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■イスタンブールはまた雨<br /><br />「そっか、、、」ガラタタワーを見ながらつぶやいていた。カフェで豆スープとパンの朝ごはんを食べ終わったところ。つぶやきは「2度目のイスタンブールも雨」という理由がわかった気がしたからだった。<br /><br /> 自分を「晴れ男」と思い込めるのは雨の日を忘れているからなんだろう。雨に降られてはじめて雨の記憶をたどることになる。<br /><br />「おととしも雨。今日も雨。イスタンブールはオレを拒んでるんだな」<br /><br />で始まった思考は、再訪の理由を考える、になっていた。「教会とブドウの国」からの帰りにイスタンブールで道草するのは、おととしの心残りを拾うため。小雨でスッキリとしない空の下を歩く。ジャンパーは湿り、景色は目にうまく映らない。町の印象がぼんやりで、新しい心残り、心の少しがイスタンブールに置かれてしまった。また拾いに来なきゃな、、、そっか。イスタンブールは拒んでいるのではなく「また来いよ」と言ってくれているのだ。<br /><br />「ちょこちょこっと来たくらいで満足してるんじゃねえぞ。来るなら時間をかけてしっかりトルコを見ていけよ」と。

重慶 午後6時13分 0026

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2009/10 - 2009/10

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kanai jic tokyo

kanai jic tokyoさん

■イスタンブールはまた雨

「そっか、、、」ガラタタワーを見ながらつぶやいていた。カフェで豆スープとパンの朝ごはんを食べ終わったところ。つぶやきは「2度目のイスタンブールも雨」という理由がわかった気がしたからだった。

 自分を「晴れ男」と思い込めるのは雨の日を忘れているからなんだろう。雨に降られてはじめて雨の記憶をたどることになる。

「おととしも雨。今日も雨。イスタンブールはオレを拒んでるんだな」

で始まった思考は、再訪の理由を考える、になっていた。「教会とブドウの国」からの帰りにイスタンブールで道草するのは、おととしの心残りを拾うため。小雨でスッキリとしない空の下を歩く。ジャンパーは湿り、景色は目にうまく映らない。町の印象がぼんやりで、新しい心残り、心の少しがイスタンブールに置かれてしまった。また拾いに来なきゃな、、、そっか。イスタンブールは拒んでいるのではなく「また来いよ」と言ってくれているのだ。

「ちょこちょこっと来たくらいで満足してるんじゃねえぞ。来るなら時間をかけてしっかりトルコを見ていけよ」と。

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  • ■心残りを食べる<br /><br /> やりたい事はひとつ「サバサンドを食べる」だった。とにかくサバサンド。これを知った時、決しておいしい食べ物とは思えなかった。期待せず、むしろマズイだろうと思いながら大きめのフランスパンと、挟まれた魚を一口食べた。うまい。おかしい。「鯖パン」がうまいわけがない。二口目。うまいうまい。コカコーラと一緒にほおばる。<br /><br />「うまいな」。<br /><br />サバサンドをもぐもぐしながら海を眺めた時に「やっと休日だ」と思えた。今回の旅、イスタンブールまでは慌ただしくてまともに寝ていない。ここで半時間のゆったり。

    ■心残りを食べる

     やりたい事はひとつ「サバサンドを食べる」だった。とにかくサバサンド。これを知った時、決しておいしい食べ物とは思えなかった。期待せず、むしろマズイだろうと思いながら大きめのフランスパンと、挟まれた魚を一口食べた。うまい。おかしい。「鯖パン」がうまいわけがない。二口目。うまいうまい。コカコーラと一緒にほおばる。

