唐招提寺－平成に蘇った天平の甍

2009/04 - 2009/04

　唐招提寺金堂は10年を掛けて平成の大改修（解体修理）が行われた。唐招提寺金堂の解体修理の様子はTBSで何時間も放映された。この中では、平成の鵄尾（しび）の製作が特に感動した。山本瓦工業の山本清一棟梁（社長）のやり方には喝采した。今を思えば、国宝鑑真和上展が上野の東京国立博物館で開催されたのは2001年のことである。11月1日に金堂平成大修理落慶法要が行われ、谷村新司コンサートが行われたらしい。数10年前の東大寺の落慶法要にはさだまさしコンサートが行われたのだから、奈良ではこうした毛色の音楽が受けるのだろう。
　先週寄ったのだが、受付終了後であったので、お布施と称してLEDライトを置いて帰った。今日は、尼が辻駅で下りて、久し振りに垂仁天皇陵を眺めながら、裏から来た。受付で、「LEDライトは使っていますか？」と声を掛けると、「私ともう一人が使わしてもろうてますわ。」とお礼を言われた。
　金堂の瓦が新しくなった面が輝いて、平成の鵄尾も両棟にしっかりと載り、輝いている。落慶法要は半年後であり、金堂のご本尊の廬舎那仏坐像と薬師如来立像、千手観音立像は拝めない。がっかりした。梵天立像、帝釈天立像、須弥壇四隅の四天王立像も全てが国宝である。今度はしっかりと金堂の仏様をお参りに来よう。
　唐招提寺新宝蔵に展示されていた1体の仏像（梵天立像）が気になった。日本にない中国原木（チャンチン材）に彫られ中国伝来という伝承があり、重文指定を受けているのだが、割れが酷く、生木で造った仏像では？と誰もが思う。境内で出会ったお坊さんに聞いてみた。「あれは人目に付くようなところには出したくなかったんですが、今回は主だった仏様が博物館に出払っていて、展示するものがなかったものですから。普段は倉庫に眠っているんですが・・・。」どうも触れられたくはないらしい。「3体焼いた鵄尾のうち2体はあそこに載ってますが、残りの1体は？」と話題を変えると、笑顔で、「山本瓦に置いてありますわ。」と答えて、スコップを持って金堂の周りをいじり出した。この寺では五重塔の再建話なども聞こえてこず、天平の甍を維持して来ている。山門も小さく、みすぼらしいが、今回の金堂の解体修理で、民放ではあるが、テレビで紹介されたことで唐招提寺を良く知れた。今回はご本尊も拝めずに、金堂の屋根を見るばかりであったが、以外と満足感に浸れた。招提みそは買わずに帰った。

エリア 奈良市(奈良)

垂仁天皇陵。

唐招提寺裏手の桜？

唐招提寺作業場。

唐招提寺南大門脇の桜。

唐招提寺南大門（1960年再建）

唐招提寺金堂（国宝）

唐招提寺金堂（国宝）。

唐招提寺金堂（国宝）。

唐招提寺金堂（国宝）。

唐招提寺金堂（国宝）。

唐招提寺金堂（国宝）。

唐招提寺金堂（国宝）。

唐招提寺金堂（国宝）。

唐招提寺金堂（国宝）。

唐招提寺金堂（国宝）。

唐招提寺金堂（国宝）。

唐招提寺金堂（国宝）。

鐘楼。

鐘楼の鐘。

講堂（国宝）。

講堂（国宝）。

講堂（国宝）。

講堂（国宝）。

東室（重文）。

東室（重文）。

東室（重文）。

鼓楼（国宝）。

鼓楼（国宝）。

宝蔵（国宝）。

経蔵（国宝）。

経蔵（国宝）。

経蔵（国宝）。

経蔵（国宝）。