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『6日目 再会、カイアファールのマーケットへ』<br /><br />目が覚める。<br />悪夢を何回も見た後の様に、疲れがぐったりと溜まっているのを感じる。<br />同時に生きていることに対して喜びが込み上げてくる。<br /><br />“なんとか生き延びれたんだ。昨夜のは悪夢だったのかな・・・”<br /><br />木で出来た扉を開けると、朝日が差し込んできた。<br />歩いていくと、ご飯を食べないかと言ってタルーが声をかけてくれる。<br />昨夜のレイブパーテイの疲れが残っているのだろうか。<br />それとも自分を騙そうとしたことへの罪悪感(?)なのだろうか、<br />タルーはあまり元気がなかった。<br /><br />インジェラをタルー、ラロと食べ、村の通りに出て体を伸ばす。<br />昨日、辞書を買いたいので30ドルくれないかと言ってきた従業員が寄ってくる。<br /><br />「昨日の話、考えてくれたか?」<br /><br />昨夜の記憶が蘇ってくる。<br />冷酷なまなざし、そして、何故かおれのマイルドセブンを持っていたこと。<br /><br />でも、あのタバコは日本人団体観光客が彼にあげたものかもしれないし、仮におれのを取ったのだとしても別にいいって思う。<br /><br />こうして無事に(?)生きていることがこの上なく嬉しかった。<br /><br />「ごめん。やっぱりあげられないよ。いいかい、プレゼントはねだるものじゃないよ。あなたにプレゼントしたいって思ってあげるものだよね。そこ、大事だと思うよ。」<br /><br />彼も頷いてくれる。<br />地べたで彼や小さな子ども達と話したりしていると、遠くの方から小柄な東洋人が歩いてきた。<br /><br />昨日見かけた日本人女性だった。<br /><br />「こんにちは。」<br /><br />「こんにちはー。」<br /><br />「昨日、ここら辺歩いていましたよね。僕は昨日ここに来たのですが、俯いて歩いていたので何かあったのかと思いましたよ。」<br /><br />彼女はなつこさん。<br />昨日俯きながら歩いていたのは、週に1便ある、ISUZU(乗り合いタクシーみたいなもの。地方では貴重な交通手段)が既に出発していて、この村から出れなかったからみだいだ。<br /><br />ラルー、タロがそろそろ出発するよと言ってくる。<br /><br />「今日はカイアファールを経由してジンカへ行くので、もしよかったら途中まで乗っていきますか?」<br /><br />「本当ですか?ありがとうございます。それでは是非お願いします。」<br /><br />ということで、なつこさんがぼくらのチームに加わった。<br />もう一人、昨夜セクシーな衣装で僕を誘った(?)女性もジンカまで行きたいというので、OKする。<br /><br />旅は道連れ。<br /><br />昨夜の悪夢を抜け出し、こうして生きている。<br />そして、このケニア国境近くの辺鄙なところで日本人女性と会い、しゃべれることに、気持ちが晴れ、嬉しくなってくる。<br /><br />ラロの車に置き放しにしていたモベルの携帯から両親に電話する。<br /><br />「もしもし、元気?僕は・・元気ですよ!!今、ケニアとの国境近くで、今日、ジンカへ帰ります。また連絡しますね!」<br /><br />改めて気づく、生きていること、両親への感謝の気持ち。<br /><br />ナツコさんは、会社を退職して世界を一周中。<br />いろいろと話していて、印象に残った言葉がある。<br /><br />「やっぱり、やりたいことやった方がいいと思う。私はもともと旅行が好きで、最初の会社を辞めて、一回半年くらいかな、世界を旅したの。それで、日本に帰ってきてからまた働き始めて、休みに海外に行くといった生活を送っていたんだけど、もっと長く海外に出たいって思って。じゃあ、これを最後にしようって思って、思いきって、2度目の会社を辞めて世界一周しているところなの。でも、今思うよ。ほんとうに充実した時間を過ごしたって。もう、人生悔いないって。」<br /><br />そんな話をしながら、車は進む。<br /><br />道中、草むらで用を足している民族。家畜の世話をしている民族。写真代を稼ごうと思っている(?)民族等の横を通り過ぎていく。<br /><br />日本とは全く異なる世界。<br /><br />色々な経験をしている人との出会い。それらは日本にいたら絶対に味わえない、出会わないだろう人たちだろう。改めて、思った。一人旅っていいなって。<br /><br />途中、カイアファールの村で、ナツコさんと別れ、マーケットを物色。<br />友人へのお土産を買って、途中、少し怪しい雰囲気の家屋でチャットをする。<br />なんか薄着姿のお姉ちゃんがいるし、パイプみたいなのを薦めてくるから、少し<br />危険を感じて、早くジンカへ行こうと促す。<br /><br />カイアファールから車で1時間半。<br /><br />無事にジンカへ戻ってきた。<br />ラルー、タロと一旦分かれて、ジンカホテルに入って鍵をかける。<br />ようやく、落ち着けた瞬間だった。<br />張りつめた神経を落ち着けるよう、シャワーを浴びてベッドに横になり、iPodで音楽を聴く。奥田民生の「花になる」が身にしみる。<br />じ~んとしてしまう。<br /><br />その後、心地よいジンカホテルのメンバーと他愛ない話をして、ビールをぐびっと飲む。無事に戻ってきたって安堵感に酔いが進む。<br /><br />明日はいよいよムルシ族!<br /><br /><br />ダイサク(10.5.1220 Bruxelles Belgiumにて)

