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古き佳きアメリカを尋ねて・・。 Vol.11

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2009/06/24 - 2009/07/04

1915位(同エリア2199件中)

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miyabi-do

miyabi-doさん

 車旅7日目。

 フレス(ズ)ノは、この車旅初日に泊まったオックスナード以来、高層ビルが建っている町で、やや不確かながら"トネリコの木"という意味があるこの町には、高知県から移住した人たち多く、日本人移民のコミュニティもあったと記憶する。

 町の1番の繁華街は、休日だというののに人影もまばらで、サブ・プライム・ローンの影響なのか、アメリカの不景気を背負っているような寂れた風情が漂っていた。

 目覚めのシャワーも浴びずに出発した本日の目的地は、キングス・キャニオン国立公園。
 走る車の真正面から朝陽をまともに浴びながら、180号線を東へ走ると、なだらかに高度を上げながら、山が徐々に近づいてきて、牧場地帯に入ってきた。

 国立公園に向かう前に、164号線に入りパイン・フラット・レイク方面へ向かったが、小一時間走っているのに、追いつく車もなければ、追いついてくる車もなく、対向車も10台に満たないほど・・。
 それでいながら、「道に迷ったかも・・」という不安感は微塵もなく、快適なドライブが楽しめた。

 湖はダム湖だったので、ダムの放流地点まで行くと、釣り人が数人ルアーでの釣りを楽しんでいた。
 再び180号線にもどり、道なりに東へ進むと国立公園に入る。
 キングス・キャニオン国立公園は、南に隣接するセコイア国立公園と共に、シエラネバダ山脈のほぼ中央に位置する。

 さらに北にあるヨセミテ国立公園は、車で通りすぎるだけで感嘆の声を上げたくなる光景に出くわすが、こちらはトレッキングやキャンプを楽しまない限り、本来持っている魅力の10%も分からないためか、年間入場者数も少なく、日本人の人気もイマイチ低い。

 公園のゲートで入場料15ドルを支払い、パンフレットをもらって、いざ王家の谷へ。
 15ドルの入場料は車1台分で、1人であろうが5人乗っていようが同じ値段。
 1人旅で、通過するだけだと「高い」と感じてしまうが、レシートを見せれば、1週間何度でも出入りOKというのが、全ての国立公園の共通したシステムになっている。
 
 キングスキャニオン国立公園とセコイア国立公園は、日本人にイマイチ人気がないと言ったが、かくいう自分もアメリカ中の国立公園を延べにすると100回以上訪ねているのに、今回が初体験である。
 ロスから一番近いジョシュアツリー国立公園には、少なくとも10回は行っているし、グランド・キャニオン国立公園でも7回、ヨセミテでも3回は訪ねているのにである・・。

 この2つの国立公園を車で通るだけで得られる楽しみは、"巨木の森"である。
 それも単なる大きな木ではなく、「現存する地球最大の生物」と言われる、ジャイアント・フォレストでも世界のベスト1、2、3位が、この国立公園にそろって立っている。

 最大というのは、容積というかその重量で、高さ80数m、幹回り30数mの木の重さは、ジャンボジェット機の重さを軽くしのいでしまうそうだ。
 ベスト3を紹介すると、1位「シャーマン将軍の木」(General Sherman Tree)、2位「ワシントン・ツリー」(いずれもセコイア国立公園)、3位「グラント将軍の木」(General Grant Tree=キングス・キャニオン国立公園)である。

 ややこしいのは、ヨセミテ国立公園にもマリポサ地区という巨木の森があり、そこにも"シャーマン・ツリー"と名付けられた木が生えている。
 最初にソレを見て、言葉を失い、鳥肌がたつほど感動した者としては、今日ココにくるまでそちらが世界一だと、信じ込んでいた。

 そんなシャーマン将軍の木をまえにして、思い出したが新木場の材木商に取材したときの雑談である。
 アメリカにある巨木の凄さに話が及び、そんな木を前にしたらどうしますか・・と、尋ねたところ・・。

「この木を伐れば、何軒の家を建つとか、いくらの値が付くなんてことは、考えません。私たちが扱っているのは、材木になった"死んだ木"で、生きている木を切り倒したいとは、まず思わないでしょう・・」
 こんな答えを聞いて、この材木商は、人間的にもきっと信用できる人だと思ったものだ。

 キングス・キャニオン国立公園のビジター・センターで、広大な公園の概要を掴み、売店外のベンチで一休み。
 改めて巨木の大きさに感動し、抜けるような青空に浮かぶ白い雲に心癒された。
 それにしてもセコイアに生える"松ぼっくり"の大きいこと・・。
 日本で見る普通の大きさと比べると、優に5倍以上ある。

