2009/12/04 - 2009/12/04
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べるつくさん
松岡圭祐「ミッキーマウスの憂鬱」2005年刊。
千里眼シリーズで知られる作者ですが、なぜかこんな東京ディズニーランドが舞台の小説もあります。そういえば千里眼でも某国工作員がスモールワールドに感動するというシーンがありました。ちなみに私は千里眼のシリーズは小学館から角川に移ったあたりのタイミングで読むのをやめました。もういいやって感じて。
この作品で舞台がTDLなのは、夢と希望にあふれているに違いない職場、として主人公が選んだ場所だから、ということになります。なのでそれとは異なる数々の現実が立ちはだかることになりますが、それでも読後感は爽やかといえます。それにしても登場人物の誰に対しても感情移入できませんでした。
また個人的には、構造的にかなり警察小説的な印象を受けました。つまり警察小説でいうところのたとえば、所轄や県警の間の対立、刑事と公安などの部署間の対立、キャリアとノンキャリアの関係、警務部の存在、警察庁との関係などに相当するものがことごとく出てきたもので。
舞台マップ
http://maps.google.co.jp/maps/ms?ie=UTF8&hl=ja&msa=0&msid=111273679200362025208.000470d4f1679926fc9c9&brcurrent=3,0x60187d1047835c47:0x89620b95c4d7f418,0&z=16
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「"ジャングル・クルーズ"も20周以上もつづけて乗ると船酔いしてくる。」
書き出しの一文です。これは小説の書き出しとしてはかなりうまいかも。少なくともTDLの好きな人なら、なになにどういうこと?となりますから、ツカミはオッケーというところでしょうか。 -
「水面に乱反射する光の渦や、潤いを帯びてまばゆいばかりの輝きを放つ熱帯雨林の緑。絶好のアトラクション日和だった。」
書き出しの一文の状況の説明がすぐに続きます。なんとキャストの採用試験をアトラクションで行っているというものでした。 -
「"ジャングル・クルーズ"の船長役のそのキャストは、冒険家スタイルのコスチュームをそつなく着こなし、笑顔に白い歯を輝かせてゲストたちに向き合った。」
本作の主人公の後藤の登場です。夢と希望に満ちた理想の職場として東京ディズニーランドでの仕事を求めて面接を受けに来たのでした。 -
「ところが、舵をまわす動作と船の針路が同調していない。」
TDLのジャングルクルーズとUSJのジョーズ。キャストの役回りは似たようなものですが、USJのほうが火と水の効果が抜群です。それに反省したのかHKDLのジャングルクルーズはだいぶ派手でした。 -
「後藤大輔は胸を躍らせながらJR舞浜駅の改札を出た。腕時計に目をやる。午前10時半。ディズニーランドはすでに開園している。お客も入場、いや、ゲストもインパークしている。」
人手不足が深刻なのかなぜか後藤は採用されます。 -
「関係者専用と記された階段を降りる。駆け足で下る自分の靴音に酔いしれつつ、木立のなかに伸びる小道へと歩を進めていった。」
ちなみに後藤が入るのは「オリエンタルワールド」。オリエンタルランドではありません。
版元が講談社ではなく新潮社であることからもオフィシャルなものでないことは明らかです。
ただフィクションであり、ちょこちょこ実際とは変えてあるので黙認されているのでしょうか。 -
「「ファンタジーランド、ホーンテッドマンションの脇にあるゲートの奥、そこがパレードの出発点。ディスパッチ1っていうの。そこにパレードビルっていうパレードの発進基地があって、美装部は全員集合してる」」
実際そういう名称なのかは知りませんが、確かにここはパレードのスタート地点です。 -
「パレード開始1分前のアナウンスが響いたころ、ようやくミッキーマウスがパレードビルからでてきた。後藤は呆気にとられた。
その軽妙な身のこなし、笑顔にさも似つかわしいカートゥーンのような素振り、どれをとっても完璧なミッキーマウスだった。」
作中では同じミッキーでも、ショーに出るミッキーのほうがパレードに出るミッキーより格上とされています。
同様に対立項が数多く存在していて、読み返してもやっぱり警察小説的に読めて仕方ありません。
社内での部署間の優劣、正社員と準社員、さらにはランドとシー、また対アメリカのディズニー本社などなど。 -
