2009/11/17 - 2009/11/17
234位(同エリア488件中)
極楽人さん
チューリッヒ滞在3日目。
旅行の最終日は、古都『ルツェルン』を訪ねることにしました。
アルプスの青い峰々と澄んだ湖、湖畔の白い教会を囲む中世そのままの街並み。
ルツェルンは、誰もが思い描く『スイスの町』の風景をそのまま見せてくれます。美しさでは、世界遺産に登録された『ベルン』にも引けをとらないのではないでしょうか。
町の大きさも、徒歩で周るにはちょうどよく、石畳の旧市街から岸辺まで、ゆっくり歩き回っても半日とはかかりません。
チューリッヒやベルンからも近く、観光客には人気の町です。
午後は偶然、『エンゲルベルク』というアルプスの山あいの村へへ行くことになりました。名峰『ティトゥリス』への登山基地として有名なところだったようですが、そのときは知識も情報もなく、ティトゥリス山頂へ行く“ゴールデンルート”とは別のゴンドラに乗ってしまったようです。よく調べないで行くと、時どきこういうことが起こります。勿体ないことをしました。
それでも、旅の終わりに思いがけない“アルプス気分”を味わうことができて、そこそこ満足しました。
翌日は、チューリッヒ空港から成田に帰ります。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- スイスインターナショナルエアラインズ
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昨日と同じように、荷物をユースホステルのロッカーに置いて軽装でチューリッヒ中央駅へ。
ルツェルンまでは電車で約50分、電車は、ほぼ30分ごとに出ています。
10:04発のルツェルン行きがありました。
往復切符は46ユーロ。 -
ルツェルン駅の内部。
天井まで届く大きなガラス窓から陽が射し込み、明るくてモダンな雰囲気です。
チューリッヒ駅と同じく、地下にはショッピングアーケードや有料トイレなどの施設が揃っています。
構内のインフォーメーションで、地図と、帰路用に時刻表をもらって外に出ます。 -
現在の駅は1991年に再建されたものだそうです。
古い駅は火災で焼失し、今は駅前のスペースに写真の部分だけが残されています。
これまで何度か訪れていますが、私には古い駅しか記憶がありません。ずいぶん昔のことだったようです。 -
駅を背にして、旧市街方面へと繋がる幅広のゼー橋(Seebruecke)が真っすぐ伸びています。
左手から流れてきた『ロイス(Reuss)川』は、橋の右手でルツェルン湖(正式名Vierwaldstaettersee)に注ぎ込みます。
対岸の湖畔に、『ホーフ教会(Hofkirche)』の2本の尖塔が見えます。 -
湖の先には、意外と大きくアルプスの山々が見渡せます。
逆光に、シルエットが強く浮き出ます。
チューリッヒでは“望遠レンズ”で撮ったものです。
右手前の黒い影は、フェリーの桟橋です。
夏場は観光船で賑わっていたでしょう。 -
ゼー橋の左手には、街の象徴『カペル橋(Kapellbruecke)』が架かっています。
以前の印象で「橋の手摺りは花で飾られている」とばかり思っていましたが、花はありません。
季節のせいですか、不景気のせいですか。 -
ゼー橋を渡りきった左端に、カペル橋の入口があります。
もとの岸に戻ってしまいますが、渡ってみます。
ロイス川を斜めに横切るこの屋根つきの橋は14世紀の建造、“欧州で一番古い木造橋”だそうです。 -
屋根の内側には、ルツェルンの歴史にまつわる一連の絵が描かれていますが、これは『復元』です。
オリジナルは17世紀頃の作品でしたが、1993年の火災で橋とともに大部分が焼失したそうです。 -
欄干から、右の河岸を眺めます。
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渡りきった対岸(駅側の岸)から、カペル橋を振り返ります。
右端の『水の塔(Wasserturm)』は、かつては監獄や拷問室として使用されていた建物だそうです。 -
すぐ横の鉄橋を右側へ渡って、もう一度旧市街側の岸に戻ります。
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岸辺の黄葉の間から見る、ととのった街並み。
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その左に、特徴ある玉ねぎ尖塔をそなえた『イエズス教会』。
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こちら側の岸沿いには、建物の外通路を利用して市場が開かれています。