☆Vol.6☆ It's my pleasure! ~6日目~ トゥルミ→カイアファール→ジンカ

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2008/05/01 - 2008/05/01

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ダイサク

ダイサクさん

『6日目 再会、カイアファールのマーケットへ』

目が覚める。
悪夢を何回も見た後の様に、疲れがぐったりと溜まっているのを感じる。
同時に生きていることに対して喜びが込み上げてくる。

“なんとか生き延びれたんだ。昨夜のは悪夢だったのかな・・・”

木で出来た扉を開けると、朝日が差し込んできた。
歩いていくと、ご飯を食べないかと言ってタルーが声をかけてくれる。
昨夜のレイブパーテイの疲れが残っているのだろうか。
それとも自分を騙そうとしたことへの罪悪感(?)なのだろうか、
タルーはあまり元気がなかった。

インジェラをタルー、ラロと食べ、村の通りに出て体を伸ばす。
昨日、辞書を買いたいので30ドルくれないかと言ってきた従業員が寄ってくる。

「昨日の話、考えてくれたか?」

昨夜の記憶が蘇ってくる。
冷酷なまなざし、そして、何故かおれのマイルドセブンを持っていたこと。

でも、あのタバコは日本人団体観光客が彼にあげたものかもしれないし、仮におれのを取ったのだとしても別にいいって思う。

こうして無事に(?)生きていることがこの上なく嬉しかった。

「ごめん。やっぱりあげられないよ。いいかい、プレゼントはねだるものじゃないよ。あなたにプレゼントしたいって思ってあげるものだよね。そこ、大事だと思うよ。」

彼も頷いてくれる。
地べたで彼や小さな子ども達と話したりしていると、遠くの方から小柄な東洋人が歩いてきた。

昨日見かけた日本人女性だった。

「こんにちは。」

「こんにちはー。」

「昨日、ここら辺歩いていましたよね。僕は昨日ここに来たのですが、俯いて歩いていたので何かあったのかと思いましたよ。」

彼女はなつこさん。
昨日俯きながら歩いていたのは、週に1便ある、ISUZU(乗り合いタクシーみたいなもの。地方では貴重な交通手段)が既に出発していて、この村から出れなかったからみだいだ。

