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古き佳きアメリカを尋ねて・・。 Vol.8

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2009/06/24 - 2009/07/04

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miyabi-do

miyabi-doさん

 まだ3日目。

 大航海時代に海を渡り、未開の新大陸に上陸した宣教師の暮らしぶりを彷彿とさせる、ロンポック郊外にあるミッション。
 遠くから見ると、廃墟のようにも見えるミッションに近づくと、細長い建物は軽く100mも続き、ドアのない小部屋の中には、そこに中世の人がいてもおかしくないほど、生活感溢れる様子が伺える。

 仕切られた小部屋を覗いたり、入ったりすると、宣教師たちの幻影が浮遊しているような錯覚に陥るほどで、器も、用具も、装飾も、機械も、全てに時代が塗り込められている。
 当時のスペイン人たちは、どんな覚悟を抱いて、遥々この地にやってきたのだろうか・・。

 彼らの意識を想像すると、「未開の地に住む野蛮人に、神の教えを説き、幸せな精神生活を与え、天国に導いてあげる・・」。
 これが彼らが抱いた使命感だとしても、当時としては大西洋を渡り東海岸に到達するだけでも100日余りかかった。
 今でも、船の難所と言われる南アメリカ大陸の最南端を周り、西海岸に到達するには、その3倍はかかったはずだ。

 船旅で病死したり、船自体が難破することもなく、未開の地に辿り着いたとしても、生活の全てを1から始めなければならない。
 建物を建てる大工の技量、鉄や銅など金属を成形する鍛冶屋の素質、農作物を作り、牛や馬や羊などの家畜の世話をする知恵。他にも、ハタ織機や荷押し車を作ったり、病気になった人を治す医学的な知識など、ほぼサバイバル生活からスタートするだけの、生命力に溢れた決意と意識も必要である。
 
 スペインという文明国にいて、残りの人生を未開の地で過ごす決断をするのは、想像にあまりある覚悟を必要としたことだろう。
 このミッションでは、当時の生活を想像するしかないが、よりリアルに知りたい人は、サクラメント市内にあるサッター砦に行く(週末か、期間限定化も・)と、当時の衣装を着たボランティアの人たちが、色々説明してくれる。
 そこでは、大砲を撃つ儀式などもあり、興味深い。

 因みに、サッターとは、この人の土地から金鉱が見つかり、カリフォルニア州のゴールドラッシュのきっかけとなった人物である。

  http://www.visitcalifornia.jp/region/gc/sc.html

 因みに金鉱の発見は、1848年。
 金鉱夫たちの後を追いかけて、娼婦が流れ着き、翌年生まれたのがカリフォルニア1世となる。

 それは、形を変えてサンフランシスコのフットボールチーム名として、残っている。つまり、フーティーナイナーズとは、1949年生まれのカリフォルニア人を指す。
 また金鉱に発見湧く様は、♪オーマイダーリン オーマイダーリンと歌われる、愛しのクレメンタインという歌詞を翻訳すると、その様子が伺える。

 閑話休題。
 中世にタイムスリップした後は、週末割高になる海辺に近い町のモーテルは避けて、週末価格にあまり影響のないエリアの町でモーテルを探したところ、今夜の宿はパソ・ロブレスと決まった。

 101号線と、46号線が交叉するこの町の、ここ数年の変わりようが凄い。
 101号線沿いにある町として、何の印象も興味もなかったこの町が、俄然注目度を上げた理由がふたつある。

 そのひとつが、若き映画俳優ジェームス・ディーンが、46号線を東へ20分ほど走った場所で、交通事故で亡くなったことを知った事による。
 6、7年前のことになるが、事故現場を探し当て、尋ねたのは5号線から46号線に入り、西へ走った時のことだが、事故現場にできたモニュメントで冥福を祈り、同じ道を引き返しても仕方がないので、そのまま西へ走って辿り着いたのが、パソ・ロブレスだった。

 そしてもうひとつが、この町を中心としたワイン醸造農家の急激な増加である。
 10年前までは、ぽつりぽつりと点在していた葡萄畑が、5年ほど前からあれよあれよと急激に増え始め、ここ1、2年ですっかりワインの町に変貌してしまった。

 少し前までは、1軒1軒で葡萄畑やワイングラスの写真を載せた裏表1枚のチラシを作っていたのに、今では周囲のぶどう農家が集まって小冊子ができるまでに発展してしまった。
 多分、全米で一番か、少なくともカリフォルニアで1番、ワイン生産量の急増している町だという気がする。

 今日で3日連続モーテル6にチェックインしているが、初日54.99ドル、2日目59.39ドルだった料金が、3日目はこの旅最高額の74.58に跳ね上がってしまった。
 設備も、広さも、快適さもほとんど変わらないのに、この差は大きい。しかも1日ズレていれば、昨日のモーテルは94ドルになっていた事を思うと、モーテル=安宿のイメージを変えなくてはならないようだ。

 その額に恐れおののいた旅人は、その日は何も買わずに手持ちの食料で夕食を済ませていることからも、ショックの大きさが伺える。
 もうひとついつもと違うのは、走り始めて3日もたつのに、意識的には「まだこんな所をウロウロしている」という自分がいる。

 今回のようにロスから北へ走り出したなら、3日もあればサンフランシスコに到達しているし、東へ走りばネバダ州を超えてアリゾナ州に到達しているはずなのに、「これだけ・・」という気分がぬぐえない。

 明日から帰る予定の日まで、軽く日程を立ててみたが、この調子では当初の予定をとても回れそうもない。
 行き当たりばったりの旅だから、それでもよいのだが、果たしてどの辺りでUターンしようか、ボーッと考えている内に眠りについてしまった・・。


同行者
一人旅
一人あたり費用
10万円 - 15万円
交通手段
レンタカー
航空会社
大韓航空

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