野菜市場、花市場、魚市場もありました。 -
露地から、旧市街を覗きます。
もう壁いっぱいの絵が見えています。 -
これまで見てきた町より“色づかい”が明るく、それが街の雰囲気をより華やかに見せています。
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旧市街の中心、『カペル広場』。
広場に通じるカペル通り沿いには『穀物市場』や『ワイン市場』といった昔の地名が残っています。 -
イタリアからドイツへ、あるいはオーストリアからスペインへ。
アルプスの南と北を結ぶ交易の拠点として、繁栄を極めた時代の名残りでしょう。
穀物倉庫だった建物は、現在は『市庁舎』として使われているそうです。 -
『ワイン市場』の華麗な建物。
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その附近の、なんだか分かりません。
角を曲がる度に、次々と目を引く建物が出てきます。 -
旧市街から、丘へ登る坂道を見つけました。
高みに立てば、街の全景が見えるかも知れません。 -
ツタの絡まる“チャペル”ならぬアパートを通り過ぎて、歩くこと5〜6分。
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古い城壁と見張り塔が現れました。
壁は、ムーゼック城壁(Museggmauer)、中世のルツェルンをすっぽり囲っていたものです。
壁上へに上れるようですが、このときは入口が閉じていました。 -
でも横のベンチから、こんな景色を満喫。
芝生の上でお弁当を広げる人たちもいて、自然の展望台になっています。 -
街の上に、雪をいただいたアルプス。
しばらく見つめていると、
「もう少し近づいてみたい」誘惑に駆られてきます。 -
右手の山の上には、お城型のホテルでしょうか。
一応、一枚押さえておきました。 -
しばし休憩の後、丘を下って湖畔の散歩道へ。
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17世紀に建立された、石造りのホーフ教会。
内部には見事な祭壇と巨大なパイプオルガンがあります。
有名な『瀕死のライオン像』は、教会建設時の採石場跡に彫られています。場所は教会のすぐ北側です。 -
教会の隣に建つ古民家風の家。
周囲をブラブラ歩き回った後・・・ -
岸辺を辿って、スタート時点の『カペル橋』に戻りました。
お昼を食べることにして、その前に食後の段取りを確認しようとルツェルン駅に寄ります。
町から近い『シュタンザーホルン(Stanserhorn)』の展望台に登ろうと思ったのです。 -
ホームのいちばん端の赤い私鉄が、最寄り駅の『シュタンス(Stans)』へ行く筈です。
念のため、車掌の女性に尋ねると「シュタンスから先のケーブルカーは先週末で終っている」とのこと。
確かに、ガイドブックには『11月中旬まで』と書いてありました。
あきらめて帰りかけるところへ「エンゲルベルクなら、まだ見られますよ」と車掌さん。
「すぐ出発する」という電車に乗車して、何処だか分からないまま行ってみることにしました。 -
座席のテーブルに『路線図』が印刷してあります。
エンゲルベルク(Engelberg)は、いちばん下の[LUZERN]を出て、左端の赤い線をたどった終点(左上)にありました。ちょっと遠いような。
さっきの車掌さんが座席に来て、切符を買いました。カードOK、往復36CHFです。
「片道1時間、帰りの電車は毎時45分発。」と教えてくれて「いいところですよ」とも。 -
沿線はなかなかきれいで、スイスの豊かな田園風景が広がります。
ちょっと窓が汚れています。
車窓は手で開けられますが、座席が結構埋まっているので遠慮しました。 -
雪山がだんだん迫ってきます。
草原を駈けるのは鹿のようですが、角が見えず、定かには見分けられません。 -
こんなきれいな山裾を走り抜けます。
東山魁夷の絵画。 -
出発から約45分後、駅でもないところで停車しました。
窓から前方を見ると、車掌さんが降りて煙草を吸っています。
「お付き合い」が礼儀でしょう。ドアノブを回し、煙草とカメラを持って線路ぎわに出ました。
数分して、下りの電車が急勾配を降りてきました。
ここですれ違うようです。 -
こっちの電車が登る番です。
ひときわ高いうなり声を上げて、急勾配を進み始めました。
傾斜は、こんなもの。
スイスの木も勿論、垂直に立っています。(!?) -
15分後、終着駅のエンゲルベルクに到着しました。
いつの間にか、雪山の真ん中です。 -
これが、駅前広場。
インフォメーションが閉まっていたので、地図も何もありません。
