2009/11/16 - 2009/11/16
29位(同エリア51件中)
極楽人さん
チューリッヒ滞在2日目は、スイスのライン河畔を訪ねました。
アルプスを源流とするライン河は、スイス国内を縦断してドイツ国境のボーデン湖に流れ込みます。その後はフランスを経由してドイツを北上し、大河となって北海に達しますが、ボーデン湖あたりまではまだ荒っぽさを残す若々しい川です。
『Vater Rhein』(父なるライン)。ドイツ語では、ライン河は[男性名詞]です。
ボーデン湖西端の町『シュタイン・アム・ライン(Stein am Rhein)』は中世の面影を今に残す町、壁一面のフラスコ画が個性的です。
その西に、古い要塞をいただく『シャフハウゼン(Shaffhausen)』。ちょっと足を伸ばして、ライン河が唯一"滝”となって流れ落ちる『ラインファル(Rheinfall)』も見に行きます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- スイスインターナショナルエアラインズ
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9:10 チューリッヒ中央駅を出発。
IC列車でシャフハウゼンまで行き、ローカル線に乗り換えてシュタイン・アム・ラインをめざします。
往復48CHF。1時間強で到着する筈です。
この町へは色々な行き方がありますが、最も分かりやすく、その時点で最も待ち時間の少ないルートでした。
やって来た列車はドイツのシュツットガルト行き、ドイツ鉄道の車輌でした。 -
シャフハウゼンまで約40分、すこし待って始発のローカル線の乗り換えます。
カラフルな座席。
空は暗く曇っていますが、気分を明るくさせてくれます。 -
車窓から。
沿線の田舎の風景はなかなかで、曇り空も案外捨てたもんじゃありません。 -
シュタイン・アム・ラインの駅舎。
切符の窓口と、小さな待合室と、観光パンフレットが置かれたテーブルと。
トイレと売店は外です。 -
町はライン河の対岸です。
駅から坂道を下り、橋を渡ってゆきます。
橋の右側はボーデン湖の西の端っこ。
自然のアルバム、という感じです。 -
左側に町が見えます。
Steinは石。『ライン河の宝石』という名の町です。
丘の上に、ホーエンクリンゲン城。天気がよければ展望がききそうですが、この日は道もぬかるんでいそうで、諦めるほかないようです。 -
橋を渡り終えて、ここが『中世の入口』です。
突当たりを左に曲がって、町の中央へ進みます。 -
軒を連ねる木組みの家々。
壁面いっぱいに描かれた絵が眼に飛び込んできました。 -
写真の、右端の道から出てきました。
ここが市庁舎広場、町の中心です。
中央の建物が市庁舎のようです。 -
広場に面して建つ家々。
絵柄から、「赤牛の家」「王冠の家」などと名前がついているようです。 -
町の起源はローマ時代ですが、壁絵が描かれて今の姿になったのは17世紀頃だといいます。
幸運にも、戦火を免れました。
絵柄には宗教的な題材が多く見られますが、地域の民話に基づくものもあるようです。 -
これは『姦通』を罰する絵のようです。
"道ならぬ恋"は本当に『命がけ』のようでした。 -
夏場は広場いっぱいにレストランのテーブルが並んで、ずいぶん賑やかだったと思います。
ライン河で獲れる「川魚料理」が名物だそうです。
初冬のこの時期は観光客もまばら。
でも、かえって重厚な風情が漂います。 -
市庁舎を背にして、通りの先を見ます。
メインストリートは300mほどで、両側にホテルやお店が並んでいます。
当初、ここのユースホステルに宿泊することを考えましたが、観光シーズンが終る10月末で閉じてしまいました。 -
突きあたりの『ウンター門』。
町は城壁に囲まれていて、随所に門が構えられています。 -
ウンター門から、市庁舎方向を見ました。
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壁づたいに裏道へと進みます。裏まで、完璧に中世のままでした。
この町では、コンビにもファストフードも周囲に合わせたデザインに造るので、どこに何があるのかさっぱり分かりません。 -
北側の『オーバー門』
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水飲み場、ですか。
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出窓の家。
閑静な露地です。 -
壁を南に折れて、市長舎の方向へ戻ります。
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左側が市庁舎。
これで、主だったところはひと周りしました。
ゆっくり見て歩いても1時間とかかりません。 -
最後に、市庁舎の裏にある『聖ゲオルグ修道院』へ。
町は、11世紀に建てられたこのベネディクト派修道院を中心に発展してきたようです。
もともとは別の「シュタイン」に建てられた教会を移築したらしく、区別するために街の名に「am Rhein」(ライン河の畔の・・・)を加えたようです。 -
観光を終わり、橋を渡って対岸のシュタイン駅に戻ります。
坂道を上がって、右に曲がれば駅舎です。 -
やって来た経路を逆に、シャフハウゼンまでローカル線で戻ります。
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到着の直前、列車の窓からシャフハウゼンの町が見えます。
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立派な駅舎、前はバスターミナルで向かいのビルにインフォメーションがありました。
大きな地図をもらって街へ出ます。 -
駅前通を左折して旧市街へ。
先に広場があり、大通りは歩行者天国です。
よく整理された小都市の雰囲気ですが・・・ -
かわいらしい露地もあります。
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旧市街の中心、フロンヴァッグ広場(Fronwagplatz)にはカフェやレストランが集まっています。
ちょうど空腹が。
手頃なカフェで、分厚いハムサンドと炭酸水の簡単な昼食を済ませました。12CHFでした。 -
フォルダー通り(Vordergasse)の『騎士の家』(Haus Zum Ritter).
