2009/03/08 - 2009/03/19
1996位(同エリア2193件中)
影頁さん
日本の西の端。
与那国で開催の決まっていた研究会に便乗して、
西表でキャンプをすることを決めた今回の旅。
そんな激島の旅の全記録、4日目。
・これまでのあらすじ
与那国を脱出して、1人。
西表は南風見田(はいみだ)へ辿り着く。
南風見田での生活にも慣れ、
干潟、海、浜をゆく。
・これまでの日記
プロローグ(与那国編):http://4travel.jp/traveler/kagesu/album/10332002/
1日目:http://4travel.jp/traveler/kagesu/album/10333383/
2日目:http://4travel.jp/traveler/kagesu/album/10334135/
3日目:http://4travel.jp/traveler/kagesu/album/10336112/
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 船 自転車 JALグループ ANAグループ 徒歩
-
◆3月14日
朝。
止むはずだった予報も見事に外れ、空は暗い。
そして、寒い。
体感は15℃くらいだ。
しかも、風もある。
今日は何をしよう。。。 -
南の島は寒いだけで、
魅力が半値の八掛け二割引きって感じだ。
今日はまだみんな寝ている。 -
電気も、ガスも、水道もまともにない南風見田。
水は煮沸するのが一応のルールになっている。
サダさんお手製のポリバケツ濾過器の蛇口をひねり、
その水でコーヒーを沸かす。
なにがあるわけでもないが、
こういうところで飲むコーヒーは、
何よりも贅沢な気がする。
たとえこんなインスタントコーヒーであっても。。。
2007.11.
なんだこの日付は?
腹壊したら、“水“ を疑うだけじゃだめかもしれない。
さて、何しよう。。。
すべての予定を明日以降にしてしまそうな陰鬱な天気。
とりあえずは明日以降にカヌーに乗れるように、
今日のうちに予約を入れようと思う。
が、電波も電池もない。
直接、自転車で豊原のカヌー屋まで向かうことにした。 -
カヌー屋。
南風見ぱぴよん。
人がいない。
いるのは飼い慣らされた様子のカラスのみ。。。
西表のカラスは一回り小さいようだ。
念のため、店の中から、ここに電話をかけてみる。
オーナーのケータイにつながる。
今日は他のツアーガイドで、
夕方まで帰ってこないとのこと。
店に帰らないと先の予約がわからないという。
代わりに調べてやろうか。。。
不審者になるのでやめた。
自転車をお店の前に置かせてもらってバスに乗る。
寒いので北東部に位置する西表島温泉に行くことにしよう。
帰りにまた寄ればいい。
こういう天気んときは、
セマルハコガメが出ても、
おかしくないんだけどねぇ。
と、いつものバスのおっちゃん。
きっと自分が側溝を眺めていたことに気づいたんだろう。
天然記念物、セマルハコガメ。
彼らが県道を渡れるように、
西表の側溝はすべてV字になっている。 -
リゾートホテルに併設された、
最南端と最西端を同時に語る西表島温泉。 -
入口にはマングローブ染めのお店があった。
-
なかなかいい色に仕上がっている。
が、買うには高い。 -
そして、温泉も高い。
入浴料1500円。
ぼってる。
いざ入ってみると、
内風呂よりも南と西になるように、
強引に設計された2つの露天風呂。
最南端と最西端。
確かに。。。
サウナも温泉も強烈にぬるめで、
出るに出られないでいると、
埼玉から来たという男性と出逢った。
背が低い。
普段は、携帯電話関連の仕事をしていて、
国内旅行が趣味らしい。
今までに行ったところは数知れず。
今日は、上原から石垣に向かうはずだったが、
上原航路が風で欠航し、寒いからここに来たらしい。
2人とも偶然ここに来たわけだ。 -
帰りはレンタカーを返しながら、
大原に向かうという。
大原航路なら今日も運航されているからだ。
ついでに乗っけて行ってもらうことにした。
これはヒッチハイクと言うんだろうか。
微妙に違う気がする。
2人でかなりの時間を費やして風呂を上がる。 -
寒空の下でもプールに飛び込む学生たち。
若い。
大原のレンタカー屋に着くと、
レンタカー屋の兄ちゃんはとても不思議そうな顔をした
そりゃそうだ。
どう見たって可笑しな凸凹コンビ。
身長差は40近い。 -
男性に別れを告げて、
いつもの女の子がいるスーパーで食糧を買い足す。
唐揚げを頬張りながら、
バス停で時刻表を眺めていると、
通りの反対側に歩く男が1人。
背中には大きなバックパック。
脇には小さなバック。
そして、黒のギターケース。
見るからに重そうだ。
背中のバックパックには、
シュノーケルと釣竿まで入っている。
間違いなく南風見田の住人となる人だろう。
ちはー。南風見田すか?
