
落水荘/ケンタック・ノブ
http://4travel.jp/traveler/yattokame/album/10452052/
オークパークにあるライト最初の事務所兼自宅/ユニティ・テンプルなど
http://4travel.jp/traveler/yattokame/album/10429369/
東京・池袋 自由学園明日館
http://4travel.jp/traveler/yattokame/album/10508845/
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
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「ルッカリー」は、シカゴ大火後の1885年から88年にかけて建てられた、シカゴの摩天楼の出発点ともいえるビルです。フランク・ロイド・ライトは、1905年から07年にかけてロビーを改装しています。
月曜の朝8時ごろに行きましたが、時折通勤客が通るほかは誰もいないロビーをじっくり鑑賞できました。豪華な装飾に目を見張ります。 -
こちらは、先ほどの写真とは反対側です。白色の壁と茶色の階段の骨組みのコントラストが印象的です。
1905年というと1889年にパリのエッフェル塔ができてから20年経たないころですから、当時の人々にとってこの鉄の装飾は時代の最先端を行くものだったに違いありません。 -
階段の柱部分の装飾。
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金色の背景に浮かび上がる大理石の白色の彫刻は気品があり、鉄の階段の彫刻とともにロビーを格調高いものにしています。
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階段の支柱の彫刻。
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階段の手すりです。ここにもライトらしい幾何学模様を見ることができます。
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上階も美しい装飾が続いています。
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ルッカリー見学後は、科学産業博物館行きのバスに乗り、科学産業博物館前で降りて、そこからさらに20分ほど歩いてロビー邸まで来ました。
ロビー邸は、夏の日差しと歩道の並木が建物に投影された美しい姿を見せています。 -
ロビー邸内のギフトショップ。かつて車庫だったところです。ここで、ツアーの申し込みができます。
11時ちょっと前に着きましたが、11時から"In-depth Tour(じっくり見学ツアー)"が始まるということで早速それに参加しました。1日1回のツアーですので、良いタイミングで着きました。ラッキーです。
このツアーは現在金土日の週3日だけで、催行時間も私が行ったときとは異なるようです。
http://www.wrightplus.org/ -
じっくり見学ツアーは、西側の玄関から始まります。奥に玄関がありますが、昨日オークパークで見たプレーリースタイルの住宅同様、手前にある壁に隠れて通りから見えないようになっています。
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外壁に使われているレンガです。それぞれのレンガは微妙に色合いが異なり、離れて見ると、目地の白とともに建物の水平線を強調しているのが分かります。
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1階のリビングの扉。
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1階リビングの窓。
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1階リビングルーム。今は殺風景ですが、部屋に置かれていた写真パネルを見ると、かつては絨毯が敷かれてソファーが置かれ、暖炉もあって、日常のリラックスした空間が広がっていました。
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2階のリビングに上がってきました。
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ユニティテンプルの照明もそうでしたが、この照明も日本の照明デザインを参考に作ったものだそうです。
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2階リビングは、大きな連続する窓によって外部とつながり、開放的な感じがします。1階は、通りに沿って塀がめぐらされ、さらに奥に引っ込んだところに部屋があって昼間でも少々暗かったのと対照的です。
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2階リビングの窓。
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2階リビングの窓。
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1階と2階を結ぶ階段。格子があるあたりは、日本のデザインを思わせます。
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2階のダイニングルームからリビングルームを見ています。このとおり、ダイニングとリビングは、中央にある暖炉が間仕切りになっているほかは間を隔てるものがなく、これによっても部屋が開放的で広く感じられます。
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部屋のもともとの壁の色を復元したパネルです。壁の色は、日本のそれをイメージしているそうで、ここにもライトの日本趣味が反映されています。
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2階のバスです。ここにも美しいアートガラスが用いられています。
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2階の廊下の窓です。
