2008/10/12 - 2008/10/12
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《覚書》
2008年10月12日(日) 晴れ
大清水駐車場 1:45 出発
一ノ瀬
三平峠
三平下
尾瀬沼ビジターセンター 5:40 出発
長英新道分岐 6:00 出発
ミノブチ岳 9:00 出発
俎(マナイタグラ) 10:30 出発
柴安(シバヤスグラ) 11:30 出発
見晴 15:10 出発
白砂峠
沼尻平 16:50 出発
尾瀬沼山荘 17:50 出発
三平峠 18:10 出発
一ノ瀬
大清水駐車場 20:47 到着
歩行距離 約32km
所要時間 約19時間(歩行時間とは異なる)
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先週25kmも歩いたというのに、今週もまた尾瀬に来てしまった。
今回の目的は燧ケ岳の登頂。
先週よりも早い時間に大清水駐車場に到着したが、この日は三連休の真中ということで、先週よりも駐車台数が多い。
早々に身支度を整え、ヘッドライトを装着し、取り合えず一ノ瀬休憩所を目指す。
前回同様、山神さまへのご挨拶も忘れずに。
先週と違う事は気温が低いという事と風が強い事。
一週間で落ち葉の量もかなり増えていた。
三平峠から三平下に向かう下りでは、木道に付着した霜の為、かなり危ない状態で注意を要した。
そして、尾瀬沼東岸の木道では強風の為に尾瀬沼のザブーン、ザブーンと海の様に波打つ音が暗闇に響いていた。
尾瀬沼ビジターセンターでトイレ、栄養補給等、少し長めの休憩を取る。
出発は5時40分。
その頃は風も止み、雲の合間から燧ケ岳のピークが顔を覗かせていた。
白くなっているピーク。
温度計は3℃を指していた。
写真はミノブチ岳から見えた富士山 -
燧ケ岳へのアプローチは現在4ルートある。
今回はその中でも比較的緩やかな長英新道をチョイス。
長英新道は燧新道とも呼ばれ、長蔵小屋二代目小屋主の平野長英氏が昭和35年に開設したその名の通り新しいルート。
出だしの2kmは緩やかだが、昨日降った雨のため、相当泥濘と化しているので歩き難い。
雨用のレッグガードが重宝した。
その後、徐々に斜度をキツくしていき、ミノブチ岳手前1kmは傾斜率30%にもなる。
それを登りきると、眼下には尾瀬沼の全容と日光連山の姿を眺められる。
先にも触れたが、今日は三連休の真中なので、登山者の数も多い。
60代、70代、中には80代の登山者も。
敬服。
そして、10歳の小学生も。
感心。 -
ミノブチ岳から見た俎(マナイタグラ)南面。
尾瀬沼ビジターセンターで雲の間から見えた燧ケ岳の頂上付近が白くなっていたのが、雪のそれではなく、霧氷であることが、ミノブチ岳まで登って来る途中で判った。
陽に照らされ、ダケカンバの枝に付いた霧氷が剥離しパラパラと降ってくる。
その落ちてくる霧氷が、陽の光を反射しながらキラキラと輝く様は美しい。 -
ミノブチ岳で長英新道合流するルートには、沼尻平から登るナデッ窪道というルートがある。
先週、沼尻平から見たそれである。
こちらからのルートの方が距離は短くなるが、その分斜度はキツくなる。
ナデとは雪崩を意味し、雪崩の起き易い急峻な窪(谷筋)ということになる。
その急なルートを登って来る登山者も多い。
白髪の紳士と御婦人の一団十数名もナデッ窪道からの登頂組。
唖然。 -
燧ケ岳の登山道には一切トイレはない。
その為、登山開始から下山まではトイレには行けないという事になる。
我々はゆっくりとしたペースでのんびり歩くので登山開始から下山まで8時間余りを要した。
そういったトイレ事情も考慮しなければならない。
かといって、水分補給を怠ると喉が渇き、血液の浸透圧が変わり、血液が濃くなってしまう。
そうなれば体の負担も増え、バテ易くなる。
汗をかく以上、水分補給はどうしても避けられない
これからの時代、登山者は携帯トイレの携行が当たり前になるのかも知れない。
