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『7日目 ムルシ族!!』<br /><br />涙腺をくすぐる感情が込み上げてくる。<br /><br />ハードな日程だったからだろうか、昨日の悪夢があったからだろうか、<br />去年からの念願だったからだろうか。<br /><br />“ついにここまで来たんだっ”って想いながら車の助手席に乗っている。<br />横にはタルーがだるそうにハンドルを握り、ラロは後ろ座席で窓の外を眺めている。<br /><br />空は快晴。目前には果てしない一本道。<br />時々、鹿が道を横切り、その度に一旦止まり、また発車する。<br /><br />ヘッドホンから流れる音楽、流れゆく景色、素の自分。<br /><br />ずいぶん遠くまで来たなー。<br /><br />昨夜のことを思い出す。<br /><br />本当に後悔した。<br />“なんでこんな辺鄙なところに来たのだろう”<br />“なんでもっと一般的な観光地を選ばなかったんだろう”<br />“せっかくのG.W、なんでこんな無理しているんだろう”<br /><br />びっしょり汗をかき、涙も拭いたことだろう。<br /><br />そんな悪夢を通り越して、今自分はこうしてムルシ族の村に向かっている。<br /><br />実は、このエチオピア行きは前年の夏にアフリカ行きを考えたとき一度考えていて、<br />そのときは結局飛行機が取れなく、諦めていた。またの機会に行こうって。<br /><br />その後訪れたバングラデシュ、その後の忙しい仕事をこなし、多くの時間を超え、昨夜の悪夢を乗り切って、ようやくここまで辿り着いたんだって思って感慨深くなっているのだろう。<br /><br />それがどんなものであれ、それがあればこそ頑張れると思う。<br />一筋縄ではいかないほど、それが達成できたときの喜びは大きい。<br /><br />それが今回はムルシ族と会うことだった。<br />どんなものにせよ、やっぱり夢をもつことっていいなって思う。<br /><br />いつまでも夢を持ち続けようー。<br /><br />続く一本道のその先で、僕の夢はまた一つ叶った!<br /><br />~~~~~~~~~~<br /><br />一旦ジンカの村へ帰る。<br />タルー、ラロにお礼を言うと、最後一緒にご飯を食べようということに。<br />タルーがおごってくれた。<br /><br />そして清算。<br />タルーにはペン、ラロには壊れた安物時計をあげた。<br /><br />そしてグッバイ!しようということでジンカの入り口まで送ってくれたのだが、<br />今日のバスがない。<br /><br />昨日の夜から天候がすぐれなく、今日はバスが走っていないらしい。<br />いや、でもこれから帰らないとって。<br />今日帰らないとフライトに間に合わないよっ。<br /><br />困っている僕を見たラロがトラックを手配してくれる。<br />ちょうど知り合いがアルバミンチまで行く用事があるということで、○○でどうだって。<br /><br />さすがに高いと思って断る。<br />まけてくれるだろう、と思っているとそれは無理だと。<br />と、待ってくれていたトラックが発車してしまう。<br /><br />「待って。あったあった!お金があったよ。パスポート入れに入れておいたお金があった!」<br /><br />ラロが友人に電話してトラックを止めに走らす。<br />そして僕らもラロのバイクに二けつして発車したトラックを追いかける。<br /><br />ただっ広い一本道。青空。子ども達の笑顔。緑。おいしい空気。日差し。ラロのチリチリパーマ。<br /><br />ようやく追いつき、無事にトラックに乗れた。<br /><br />「本当にありがとう」<br />「また連絡するよ」<br /><br />彼らと一緒に写真を撮って、別れる。<br /><br />トラックの助手席でこの3日間を思い出す。怖い想いもしたけど、本当良かったなって。<br /><br />3時間程走って、ドライバーの携帯がなる。<br />ドライバーが携帯を貸してくれる。<br />ラロのようだ。<br /><br />ラロが言う。<br /><br />「ごめんなさい。」<br /><br />「どうしたの?」<br /><br />「ダイの携帯、おれが持ってるんだよ。」<br /><br />「えっ?!」<br /><br />そう、トラックが行ってしまってから、追いかけるときにおれの携帯をラロに貸して、そのままになっていたのだ。<br /><br />でも、仕方ないし、もう今からだと時間もない。明日にはアデスアベバへ行かないとだし。<br /><br />「仕方ないよ、おれ携帯会社に連絡して解約してもらうから。大丈夫!でも、その携帯で電話はしないでよね。おれに請求されるから」<br /><br />「わかった。ごめん、ダイ、この後も旅行楽しんでね。どうもありがとう!」<br /><br />「こちらこそありがとう。」<br /><br />目前にはエチオピアの夕暮れ空。大きな大きな虹がかかっていた。<br /><br />(17.5.2009 15:50 Brussels,Belgiumにて)

