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古き佳きアメリカを尋ねて・・。 Vol.9

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2009/06/24 - 2009/07/04

1914位(同エリア2199件中)

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miyabi-do

miyabi-doさん

 車旅4日目。

 パソ・ロブレスで目覚めた朝は、西海岸名物(?)の霧は既に消え去ってしまい、カリフォルニアの青空が広がっていた。
 このまま101号線を北上してもいいのだが、46号線を東へ走り、ジェームスディーン終焉の地へ向かうことにした。

 46号線を20分ほど走ると、ポツンと1軒のカフェが突然道の左側に現れる。
 そのカフェの駐車場にも見える広い空き地に、1本の木が立っていて、その木の木陰になるようにモニュメントが建っている。

 モニュメントの制作者は、セイタ・オオニシ氏。
 あくまで推測に過ぎないが、ジェームス・ディーン好きの日本人だと思う。
 35mmフィルムカメラ時代に、ココに来たことがあるが、デジカメになってからは初めてである。

 先客が2組み、碑文を読んだり、写真を撮っていた。
 こちらも車を降り、写真を撮り始めると、白人女性が寄ってきて、「写真、撮りましょう」 と、声をかけてくれた。その時撮った写真が、この旅の自家撮り以外の唯一の写真となった。

 ステンレス製のモニュメントには、こうある。
 。

 ジェームス・ディーンはこの日、愛車ポルシェ・スパイダーに乗り、サリーナスにあるサーキット場に向かう途中、フォードのピックアップ・トラックに激突し、短すぎるキャリアと、衝撃的な死により、24歳の若者は早々と伝説になってしまった。

 俳優歴、わずか5年。
 出演した劇場用映画3本。
『エデンの東』(55年)は既に上映されていたが、『理由なき反抗』(55年)と『ジャイアンツ』(56年)は、まだ公開前だった。

 46号線を引き返し、101号線に乗り北上。
 たまにハンドルは切るものの、100km以上出しているのにスピード感はなくなり、単調さから眠気が襲ってくる。
 隣に誰か座っていれば、気が紛れるのだが、1人旅ではいかんともしがたい。

 サン・ミゲル→ブラッドリー→サン・アドロ→サン・ルーカス→キング・シティ→グリーン・フィールド→ソールダッド→ゴンザレス→サリーナスと、休まずに走り続けた。

 サリーナスには、『エデンの東』の原作者にして、ノーベル文学賞受賞者でもある、ジョン・スタインベックが住んでいた家と、彼のミュージアムがある。
 住んでいた家は、歴史遺産として保存され見学できる他、町に住む料理上手の女性立ちが作るランチが楽しめる。

 ミュージアムには、映画化された『エデンの東』のワンシーンである、収穫されてたレタスを積み込んだ貨車や、ヘンリー・フォンダが主演した『怒りの葡萄』のフィルムなど、作品以外の立体物で見応えのあるミュージアムを構成している。

 彼の他の作品としては、愛犬と共に全米を一周した『チャーリーとの旅』(その際使った車を展示)してあったり、サリーナスから西に向かった西海岸の町モントレーで、鰯が大量に獲れていた時代に書いた、『缶詰工場』(キャナリー・ロウ/当時の写真を展示)など、彼の作品が世界各国で訳された出版物も並べられている。

 パソ・ロブレスからサリーナスまで100マイル(約170km)あまり。 ノンストップで走りきり、101号線を降りて、市街地図を確認して、気になるスポットに向かった。
 サリーナスには、これまで何回泊まっただろうか・・。
 少なくとも、5回は泊まっているはずだ。

 サリーナスから西へ車で1時間足らず走れば、カメール&モントレーという、日本人にも人気の西海岸に面した観光地に到着する。
 観光地だけあって、ホテル&モーテル代も高く、それを避けてサリーナスに泊まったのが最初だろうか・・。

 最初は、わけも分からないままこの町に泊まり、やがてスタインベックの生家とミュージアムを見つけた。
 その後、101号線の西側には白人が、東側にはメキシコ人が多く暮らす、棲み分けが出来ている事が分かった。

 今回の車旅の初日、オックスナードからここよりかなり北まで、広大な畑が現れると、いわゆる"ブランケット・ピッカー"と呼ばれる、メキシコ人労働者の集団を見かける。
 カリフォルニアを世界一の農業地帯にした、その底辺を支えるのが彼らの力で、最低賃金の基準も彼らの労働時間に適用されている。

 ブランケット・ピッカーとは、1世紀も前から毛布1枚でメキシコ国境を超えて密入国し、機械では収穫できない農作物を、収穫前線に沿って北上しながら手詰みする人を指す。
 密入国者なのに、なぜ取り締まらないのか・・、不思議に思う人も居るだろうが、取り締まりを厳しくすると労働力不足で、カリフォルニアの農業が立ちゆかなくなり、取り締まりをゆるめすぎると、密入国者と共に麻薬の流入が増えるので、国境線を監視するボーダー・パトロールは、常にその按配のの上に成り立っている。

 サリーナス滞在3回目以降から、101号線沿いに定宿にしているモーテル6も見つかり、そこに泊まるとメキシコ人向けのスーパーマーケットへゆき、メキシカン独特の内臓肉を煮込んだ惣菜を買うのが習慣であり、楽しみにしてきた。

 今回は、ココでは宿泊しないので通り過ぎるしかないが、そのモーテル6からでないと、メキシカンのスーパーマーケットに辿り着けないのが哀しい。
 帰りは違う道を通るから、是非とも寄り道したかったが、その気力が湧かず、ベトナム戦争で戦死した人たちの慰霊碑を眺めるだけで、他に収穫がないまま101号線を北上した。

 その先にあるのは、にんにく・タウンとして知られるギルロイという町である。
 ギルロイは、日本のにんにくの産地・青森県田子町と姉妹都市提携を結んでいる町でもある。
 10年前に来た時は、101号線を降りると空気の中ににんにくの香りが漂っていたが、今では154軒のテナントが入るアウトレット・タウンとしての顔を持つようになってしまった。

 フリーウエイを降りてすぐの所にあるファクトリー・アウトレットは、A・B・C・Dの4つのブロックに分かれていて、信号機のある交差点の両側に、それぞれまた別の道を挟んで両側にあり、回っている内に方向音痴になるほど広い。

 嬉しいことに大好きなハンバーガー・ショップINN&UTもあるので、迷わず店に飛び込み、「ダブル・ダブル、withオニオン」を注文した。
 長い間、1ドル99¢だったのに、いきなり3ドル5¢に値上がりしているではないか・・。
 フレンチフライは注文したが、飲み物は車内にあるクーラーボックスから取り出し、ホンの少しセーブマネーしてみた。

 ロング・ドライブの疲れもあり、アウトレットでの買い物は早々に引き上げ、例によってモーテル6に明るい内にチェックインして、ビールを飲んでいると睡魔が襲ってきた。

 この日の発見は、セブンイレブン看板があるガソリンスタンドと、ただでさえ巨大なウォールマートに食料品コーナーが合体している店を見つけた事だろうか・・。



同行者
一人旅
一人あたり費用
10万円 - 15万円
交通手段
レンタカー
航空会社
大韓航空

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