ハドリアヌスの別荘（Villa Adriana)　その１　　ローマからのアクセス

2009/04/29 - 2009/04/29

ヴィッラ･アドリアーナは建築皇帝といわれたハドリアヌス帝が、晩年にローマ近郊の地ティーボリに建設した別荘である。それは自身の帝国内巡行での印象を集大成した壮大な建築群である。面積は120へクタールといわれ、全体を見るには１日がかりである。
　ティーボリはローマから地下鉄、バスで約１時間、ちょうど東京から鎌倉の関係に近い。この遺跡はティーボリ中心地から数キロメートルの地で畑と草地の中に突如現れる。
　世界遺産となっているが、ローマから便利な交通機関は無く、交通案内が複雑なので、ここでは遺跡とともに道順を紹介する。4トラベルのローマの「Q&A掲示板」で質問したところ、数名の方から親切な説明をいただいた。ありがとうございました。
　地図と予備調査資料を自宅に忘れ、ローマ市内案内所では、うっかりこの関連資料を入手せずに出発してしまった。記憶を頼りの心もとない旅だったが、その場その場で周辺の人々に筆談で道を聞いたり、方法を尋ねたことで目的が達成された。

なお、肝心のハドリアヌスの別荘（ヴィッラ・アドリアーナ）　の遺跡については、その２に続きます。

エリア ローマ(イタリア)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス
• 航空会社: JAL

地下鉄B線　ポンテ・マンモーロ駅（Ponte Mammopro）

ガイドブックではローマからは鉄道とバスの道があるが、本数や便利さからバスを推奨している。
この場合、次の2方法がある。
　?まずティーボリに行き、そこからヴィッラ・アドリアーナ行きに乗り換える方法
ローマ　テルミニ駅→（地下鉄B線）→ポンテ・マンモーロ駅→（バス）→ティーボリ→（バス）→ヴィッラ・アドリアーナ
　?ティーボリに行くバスに乗車し、途中の停留所で下車する方法。
ローマ　テルミニ駅→（地下鉄B線）→ポンテ・マンモーロ駅→（バス）→ヴィッラ・アドリアーナ近くの停留所で下車→徒歩15分→ヴィッラ・アドリアーナ入口

　今回は、時間短縮になる?の方法を採った。ただし下車する停留所名は不明。これで大丈夫？

　まずは、地下鉄B線　ポンテ・マンモーロ駅で下車する。地下鉄は高架になっており、ホームから目の前にバスターミナルが直結している。地球の歩き方2009年版（09/4月発行）は古いまま、「駅の上がバスターミナルになっている」と記述されているので注意されたし。
　写真は駅とバスターミナルの関係（Google Street Viewより）。右から地下鉄B線（手前が下り方向　次駅は終点）、駅舎、バスターミナル。

ポンテ・マンモーロ駅　バスターミナル
　バス待ち人が多数いるが、皆さんどこへ行くのか？　１、２番線は観光客らしい人が多数、４番線は地元人らしき人がチラホラ。

電光表示板
　バス・ターミナルにはホームが10列くらいあり、行く先表示があるが１〜４までは[Tivoli]と表示され、その違いは不明。（写真ではシャッターのタイミングの関係で表示が写っていない。）
　経由地が異なるのかもしれない。地元らしき人が多い4番線で待つ。おばちゃん、おじさんに「Villa Adriana」と大書きした紙を見せ、それぞれうなずいたので安心する。

バス時刻表
　こんなのが駅舎に表示されていた。始発なので時刻表を期待し10時15分に乗ることとする。（10時台は15分おき）
実は、もうひとつ時刻表があり、こちらは本数が多い（10時台は10分おき）だったが、10分には来なかったが、15分に一台来たバスに乗車した。
　乗車時に運転手にも「Villa Adriana」の紙を見せて確認（多分）を得る。１,２番線からの移動してきた客はわずかだった。やっぱり間違えたのかと内心不安がよぎる。
　車内はガラガラなので、先ほどのおばちゃんとおじさんの間に席を取り、繰り返し紙を見せる。
うるさがられても印象深くすることを優先した。

バスを降りる　Villa Adriana
　その後、次第意に乗客が増えてきたので、周辺の人にも行く先の紙を見せて協力をあおぐ。
　30分くらいで周りが騒がしくなる。ガイドブックでは1時間くらいとの記載があったので、まさかと動じないで居たらば、最初のおばちゃんが来て私の腕を引っ張る。仕方が無いので騙されたと思ったが次のバス停で礼を言いながら下車する。
　下車したのは私一人だけ。こんな田舎の埃っぽい街道でどうなることやらと思ったが、道路沿いに延々と続く塀は、確かにStreet View で見た景色だ。おばちゃんありがとう！！。　　40、50m戻ったところの交差点に「Villa Adriana」の案内板有り。これで間違いない。

バス停留所
　バス停の写真を撮り忘れたのでStreet View の写真を載せます。来た方向（ローマ方向）を見ています。この先(ローマ寄り)50mにVilla Adrianaへの案内板がありました。
　左側(進行方向では右側)の塀に特徴があります。
この塀が見えたら次の停留所で下車しても、300mくらい戻るだけですむ。