小さい村のようなので、見当をつけて歩けばロープウエイの駅が見つかるでしょう。 -
こちらは、メインストリート。
とりあえず、突当たりまで行ってみます。 -
町外れの白亜の建物はベネディクト派の修道院で、エンゲルベルクはここを中心に発展したそうです。
門には、たしか「芸術学校」の表記もありました。
目立つ建物は、これくらいです。 -
修道院の向こうの斜面に、ロープウエイを発見しました。
-
右下がふもと駅。人けがありません。
いつ運転が終了するか分からないので、急ぎ足になって10分。
途中から草原を横切って進みます。 -
これがゴンドラ。どこの山頂に行くのか知りませんが、高いところは景色がいいはずです。
20人は乗れる大きさですが、『貸切』になりました。
往復26CHFは高いか安いか、眺望次第です。 -
ゴンドラから下を見ます。
この道も、やがて雪に埋もれるのでしょう。
冬はスキー場になるらしく、あちこちで作業の人たちがリフトやゲレンデの点検をしていました。 -
10分足らずで、標高1600mの頂上駅に到着します。
-
頂上駅(右端)にはカフェが一軒。
周囲は芝生の平原になっていて、ここを起点に何本かのハイキングコースが出来ているようです。 -
着いたとたん、にわかに空腹が。
昼食を取らないまま、3時になっていました。
「食事はできないよ」というカフェのおばさんに
「パンにハムでも挟んで」と頼むと、その通りのものを作ってくれました。辛子が利いて美味。
コーヒーと一緒で、金8CHF也。 -
ベランダでしばらく休憩。
おばさんに『ピンボケの記念写真』を撮ってもらった後、周辺を散策しました。
荒い岩肌をさらす、名も知らない山々。
(私が知らなかっただけで、ティトリスなど有名な山に囲まれているところだそうです。)
遠くの雪渓は氷河の名残でしょうか。 -
雲が多少あって、陽が射したり翳ったりしていますが、“寒い”という感じはありません。
薄いブルゾンでも、歩き出すと汗ばみます。 -
谷を覗くと、足元にエンゲルベルクの村が。
歩いて下ることも出来るようです。
『徒歩1時間』と、案内板が出ていました。
でも、熊と出会いそうなので止めました。 -
夕陽が見れれば、と少し粘りましたが、まだ少し間があるようです。
午後4時過ぎ、『往復カード』を見せてロープウエイで村へ降りました。
帰りのゴンドラは、2人組の地元ハイカーと一緒です。
別の村から一日がかりで歩いてきた、と話していました。 -
10分でふもとに到着。
まあ、こんなもんですか・・・と、ひとりで納得して、
4:45発の電車に間に合うよう駅へ急ぎました。 -
帰路の車掌さんは、往路とは別の若い女性でした。
往復切符が見当たらなくて困りましたが、探し出すまで笑顔で待っていてくれました。
車窓から最後の一枚は、かすかな“たそがれ”。 -
ルツェルンからチューリッヒへ戻る電車は『サロン付き』。
葉巻の残り香りがしましたが、ひょっとして喫煙車?
人がいないので確認できず、ここは“自粛”です。
*******
7時過ぎにユースホステル帰着。同室の“ポーランド”も“イラン”もまだ仕事中なのか、不在です。
そこへ、この夜の新参者“ブラジル”が、家族5人でやってきました。空きは1ベッドですが、全員で部屋を見に来たようです。陽気な家族で、しばらくは話すうちにすっかり打ち解けました。 -
この日のユース・ディナーはカレーライス、16.5CHF。
『最後の晩餐(Last Supper)』は質素でしたが、旅仲間と食べるのは楽しいものです。
夕食後、ロビーで日本の学生とばったり。となりのBARでしばし“情報交換会”となりました。
部屋に戻ると、またブラジル家族。ほろ酔いのまま意気投合して、「もう2〜3泊したら?」には、ちょっと心が動きました。忙しい、でも愉快な夜でした。 -
翌朝、部屋の仲間と大げさに抱き合って別れました。
短い付き合いでしたが、ブラジル家族ともお別れ。今度は『リオ』か『サンパウロ』で会いたいものです。ブラジルの人が多く住む『浜松』も選択肢ですか。
運よくロビーで、学生の彼にも別れが言えました。
帰国便は午後発。時間があるので、中央駅まで湖畔を徒歩で行くことにしました。色づいた木々が美しく、カメラに夢中で時間をとりすぎました。
搭乗口では、もうアナウンスが始まっていました。
感慨に耽る間もなく、スイス航空LX160便。
慌しく乗りこんで、旅はあっけなく終りました。 -
アンダルシア〜モロッコ〜スイスの旅はこれで終了。
また節約して、貯金して、次の旅をめざすことにします。
今度はどこへ行こうか、今から楽しみです。(完)
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