歯の隙間から覗く金のアクセントと足首のタトゥー。
ぼったい目。
なんかサメのような印象を受ける。
その人はノブさんといった。
やっぱり南風見田に向かっていた。
せっかくなので話を聞きながら、
一緒に荷物を持って歩くことにした。
てっきり沖人さんが待っていた友人というのが
ノブさんかと思ったが違った。
でも、沖人さんのことは知っているという。
旅人の行先はある程度決まっている。
そして、働く場所も決まっている。
長い間旅を続ける彼らの間では、
自然と見知った顔が多いのだという。
恐るべし旅人コミュニティ。
西表に来るまでは、
小浜島の製糖工場で住み込みの生活を送っていたようだ。
南風見田に泊るのは今回で2度目。
1年前に来たときは、
6カ月間キビ刈りのバイトをしていたとのこと。
小浜にいる間にイカ釣りにハマり、
今では地元の人よりも釣り上げる腕前だという。
今季、すでにアオリイカを6パイ。
イカ釣り名人だ。
2人でヒッチハイクを試みながら、
歩いていたらついにカヌー屋の前まで来てしまった。
小浜の人は歩いてるだけで「乗ってくか?」っつって、
停まってくれんだけどなぁ。
西表は小浜と違うよなぁ、やっぱ。
と、ノブさん。
そんなもんだろうか。
置きっぱなしにした自転車があるので、
代わりに自分がバックパックを持っていってあげることにした。
数日ぶりの15キロ。
重い。
カヌー屋のオーナーさんも戻っていなかったので、
ノブさんを追い越して南風見田に先回りする。
と思ったら、すぐにノブさん到着。
ヒッチハイクがうまくいったらしい。 -
まだ15時半。
いくらなんでも夕飯には早い。
それに、今日は温泉に入っただけだ。。。
浜をひたすら西に進んでみよう。
南風見田の奥地。。。
そこには “人間“ を辞めて、
”ヒト“ になった人たちがいるという。
ヘタレキャンパーのニシも、
石垣ゲストハウスのケンタさんも、
ロビンソン小屋のアキさんも、
そんなことを語っていた。 -
会いに行こう。
そんな人たちに。
ただ、ひたすら浜を歩いて。
問題は南風見田の奥が、
ウミガメの産卵地でもあるということ。
今がシーズンだとはとても思えないが、
詳しく知らないのでどうしようもない。
歩くつもりなら調べてくるのがマナーだったろう。
一応、綺麗な砂浜は避けておく。
海の水が作りあげてきた岩の紋様が面白い。 -
しばらく歩くと、
象足岩石と掘られた岩があった。 -
しだいに消えていく砂浜。
岩の方が滑らかなので、
切れた足裏にはありがたい。
砂浜はサンダルで、
岩は裸足で。
出血を最小限に抑えなければ、
もう痛くてやってられない。 -
水の作りだすオブジエ。
-
風の作りだすオブジエ。
-
顔を見上げると遠くで1人、
そんな “ヒト” 見かけた気がした。
けれども、すぐ森に消える。
思っていたよりも普通の人のようだ。
たぶん40歳ぐらい。
どこまでも続く不思議な世界。。。
時間はある。
せめてこのまっすぐなリーフの途切れるところ、
鹿川湾のあたりまでは行ってみようと思う。
日もまだある。
ここは与那国に次ぐ西の端だ。
満潮までもまだあるはず。
昨日あれだけ大きく下がったのだから。。。
昨日の干潮時刻が15時頃。。。
「めがね」をやってニヤついていた時間だろう。
日に2度ある干満が1日に1時間ずれるから、
ざっくり6時間強ずらして次の満潮は21時過ぎだ。
まだいける。 -
長い。
岩も砂浜も途切れた。
もうリーフの上を歩くしかない。
鼻緒からは出血。
もう裸足しかない。
怪我必至!!