ラルー、タロがそろそろ出発するよと言ってくる。

「今日はカイアファールを経由してジンカへ行くので、もしよかったら途中まで乗っていきますか?」

「本当ですか?ありがとうございます。それでは是非お願いします。」

ということで、なつこさんがぼくらのチームに加わった。
もう一人、昨夜セクシーな衣装で僕を誘った(?)女性もジンカまで行きたいというので、OKする。

旅は道連れ。

昨夜の悪夢を抜け出し、こうして生きている。
そして、このケニア国境近くの辺鄙なところで日本人女性と会い、しゃべれることに、気持ちが晴れ、嬉しくなってくる。

ラロの車に置き放しにしていたモベルの携帯から両親に電話する。

「もしもし、元気?僕は・・元気ですよ!!今、ケニアとの国境近くで、今日、ジンカへ帰ります。また連絡しますね!」

改めて気づく、生きていること、両親への感謝の気持ち。

ナツコさんは、会社を退職して世界を一周中。
いろいろと話していて、印象に残った言葉がある。

「やっぱり、やりたいことやった方がいいと思う。私はもともと旅行が好きで、最初の会社を辞めて、一回半年くらいかな、世界を旅したの。それで、日本に帰ってきてからまた働き始めて、休みに海外に行くといった生活を送っていたんだけど、もっと長く海外に出たいって思って。じゃあ、これを最後にしようって思って、思いきって、2度目の会社を辞めて世界一周しているところなの。でも、今思うよ。ほんとうに充実した時間を過ごしたって。もう、人生悔いないって。」

そんな話をしながら、車は進む。

道中、草むらで用を足している民族。家畜の世話をしている民族。写真代を稼ごうと思っている(?)民族等の横を通り過ぎていく。

日本とは全く異なる世界。

色々な経験をしている人との出会い。それらは日本にいたら絶対に味わえない、出会わないだろう人たちだろう。改めて、思った。一人旅っていいなって。

途中、カイアファールの村で、ナツコさんと別れ、マーケットを物色。
友人へのお土産を買って、途中、少し怪しい雰囲気の家屋でチャットをする。
なんか薄着姿のお姉ちゃんがいるし、パイプみたいなのを薦めてくるから、少し
危険を感じて、早くジンカへ行こうと促す。

カイアファールから車で1時間半。

無事にジンカへ戻ってきた。
ラルー、タロと一旦分かれて、ジンカホテルに入って鍵をかける。
ようやく、落ち着けた瞬間だった。
張りつめた神経を落ち着けるよう、シャワーを浴びてベッドに横になり、iPodで音楽を聴く。奥田民生の「花になる」が身にしみる。
じ~んとしてしまう。

その後、心地よいジンカホテルのメンバーと他愛ない話をして、ビールをぐびっと飲む。無事に戻ってきたって安堵感に酔いが進む。

明日はいよいよムルシ族!


ダイサク(10.5.1220 Bruxelles Belgiumにて)

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  • 無事に朝を迎えて

    無事に朝を迎えて

  • 改めて冷や汗を感じながら、悪夢を見た部屋を撮す

    改めて冷や汗を感じながら、悪夢を見た部屋を撮す

  • 苦いエチオピアコーヒー。少し冷える朝にちょうど良い。

    苦いエチオピアコーヒー。少し冷える朝にちょうど良い。

  • インジェラをもぐもぐ。<br />この味にもだいぶ慣れてきた。

    インジェラをもぐもぐ。
    この味にもだいぶ慣れてきた。

  • こうして無事に生きていることに嬉しくなる。<br /><br />(それほど昨日は怖かった・・・)

    こうして無事に生きていることに嬉しくなる。

    (それほど昨日は怖かった・・・)

  • 日本人との再会にほっとする。<br /><br />良い一日の始まりだ。

    日本人との再会にほっとする。

    良い一日の始まりだ。

  • いざ、出発〜!

    いざ、出発〜!

  • ここはケニアとの国境。果てしなく続く道を行く。

    ここはケニアとの国境。果てしなく続く道を行く。

  • 今日も運転ヨロシクね!

    今日も運転ヨロシクね!

  • 井戸かな

    井戸かな

  • 「えっ??」っていう髪型に。<br /><br />でも画一的じゃなくて逆にいい。

    「えっ??」っていう髪型に。

    でも画一的じゃなくて逆にいい。

  • ただっ広い空間に癒されながら

    ただっ広い空間に癒されながら

  • 原始的な道に昂る

    原始的な道に昂る

  • 子ども心!<br /><br />(バックミラー越に)

    子ども心!