「壁一面のフレスコ画はアルプスの北側に特徴的なもの」と、もらった地図に説明があります。
シュタインと違って、絵が残っているのは一軒だけのようです。 -
石畳の道をさらに進むと、ライン河畔に出ます。
丘の上に古い要塞が見えます。 -
住宅の脇に登り口がありました。
これは『ムノート(Munot)』という城塞です。
シャフハウゼンが都市国家だった頃の、16世紀に作られたものだそうです。 -
長い外階段を登りきり、洞穴のような入口から塔の中へ。暗闇に、螺旋階段が上へ伸びているのが分かります。ノーチェックで、入場は無料。
『銃眼』というには大きい窓から眼下の町が見えたら、頂上です。 -
登りつめたところは円形の屋上。
昔の大砲などが飾ってあります。
18世紀末にスイス連邦に組み込まれるまで、街の見張り塔としてその役割を果たしていました。 -
だから、
ここからは旧市街が一望できます。
白い尖塔は、『聖ヨハネ教会』です。 -
ライン河の下流方向。
さっき通ってきた鉄道の橋が見えます。 -
こちらは上流方向。
左の尖塔は『大聖堂』です。 -
丘は一面のブドウ畑、要塞はその真ん中に建っていることがわかります。
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見学終了。
要塞を下りて、駅まで戻ります。 -
駅前に戻って、午後2時半過ぎ。
せっかく来たので、ライン河が『滝』になっている名高い観光地『Rheinfall』を見に行くことにします。
最寄の町は『ノイハウゼン(Neuhausen)』、1番のトロリーバスで10分です。 -
運転手さんが「ここで降りて」の合図をくれました。
『ノイ(新しい)ハウゼン(家々)』という割には、古い家々。 -
さて、滝はどっちかな。
迷っていると、バス停にいた学生が「足跡についていけばいいよ」と教えてくれました。
なるほど。
少しかすれていますが、アスファルトに黄色い足跡が続いています。10mくらいの間隔で、滝まで誘導してくれるようです。 -
足跡について5分も歩くと、すさまじい滝の音が聞こえてきます。
道が二手に分かれているので、
先ずは、上の道へ行ってみます。 -
滝のすこし上流に出ました。
水はかなりの勢いで流れています。
鉄道が通る橋があり、両脇に歩行者用の道がついています。
橋の先は『ラウフェン(Laufen)城』、現在はユーズホステルになっているようですが、残念ながら先週までで休館しています。 -
今度は下の道を辿って、滝に近づいてみます。
岩にこびり付いたコケに足をとられないよう、注意深く進みます。日本の観光地のように、ちゃんとした道が整備されているわけではありません。 -
全長1,300kmのライン河は、ただこの一ヶ所でだけ段差を滑り落ちます。
公称では「幅は最大約150m、落差は23m」。
落差はさほどでありませんが、水量の豊かさと勢いが結構な迫力を感じさせます。
滝は19世紀末から水力発電に利用されて、シャフハウゼンの工業化に大きな貢献をしたと言います。 -
滝の上、鉄道橋をちょうど列車が通り過ぎます。
当然、列車からも"一瞬"ですがこの滝が見えます。
そこだけ速度を落としてくれるので、事前に知っていれば写真撮影も可能です。 -
滝のすぐそばの、展望レストラン。
昔の建物を利用したのか、昔風に作ったのか、よくわかりませんが、周囲の風景にはしっくり溶け込んでいます。 -
帰り際、今は使われていない水車を見つけました。
実は、『Reinfall』は2度目の訪問です。
学生の頃、ヒッチハイクで“来るともなしに”やって来ました。
ドイツ→スイス→イタリアへの旅の途中のことです。
何となく、覚えてはいるんですが・・・
ここだけに限らず、
若い頃の旅は先を急ぐ気持ちばかりが強くて、
じっくり見ないまま通り過ぎてしまったように思います。 -
夕方4時過ぎ、『日帰り遠足』を終えてシャフハウゼンからチューリッヒ中央駅に戻ります。
次は、ルツェルンの街とエンゲルベルクのアルプスを訪ねます。(完)
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