    「うまいな」。

    サバサンドをもぐもぐしながら海を眺めた時に「やっと休日だ」と思えた。今回の旅、イスタンブールまでは慌ただしくてまともに寝ていない。ここで半時間のゆったり。

  • ■トーマス君登場<br /><br /> サバサンドを食べるくらい、なぜできなかったのだろう。<br /><br />トルコは大きくて見たい所が多く、ずっと行ってみたい国だった。1、2か月じっくりと。そして「イスタンブール」という特別な響き。トルコ、イスタンブールはそんな憧れの国、町だったが1か月の旅行は現在の自分の環境では難しい。気持ちを切り替え、いつまでも行けないよりは短期間でもいいからトルコを訪れてみることにしよう。<br /><br />そう割り切ると、旅の道筋が自然と頭に浮かんでくる。船でイスタンブール。「飛んで」ではない天邪鬼。目指すボスポラス海峡。<br /><br /> 黒海を縦断する船にはウクライナ人とトルコ人ばかりだったが、乗客に目立つガイジンがいた。船内日本人1名のオレも該当者だが、彼の目立つ理由はその風体。背は高く、船内をふらふらする彼はいつ見ても旅行の全荷物であろうデカいザックを背負っていて、真っ赤なパーカーを着、耳にヘッドフォン、音楽で口をぱくぱく。目立つ。<br /><br />このフェリーでは富山〜ウラジオストクの場合と同様、指定された食事の席に座らなければならない。目立つガイジン、トーマス君と同じテーブルになる。ウクライナは面白くなかったと彼は言うが、オレとしては「常に耳をヘッドフォンで塞いで歩いてりゃどこの国も面白くないだろう」と思ってあまりお話をしたい相手ではなかった。食事後、船内ですれ違っても挨拶無し。ヘッドフォンしてるから聞いてくれないトーマス君。<br /><br /> イスタンブールが見えてきた頃に甲板で旅感に浸っているとトーマス君が笑顔で親しげに話しかけてきた。なんかヘンだなと思いながら「そろそろだ」「あれがトプカプ宮殿か?」などと話していたら、トーマス君が簡単な質問をしてきた。彼の近づいてきた目的がわかった。<br /><br />(つづく)<br />http://www.geocities.jp/kanaibon/

    ■トーマス君登場

     サバサンドを食べるくらい、なぜできなかったのだろう。

    トルコは大きくて見たい所が多く、ずっと行ってみたい国だった。1、2か月じっくりと。そして「イスタンブール」という特別な響き。トルコ、イスタンブールはそんな憧れの国、町だったが1か月の旅行は現在の自分の環境では難しい。気持ちを切り替え、いつまでも行けないよりは短期間でもいいからトルコを訪れてみることにしよう。

    そう割り切ると、旅の道筋が自然と頭に浮かんでくる。船でイスタンブール。「飛んで」ではない天邪鬼。目指すボスポラス海峡。

     黒海を縦断する船にはウクライナ人とトルコ人ばかりだったが、乗客に目立つガイジンがいた。船内日本人1名のオレも該当者だが、彼の目立つ理由はその風体。背は高く、船内をふらふらする彼はいつ見ても旅行の全荷物であろうデカいザックを背負っていて、真っ赤なパーカーを着、耳にヘッドフォン、音楽で口をぱくぱく。目立つ。

    このフェリーでは富山〜ウラジオストクの場合と同様、指定された食事の席に座らなければならない。目立つガイジン、トーマス君と同じテーブルになる。ウクライナは面白くなかったと彼は言うが、オレとしては「常に耳をヘッドフォンで塞いで歩いてりゃどこの国も面白くないだろう」と思ってあまりお話をしたい相手ではなかった。食事後、船内ですれ違っても挨拶無し。ヘッドフォンしてるから聞いてくれないトーマス君。

     イスタンブールが見えてきた頃に甲板で旅感に浸っているとトーマス君が笑顔で親しげに話しかけてきた。なんかヘンだなと思いながら「そろそろだ」「あれがトプカプ宮殿か?」などと話していたら、トーマス君が簡単な質問をしてきた。彼の近づいてきた目的がわかった。

    (つづく)
    http://www.geocities.jp/kanaibon/

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