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 多宝塔は仏塔の形式のひとつであり、一般に裳階付き単層塔であって、裳階平面が方形、中央部平面が円形のものを指す。三重塔や五重塔などの多層の仏塔に対して単層の仏塔という訳だ。多宝塔は馴染みがなかった。Webで調べると国宝の多宝塔は6塔、重要文化財の多宝塔は20塔もある(。驚くことなかれ、日本全国には180塔あるとも300塔あるとも言われている)。このうち、実際に見たことがあるのは国宝では石山寺の1塔のみ、重要文化財では岡崎大樹寺と天橋立智恩寺の2塔のみで、ほかには11塔の計14塔と、その数は極端に少ない。数の少なさは私の受ける印象の薄さと無関係ではないだろう。こうしたものこそアルバムを作って残さないと2度と思い出すことはないであろう。<br /> 大覚寺で大沢池の向こうにあった多宝塔が堂々として立派に見えた。その後に石山寺で国宝の多宝塔を見て改めて「国宝建造物に多宝塔もあるのだな。」と思った。しかし、現実にはそれから1年も経って、写真を見ていたら智恩院で撮った写真に多宝塔が写っているではないか。「そういえば、智恩院の広い境内の中に、山門と本堂の2つの大伽藍の間のちまちました所に、目に入っても印象の薄い大きくもない多宝塔があったな。」京都の寺では10回以上と、一番多く訪れている智恩院でさえもその伽藍配置さえも良くは理解してはいなかった。少しがっかりした。<br /> 運悪く石山寺を訪れた日にはカメラのシャッターがお釈迦になる寸前であり、写真が写らなかった。石山寺のあの美しい紅葉風景も、その後行った比叡山の根本中堂や比叡山山頂の鮮やかな夕焼け空も、上から満月で照らし出された神々しい智恩院の山門もまぶたに焼きついている。奈良円成寺では初めて多宝塔の中を見た。運慶作の大日如来が鎮座していた。国宝の大日如来像を見たのも初めてのことだった。<br /> 旅から帰り、早速カメラを修理に出した。ビックカメラの店員は「キャノンでもニコンでもシャッターはよく故障する。」と言う。メカがあるから故障し易くはなろうが、シャッターが壊れたらカメラの用はなさない。貴重な旅の思い出が残せなくなるのだ。最初の頃の1、2年はデジカメを2台持って出ていたが、1眼にしてからは交換用レンズも必要で、重くなるので予備は持たなくなっていた。レンズもメモリーもバッテリも交換式の1眼カメラでは最初に寿命が来るのはシャッターということか。感動できる光景が特別に多かった旅の最後の日に写真がほとんどないという残念な1日となりました。<br /> 余談になるが、先々月、多宝塔をWebで調べていたら、荘厳寺多宝塔が「2重塔」と表記されていたので、「一重で裳階が付いた」塔であり、仏塔は奇数であるはずと「さわやか提案箱」に質問メールを送ると、1ヶ月後に、「2重塔」を「塔」に変更する旨、兵庫県企画県民部知事室長の平野正幸氏から回答があった。<br /><br /> このたび「さわやか提案箱」にお送りいただいたメールについて、知事に代わり、知事室長の私からお返事を差し上げます。 <br />  荘厳寺多宝塔については、ご意見のとおり「二重塔」ではなく、「一重で裳階が付いた」という表現がより適切と考えます。しかし、必ずしも専門知識を有さない一般の方が閲覧する県ホームページ内の記載であることを考慮し、該当ページの説明文については、「二重塔」を「塔」という表現に修正しました。 <br /> 詳細については、下記にお問い合わせください。 <br /><br />■兵庫県教育委員会事務局文化財室 <br />TEL 078-341-7711(内線5761) <br /><br /><br />平成21年12月9日 <br /><br /> ○× △▽ 様 (○× △▽はドクターキムルの戸籍名)<br /><br />                 兵庫県企画県民部知事室長 <br />                     平 野 正 幸<br /><br /> 早速Web(http://web.pref.hyogo.jp/nh01/nh01_1_000000011.html)を確認してみると、「650年頃に法道仙人が開基したとされる寺。多宝塔は、1190年頃に佐々木高綱の造営と伝えられる塔で、桧皮葺の屋根に円筒形の二層目が特徴的。」と変更されている。しかし、「2重塔」が「塔」に書き換えられると「桧皮葺の屋根に円筒形の二層目」が良く理解できない。おそらくは「必ずしも専門知識を有さない一般の方」でも裳階(もこし)が付いた法隆寺五重塔や薬師寺三重塔を六重塔と言う人は少ないのではないか。それよりも重大なことは、兵庫県が管理運営している上記Web以外に、この文章をそのまま転載しているものが多数あり、いつまでも変更されないであろうということである。Webに掲載する者には常に大きな責任(文責)があるのである。<br />(表紙写真は奈良円成寺多宝塔)

