2008/04/30 - 2008/04/30
54位(同エリア74件中)
ダイサクさん
『5日目 タルー&ラロ&ダイteam結成!そして悪夢の夜』
【前編】
この日は朝7時過ぎにシャワーを浴びて、ジンカリゾートのレセプション前で朝食をとる。その後レセプションの姉さんに「タスファイ(Big)は危険な人じゃないか?」と聞くと、「大丈夫!私の知り合いだから。」と笑顔で答えてくれる。 朝食を食べ終わり、iPodを聞き終えると後ろから声がする。
「Hey Mr?」
これがLaloとの出会いだった。
「Are you visit from here by any tour?」
「Yes! I already reserve my tour today and tomorrow!」
「Ok!See you!」
「See you!」
8時前にトヨタのランドクルーザーがやってくる。緑の服を着たTaruとタスファイ(big)だ。タスファイと握手をして、バイ。
タルーに村の中心地にある銀行へ行ってもらう。銀行前でカメラを預けて、20分程待ち、100ドルを965ブルにexchangeする。そしてタルーの車に乗り込み、出発!
舗装されていない土埃舞うジンカの道をランドクルーザーはゆっくり進む。ギョロっとしたいかつい目のタルーは強面。が、道行く女の人や子どもとすれ違いざまに手を挙げて一言二言交わす。この村は小さいし、この人はいい人なのかなと思い、少し安心。途中、ドレッドヘアーの男が車に近寄ってくる。
「オレの友人がアルバミンチで君に会った。携帯番号を交換して、ジンカでツアーに参加するっていたようだが。」
「うん、携帯番号教えてもらったけど、もうツアーは予約したんだよね。ごめんね!バイ~。」
「See you!」
「See you~!」
ジンカの村の入口とも呼べる、水溜りが川のようになっている“関所”のような場所を車はグングン進む。周りには制服を着た子どもたちが歩いている。そういえば、昨日タスファイ“ジュニア”が「明日はテストだ」と言っていた。制服を着た子どもたちが集まってくる。すると、イケメンの男がバイクで登場。
「これからツアーに行くのか?」
「そうだよ。」
「ツアーにはガイドが必要だ。」
そう言ったと同時に、彼の後ろには今朝ジンカリゾートで会ったラロがいる。マフィアのような男(musicianか?)のTシャツを着た、ドラッグ好きそうな男だ。
「ツアーにはガイドを雇ったほうがいい。」
タルーのほうを見ると、ハンドルを握りながらうなづいている。
タルーは寡黙な人だ。
「OK~一日いくらなの?」
「25ドル。」
「25ドル?ブルじゃなくて?」
「そうだ、25ドル!」
「高いっしょ~!」
「No!少数民族の言葉をしゃべれるガイドは少ない。絶対必要だぞ。」
「Ok~」 笑いながら、「ディスカウントOK?」
「No~!」
「お願い!」
交渉の末、一日18ドルになった。彼の名前はLalo。そして3人を乗せた車は再びダートロードを進む。途中の村でラロがチャットを買う。
「お~チャットじゃん。」
「チャットいるか?」
「うん、ちょうだい!」
その後、ラロが運転している横で、外の景色を見ながらチャットを噛む。後部座席に座っているラロが定期的に葉っぱのところだけをちぎったチャットを僕に差し出してくれる。そのタイミングが素晴らしい!
その度に「アマサグラーロ!」と言うと、「It's my pleasure!」と言う。昨日買ったキャンディーをタルー、ラロにあげながら、ランドクルーザーは進む。チャットを噛み続ける。チャットは少し苦いが、ある程度口の中で噛んだら水で流し込んでいくのだ。そのうち、自然に喋りたくなってくる。これもチャットの効用の一つだという。色々な話をする。イラク戦争、エチオピア、アフリカの政治、僕の仕事や休日の過ごし方。
タルーは今年25歳で、あと2ヶ月後に26歳になるという。
ラロは年はわからないという。ケニアで生まれて、そこから国境を越えてこの国にやってきて以来、ツアーガイドをやっているようだ。
途中、カイファールの村で休憩。
チャット色に染まり、チャットを含んで膨れた僕の口を見て、皆が微笑む。
「Good!チャットはどうだい?」
「好きですよ~!」
「Ok~!わっはっは!」
インジェラとコーラを皆で食す。ここでママルという小学校5年生(8歳)の鼻から青い鼻水を垂らした子どもと仲良くなる。
「明日、ここでマーケットがあります。」
哀願するような眼差しで言ってくる。
「うん、明日はここに戻ってくるよ!」
そう、途中でツアーの日程を3日間に延ばしたのだ。日曜にはエチオピアに出発しなければならないタイトな日程だが、せっかくここまで来たから。そしてタルーとラロが、「Turmiは美しい!いいよ。」と言っていたため、途中で車を止めて、携帯でタスファイに電話し、何度目かの電話でようやく繋がり、OKをもらい、今日はTurmiに行き、Turmiの村で泊まり、明日カイファールのマーケット、明後日にムルシ族を見ることになったのだ。
やっぱ、旅はこうでなきゃ!
