2009/12/15 - 2009/12/16
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harihariさん
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毎年12月16日の開山忌に、東大寺ではいくつかの諸堂において秘仏の特別公開をしています。今回、それに合わせて、創業100年を迎えた奈良ホテルに宿泊しました。多くの国賓や皇族が宿泊した関西の迎賓館は、日常から乖離した優雅なひとときを過ごすのに最適な空間です。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 私鉄
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17:00 仕事を早めに切り上げて奈良に到着。
予定より遅れていたので、急いでホテルに向かっていると、普段から気になっていた建物が、この日は偶然開いていたので中をのぞいてみようと。
日本聖公会奈良基督教会。昭和3年築。
興福寺に隣接する、木造のまるで寺院のような教会です。 -
教会の中ではクリスマスイベントの準備中。
高さのある格天井と、それを支える太い円柱角柱が圧巻の迫力。 -
面取りされた柱に掛けられた十字架がなければ、教会だと気付かないぐらい。
教会と同じ敷地にある親愛幼稚園とともに、国の登録有形文化財となっています。 -
そして奈良公園の畔を歩くこと10分、奈良ホテルに到着。
明治42年(1909年)創業。今年でちょうど100周年。
多少の改修は施されているものの、基本的には創業当時のままの姿を保っている、日本を代表するクラシックホテル。 -
チェックインを済ませると、スタッフの方に案内されて正面階段を2階に。
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高い天井。広い廊下。ふかふかのカーペット。余計な音楽など聞こえてこない静かな廊下。
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突き当たりを曲がると、襖をくぐって…
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とにかく広いホテルです。スタッフの方と話をしながら、ようやく僕たちの部屋が見えてきました。
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245号室。今晩、お世話になる僕たちの部屋。使い込んだ木製の扉。
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ツインスタンダード。24?で二人30,000弱。
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かつて使用していたマントルピースもそのままに。往年の雰囲気を色濃く残したまま、使いやすいように改修をしたって感じ。
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少し部屋でゆっくりと寛いだ後、夕食の時間を見計らってダイニングに向かいます。
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フロントの頭上は吹き抜けの回廊になっていて、木造の手すりのコーナーには、それぞれ擬宝珠が設えてあります。
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明治以降現在に至るまで、皇室の方が奈良に来られた際に宿泊されるのは、他でもないこの奈良ホテル。エントランスのこの空間からも、それだけの風格がひしひしと。
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昔ながらの暖房設備のようです。
エアコンのように、冬でもポカポカというわけにはいきませんが、廊下を仄かに暖かくしてくれています。 -
ダイニングルーム「三笠」。エレガントないい雰囲気。
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静かで落ち着いた店内は、質の高いスタッフの方たちが黙々と仕事をこなしています。
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僕たちは窓際の席で、ライトアップされた興福寺五重塔を見ながら。
オーダーは「春日」というフルコース。税・サービス料込で一人¥13,860。 -
まずはグラスワイン。
僕はドイツのドルスハイマー・ゴルトロッホ・リースリング・セレクション。
爽やかで香り豊かな白ワイン。 -
奥さんはボルドーのクロ・バドン・テュヌヴァン。
果実の香りが辺りにまで漂う、華やかな赤ワイン。 -
まず、キャビアと鱒の卵のカナッペ。
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フォアグラのポアレ。バルサミコソースの赤ワイン風味。
濃厚な旨みと香ばしさがワインに合い過ぎ。
ちなみに、初めからすべてのシルバーを並べておくクラシックなスタイルです。 -
パンはバターロールとフランスパン。
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スープはコーンのクリームスープ。
お替りが欲しい。 -
