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昨日は、乗鞍登頂では往復タクシーを利用したため、時間が2時間近くセーブでき、バスターミナル前の屋外レストランで早目の昼食を取り、町村さんとは仕事の関係でそこで別れ、我々4人は、鳥越幹事の計らいで、予定外ではあったが野麦峠経由で、今日登頂予定の御岳休暇村へ向った。<br /><br />乗鞍高原からはスーパー林道を経由して峠に向うが、山また山の連続で深い森林帯が続く。昔の人はよくこんな深い山道を往来したかと驚くよりも信じられない気持ちである。<br /><br />不思議なことにこんな山奥にも民家がところどころ点在していて、一体冬の生活はどうなんだろうか、道路の無かった昔は、どのように行き来していたのだろうか、等いぶかしく思うが、落人部落とか山の民とか、自ら世俗との交流を断ってきた子孫が今でも住んでいるのかも知れない。<br /><br />目的の野麦峠は今は幹線道路からも外れていて、この峠を見に来るためだけの道路になっているが、夏の日差しの中、人買いに連れられたであろう女工の哀話、商人の往来、役人の赴任、等々江戸時代から明治、大正期までの長い歴史を彷彿させる峠でもあった。<br /><br />天気が良ければ、ここから乗鞍が真正面に見える筈だが、午後から雲も出てきて、残念ながら全く見えない。まあしかし山は朝真近で見たし、登頂もしたのだから、見えなくても良いでしょう。<br /><br />峠を下り、木曽福島の町を通り抜け、中津川(木曽川上流)の大きなアーチ橋を渡り、目的の王滝村休暇村に到着したのは夕方の4時。<br /><br />4人で早速大風呂に入ったが、まだ客は誰も来ておらず、本当の一番風呂。風呂から上がり部屋で少し一服し、6時からの夕食。出されたものは豪勢で、海の幸、山の幸は勿論のこと、飛騨牛の蒸し焼きまでついていて、これは正真正銘の飛騨の牛。どこかの偽装肉とは全く違う。<br /><br />追加でお願いした馬刺しの豪華なこと。これで500円とは!前日の松本の飲み屋が余りにもぼっていたので、喜びも倍増し。しかも更に馬の赤身、桜肉に丁度マッチするように、岩魚の骨酒!これはしてやったり、2合とっくりに岩魚一尾が丸々入っていて、いや〜たまらない。幹事さんの至れり尽くせりの配慮には、心から頭の下がる思い。明日大雨で山に登れなくても、今日ここへ泊まっただけでも幹事さんには感謝しなくては、の気持ち。<br /><br />本当はお代わりもしたい処でもあったが、翌日のことも考え、程ほどに済ませて部屋に引き上げ、9時には就寝する。<br /><br /> <br /><br /> <br />さて今日、7月7日、月曜日。七夕の日であり、サミット開催日でもある記念すべき日。全員朝5時に起床し、5時半にはホテルを出て、18キロ先の田の原駐車場へ向う。標高2200mにある駐車場にはもう既に何台かの車が駐車しているので、何人かは登山開始しているのだろう。我々も簡単な朝食を食べ、6時半、登山開始する。<br /><br />登山口にある石の鳥居から見る山は、少しばかり雲もかかったいるようだが、天気の崩れる心配はなさそうだ。薄日すら差してくる。今日一日持ってくれれば充分だ。<br /><br />去年の8月に来たばかりの山だから山道は見慣れている。今日は当方が先頭に立って皆をリードする形になったが、何かこの山の御岳講の先達になった気分もしなくはない。講社ではないので「六根清浄、お山晴れ晴れ!」と威勢よく掛け声を挙げることもなかったが、去年のことをつい昨日のことのように思い出しながら、歩を進めた。<br /><br />去年は一面の霧。山道を歩いていると、遠くから「六根清浄」の大合唱が聞こえてくると間もなく、霧の中から十数人の信者団がぬっと現れ行き違う。誠に幻想的な信仰の山、と言った感じだったが、今日は快晴で、しかも月曜日で登山者もそれ程多くない。信者団にも行き交うこともない。<br /><br />信者の代わりに確か去年も見たことのある雷鳥がここでも親子連れで遊んでいるところに出くわし、昨日に続き、今日も又ヒヨコを見ることができた。親鳥の鳴き声で小さな子供達は母親のそばまで逃げてきて、母親の大きく広げた羽の下に皆隠れてしまった。いや、母親が子供達を羽の下に隠したというのが正しい表現だろう。母性本能、雷鳥は特に強いのに違いない。<br /><br />途中何回か小休止し、出発してから2時間半、丁度9時に最初のピーク、王滝頂上に到着する。全く計画通りというか、予定よりは少し早いペースかも知れない。ここにある御岳神社奥の院(王滝神社)に参拝し、石坂さんが重たい思いをして運んできたバナナを2本づつ皆に分け、栄養補給を行う。<br /><br />最高点の剣ヶ峰はここからは目と鼻の先、快晴の空の下、一段盛り上がった天上の社が真近に見える。去年は強風と霧雨で、剣ヶ峰まで行けなかったが、今見たら、僅か100m程の馬の背が渡れなかったのだ。今日は大手を振って、約20分の急坂を一歩一歩思いをかみ締め頂上に向う。<br /><br />直下の山小屋を回り、頂上への長い石段を駆け足で登り、遂に登頂達成する。時に午前9時半。去年達成できなかた夢を今日ここで果たすことができた。標高3067m。快晴の下、バンザイ三唱をしたい気持ちもあったが、他の登山者の手前もあり、遠慮した。しかし最高点に建立されている御岳大神には思い切り大きな拍手を叩き、今日の登山に感謝した。有難う、鳥越さん、石坂さん、菊田さん。<br /><br />あそうだ、自分の事しか考えていなかったが、今日は石坂さんにとっては50座登頂の記念すべき日。高級の登山靴を今日始めて下ろし、臙脂の靴が荒涼とした山道に一際映えている。石坂さんにもおめでとう!<br /><br />直ぐ下には日本一高い場所にある池、一の池がコバルト色に輝き、少し離れた下には、奥の院・王滝神社がくっきりと見えている。その横からは、今しも噴煙が立ち上っている。名残惜しい眺めではあるが、山頂には20分ほどいて、再度大神に感謝し、下山する。<br /><br />下山は順調で、丁度2時間で田の原へ到着する。下山後当初予定していたうしげの湯が今日は休業で、そのまま車を走らせ、中央高速、伊那インターに入る手前の大柴町営の温泉で疲れを癒す。僅か500円だが、ジャグジーもあり、牛乳風呂もある。勿論サウナも。今日の疲れはこの温泉で半分は解消した。<br /><br />帰りは再び石坂さんのハイテックな運転で、途中諏訪湖SAと談合坂で休憩しただけで、真っ直ぐ帰宅。日野バス停で下車し、6時過ぎには帰宅した。<br /><br />昨日の乗鞍、今日の御岳、二日間好天に恵まれ、良い山仲間にも恵まれ、この幸運に感謝した。<br /><br /> <br /><br />< 邪気払ふ 御岳大神 剣ヶ峰 ><br /><br /> <br /><br />< 眼の下は コバルトなりし 一の池 ><br /><br /> <br /><br />< 木曽のなあ 今日のお山や 日本晴れ ><br /><br /> <br />< 無色声香味蝕法 六根清浄 夏の山 ><br /> <br />