多宝塔

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2009/09 - 2009/09

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 多宝塔は仏塔の形式のひとつであり、一般に裳階付き単層塔であって、裳階平面が方形、中央部平面が円形のものを指す。三重塔や五重塔などの多層の仏塔に対して単層の仏塔という訳だ。多宝塔は馴染みがなかった。Webで調べると国宝の多宝塔は6塔、重要文化財の多宝塔は20塔もある(。驚くことなかれ、日本全国には180塔あるとも300塔あるとも言われている)。このうち、実際に見たことがあるのは国宝では石山寺の1塔のみ、重要文化財では岡崎大樹寺と天橋立智恩寺の2塔のみで、ほかには11塔の計14塔と、その数は極端に少ない。数の少なさは私の受ける印象の薄さと無関係ではないだろう。こうしたものこそアルバムを作って残さないと2度と思い出すことはないであろう。
 大覚寺で大沢池の向こうにあった多宝塔が堂々として立派に見えた。その後に石山寺で国宝の多宝塔を見て改めて「国宝建造物に多宝塔もあるのだな。」と思った。しかし、現実にはそれから1年も経って、写真を見ていたら智恩院で撮った写真に多宝塔が写っているではないか。「そういえば、智恩院の広い境内の中に、山門と本堂の2つの大伽藍の間のちまちました所に、目に入っても印象の薄い大きくもない多宝塔があったな。」京都の寺では10回以上と、一番多く訪れている智恩院でさえもその伽藍配置さえも良くは理解してはいなかった。少しがっかりした。
 運悪く石山寺を訪れた日にはカメラのシャッターがお釈迦になる寸前であり、写真が写らなかった。石山寺のあの美しい紅葉風景も、その後行った比叡山の根本中堂や比叡山山頂の鮮やかな夕焼け空も、上から満月で照らし出された神々しい智恩院の山門もまぶたに焼きついている。奈良円成寺では初めて多宝塔の中を見た。運慶作の大日如来が鎮座していた。国宝の大日如来像を見たのも初めてのことだった。
 旅から帰り、早速カメラを修理に出した。ビックカメラの店員は「キャノンでもニコンでもシャッターはよく故障する。」と言う。メカがあるから故障し易くはなろうが、シャッターが壊れたらカメラの用はなさない。貴重な旅の思い出が残せなくなるのだ。最初の頃の1、2年はデジカメを2台持って出ていたが、1眼にしてからは交換用レンズも必要で、重くなるので予備は持たなくなっていた。レンズもメモリーもバッテリも交換式の1眼カメラでは最初に寿命が来るのはシャッターということか。感動できる光景が特別に多かった旅の最後の日に写真がほとんどないという残念な1日となりました。
 余談になるが、先々月、多宝塔をWebで調べていたら、荘厳寺多宝塔が「2重塔」と表記されていたので、「一重で裳階が付いた」塔であり、仏塔は奇数であるはずと「さわやか提案箱」に質問メールを送ると、1ヶ月後に、「2重塔」を「塔」に変更する旨、兵庫県企画県民部知事室長の平野正幸氏から回答があった。