☆Vol.7☆ It's my pleasure! ~7日目~ ジンカ→アルバミンチ

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2008/05/02 - 2008/05/02

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ダイサク

ダイサクさん

『7日目 ムルシ族!!』

涙腺をくすぐる感情が込み上げてくる。

ハードな日程だったからだろうか、昨日の悪夢があったからだろうか、
去年からの念願だったからだろうか。

“ついにここまで来たんだっ”って想いながら車の助手席に乗っている。
横にはタルーがだるそうにハンドルを握り、ラロは後ろ座席で窓の外を眺めている。

空は快晴。目前には果てしない一本道。
時々、鹿が道を横切り、その度に一旦止まり、また発車する。

ヘッドホンから流れる音楽、流れゆく景色、素の自分。

ずいぶん遠くまで来たなー。

昨夜のことを思い出す。

本当に後悔した。
“なんでこんな辺鄙なところに来たのだろう”
“なんでもっと一般的な観光地を選ばなかったんだろう”
“せっかくのG.W、なんでこんな無理しているんだろう”

びっしょり汗をかき、涙も拭いたことだろう。

そんな悪夢を通り越して、今自分はこうしてムルシ族の村に向かっている。

実は、このエチオピア行きは前年の夏にアフリカ行きを考えたとき一度考えていて、
そのときは結局飛行機が取れなく、諦めていた。またの機会に行こうって。

その後訪れたバングラデシュ、その後の忙しい仕事をこなし、多くの時間を超え、昨夜の悪夢を乗り切って、ようやくここまで辿り着いたんだって思って感慨深くなっているのだろう。

それがどんなものであれ、それがあればこそ頑張れると思う。
一筋縄ではいかないほど、それが達成できたときの喜びは大きい。

それが今回はムルシ族と会うことだった。
どんなものにせよ、やっぱり夢をもつことっていいなって思う。

いつまでも夢を持ち続けようー。

続く一本道のその先で、僕の夢はまた一つ叶った!

~~~~~~~~~~

一旦ジンカの村へ帰る。
タルー、ラロにお礼を言うと、最後一緒にご飯を食べようということに。
タルーがおごってくれた。

そして清算。
タルーにはペン、ラロには壊れた安物時計をあげた。

そしてグッバイ!しようということでジンカの入り口まで送ってくれたのだが、
今日のバスがない。

昨日の夜から天候がすぐれなく、今日はバスが走っていないらしい。
いや、でもこれから帰らないとって。
今日帰らないとフライトに間に合わないよっ。

困っている僕を見たラロがトラックを手配してくれる。
ちょうど知り合いがアルバミンチまで行く用事があるということで、○○でどうだって。

さすがに高いと思って断る。
まけてくれるだろう、と思っているとそれは無理だと。
と、待ってくれていたトラックが発車してしまう。

「待って。あったあった!お金があったよ。パスポート入れに入れておいたお金があった!」

ラロが友人に電話してトラックを止めに走らす。
そして僕らもラロのバイクに二けつして発車したトラックを追いかける。

ただっ広い一本道。青空。子ども達の笑顔。緑。おいしい空気。日差し。ラロのチリチリパーマ。

ようやく追いつき、無事にトラックに乗れた。

「本当にありがとう」
「また連絡するよ」

彼らと一緒に写真を撮って、別れる。

トラックの助手席でこの3日間を思い出す。怖い想いもしたけど、本当良かったなって。

3時間程走って、ドライバーの携帯がなる。
ドライバーが携帯を貸してくれる。
ラロのようだ。

ラロが言う。

「ごめんなさい。」

「どうしたの?」

「ダイの携帯、おれが持ってるんだよ。」

「えっ?!」

そう、トラックが行ってしまってから、追いかけるときにおれの携帯をラロに貸して、そのままになっていたのだ。

でも、仕方ないし、もう今からだと時間もない。明日にはアデスアベバへ行かないとだし。

「仕方ないよ、おれ携帯会社に連絡して解約してもらうから。大丈夫!でも、その携帯で電話はしないでよね。おれに請求されるから」

「わかった。ごめん、ダイ、この後も旅行楽しんでね。どうもありがとう!」

「こちらこそありがとう。」

目前にはエチオピアの夕暮れ空。大きな大きな虹がかかっていた。

(17.5.2009 15:50 Brussels,Belgiumにて)

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