平目のガレット。
一手間を惜しまない正統派のフランス料理の真骨頂。
淡白な平目に合うように、少し濃くめのソースがまた美味しい。 -
ここで口直し。
木苺のシャーベット。
一旦口をリセットしておいて、メイン2品目です。 -
和牛フィレ肉のステーキ、ジロール茸添え マデラソース。
こちらのミディアムは、余所でのミディアム=ウェルダンぐらいかも。
お肉、ソースともに最高。このステーキを食べるだけでも、コース料理をいただく価値はあるんじゃないかと思う。 -
奥さんがワインのお替り。
イタリアのロッカ・ディ・フラッシネッロ。
先ほどのフルーティなのとはうって変わって、ビターな飲み口の大人のワイン。 -
デザート、フルーツ盛り合わせ。
奥さん曰く、「別腹別腹。」 -
コーヒーと小菓子。
小菓子は、マドレーヌとラズベリーのマシュマロ。
美味しかった食事の話に花を咲かせる優雅な時間。 -
たっぷり2時間かけた食事のあとは、館内の見学。
誰もいないロビーは貸し切り状態。チャップリンやヘップバーン、ジョー・ディマジオなどもここで寛いだりしたのでしょうか。 -
創業当時のシャンデリアも。
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館内には、至る所に日本を代表する様々な画家たちの作品が飾られてあります。
さながら美術館のよう。
絵を観ていると、スタッフの方がさりげなく「奈良ホテル収蔵絵画」のパンフレットを持ってきて下さいました。こういう的を得た親切なサービスが、100年の歴史を築き上げてきたんだと思うと、すごく嬉しくなりました。 -
0:00 就寝。
奈良ホテルの浴衣には、予想通り鹿のデザイン。
ベッドも枕も快適で熟睡できました。 -
6:30 起床。
まだ薄暗い、部屋の窓から見えるのは老舗料理旅館、菊水楼。 -
寒さを堪えながら、朝の散歩。
奈良ホテル全景。
設計は日本建築の父、辰野金吾。
東京ステーションホテルや日本銀行を設計した明治の建築家です。 -
堂々とした木造建築。
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エントランスは格天井。
写ってないですが、クリスマス飾りの横にはせんとくんも。 -
館内の床には、ふかふかの赤絨毯が敷き詰められています。
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ロビーの吹き抜けを取り囲む回廊。
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正面の大きな階段。
ステップが低めで奥行が広いので、とても歩きやすいです。 -
朝食もダイニングルームで。
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窓の向こうには興福寺五重塔。
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朝食は、和食と洋食から。
和食はご飯と茶粥をチョイスできます。 -
もちろん、茶粥で。
梅干しや塩昆布で好みに味を整えられるように、茶粥自体にはほとんど味をつけていません。興福寺境内の「塔の茶屋」の茶粥に比べると、苦味は少なく、お茶の薫りの立つ茶粥のでした。 -
ダイニングルーム内には、小さいながらも横山大観、竹内栖鳳などの色紙がさりげなく飾られています。写真は河合玉堂の団扇絵。さながら美術館のよう。朝食を終えてからも、ゆっくりと鑑賞させてくれます。
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見上げれば、葡萄の釘隠し。葡萄だなんて、ちょっと意外性があってお洒落ですねえ。
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明治大正昭和平成と、100年間触られ続けた窓枠には、100年分の傷跡が。
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朝日の差し込む階段。額の中には今井凌雪先生の書。
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階段の擬宝珠は、開業時は真鍮だったのですが、戦時中の金属供出により赤膚焼の擬宝珠に替えられたようなのです。
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夜はバーになるところ。
大人ないい雰囲気。次に泊まる時は、絶対ここで一杯やろう。 -
チェックアウトまで、まだ時間があるのでティーラウンジでコーヒーでも。
宿泊客にだけ許される、至福のひと時。 -
僕はコーヒー。奥さんはカフェオレ。
窓の外には、ヤマガラが群れをなしていました。 -
奈良ホテル、クリスマス仕様のコースター。
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これは100周年仕様の。
鹿が愛らしい。 -
バーからは中庭に出られます。
朱色の欄干は、元々は木のそのままの欄干だったのですが、戦後占領軍の指示で朱色に塗られた名残りだそうです。 -
フロント前には鳥居付のマントルピースと狛犬。
そして傍らに飾られているのが、上村松園の絵画。 -
9:30 チェックアウト。
家から近いので、また泊まりに来る予感。
とてもいい部屋でした。 -
天気がいいので、鹿も機嫌よさそう。