大学生のパーティも途中何組か見掛けたが、休憩の合間を見計らって交代で木陰に消える様である。
大きい方でないといいが。 -
水分補給の他に大事なのは、栄養補給。
今回、持って行って良かったのは栄養剤。
それもビタミンB1を含んだもの。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える為に重要な働きをする。
チョコレートやキャラメルといった甘いおやつを摂取し、更にそれを効率良くエネルギーに変えてくれる優れものだということ。
あとはアミノ酸系ゼリーも即効性があり重宝した。 -
暫くミノブチ岳で時間をとり、俎(マナイタグラ) へと向かう。
目の前に目標があると気分的に違う。
自分が今、どの辺りに居るのか、あとどれ位歩くのか分からないと不安ばかりかペース配分も誤りかねない。 -
俎(マナイタグラ) に向かう途中での一枚。
先ほどまで居たミノブチ岳と尾瀬沼が望める。
ミノブチ岳北面は霧氷で白くなっている。
暫くはハイマツが生い茂る細い道を行くが、直ぐにゴツゴツした剥き出しの岩を跨ぎながら登る。 -
途中、東方に目をやれば、尾瀬ヶ原と至仏山が見える。
先週、同時刻は眼下の湿原の中を歩いていた。
そして次週は至仏山の頂に立とうとは、この時は思ってもいなかった。 -
俎(マナイタグラ)のピークから柴安(シバヤスグラ)のピークを望む。
ピークに向かう登山道が渋滞しているのが確認出来る。
昨日の雨で予定を順延された登山客も多い事だろう。
ハイマツの緑が鮮やか。 -
俎(マナイタグラ)のピークは岩を積み重ねた様で、そんなに広くは無い。
標高は2346?。
そこで登山者は思い思いに暫くの時間を過ごす。
眼下に広がる紅葉した草紅葉の尾瀬ヶ原と至仏山を眺めながらの休憩。
風が強い。じっとして居ると体温を奪われる。
体温調節の為、インナーを一枚着込む。 -
これから向かう柴安(シバヤスグラ)は標高2356?。
今居る俎(マナイタグラ)よりも10?高い。
北面の山肌は荒々しく削られて土が赤く剥き出しになっている。 -
柴安(シバヤスグラ)の北面。
ハイマツの霧氷と赤く剥き出しになった山肌が印象的。
柴安(シバヤスグラ)を北に下りると御池(ミイケ)まで続くルート。
福島県側から燧ケ岳に登るには最適。 -
俎(マナイタグラ)でも暫く時間をとり、柴安(シバヤスグラ)へと向かう。
岩場を過ぎ、霧氷のハイマツ樹林帯の中、溝になったルートを這う様に下り、鞍部に出る。
そして、また登る。 -
登山道は狭く、人一人が通るのがやっとという箇所も少なくない。
それに加え、今日は登山者が多い為、思う様には進めない。
ゆっくりのんびりの登山にはいい。
その分、景色を堪能出来る。 -
燧ケ岳を含む尾瀬全般に言えることだが、歩いていてゴミの少なさには驚く。
年間数十万人の人が訪れる観光地とは思えないほど。
流石は、日本における自然保護の原点とまで言われる尾瀬。
2007年に日光国立公園から尾瀬国立公園として独立し、実質国からの補助金も増え環境整備に充てる費用が充実したことも一因だが、ボランティアの活動、ハイカーのマナー向上も大きい。 -
燧ケ岳のピークで最も高い柴安(シバヤスグラ)、標高2356?。
霧氷に覆われたハイマツが美しい。
岩の部分では時に四足歩行も余儀なくされる。
軍手は必需。 -
ジッとして居れば体温を奪われ、歩くと体温が上がる。
山歩きはこれの繰り返し。
脱ぎ着のしやすい服がベスト。
これを怠ると体調不良の原因に。
アウターは前開きファスナー全開タイプが体温調節しやすい。
インナーは速乾性のモノがいい。 -
柴安(シバヤスグラ)の隣に聳える赤ナグレ岳の端部。
この赤ナグレ岳へは現在登山ルートがない。
登山ルートがない所へは行ってはいけない。
今の日本登山の常識になっている。
一昔前の道は切り開くモノという考えは、もはや通用しない。
これを破ればただの無秩序者ということになる。
反社会的な行動は慎みたい。
山は制覇するものではなく、登らせて頂くという謙虚な姿勢で臨みたい。 -