「パレードの終点は、たしか以前にインパークしたときに偶然目にすることができた。ハニーハントの裏、トゥーンタウンのなかにゲートがあって、パレードはそのなかに消えていった。蛇行する道は奥をみらないためだったのだろうこディスパッチ2は、そのトゥーンタウンのゲートのことに違いなかった」
パレードの終点、パレード待ちで座り込んで待ってる人が多いこのあたりは、反対側が壁なので確実にキャラとかがこちら側を向いてくれるのだとか。 -
「"シンデレラ城ミステリーツアー"は、以前にゲストとして体験したとき、きわめて妙なアトラクションとして後藤の記憶に刻みこまれていた。」
「シンデレラ関係ないじゃん。彼女はそういった。後藤も、戸惑いながらも同意せざるをえなかった。」
単行本として出たときにはまだこのアトラクションはあったかと思いますが、文庫になったときには廃止されていました。
そのためか巻末のコメントに「実在しない名称、既に廃止された名称などが含まれています」と書かれています。
ちなみに私はこのアトラクション、知らないままに終わりました。 -
「このアトラクションは東京ディズニーランドのオリジナルだから、LAだとかフロリダのディズニーワールドにはないの。」
「勇者になってボスキャラを倒したらメダルがもらえるというのも、ディズニーランドというよりはジョイポリスかナンジャタウンのようだった。」
で、ミステリーツアーは終了しましたが、2011年にシンデレラの世界を楽しめる、というウォークスルータイプのアトラクションが導入されるそうで。
まぁシンデレラ城に作るならそれが妥当でしょうね。
ちなみに本場アナハイムのキャッスルは眠れる森の美女城で、ずんぐりしたシルエットにがっかりする日本人も多いみたいです。 -
「ワールドバザールの一角、三井住友銀行のATMコーナーの隣りにクラブ33の入り口がある。一般の入場者には無縁の場所だが、オリエンタルワールド本社およびスポンサー各社のエグゼクティブら500人が会員証を持っていて、彼らのみが利用できる空間だった」
はい、自分には無縁の場所です。
でもちゃんと記述どおりの場所にありました。
スポンサーラウンジってのも行ったことないしなぁ。 -
「後藤は笹塚とともに、ワールドバザールの十字路付近に立っていた。」
いまだとここにでーんと巨大なツリーが立っています。TDLにせよ、USJにせよ入口に大屋根がかかっているのは雨の多い日本の気候に対応したものです。 -
「「トゥモローランドのショーベースでおこなわれている『ワンマンズ・ドリーム・リターンズ』です。」
ここも実際とはちょっと変えてある例です。実際の名称はリターンズじゃなくて?ですね。
11月からシーのビッグハンドビートとともに抽選制になってしまいました。BBBが抽選というのは残念です。 -
「「ビッグサンダーマウンテンは安全装置が働いて緊急停止したため、現在ご利用できなくなっております。再開時刻は未定です。恐れいりますが、ほかのアトラクションをお楽しみください。」」
今回ウエスタンランド自体に足を踏み入れていませんでした。なので代わりに舞浜駅からランドへのペデストリアンデッキにある看板で。 -
「シーのなかはまだ大勢のゲストで混みあっていた。」
「メディテレーニアンハーバーに出ると、キャストたちの働きはさらに際立っていた。」
ランドが舞台の小説ですが、クライマックスはシーになります。 -
「そこは、ミステリアスアイランドとマーメイドラグーンのあいだに位置する空間だった。周囲は岩肌に見せかけた火山の麓に位置しているが、切り立った崖に囲まれた谷間の底でもあり、ゲストからはみえない。」
この記述からするとこの餃子ドッグのワゴンの向こうあたりでしょうか。
実際、グーグルマップの写真で見ると、この奥の壁の向こうには舗装された道路があります。でもマーメイドラグーン側から見ても全然そんなメンテナンス用道路があるようには見えません。
表紙の舞台マップのリンクから飛んで、右上に出る航空写真に切り替えると見られます。 -
「澄みきった青空の下、ディズニーランドは大勢のゲストで混みあっている。桜木由美子はシンデレラ城前で、ゲストから渡されたカメラのファインダーをのぞきこんでいた。」
今はクリスマスバージョンでリースのついたシンデレラ城です。
ちなみにこの小説、プロローグをのぞくと3日間のできごとです。
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この旅行記へのコメント (7)