 車に戻ると、その巨大な松ぼっくりを拾い集め、トランクに仕舞おうとしていた観光客が、パーク・レンジャーに注意されていた。
 アメリカの国立公園では、松ぼっくりどころか、花一輪、小石一つ持ち去るのはルール違反になる。

 日本の明治維新の頃、大統領の命により、フランスから買った新しいアメリカの領土はどのような世界なのか、ルイス&クラークによる探検隊が結成された。
 彼らが西海岸まで到達する途中、現在のイエローストーンで野営した夜のことである。

 今まで観たこともない素晴らしい景観を、どうすればアメリカのためになるか討論した。
 そこで得た結論は、「50年後、100年後に生まれてくるアメリカ人に、このままの景色を見せてあげよう・・」である。

 この基本精神も基に、国立公園のルールが定められた。
 つまり、国立公園から「持ち去って良いのは"想い出"だけ。残して良いのは"足跡"だけ」。
 これを破ると、パーク・レンジャーには警察権も裁判権も与えられているから、逮捕され、留置され、罰金を支払うことになりかねない。

 車を少し移動して、軽くトレッキングを楽しむことにした。
 倒れた巨木の中が"洞"になっている場所があり、幹の広い所では大人数人が立てるほどだった。
 この近くで日本人親子に遭遇した。
 車旅6日目にして、日本語の会話を楽しんだ。

 聞けば、ナパに住む息子が、故郷・大阪から両親を呼び寄せ、車旅をしているとか・・。
 その光景が、何とも羨ましいく思えるのは、こんな苦い想い出が蘇ったからだ。

 生前父に、「費用は出すから、ハワイに行かない・・?」と誘ったことがある。
 しかし、父から返ってきた答えは、意外なものだった。
「戦争して負けた国の国民が、敵国である国になんか行きたくない・・」である。

 照れも少しはあったのかも知れないが、父にとってのアメリカは"鬼畜米英"の連合国側であり、敗戦後進駐軍に支配され、貧乏のどん底から這い上がってきた苦汁も、人生のコアな想い出として刻まれているようなので、この話題は親子の間でタブーとなってしまった。

 キングス・キャニオン国立公園から、セコイア国立公園に入り、巨木博物館を見学したり、ロッジ内部を観たりしながら、所々で休憩している内に、国立公園の出口に来てしまった。

 2000m以上あった高度を、一気に下るような感じで、葛折りの道が続いている。
 ビュー・ポイントに車を停めて眺めると、今まで居た場所と、これから下る場所の景色が、同じ自然の中でもまるで違うことが分かる。

 198号線から65号線に入り、一気に南下すると99号線に合流したすぐ先でベーカーズフィールドに到着する。
 この町は、ロス近郊の空軍基地でもあり、シリーズいくつかは忘れたが、『24』で核の脅威が迫るロスの町を救おうとしたり、父親が兄の息子をさらって中国へ亡命するのを阻止するため、空軍基地から戦闘機を緊急発進させる時に、名前が登場する。

 古くは、亡くなる数時間前のジェームス・ディーンが、この町でスピード違反の切符を切られ、サリーナスに向かう途中の46号線で事故死してしまう。

 昨夜の安モーテルに懲りたが、モーテル6の隣にこれまで他の町で何度か泊まった事がある、ヴァカボンド・イン(37.99ドル)を見つけたので、敗者復活戦(?)と言う気持ちで、もう一度別のモーテルに泊まってみることにした。

 ヴァカボンドというと、宮本武蔵の生涯を描いた漫画のタイトルとしての認知度の方が高いかも知れないが、「放浪者」という意味があるこの言葉は、車旅を続ける人向けの宿として、悪くないネーミングだと思う。 

 ベーカーズフィールドのヴァカボンド・インは、マイカーやレンタカーで旅する人より、コンボイ(16輪トレーラー)の人たちの定宿のようで、そんな大型トレーラーが10台以上駐まっている様子は、ある意味壮観である。

 部屋のカーテンを開けると、夕日を受けたコンボイが茜色に染まり、映画の1シーンの中に居るような錯覚さえ湧いてくる。
 色々な旅の仕方があり、色々な生活を生きる人たちが、たまたまこの宿に居合わせて、明日はまた別々の方向に散り、1人1人自分の人生の1頁を綴ってゆく。

 これは、東京の地下鉄に乗っていても同じ事だが、やはり異国の旅の空の下に居るからこそ、こんな思いが湧いてくるわけで、やはり日常生活の延長では、なかなかこんな気分にはならない気がした。

 その思いを強くしているのが、異国の町で確保したモーテルの部屋に入ったら、バスルームの便座横の床に、仰向けに倒れたコックローチ(ゴキブリ)の死骸の存在かも知れない・・・。
 これでモーテル選び2連敗という、残念な記録をうち立ててしまった。


同行者
一人旅
一人あたり費用
10万円 - 15万円
航空会社
大韓航空

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