柴安(シバヤスグラ)のピークより望む俎(マナイタグラ)のピーク。
こちらも霧氷に覆われたハイマツの分布が美しい。
後ろの山が高く見えるのは撮る角度の為。
燧ケ岳より北には柴安(シバヤスグラ)より高い山峰はない。 -
柴安(シバヤスグラ)のピークでも暫く時間をとる。
昼も近いからこちらで弁当を広げる人も多い。
柴安(シバヤスグラ)は俎(マナイタグラ)よりもスペース的にゆとりがある。
それに岩場だけでなく土の部分もあるので休むにはいい。 -
俎(マナイタグラ)のピーク。
オーバーユース気味。
パーソナルエリアを充分に保てなくなるとストレスになる。 -
こちらは柴安(シバヤスグラ)のピーク。
こちらも人が多いが、広い分まだ何とかなりそう。
それに幾分平らな土の部分もある。
簡単な栄養補給と水分補給をして、暫く休んだあと下山する。
ルートは見晴に向かう見晴新道。
尾瀬沼側よりも見晴側の方が250?ほど標高が低くなるため、その分距離も伸びることになる。 -
下り始めは、岩場でやがてガレ場となる。
左手には赤ナグレ岳が見え、正面には尾瀬ヶ原と至仏山が一望できる最高の眺め。
斜度はキツく、手をつきながら少しづつ下りていく。
登りもキツいが下りもキツい。
暫くは眺望の利くルートを下るが、やがて展望は樹林帯に入り遮られてしまう。
ここからが正念場の赤ナグレ沢の窪地。
いつ終わるとも知れぬガレ場と岩場の急坂を延々と下って行く。
おまけに下は湿っているので休む場所も限られる。
長い下り坂は膝に負担が掛かる。
サポーターがとても重宝する。 -
通常、柴安(シバヤスグラ)見晴まで2時間20分前後のところ3時間掛けてのんびり下りる。
見晴に着いたのは14時30分頃。
トイレを済ませ、水分補給と栄養補給そしてベンチで背骨を伸ばす。
見晴から鳩待峠に出て大清水まで乗合タクシーと路線バスを乗り継ぐコースも考えたが、時間的に厳しい。
大清水までの14.2kmを歩くことにした。
先週とは逆のコースを辿ることになる。
15時10分見晴を出発。
陽はだいぶ傾いてきた。
まずは、沼尻平を目指す。 -
尾瀬沼林道を行く途中、何組かのハイカーとすれ違うが、白砂峠に差し掛かる頃には人とすれ違う事も無くなった。
沼尻休憩所に辿り着いたのは16時40分頃。
もはや小屋番の人もハイカーの姿もそこには無い。
尾瀬沼の畔に建つ無人になった沼尻休憩所で水分補給と栄養補給をし、10分ほど休憩する。
東の空には、小望月の月がいよいよ目立ち始めてきた。
薄暗くなった沼畔の道を三平下に向けて急ぐ。
余談だが、薄暮の時間帯は最も熊出没の危険性が高い。
万が一の時の事を考え、携帯ラジオのスイッチを入れ、こちらの存在をアピールする。
思えば早朝の尾瀬沼は強風が吹き荒れ、波音を立てていた。
それが、今は穏やかな水面に月光を映している。
三平下の尾瀬沼山荘に着いたのは17時30分頃。
そこで山荘の方に熱いお茶をご馳走して頂く。
感謝感謝。
トイレを済ませ、出発は17時50分。
再びヘッドライトを装着して大清水を目指す。
従って、大清水〜三平下の6.2kmは行きも帰りも明るい景色を見ていない。
木々に覆われた真っ暗の山中は本当に静か。
時々、小動物の動く気配が音と共に伝わってくる程度。
長く歩いていると疲労感もピークに達し、逆にハイな気分になって、何とも気持ちが良くなる瞬間がある。
一ノ瀬休憩所で暫く休む。
ベンチにゴロンと横になると綺麗な星が空を埋め尽くしている。
このまま眠ってしまいたい。
そんな衝動を振り払い、気力を振り絞る。
ここから大清水までの3.2kmはキツかった。
砂利道なので歩きやすいが、時間的な感覚が失せていたので、永遠に歩くのではと思わせるような距離に感じていた。
20時47分 大清水到着。
行きに山神様の社の前でご挨拶拝してから19時間経っていた。
長い一日だった。
とても疲れた。
しかし、清々しい。
尾瀬 3 に続く。
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