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- Noririnさん 2009/12/26 22:30:11
- こういう楽しみ方もあるんですよね
- べるつくさん こんばんは〜
海外へ行くと「ロケ地ツアー」って文字を良くみますが
本の舞台へ行くのも楽しそうですね。
なんだかミステリーな感じがするし。
私はTDLへ行くと普通に憂鬱になります^^;
乗り物類が苦手なのと、人の多さで・・・
でもスタッフの頑張りは有名で
夢を売る商売を叩き込まれているので感心します。
べるつくさんにとって2010年が実り多い一年となりますように。
お身体には気をつけて、良いお年をお迎えください♪
Noririn
- べるつくさん からの返信 2009/12/26 23:20:22
- RE: こういう楽しみ方もあるんですよね
- Noririnさん、こんにちは。
そうですね、映画のロケ地ってのはある種定番の観光地ですもんね。
ただ自分は映画の舞台でも実際のロケ地より設定上の場所の方に興味が行く人間だったりします。
つまり、画面と同じ景色を見て満足するよりは、画面ではここのことのはずだけど実際はこう、というのを見るほうが好きというひねくれもの。
舞浜は苦手な人には苦痛そのものですよね。行列だらけだし、物価は高いし。ただテーマパークとしての凝り具合は感嘆に値しますし、キャストの仕事ぶりもあっぱれです。
Noririnさんもよいお年を!
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- ホーミンさん 2009/12/22 11:40:52
- ミッキーに扮して案内してくれるスヌ
- べるつくさま
こんにちは。
今回の舞台はTDLですね。
今回は本を読んでいなくても、誰もが知っている場所が舞台なので、私もツツツ〜と簡単に引き込まれて行きました。
スヌちゃん、ミッキーになっていますね。
手に持っているものが美味しそうで気になります。
ミッキーマウがなぜ憂鬱なのかが気になるところですが、また今回も読まずに終わりそうです。スミマセン。
- ホーミンさん からの返信 2009/12/22 11:44:40
- おめでとうございます。
- 昨日お誕生日だったのですね?
プロフに紹介されていないので、いつなんだろうとは思っていましたが、たった今偶然知ってしまいました。
おめでとうございます!!
momotaさんもお誕生日おめでとうございます!!!
- べるつくさん からの返信 2009/12/24 08:47:34
- RE: ミッキーに扮して案内してくれるスヌ
- ホーミンさん、こんにちは。
バースデーメッセージもありがとうございます。
そうなんです、舞浜に出没するときにはこのマウスイヤーつきスヌくんの出番です。手にはポップコーン。首からチケットホルダーも下げてます。私の他の舞浜エリアの旅行記にも出演してますので、探してみてくださいね。
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- おだんごさん 2009/12/21 11:52:58
- 微笑ましいですね〜〜!
- べるつくさん こんにちは。
TDLは授乳室も充実しているんですね。
それだけ小さな子供さん連れが多いのですね。
息子も一人娘(2才)を連れて夫婦であちこち出かけているようです。
スヌ好きな息子。お嫁さんはキティが好きみたい。
べるつくさんの旅行記を見ていると、
若い夫婦が仲良く子育てしているんだろうなぁ〜って
微笑ましく声援を送りたくなります。
忙しいだろうに、色々とたくさん本を読んでいるんですね。
実在のルートを写真で案内してもらうと、面白いですね。
おだんご
- べるつくさん からの返信 2009/12/22 12:49:46
- RE: 微笑ましいですね〜〜!
- おだんごさん、こんにちは。
TDL、ベビーセンターにもスポンサーがついてるんですよ。明治乳業。粉ミルク売ってます。
で2箇所あるんですが、後からできたほうが広いです。今回は広いほう。
乳児連れでパークに行く人ってのはだれだけいるのか分かりませんが、でもうちらも含めてけっこういましたね。
息子さん夫婦のお子さんは果たしてスヌ好きになるかキティ好きになるか。
サンリオにはスヌものグッズもありますね。
本は通勤の電車で読んでるだけです。あとはベビィとあかちゃん絵本を読むのが親子ともにマイブーム。けっこう喜んでくれます。
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