軽やかに刺さるサンゴ。 -
17時半。
5キロくらいは来たつもりだが、
湾と呼ぶほどのくぼみはまだ見あたらない。 -
少しずつだが満ちてきた気がする。
後ろを振り返ると、
ついさっき歩いたところまで水没し始めている。
この辺りが引き際か。。。 -
目印に大きな四角岩を撮っておく。
あとでどこまで行けていたのかGoogleマップで確認しよう。 -
どこか釣れるようなところがあればと思って、
冷凍サンマも持ってきてはいたが、
これは今夜の自分のエサになりそうだ。 -
まるで木星のよう。
樹と同じように、
岩も年を取ると線が入る。
もしかしたらそれが、
自然の “しくみ” なのかも知れない。
人も綺麗にシワを刻みたいもんだ。 -
ひとつ持って帰ることにした。
-
もう足は大変なことになっているので、
なるべく歩数を増やさないように岩を越える。
18時半過ぎ。
キャンプ場のあたりまで戻ってきた。
写真を撮ったりしない分、
帰りは早かった。 -
キャンプ場に戻ると、
みんな夕食の支度をしていた。
え、マジっすか!!?
ありがたいっすけど、、、ホントにいいんすか!?
やけに驚いた口調で通話しているノブさん。
やっぱりデジカメは単三、
携帯はauっていうのが旅人の基本だ。
Docomoじゃ南風見田は入らない。
飯時に聞いたら、
それまで西表の製糖にいた人が、
家族の用で帰ることになってしまい、
人手が足りなくなったから来ないか?という
誘いの電話だったらしい。
いつかの島で逢った旅仲間から電話だ。
そのつながりが羨ましい。
友人伝いの電話が、
日本中、ときに世界をかける。
南風見田にわりといるつもりだったけど、
また、製糖の寮に行くことになったなぁ。
と、テキーラをショットで飲むノブさん。
メキシコ土産。
巻いたタバコがまた美味そうだ。 -
藤井さんは静かに泡盛を飲む。
今日の南風見田には、
おっとりした印象のマイコさんと、そのママさん。
そして、いつもの通り、様子を見に来たサダさんがいる。
とてもそんな風には見えないが、
マイコさんは4年かけて世界一周した人。
そして、ママさんは娘を追っかけてちょくちょく海外へ。
なんか金持ちっぽい。
また、少しみんなのことが分かってくる。
藤井さんは3月の頭に南風見田に来た。
ここに来て約半月。
出身は、やっぱり広島だった。
造船の町、呉。
飲食をやっていると言っていたけど、
家を出たのは、昨年の11月だから、
もうずいぶんな長旅と言っていいだろう。
友人の結婚式に出席するため、
4月には西表を出る。
ノブさんは元・美容師。
今は国内外問わず、
各地で仕事をやりながら旅を続けている。
美容師をやる毎日に何か違うと思ったらしい。
わかる気がする。
ただ、なんとなくだ。
次はアメリカの西海岸から、
バハを通って南米に抜ける予定。
怖そうに見えて流す音楽がカントリー調だから、
きっとそういうのが好きなんだと思う。
利尻では昆布工場にも行っていたらしいが、
最近は南の島の方が多いみたいだ。
数々の島で感じ取ったものはやっぱりリアルだと思う。
“西表は小浜と違う“ と言ったのも、
その1つにすぎなかった。
小浜の人は働かない!
ノブさんは熱弁する。
地元の小学生が工場見学に訪れても、
みんな寝てたり、イカを釣ったり。
納期なんかめちゃめちゃらしい。
次のバイトくんが遅れてきては、
いっぱい働けてよかったね。
なんて言われてしまう。
のどかな島だ。
宮古の人は気が荒い!!