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2階と3階を結ぶ階段。
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3階の主寝室。
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3階は寝室と子供部屋、メイドルームやバスからなりますが、ほとんどの部屋がごらんのようにまだ修復途中です。資金の問題もあるので、修復に時間がかかるそうです。
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3階から見た2階屋根。
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1階に戻ってきました。90分のツアーはこれで終了ですが、もう少しロビー邸の外観を探ってみたいと思います。
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キャンティレバーの屋根に穴が開けられており、屋根の下に光が差し込むよう工夫されています。
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通りに面した部屋は、窓を小さくしてアートガラスを入れることで内部が見えにくくなっています。
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西側の通りからリビングを眺めます。キャンティレバーによって、2階の庇が広くせり出しているのがわかります。
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南側から見たロビー邸。歩道の並木に遮られてよく見えないのが、残念です。
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せっかくハイドパークまで来たので、ロビー邸以外のものも見て回ろうと思います。写真は、ロビー邸の向かい側の建物。ライトのプレーリースタイルを意識したデザインになっています。
ここには大学生協のようなビュッフェがあって、お昼時、シカゴ大学の先生や学生と思われる人々でにぎわってました。部外者も利用でき、食べ物の種類も沢山あってよかったです。 -
ロビー邸の交差点をはさんだ斜め向かいには、ロックフェラー・メモリアル・チャペルという大きな教会があります。1928年に建設されたシカゴ大学に付属する教会で、名前はシカゴ大学の創設者「石油王」ジョン・ロックフェラーを記念したものになっています。
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教会の内部には、ゴシック・リバイバルによる巨大な空間がありました。ヨーロッパ中世の教会に来たようです。
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教会のステンドグラス。
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シカゴ大学のキャンパスですが、イギリスのオックスフォード大学に来たかのようです。アメリカ人は、やはりヨーロッパの歴史にあこがれるんでしょうかね。
シカゴ大学は、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出した超名門大学です。今ここで学ぶ学生の中から将来ノーベル賞を受賞する人が出るかもしれませんね。
シカゴのフランク・ロイド・ライトの建築を見て回る旅は、これで終わりです。お読みいただき、ありがとうございました。
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この旅行記へのコメント (2)
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- crossさん 2011/01/17 18:16:30
- Yattokame!さんこんばんは♪
- アメリカ・シカゴ旅行記拝見しました。
シカゴは21年前の新婚旅行で相方に却下された街です。
当時世界最大のシアーズタワーを見たくて提案した記憶があるのですが...。
我が旅行記と違い浮かれた感のない、
勉強に行かれたのかなぁというような旅行記で興味深かったです。
同じような旅行をされる方も多いようですね。
もしかしてYattokame!さんは建築家?
建築物や調度品はどちらかといえば好きですが、フランク・ロイド・ライトの名も
オークパークとハイドパークというシカゴ近郊の地も初めて知りました。
ガウディは曲線、ライトは直線の建築家なのかなと思いましたが...。
目的を持った旅は、何も持たずに行く旅に比べワクワク感が違うと思っています。
cross
- Yattokame!さん からの返信 2011/01/18 03:00:28
- RE: Yattokame!さんこんばんは♪
- crossさん
シカゴ旅行記ご覧いただき、ありがとうございました。
私の職業は建築と関係ないのですが、建築に興味があり、特にライトはニューヨークのグッゲンハイム美術館で没後50周年の記念展でスケッチや模型を多数見て俄然興味が湧いて、以後いくつか彼の作品を見に行っております。
ガウディは自然からデザインを学んだ建築家として知られますが、ライトは自然との調和を目指した建築(彼は有機的建築と呼んでいます)で知られます。実際シカゴに残された建築もそうですが、彼の作品は景観とよく調和しています。ピッツバーグ郊外にある彼の一番有名な住宅建築「落水荘」は滝の上に建てた家ですが、見事に滝や周りの森と一体になっていてその景色には魅了されます。ガウディは自然から学んでいるので曲線が多いですが(しかし、この曲線は幾何学図形の断面であるので、決して適当ではなく計算された曲線なのですが)、確かにライトは幾何学的な直線デザインが多いですね。
私も普段は名所を見る旅が多いですが、建築・美術が好きで時折特定のテーマでひたすら同じようなモノを観て回るということをしています。こういう旅も、自分のコレクションが増えていくような感覚があって面白いです。
Yattokame!
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