    (バックミラー越に)

  • 都会からかけ離れた空間

    都会からかけ離れた空間

  • 日本とは対極のアナザーワールド

    日本とは対極のアナザーワールド

  • 一度いかがですか?できれば若いうちに。

    一度いかがですか?できれば若いうちに。

  • 菱形マークについ

    菱形マークについ

  • ナツコさんと別れてランチタイム。<br />またインジェラか・・・。

    ナツコさんと別れてランチタイム。
    またインジェラか・・・。

  • 手洗い用

    手洗い用

  • 埋蔵金(価値ほぼゼロ)

    埋蔵金(価値ほぼゼロ)

  • 子どもたちが亀を僕の前の地面に置く→お〜と写真撮る僕→お金を要求する子どもたち→子どもたちを恫喝するラロ→怯える子どもたち→困惑する僕、放っとかれたままの亀

    子どもたちが亀を僕の前の地面に置く→お〜と写真撮る僕→お金を要求する子どもたち→子どもたちを恫喝するラロ→怯える子どもたち→困惑する僕、放っとかれたままの亀

  • いざ、マーケットへ。<br /><br />晴天が気持ち良い。

    いざ、マーケットへ。

    晴天が気持ち良い。

  • わくわくドキドキ。

    わくわくドキドキ。

  • 乗り過ぎでしょう!笑

    乗り過ぎでしょう!笑

  • 賑わうマーケット。

    賑わうマーケット。

  • これはなんだろう、一口食べれば良かったな。

    これはなんだろう、一口食べれば良かったな。

  • バナナにトマトにあと何だろう。

    バナナにトマトにあと何だろう。

  • ビーズ。<br /><br />バンナ族(たしか)のオシャレに欠かせません。

    ビーズ。

    バンナ族(たしか)のオシャレに欠かせません。

  • クラフトもいっぱい!

    クラフトもいっぱい!

  • 交渉はすべて現地の言葉。<br />なので、ガイド(おいらの場合はラロ)がピンはねする可能性あり!笑

    交渉はすべて現地の言葉。
    なので、ガイド(おいらの場合はラロ)がピンはねする可能性あり!笑

  • なんだかよくわからないけどパシャっ

    なんだかよくわからないけどパシャっ

  • こちらもいちおパシャっ<br />たぶんサトウキビ?

    こちらもいちおパシャっ
    たぶんサトウキビ?

  • お土産に

    お土産に

  • デルピエーロ!<br /><br />かっこ良い!!

    デルピエーロ!

    かっこ良い!!

  • 頭につけてる卵型の帽子、これも売ってます!良かったらお土産にでも。

    頭につけてる卵型の帽子、これも売ってます!良かったらお土産にでも。

  • ビーズベルト。<br /><br />部屋に飾ってます。

    ビーズベルト。

    部屋に飾ってます。

  • ちょっと一服していこうと、

    ちょっと一服していこうと、

  • 怪しげな小屋へ

    怪しげな小屋へ

  • なかにはセクシーな女性

    なかにはセクシーな女性

  • マンチェスターU

    マンチェスターU

  • チャットタイム。<br /><br />長居は禁物って思いながら・・・

    チャットタイム。

    長居は禁物って思いながら・・・

  • ナッツと交互にチャット。<br /><br />あまり食べないよう気をつけながら・・・

    ナッツと交互にチャット。

    あまり食べないよう気をつけながら・・・

  • オシャレな壁掛け

    オシャレな壁掛け

  • 早々に退散し、ジンカへと

    早々に退散し、ジンカへと

  • 気持ち良い景色を眺めながら

    気持ち良い景色を眺めながら

  • 僕らは進む

    僕らは進む

  • そして、ようやく帰還!<br /><br />心底ホッとし、音楽を聞きながらボーとする。

    そして、ようやく帰還!

    心底ホッとし、音楽を聞きながらボーとする。

  • シャワーを浴びてビールにステーキ。<br /><br />最高って思いながら。

    シャワーを浴びてビールにステーキ。

    最高って思いながら。

  • 「ダイ、お帰り!!」<br /><br />「ただいま!無事に戻ってきたよ〜!」って。<br /><br />明日はムルシ族!<br /><br />(17.5.2009 13:46 Brussels,Belgium)

    「ダイ、お帰り!!」

    「ただいま!無事に戻ってきたよ〜!」って。

    明日はムルシ族!

    (17.5.2009 13:46 Brussels,Belgium)

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