バス停の表示　
　バス停の表示には間違いないが、バス停留所の名前が分からない。「Fermata」は停留所の意味だし、「Commune」は市、町、村等の地方自治体を表すもので、「ティーボリ市」は分かりきっていること。この場所は「Linee Cat」というのか？　道路の反対側のバス停の表示はまったく違っている。イタリアは分からないことだらけ。
　
　

工場脇の道　
　角の標識に従いバス通りから左（南）に入る。左には工場の塀が続く。人通りは少ない。

標識に従って歩く
　坂を下ったり上ったりして10分ほど歩くとこの表示がある。近所の人に確認すると、この矢印は無視して、この先（左のピンクの建物と樹木の間）を右折せよとの事。後で分かったが、ここは一方通行で標識は自動車のためのもの、歩行者はこの通り進むと遠回りになる。

歩行者は地元の指示に従いこの道に入る。左手に緑が広がる気持ちの良い道を2分行くと、また、Villa Adrianaの表示有り。この先は一本道。道路に従い7、8分歩く。途中、ティーボリ行きのバス停があるからチェックしておくと帰路が楽である。

しばらくすると人家は途絶え、田園風景が現れる。
これは農園入口、並木の奥に農家の正面が。門は遺跡風。

途中のホテルの廃棄物を整理していた二人。道を聞くとすぐそこだった。

道は下りながら右に大きくゆったりと曲がる。右手に大きな農園が広がる。ここまでくればゴールは間近だ。左の白い塀は駐車場、正面の赤いタイルの建物は、入場券、お土産、トイレのサービス・エリア

　ようやく正面の入口に達しました。ここまで20分くらい歩いた。
　ゲートがこの通りわずかしか開いていないが正門です。しかし切符がないと入れません。

　手前のサービス・ヤードで切符を求めねばならない。ついでにトイレにも寄っておこう。とにかく中は広いがトイレが少ないのだ。
　関連グッズ、図書、お土産類もこの中で求められる。
　屋根の後方、斜面に広がる町はティーボリです。

ここでお得情報
　ローマ観光には市内交通共通チケット1日券（4e）、3日券（11e）、1週間券（16e）があるが、このほか美術館、博物館入場券（２館まで無料、３館目以降は半額）を追加したした「ROMA Pass」（20e）、「ROMA & PIU' PASS」（25e）がある。前者はローマ市内だけであるが、後者は近郊を含みティーボリも対象となっており、今回の交通費、入場料（「Villa Adriana」＋「Villa d’Este」）はすべてカードを見せるだけで支払いは無かった。
詳しくはこちらを。
http://www.japanitalytravel.com/banner/comuneroma/romapass.html
写真左上：PIU Pass カード、
左下：３日間通用交通カード、
中央：地図　左：利用案内類
なお、ヴァチカン美術館は対象外。国が違う。空港への鉄道ダヴィンチ・エクスプレスも対象外です。

この旅行記へのコメント （4）

• ささたまさん 2010/02/26 21:41:11

  行ってみたくなりました

  真@tokyoさん、こんにちは。
  一人で、しかも事前資料手元になしですごいです！詳細な経路！
  ローマは数年前に行きましたが、スリに狙われないようにたいてい緊張していたのを思い出しました。
  親切な方もいらっしゃるのですね（そりゃそうだ）
  ローマにもパリのミュージアムパスのようなものがあったとは知りませんでした。
  2度目のローマの機会があれば、こちらに行ってみたいな、と思います。

  真@tokyoさん からの返信 2010/02/26 23:14:32

  RE: 行ってみたくなりました

  ささたまさん
  訪問と1票ありがとうございます。
  
  私もいつもひやひやしながら街を歩いています。
  ハドリアヌスはマニアックすぎて、ガイドブックも詳しい説明はありません。次の機会にはぜひ行かれてはと思います。
  
  ローマに限らず歴史が有る都市は楽しいですね。
  

• kumさん 2009/06/07 07:58:22

  詳細なアクセス方法、助かります！

  真@tokyoさん、こんにちは。
  
  個人でのアクセス方法について詳細なご説明、お待ちしてました！
  今年の夏に日本に本帰国するのですが、ヨーロッパに立ち寄ってから東京に戻る予定で、もしかしたらまたローマにも行くかもしれないのです。
  日程的にかなりタイトなので、ローマに寄れてもティボリへの再訪は果たせないかもしれませんが、一応行き方をメモして行こうと思います。
  
  私はティボリには一日どころか現地ツアーで半日（しかもヴィッラ・デステとあわせて）しか充てられなかったので、一日観てまわられたのは羨ましいです。
  
  kum

  真@tokyoさん からの返信 2009/06/08 00:03:04

  RE: 詳細なアクセス方法、助かります！

  kumさん
  訪問ありがとうございます。
  
  アクセス案内がお役に立てればうれしいです。
  
  欧州経由での帰国、日程に余裕があればすばらしいですね。
  NYもあとわずかになったようですが、この地も最後のお楽しみを。
  今度はNYについて教えていただくことになりそうです。
  
  よろしく
  
  真＠tokyo