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2009.10.7付けの産経新聞にインドで婦人専用列車が運行されているという記事を見つけてオヤと思った。<br /><br />http://hayashima.cocolog-nifty.com/photos/newspaper/no1.jpg<br />http://hayashima.cocolog-nifty.com/photos/newspaper/no2.jpg<br /><br />あの名うてのカースト制の制約が緩んできつつあるのかなと思い興味をもって読んだ。インドを訪問したのは1999.11.7であったからもう10年も昔のことになる。<br /><br />カースト制は姓による区別であり性差による区別ではないから今回の婦人専用車の運行は性差による区別を鮮明にしただけのことかもしれない。しかしこのような政策の積み重ねがやがてカースト制打破につながるのかなと思った。<br /><br />10年前にインドを訪問して考察したカースト制については以下のように書きとめていた。<br /><br />http://4travel.jp/traveler/u-hayashima/album/10057218/<br /><br />インドにおいてはカースト制度を抜きにしては何事も理解できない。三千年程前に北インドに進入してきたアーリヤ人は現在のヨーロッパ人とも同じルーツの白色人種系であった。彼らは先住民である肌の黒いドラビダ人を平定してその支配を固めるにつれ、ヴァルナ(肌の色)という身分制度を作りあげた。肌の色による身分の上下区分をしたのであるが、その後更にアーリヤ人の中で社会的職能による区分が設けられた。<br /><br /> 四姓と謂われるバラモン (僧侶)、クシャトリャ(王族と武士)、バイシャ(商工業者)、 スードラ(奴隷)という区分である。このヴァルナ(肌の色)という差別と四姓という区分はジャーティ(生まれ)に因って定められているとする閉鎖的なカースト制度になって定着したのである。<br /><br /> 我々日本人にとってカースト制度の分かりやすい適用は結婚の場合であるインドには恋愛結婚は殆どなく、結婚とは親が決めるものであり、異なるカースト間の結婚は絶対にあり得ない。適例期の男女の両親はお互いの親族の姓名を何代にも遡って調べ且つ比べてお互いに釣り合ったカーストであるか否かを第一の判定基準にしてその結婚の適否を決定するという。インドでは「好きだから結婚する」のではなくて、「結婚してから好きになる」ことが夫婦間の大切な徳目になっているのである。<br /><br />そして、現実のヒンドゥー社会では過半の民衆がヒンズー教を信奉しておりこのカースト制度を受け入れその内部でそれぞれの分を守ることで生活を保証される面もあり、同一カースト内では互いに助け合う共同体的な機能も果している。民衆はカースト制度の不合理な差別を思い知ってはいてもその根本的な改革のために一直線に立ち向かうだけのエネルギーがまだ蓄えられていないのが現状である。<br /><br /><br /><br /><br />

インドの旅でカースト制を考えた。

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1999/11/07 - 1999/11/12

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早島 潮

早島 潮さん

2009.10.7付けの産経新聞にインドで婦人専用列車が運行されているという記事を見つけてオヤと思った。

http://hayashima.cocolog-nifty.com/photos/newspaper/no1.jpg
http://hayashima.cocolog-nifty.com/photos/newspaper/no2.jpg

あの名うてのカースト制の制約が緩んできつつあるのかなと思い興味をもって読んだ。インドを訪問したのは1999.11.7であったからもう10年も昔のことになる。

カースト制は姓による区別であり性差による区別ではないから今回の婦人専用車の運行は性差による区別を鮮明にしただけのことかもしれない。しかしこのような政策の積み重ねがやがてカースト制打破につながるのかなと思った。

10年前にインドを訪問して考察したカースト制については以下のように書きとめていた。

http://4travel.jp/traveler/u-hayashima/album/10057218/

インドにおいてはカースト制度を抜きにしては何事も理解できない。三千年程前に北インドに進入してきたアーリヤ人は現在のヨーロッパ人とも同じルーツの白色人種系であった。彼らは先住民である肌の黒いドラビダ人を平定してその支配を固めるにつれ、ヴァルナ(肌の色)という身分制度を作りあげた。肌の色による身分の上下区分をしたのであるが、その後更にアーリヤ人の中で社会的職能による区分が設けられた。

 四姓と謂われるバラモン (僧侶)、クシャトリャ(王族と武士)、バイシャ(商工業者)、 スードラ(奴隷)という区分である。このヴァルナ(肌の色)という差別と四姓という区分はジャーティ(生まれ)に因って定められているとする閉鎖的なカースト制度になって定着したのである。

 我々日本人にとってカースト制度の分かりやすい適用は結婚の場合であるインドには恋愛結婚は殆どなく、結婚とは親が決めるものであり、異なるカースト間の結婚は絶対にあり得ない。適例期の男女の両親はお互いの親族の姓名を何代にも遡って調べ且つ比べてお互いに釣り合ったカーストであるか否かを第一の判定基準にしてその結婚の適否を決定するという。インドでは「好きだから結婚する」のではなくて、「結婚してから好きになる」ことが夫婦間の大切な徳目になっているのである。

そして、現実のヒンドゥー社会では過半の民衆がヒンズー教を信奉しておりこのカースト制度を受け入れその内部でそれぞれの分を守ることで生活を保証される面もあり、同一カースト内では互いに助け合う共同体的な機能も果している。民衆はカースト制度の不合理な差別を思い知ってはいてもその根本的な改革のために一直線に立ち向かうだけのエネルギーがまだ蓄えられていないのが現状である。




同行者
一人旅
交通手段
観光バス
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)

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