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<br />1976年7月<br /><br />ある朝まだき、外の様子が何時もにはない騒々しさなので窓を開けてみると、火事だった。<br /><br />窓外を走るトラント・ジュアン大通りを隔てて眼下に、キンシャサでは有数の大きなバーがあるが、その二階建てのトタン屋根からメラメラと炎が上がっている。<br /><br />トタンの破れ目から見える室内はすでに炎の海で、黄色がかった煙が空高く噴き上げている。<br /><br />早朝なのに、野次馬が黒山のようだ。<br /><br />幸いにも、室内に閉じ込められた人はいないらしい。<br /><br /><br />ところが、「消火活動は?」と見れば、何もしていないのだ。<br /><br />壁はコンクリートブロックなのだが、屋根を支えているのは材木なので、燃えるにまかされている。<br /><br /><br />消防自動車が一台やって来たのは、15分も経ってからだった。<br /><br />ところが、消火栓までホースが届かず、なすすべがない。<br /><br />それから待つことさらに15分、二台目の消防車が来て、はじめて放水が始まった。<br /><br /><br />次に驚いたのは、ホースから流れ出る水の頼りなさだった。<br /><br />水圧が足りなくて、例えは悪いが、火事に小便をかけている感じ。<br /><br />ブロックの壁に水をかけて、隣家への類焼を止めるだけのようだ。<br /><br /><br />私は、自分の住む高層マンションが火災にいかに弱いかに気づき、慄然とする。<br /><br />6階までは商店やレストランが入居する複合ビルなので、火のもとは少なくない。<br /><br /><br />内装や玄関のドアを含み、建具には材木がふんだんに使われ、特に気になるのは唯一の避難階段が室内にしかなく、通路のドアが木製であることだ。<br /><br />もしこの木製のドアが焼けるようなことになれば、避難階段は煙突に化し、類焼速度を速めこそすれ、通行は困難になるだろう。<br /><br /><br />故障や停電でエレベーターが止まること、ポンプが止まって断水することなど、日常茶飯事と言ってもいいほどだ。<br /><br />もし火事とこれらの事故が複合すれば、われわれ住民は蒸し焼きになるのを待つしかない。<br /><br /><br />写真は、ソフィーさんのマイページ(写真5,800枚)、<br />http://4travel.jp/traveler/katase/<br /><br />スイスの写真が美しい、片瀬貴文さんのマイページ(写真2,400枚)<br />http://4travel.jp/traveler/takafumi/<br /><br />文字が大きくて読みやすい、片瀬貴文の記録<br />http://blog.alc.co.jp/d/2001114<br /><br />もっと読みやすい「人生漫歩録」<br />http://kk1717.blog83.fc2.com/<br /><br />などもご覧ください。<br /><br />

キンシャサ日記【677】蒸し焼きにはなりたくないものだ

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1976/07 - 1976/07

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ソフィ

ソフィさん


1976年7月

ある朝まだき、外の様子が何時もにはない騒々しさなので窓を開けてみると、火事だった。

窓外を走るトラント・ジュアン大通りを隔てて眼下に、キンシャサでは有数の大きなバーがあるが、その二階建てのトタン屋根からメラメラと炎が上がっている。

トタンの破れ目から見える室内はすでに炎の海で、黄色がかった煙が空高く噴き上げている。

早朝なのに、野次馬が黒山のようだ。

幸いにも、室内に閉じ込められた人はいないらしい。


ところが、「消火活動は?」と見れば、何もしていないのだ。

壁はコンクリートブロックなのだが、屋根を支えているのは材木なので、燃えるにまかされている。


消防自動車が一台やって来たのは、15分も経ってからだった。

ところが、消火栓までホースが届かず、なすすべがない。

それから待つことさらに15分、二台目の消防車が来て、はじめて放水が始まった。


次に驚いたのは、ホースから流れ出る水の頼りなさだった。

水圧が足りなくて、例えは悪いが、火事に小便をかけている感じ。

ブロックの壁に水をかけて、隣家への類焼を止めるだけのようだ。


私は、自分の住む高層マンションが火災にいかに弱いかに気づき、慄然とする。

6階までは商店やレストランが入居する複合ビルなので、火のもとは少なくない。


内装や玄関のドアを含み、建具には材木がふんだんに使われ、特に気になるのは唯一の避難階段が室内にしかなく、通路のドアが木製であることだ。

もしこの木製のドアが焼けるようなことになれば、避難階段は煙突に化し、類焼速度を速めこそすれ、通行は困難になるだろう。


故障や停電でエレベーターが止まること、ポンプが止まって断水することなど、日常茶飯事と言ってもいいほどだ。

もし火事とこれらの事故が複合すれば、われわれ住民は蒸し焼きになるのを待つしかない。


写真は、ソフィーさんのマイページ(写真5,800枚)、
http://4travel.jp/traveler/katase/

スイスの写真が美しい、片瀬貴文さんのマイページ(写真2,400枚)
http://4travel.jp/traveler/takafumi/

文字が大きくて読みやすい、片瀬貴文の記録
http://blog.alc.co.jp/d/2001114

もっと読みやすい「人生漫歩録」
http://kk1717.blog83.fc2.com/

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