2008/10/18 - 2008/10/28
311位(同エリア590件中)
ダイサクさん
ぺトラ遺跡を回ったときに、想い出に残っているのはその圧倒的な遺跡であるわけだが、それよりもそこで出会った人たちが最も印象に残っている。シリアはダマスカスで出会ったプロカメラマンマンとも再会し、アンマン行きのバスを待つ間に仲良くなった若いバスの運転手、居心地の良いホテルのオーナーやオーナーの息子の教師であったりする。そのなかでも、ぺトラ遺跡を見終わって戻ったアンマンのジョルダンリバーホテルで、笑顔で迎えてくれたサーメルは最も印象に残っている。
彼はパレスチナ系ヨルダン人。現在、30半ばの彼はパレスチナ難民が多く住むアンマンで生まれ、大家族のもと成長。20歳になる前に交通事故で片足を怪我してからは、クリフホテルというバックパッカーの定番宿で働くようになったものの、家族はばらばらになり、孤独感から自殺未遂をしたことも何度かあったようで。だけども、世界各国の旅人と話をする中で色々なことを感じ、考えたりして、その中でも日本人バックパッカーは家族のように自分を慕ってくれたりして、そのうちに生きがいのようなものを感じたのだという。以後、自分が感じていた孤独というものを、自分のホテルにやってくる旅人が感じないようなそんな場所にっていう想いで、ずっと働いてきたようだ。そして2004年、イラク戦争後のイラクに行って、子供たちの現状をこの眼で見たい、という想いを持った香田さんがクリフホテルにやってくる。サーメルの必死の説得にもその意志を変えずに、単身イラクに行った香田さんが武装勢力に拉致され、その後殺された。 その後、サーメルは殺される前の香田さんと接触していたということで、日本の報道番組や雑誌、書籍に登場することになる。そして、サーメルは自ら貯めたお金でコウダホテルをオープンすることになる。
(参考)サーメルストーリー http://www.sekaitabee.com/samel_history.html
ジョルダンリバーホテルに置かれた情報ノートにはそんな彼の生い立ちや、彼へのメッセージ、彼への手紙が山ほどあった。みんな彼の優しさ、礼儀正しさに感謝しているようだった。そんな僕も、彼に煎れたもらったネスカフェを飲みながら彼としゃべったりして、その優しさを実感した。
ほんのちょっとの滞在で、もっと彼と話したいことはあったのだが、彼との出会いは中東一人旅の中での大きな出会いの一つになった。今日も彼は世界中からやってくる旅人達と一期一会を過ごしているのだろう。謙虚な姿勢で、礼儀正しく、思いやりをもって相手に接する。僕も、心がけたいと思う。
(09.01.17.2100寮にて)
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 航空会社
- エミレーツ航空
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