「Ok~!Let's start our jouney!」
「おれらはbrother!タルーがbig brother、オレがセカンド、ラロが一番下だ!We are タルー&ダイ&ラロteam!」
「Ok~!」
笑顔でラロが答え、寡黙なタルーがクールに頷く。昨日はチャンピオンズリーグでチェルシーvsバルセロナがやっていたみたいで、サッカー好きのタルーと色々話す。ラロはキックボクシングをやていたみたいだ。
【後編】
行く先は黄色の土と緑、そして青い空。いつしか空が曇りだし雨が降り始める。そしてあっという間に、ただでも悪い道が川のようになる!ランドクルーザーじゃなきゃ進めないだろうってほどだ。
「ファイト!タルー!ファイト!タルー!」
僕らは応援、寡黙なタルーが一人ファイト。ラロは相変わらずチャットをむしり、後ろの席の僕のバックパックはチャットまみれになっていた・・・。
午後17時過ぎ、Turumiに到着。村の十字路で日本人らしき女性がうつむいて歩いている。大男と一緒だ。
「一体どうしたのだろう?何があったんだろう。」
そんな思いを抱きながら、車は村のはずれにある“ツーリスト・ホテル”へ到着する。荷物を降ろし、ラロと二人でミリンダジュースを飲む。タルーは僕のiPodを聞きながら車でどこかに行ってしまった。 少し、体がしびれてくる。
“ん?これはチャットの効用か?”
ラロの目つきがだんだんと悪く見えてくる。イスラエルの話をしたり、色々な話をする。体が、しびれてくる。周りのホテルの従業員の男どもも、目つきが悪い。連なっている建物の隅からはレゲエの音楽が流れてくる。ラロについて行くと、そこではラスタスタイルのドレッドヘアーの男と女がマリファナをやっていて、
「一緒にやらないか」とラロが言う。先ほどの日本人らしき女性の姿が浮かんでくる。
「See you later!」と言って引き返すと、部屋の中からゲラゲラっという笑い声が聞こえた。
泊まる部屋に荷物を置くと、近くにいた従業員の男が、
「僕は学校に行きたい。でもお金がない。辞書を買ってくれないか?30ドルでいい。」
なんて言ってくる。なんとなく嫌な感じを覚える。体がしびれてくる・・・。何か、おかしい。タルーも戻ってこない。タルーはどこに行った?もうすぐ来るとラロが言う。30分ほど経って、僕のiPodを聞きながらタルーが戻ってくる。モベルの携帯はタルーの車の中に置いたままにしていた。
その後、ラロと村内を日本人女性を探しに歩く。
「She is crying!」
そこら辺の男どもが言う。
いくつかの家々、宿を探し回ったが、彼女はいない。もしかして・・・。何か盗られたのだろうかー。不気味な感じを覚える。手足はしびれ、少しばかり眠くもなっている。 その後、再び3人で村の南へ。外には虹が見えた。Turumiの村に入る。写真で見た少数民族だ。鳥肌がたつ!“ここまで来たんだ。”ラロが少数民族の言葉で話す。写真撮影料として、一人2ブル必要だと言う。エチオピアの少数民族はすべて写真撮影料が必要で、ジンカの銀行で100ブルを1ブル100枚に両替してきていたので、そのうちの30ブルをラロに渡す。写真を何枚か撮る。撮っているそばから僕の体には鳥肌がたっていた。“本当にここまで来たんだ。” 直に対面したTurumiの少数民族はとても美しく、心が震えた。同時に、体は変わらずに痺れていた。
「おれはラロを尊敬してるよ!アマサグラーロ!」
「Ok!」
その後、再び車に乗る。タルーはiPodを聞いたまま。そしてランドクルーザーは進む。誰もいない道を進む。急に、「これはやばいんじゃないか」と思ってくる。体が痺れてきて、そして村の十字路で見かけた日本人女性を思い返す。彼女は、うつむいたまま歩いていた。その傍らには大男がいた。
“彼女は泣いていた!”と村の人が言っていた。
車は進む。何もないところで、スピードが落ち、車が停まる。
あたりには誰もいない。
鳥肌がたつ。
ここで襲われたら、逃げようがない。ここは辺鄙なところだ。
ラロが、「ここは雨季には川になるんだ。」と言う。
「お~」かなりの危険を感じながらも、「Good!ここで写真を撮ってくれないか?」と言う自分。雨季には川底になるという真ん中あたりで写真を撮ってもらう。あたりには誰もいない。
そこでラロと2人話す。
「マイ・カンパニー~」とラロが言う。
My company?会社?悪い組織か?!
