2009.3多摩，八王子大栗川散歩3-多摩横山の面影を求めて　古い神社と寺

2009/03/31 - 2009/03/31

大栗川から昭和4年以来の地図に載っている大塚八幡神社，真言宗智山派の最照寺,そして「大塚観音」で知られる曹洞宗塩釜山清鏡寺を訪ねた．いずれもかつては田んぼの中の小山か，谷戸の上にあった神社仏閣．この塚のような小山から「大塚」という名が生じた．いまでは住宅地やラブホテル，マンションの隣にある．しかしこの中の静寂はかつての里山と谷戸や大栗川沿いの水田のなかにあった古い多摩丘陵を思い出させてくれた．しかし帰りのモノレールからの天野谷戸から明星大学への景色は本当にそれが脳裏の中の思い出でしか存在しない現実も知らせてくれた．この周りには中央大学，明星大学，帝京大学がひしめく郊外の学生のキャンパスへと変貌した．少し西には東京薬科大学もある．このあたりの里山は「多摩動物公園」「平山城址公園」「長沼公園」などにわずかに残るのみだ．むしろ町田側の小野路，川崎の黒川（はるひの造成で本当に少なくなったが）に多摩の面影は多く残る．

エリア 高尾・八王子(東京)

• 交通手段: 徒歩

現在（平成11年）の地図．大栗川は治水対策がされてまっすぐの新幹線のように走っている．今度はC地点の神社とお寺に行ってみる．今でも階段があるようだ．

昭和44年の地図，大栗川がかなり蛇行，川の周りは水田．天野谷戸もおおきな谷戸だったことがわかる．堰場も集落名だった． また神社とお寺は少し小高い所にある．周辺には農家が数件あるのみ．

昭和4年の地図，農家が本当に散在していた田舎．治水前の大栗川はさらに蛇行．野猿街道も曲がりくねっている．今に面影を伝えるのはCの神社・寺，Dの大塚観音のみ． 水田のある所に半島のように突き出したところに大塚八幡神社と最照寺があったようだ．

大栗川から住宅地，ラブホテルのわきを通ると急に古墳のような緑が見える．神社だ．

地図の通りに石段が，ここだけは昭和初期からの雰囲気は変わっていないだろう．大塚八幡神社．

後ろを振り向けばラブホテル．かつては水田だったろう．住宅や郊外型の電器屋がひしめくところになってしまった．

昭和54年に社殿の改修と石段の新築を行ったようだ

隣の真言宗智山派の最照寺は多摩新四国八十八番の第十九番札所となっているようだ．

わきのみちをおりる．

野猿街道側から，なんだ車で通るときいつも見ているお寺だ．きっと北半分削られちゃったのだろう．

新野猿街道から旧道へ，小さな歩道のみの道，約50ｍ

旧野猿街道，このあたりのみ残る．昭和40年代の雰囲気．

大塚観音に行ってみる．昭和4年の地図

平成11年

大塚観音．曹洞宗塩釜山清鏡寺．八王子城主北条氏照の建立．木造十一面観世音菩薩立像は都の重宝．

観音堂は平成8年の改修

観音堂の内部，残念ながら誰もいなくて観音様を拝めなかった．

観音堂の後ろの階段

上にお社が．きっとむかしは山の中腹だったろうに．後ろは隣のマンション

もう一度降りる

寺の格式を垣間見る．「不動の滝」

寺の高台より，松が谷駅の方向．モノレールが見える．昔は里山．

かつて近在の農家による馬の競走が行われた馬場跡，江戸時代より昭和18年まで

馬場跡にお社が祭ってあった．

10坪程度の児童公園だが，名前が「大塚ひなた公園」．そうここの字は「大塚日向」．日の当たる北側斜面だ．

新しい野猿街道に帰る．すべてが4車線化したのは2000年．今は交通量もとても多い．

大塚帝京大学駅に戻った

モノレールから撮った「大塚帝京大学」駅周辺．むこうには明星大学の高層ビル．旧天野谷戸を登っていく．ここはおおきな谷戸で会ったことが本当にわかる．

多摩センター通りをわたり多摩センター駅へ．終点．

ついでにモノレールのポイント．おもしろい．