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一列に並んでお出かけ。
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東大寺大仏殿。
世界最大の木造建築。
今日の目的はここじゃないので、贅沢にもスルー。 -
境内の階段を上って、目的の法華堂(三月堂)。
東大寺最古で天平時代(8世紀中ごろ)の建物。
今日(12月16日)の開山忌は、この法華堂で国宝・執金剛神立像の特別公開の日です。
奈良時代の塑像とは思えないぐらいに残存している彩色と、圧倒的な憤怒の表情は感動もの。 -
三月堂の向こう側は、お水取りで有名な二月堂。
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開山忌の今日は、開山堂でも開山・良弁上人坐像の秘仏公開。
開山堂、内陣、良弁上人坐像すべて国宝。 -
開山堂の境内には、お水取りで使用された大松明が置いてあったり。
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重要文化財・閼伽井屋。鎌倉時代の再建。
お水取りの際に、この中にある井戸水を御香水として御本尊にお供えするのです。
その作業は、修二会を執り行う僧侶以外は見たことがないもの。
奈良時代から続く驚異の伝統行事。 -
閼伽井屋の屋根には、なぜか鳥の瓦が。
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法華堂、開山堂と特別拝観を済ませて、境内を順番に見学。
重要文化財・三昧堂(四月堂)の中に入ったり。 -
国宝鐘楼の見学。反り返った屋根が印象的。
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梵鐘も国宝。
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俊乗堂の重源上人坐像も特別公開の日。
当然こちらの中も拝観します。 -
重要文化財の念仏堂。内部は外からの見学です。
少し開いた障子の隙間からは、予想外に大きな地蔵菩薩坐像が目の前に見えるんです。 -
境内の鹿鳴園という食事処で遅めの昼食。
カレーうどん定食。
寒い中を歩き回っていたので、あっつあつのカレーうどんが美味しくて美味しくて。 -
次は戒檀堂に。
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超有名な国宝の四天王立像を拝観。
1300年前に造られたなんて信じられない仏像です。
まるで生きて動いても違和感がないような印象。
日本の国宝の中でも、最高クラスの美術品ではないかと。 -
続いて正倉院。
8世紀に建てられた、聖武天皇の遺品を納めた宝庫。 -
東大寺からの帰り道。いい感じに枯れた風景。
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なんだか古い民家だと思って、よく見ると喫茶店。
以前にはなかったような気が。 -
最近オープンした「工場跡事務室」というカフェ。
文字通り、古い食品工場跡を利用したカフェと手作り小物のギャラリーです。
広くない店内は、のんびり静かにお茶したい人にはピッタリ。
落ち着いた時間を過ごせます。 -
僕はコーヒー。
奥さんは抹茶と栗ようかんのセット。
栗ようかんは手作りだということでしたが、これ、かなり美味しかったです。 -
人に教えたいような教えたくないような。
奈良でお気に入りのカフェを見つけたかも。 -
帰る前に、ちょいと足を延ばして。
今は使われていない木造の交番。 -
交番の前には奈良女子大学。
正面の学舎、正門は重要文化財。
さすがに女子大に入るのは憚られるので、門の外からの写真です。
ああ、近づいて見てみたい… -
守衛室も重要文化財。
こんな文化財に囲まれた学校で勉強してる学生さんたちが羨ましい…
間もなく日が暮れたので、近鉄電車で帰宅。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ゆうこママさん 2010/04/03 09:21:32
- 特別拝観
- お久しぶりです。
「奈良」にひかれてまいりました。
まずは奈良ホテル、ステキですね。
いつもビンボ〜旅行なので、幾度も訪れているのに宿泊はなし。
しっとりと落ち着いた佇まいがお写真とコメントからよく分かります。
そして、東大寺。
わたし、東大寺が大好きでして、
harihariさんの愛情にあふれた目線と
丁寧なコメントに深くうなずきながら、うれしく拝見しました。
穏やかで気持ちのいい旅をなさっておいでのようですね。
旅記全体から伝わってきました。
1票投じて失礼いたします。
- harihariさん からの返信 2010/04/05 00:21:21
- ありがとうございます。
- 度々のコメント、嬉い限りです。
僕も東大寺は大好きです。でも、見所満載なので、一日では回りきれないんですよね。
その分、行く度ごとに新しい発見があって、楽しみもいっぱいです。
実は今日も近くまで行ってきたんですけどね…。(奈良国立博物館で開催中の「大遣唐使展」を観に行きました)
ところで、西教寺と醍醐寺、僕も最近行きましたよ〜。
醍醐寺の桜、見事ですね。
あんなピンポイントの桜日和に訪れるなんて、羨ましい!
ゆうこママさんのきれいな写真と仏像めぐり、これからも楽しみにしていますね。
harihari
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