関東三舎利殿

2009/10 - 2009/10

　関東地方には宋様式、いわゆる禅宗様の舎利殿が残っている。一番著名なのは国宝の円覚寺舎利殿である。次に、東京都で唯一の国宝建造物である舎利殿は、東京都東村山にある正福寺千体地蔵堂である。最後は横浜市杉田の東漸寺本堂（釈迦堂）（県指定）である。
　20年ほど前、北鎌倉から円覚寺とは逆方向に六国見を目指した。畑の切れた所からは崖のような急斜面の法地に木々が生い茂り森になっていた。ここを降りたら鎌倉も近いかと思い、木につかまりながら下に降りていった。あまりの斜度に難儀したが、何か読経が聞こえる。やっとのことで降りるとそこはお寺の境内である。横の建物を良く見ると写真で見慣れた円覚寺の舎利殿ではないか！「円覚寺に降りてきたのか。」その位置関係に唖然としたが、国宝建築物の横にいるのである。急いで門から出た。誰にも見つからなかったのが不思議であった。今になると、あの時にしっかりと見ておくんだったと後悔の念が先に立つが、あの時は慌てて出ることで頭が一杯であった。一生忘れられない、それでいて少し後ろめたい気持ちが湧いてくる思い出です。

エリア 福生・武蔵村山(東京)

鎌倉円覚寺舎利殿。参道の奥に舎利殿が。

東京都東村山市正福寺千体地蔵堂。東京都唯一の国宝建築物である。

角度を変えて正福寺千体地蔵堂。

横浜市杉田東漸寺本堂（釈迦堂）（横）。

東漸寺本堂（釈迦堂）(裏)。