「今、自分はさっきまでとは違う心境にいる。」ラロの表情が真剣な眼差しになっている。え?違う心境?ここで豹変するってのか?
(これをパソコンに書いている今、この瞬間も当時のことを思い出し、僕の両腕には鳥肌がたっている。)
体がしびれてくる。相反するように思考だけは鋭く回転していく。遠くの方でタルーが誰かとやりとりをしているのが視野の片隅にはいる。ラロいわく、すぐ横は夏にはキャンプ場になるらしい。タルーがビール瓶を両腕に持って、やってくる。笑みはない。ギョロっとした目が怖い。背筋が凍る。ヤバイ。本当にヤバイ雰囲気。あたりには誰もいない。陽は傾き始めている。
ラロが言う。
「Look at!」
見ると、すぐ横の森の木にモンキーがいた!
「お~」
タルーがビール瓶を地面に置く。タルーは自分は運転があるから飲まないと言っている。ビール瓶を見ると、「BEDEL BEER」と書かれている。さっきのモンキーの名前がついたローカルビールだと言う。だが、そのラベル周辺は一度剥がされた後が残っていて、アルコール度数も記載されていない。
「アルコールはどのくらい?」
「わからない。」
飲みたくはなかったが、成り行き上、飲む。ビールに何か入っている感じだ。再び体がしびれてくる。。眠らないように必死で力をいれる。
この瞬間、死を意識した。
そのくらい、怖かった。
彼らの表情がとても怖かった。
誰もいない場所で、3人座り、話す。
怖くてたまらなかった。
すると近くの方で少数民族が歩いてきた。
“助かった!”
と思っていると、“しょうがねーな。いくか”といった感じで2人が立ち上がる。
なんとか助かった。
村に戻ると、あたりは陽も落ちて暗くなっていた。さっき見かけた日本人女性の姿が浮かんでくる。
彼女は泣いていたー。
暗がりでラロが言う。
「ビール飲むか?」
「うん。」
ツーリストホテルの野外のテーブルでインジェラを食べる。
周りには、僕の様子を見る為だけにテーブルに座っているかのような従業員の男たちがいる。インジェラを食べながら、ラロに日本の携帯を見せる。
「これは国際電話できるんだよね。最新機種だから電波も届くし。(嘘)」
ラロ、周りにいた男達の様子が一瞬変わった気配がする。ラロがちょっと向こうに行って来るといった消えていく。タルーは相変わらずいない。すると、さっき辞書を買ってくれと言った従業員の男が、マイルドセブン2箱を僕の机に投げるように置いてくる。
“??何でこいつおれのタバコ持ってんの?”