 このたび「さわやか提案箱」にお送りいただいたメールについて、知事に代わり、知事室長の私からお返事を差し上げます。
荘厳寺多宝塔については、ご意見のとおり「二重塔」ではなく、「一重で裳階が付いた」という表現がより適切と考えます。しかし、必ずしも専門知識を有さない一般の方が閲覧する県ホームページ内の記載であることを考慮し、該当ページの説明文については、「二重塔」を「塔」という表現に修正しました。
 詳細については、下記にお問い合わせください。

■兵庫県教育委員会事務局文化財室
TEL 078-341-7711(内線5761)


平成21年12月9日

 ○× △▽ 様 (○× △▽はドクターキムルの戸籍名)

                 兵庫県企画県民部知事室長
                     平 野 正 幸

 早速Web(http://web.pref.hyogo.jp/nh01/nh01_1_000000011.html)を確認してみると、「650年頃に法道仙人が開基したとされる寺。多宝塔は、1190年頃に佐々木高綱の造営と伝えられる塔で、桧皮葺の屋根に円筒形の二層目が特徴的。」と変更されている。しかし、「2重塔」が「塔」に書き換えられると「桧皮葺の屋根に円筒形の二層目」が良く理解できない。おそらくは「必ずしも専門知識を有さない一般の方」でも裳階(もこし)が付いた法隆寺五重塔や薬師寺三重塔を六重塔と言う人は少ないのではないか。それよりも重大なことは、兵庫県が管理運営している上記Web以外に、この文章をそのまま転載しているものが多数あり、いつまでも変更されないであろうということである。Webに掲載する者には常に大きな責任(文責)があるのである。
(表紙写真は奈良円成寺多宝塔)

  • 大樹寺多宝塔(重文)。岡崎松平家の菩提寺。

    大樹寺多宝塔(重文)。岡崎松平家の菩提寺。

  •  智恩寺多宝塔(重文)。天橋立にある。

    智恩寺多宝塔(重文)。天橋立にある。

  • 喜多院(埼玉県川越市)多宝塔。

    喜多院(埼玉県川越市)多宝塔。

  • 吉野東南院多宝塔。

    吉野東南院多宝塔。

  • 永観堂多宝塔。

    永観堂多宝塔。

  • 神護寺多宝塔。

    神護寺多宝塔。

  • 遠野福泉寺多宝塔。

    遠野福泉寺多宝塔。

  • 鞍馬寺多宝塔。鉄筋コンクリート製。

    鞍馬寺多宝塔。鉄筋コンクリート製。

  • 円成寺多宝塔。鉄筋コンクリート製。

    円成寺多宝塔。鉄筋コンクリート製。

  • 知恩院多宝塔。鉄筋コンクリート製。

    知恩院多宝塔。鉄筋コンクリート製。

  • 大覚寺多宝塔。鉄筋コンクリート製。

    大覚寺多宝塔。鉄筋コンクリート製。

  • 久遠寺多宝塔。身延山。鉄筋コンクリート製。

    久遠寺多宝塔。身延山。鉄筋コンクリート製。

  • 興正寺多宝塔。鉄筋コンクリート製。

    興正寺多宝塔。鉄筋コンクリート製。

  • 比叡山延暦寺法華総持院東塔。昭和55年(1980年)再建。上層部も平面方形である木造二重方型大塔。。

    比叡山延暦寺法華総持院東塔。昭和55年(1980年)再建。上層部も平面方形である木造二重方型大塔。。

  • 片瀬本蓮寺多宝塔。平成元年建立。木造無彩色本瓦葺き。

    片瀬本蓮寺多宝塔。平成元年建立。木造無彩色本瓦葺き。

  • 如意輪寺多宝塔。大正15年(1926年)に建立。本瓦葺き。

    如意輪寺多宝塔。大正15年(1926年)に建立。本瓦葺き。

  • 妻沼聖天山歓喜院(埼玉県熊谷市)の多宝塔。

    妻沼聖天山歓喜院(埼玉県熊谷市)の多宝塔。

  • 鑁阿寺(栃木県足利市)の多宝塔。

    鑁阿寺(栃木県足利市)の多宝塔。

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