ノブさんはまた語る。
負けん気が強いから仕事は早い。
ただし、“お酒を飲みながら“ という条件付き。
それが、宮古の人。
沖縄で一番、酒が好きなのが宮古の人間だという。
女性が美人なのも宮古だという。
住めば都か?
どの島に行っても長い間いると、
どうしても島人同士の派閥抗争に巻き込まれてしまうらしい。
結局、お前はどっちにつくんだ。
と。
石垣のおじぃに聞いた話らしいが、
石垣ではついこないだまで
派閥が元で殺し合ったりしていたらしい。
驚きだ。
どこまで本当かわからないが、
サダさんも島に派閥はつきものだと語る。
そしてやっぱり、
島人がツアー客の相手をするのは難しいという話になった。
どの島でも観光業を営むのは、ないちゃー。
スケージュール管理、
送迎、
電話対応。
島人気質には無理だろう。
“魚は与えるより、釣り方を教えろ”
そんなことをよく聞くが、
現実はそんなに簡単じゃない。
本当に必要なのは、
きっとそんなことじゃない。
本当に必要なのは。。。
“魚は与えるより、釣りの面白さを知るまで付き合え”
そんな感じなのかもしれない。 -
島を転々とするノブさん。
さすがに西表でも島人の名前まで知っている。
サダさんとも旧知の仲だ。
そして、2人はこれまでの南風見田のことを語り始めた。
かつてキャンパーの無法地帯と化していた南風見田の浜。
ウミガメの産卵地荒らしとして虐げられる一方で、
島の貴重な働き手の役も担っていた絶妙な存在。
それが南風見田にいるキャンパーたちだった。
撤退を要求した警察に対し、
地元の人が止めたということもあったらしい。
そんなだったから、
キャンパーたちのちゃんとした居場所を作ってやろうと、
木を植え、防砂林を作り、小屋を作り、
炊事場を作り、トイレを作り、
今あるキャンプ場の形にしたのが、
サダさん、その人だ。
今では、おまけにドラム缶風呂まで付いている。
そんな思いの詰まったキャンプ場なのに、
ここを訪れては、
思うがままのアドベンチャー魂で無謀な旅に出、
帰ってこなくなった人は何人もいるのだという。
南風見田の奥海で鮫に喰われた人。
山でテントを張り、白骨化するまで気づかれなかった人。
みんなの制止を聞かずに、
与那国から北海道までカヌーで目指すといい、
行方不明になった人。。。
事が起きてから、
電話がかかってくるときは、
いつも本当につらいらしい。
こっちもつらいんよ。
でも、そういう人はもう頭が “入って” しまっていて、
止めても、何してもどうする事も出来ないんよ。。。
と、サダさん。
哀しい目の中に、
それでも本望だろうという思いがある。
そんな気がした。
いつも宿泊費の徴収はテキトーなくせに、
名前と住所と電話番号だけはしっかりとメモって、
優しい言葉をかけていく。
そんなサダさんの少しの気遣いがありがたい。 -
しんみりしたあとは、
なぜか歴史の勉強会になった。
えー出身地なのに、直江兼続も知らんの?
と、ノブさん。
いや、さすがに地元の武将ですからね。
名前くらいはわかりますけどね。
実は、1年前にここに来た友人のニシが、
直江兼続の直系の子孫らしいんですよ。
すげーな。そいつって武士っぽいの?
いやー、どうですかね。
まぁ、ある意味。。。
曖昧に返答しておく。
まぁ、ヘタレだし。
製糖にいると、
夜勤がないときは夜が暇だから、
よく歴史小説を読むらしい。
ノブさんの知識は異常だ。
大学に行ける頭じゃなかったから美容師になったなんて言ってたが、
一人一人の武士に対する考え方や、
歴史観を聞いただけでもすごく頭がいい人に思えた。。。 -
空を見ると、
今日は一段と星が綺麗なことに気づく。
変な言い方だが、
空に散らかしたゴミのよう。
一面に無数の星が煌めいている。
撮影に挑戦してみたが映らなかった。
これでもシャッタースピード8秒だ。
ここに200個は見えているはずなのに。。。
(帰ってきからISOを上げていなかったことに気付いた)
つづく。
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