ますます疑心暗鬼になる。
周りの従業員の男、女の目が冷たい。背筋に冷や汗が落ちる。出されたBEERは相変わらず「BEDEL BEER」。一口飲む度に、さらに体が痺れてくる!そしてものすごく眠くなってくる。これは明らかに異常だ。何かが絶対に入っている。ラロがちょっと話そうと誘ってくる。
「星を買いたいと思わないか?」
「えっ?」
「星は買えるんだ!でもすごいBig Moneyがいる。」
「いくら?」
「13億円だ。」
鳥肌がたつ。ラロの表情が怖い。
「ダイは星へ飛んだことはあるか?」
「ないよ。」
「今夜おれは星へ飛ぶ。一緒に飛ばないか?」
夜空には満点の星が輝いていた。
しばらく話していると、タルーがやってくる。iPodの電池が切れたと返してくる。腕まくりをし、ラロと何か言いあっている。
すると、香水の匂いをべったり漂わせたセクシーな服を来た色気ムンムンの女がやってくる。ラロがささやいてくる。
「女買わないか?」
「いや、いい。」
その後、彼らがどんどんビールを持ってくる。河原で見たときとは程遠く、明らかにラベルを剥がした後がついたビール瓶。平静を装って飲むふりをする。相変わらず体はしびれ、眠さが半端じゃない・・・。
タイミングを見計らって、「もう疲れたから寝るね。バイ。」と言う。タルー、ラロが“ちぇっ”というような表情になる。
部屋に戻る。真っ暗だ。
カバンの中のライトを探す。成田空港で購入したライトだったが、壊れていて光がつかない。部屋は外と、木の扉だけで隔たれている。心臓がドキドキしていた。カギをかけ、部屋の灯りを消す。
その後、部屋の正面ではレゲエパーティーが始まった。
フォー!イェー!とジャンキーのような声で大音量の音楽に合わせて絶叫している。
今日このホテルには僕のほかに宿泊者は一人しかいなかった。
その一人のドイツ人と呼ばれる男も夜中に女を買いにバイクで行ってしまった。
あんなに眠かったのに、まったく眠れなかった。このあと部屋に入ってきてやられるのか。日本人女性のうつむいた表情が浮かんでくる。彼女は泣いていた。パスポートを盗られて、ここで働かされるのか。
“母さん、父さん、兄ちゃん、じいちゃん、おばあちゃん、お願い助けて!助けて!”
独り、蚊帳の中で大量の汗をかきながら祈っていた。
そしてこんな辺鄙なところにやってきたことを後悔していた。
その後深夜2時まで、大音量の音楽とそれにあわせて踊り、絶叫する彼らの声をそばで聞いていた。
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始まりはパンwithマンゴージャム&エチオピアコーヒー♪
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ジンカ村をゆっくりと進む
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天気は上々
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通学途中の子どもたちとイケメン兄
この後ラロが登場&交渉、そして合流 -
天に近い村、ジンカ
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水平方向、眼下の雲を眺めながら進んでいく
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ラロwithチャット
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とっても人懐っこいママルたち(右二人)
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タルー&ダイ&ラァロ〜!
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ちょっとしたとこにも異国に来たなって感じちゃう
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カイファールのトイレ
(汚い写真ですみません) -
腹を満たして、再び出発!
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チャット♪
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どこまでも続く一本道
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55億人55億色の一部を感じながら
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快適なスピードで進んでいく
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非日常感満点の
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イメージとぴったりの
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いや、それ以上の
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最高の時間が続いていく
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そして始まる
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次なるアトラクション
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雨!
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あっという間に
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道が冠水していく
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予期せぬアトラクションに
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テンションが上がる!
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車は右へ左へ傾きながらも
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なんとか前へ
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無事にアトラクションクリアー!
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タルーのdrivingテクニックに感謝!
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「おう、天然シャワー気持ちよかったぞー。」
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全裸の少年と出会ったりしながら
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車は
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一本道を進んでいく
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そして2度目の休憩
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Coffee Stop!
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ラロと
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チャットで口が膨れた僕
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そして再び出発
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ケニアとの国境近く
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エチオピア南部を
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走っていく
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幾度のfoto stopを経て
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南へ
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南へ
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スピードを上げていく
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幾度目かの坂だろう
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登りきったその先に
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ようやく
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Turumiの村が見える!
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この十字路で日本人女性を見かける
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長時間お疲れさま!
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Tourist Hotelで
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一息ついて
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少数民族を見に再び出発!
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虹をサイドに
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高まる胸のドキドキ
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心が震え
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感動する
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鳥肌がたちっぱなしで
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ただ、ただ
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感動していた
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“ここまで本当に来たんだ。”
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“はるばる日本からやって来たんだ”って
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写真を撮りながらも
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やまない
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胸のドキドキ
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絵になりますよね★
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赤い泥を塗る
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少数民族の生活を見てから
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車は何もない場所で停まる
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怖さで満たされながら
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今度は別の意味で鳥肌がたっていた
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BEDELE BEER
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BEDELEらしい(本物だったのかな笑)
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“これが最後の写真になるのかも”
って思いつつ、 -
彼らの心変わりを祈りながら
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写真を撮っていた
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なんとか宿に帰れるって安堵して
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窓の外を黙って眺めていた
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無事に村まで戻りほっとしたが
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この後も緊張感が続いていく
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これが何よりの証拠?(笑)
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彼女の色仕掛けにも負けず、なんとか切り抜ける!
明日はどうなるー。
僕の青春1Pに新たに加わった、この日一日の出来事。
明日は噂の日本人女性と再会!!
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