日本百名山第62座、御岳・3067m。リベンジの山。

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2008/07/05 - 2008/07/07

981位(同エリア1217件中)

2

20

ちゃお

ちゃおさん

昨日は、乗鞍登頂では往復タクシーを利用したため、時間が2時間近くセーブでき、バスターミナル前の屋外レストランで早目の昼食を取り、町村さんとは仕事の関係でそこで別れ、我々4人は、鳥越幹事の計らいで、予定外ではあったが野麦峠経由で、今日登頂予定の御岳休暇村へ向った。

乗鞍高原からはスーパー林道を経由して峠に向うが、山また山の連続で深い森林帯が続く。昔の人はよくこんな深い山道を往来したかと驚くよりも信じられない気持ちである。

不思議なことにこんな山奥にも民家がところどころ点在していて、一体冬の生活はどうなんだろうか、道路の無かった昔は、どのように行き来していたのだろうか、等いぶかしく思うが、落人部落とか山の民とか、自ら世俗との交流を断ってきた子孫が今でも住んでいるのかも知れない。

目的の野麦峠は今は幹線道路からも外れていて、この峠を見に来るためだけの道路になっているが、夏の日差しの中、人買いに連れられたであろう女工の哀話、商人の往来、役人の赴任、等々江戸時代から明治、大正期までの長い歴史を彷彿させる峠でもあった。

天気が良ければ、ここから乗鞍が真正面に見える筈だが、午後から雲も出てきて、残念ながら全く見えない。まあしかし山は朝真近で見たし、登頂もしたのだから、見えなくても良いでしょう。

峠を下り、木曽福島の町を通り抜け、中津川(木曽川上流)の大きなアーチ橋を渡り、目的の王滝村休暇村に到着したのは夕方の4時。

4人で早速大風呂に入ったが、まだ客は誰も来ておらず、本当の一番風呂。風呂から上がり部屋で少し一服し、6時からの夕食。出されたものは豪勢で、海の幸、山の幸は勿論のこと、飛騨牛の蒸し焼きまでついていて、これは正真正銘の飛騨の牛。どこかの偽装肉とは全く違う。

追加でお願いした馬刺しの豪華なこと。これで500円とは!前日の松本の飲み屋が余りにもぼっていたので、喜びも倍増し。しかも更に馬の赤身、桜肉に丁度マッチするように、岩魚の骨酒!これはしてやったり、2合とっくりに岩魚一尾が丸々入っていて、いや〜たまらない。幹事さんの至れり尽くせりの配慮には、心から頭の下がる思い。明日大雨で山に登れなくても、今日ここへ泊まっただけでも幹事さんには感謝しなくては、の気持ち。

本当はお代わりもしたい処でもあったが、翌日のことも考え、程ほどに済ませて部屋に引き上げ、9時には就寝する。




さて今日、7月7日、月曜日。七夕の日であり、サミット開催日でもある記念すべき日。全員朝5時に起床し、5時半にはホテルを出て、18キロ先の田の原駐車場へ向う。標高2200mにある駐車場にはもう既に何台かの車が駐車しているので、何人かは登山開始しているのだろう。我々も簡単な朝食を食べ、6時半、登山開始する。

登山口にある石の鳥居から見る山は、少しばかり雲もかかったいるようだが、天気の崩れる心配はなさそうだ。薄日すら差してくる。今日一日持ってくれれば充分だ。

去年の8月に来たばかりの山だから山道は見慣れている。今日は当方が先頭に立って皆をリードする形になったが、何かこの山の御岳講の先達になった気分もしなくはない。講社ではないので「六根清浄、お山晴れ晴れ!」と威勢よく掛け声を挙げることもなかったが、去年のことをつい昨日のことのように思い出しながら、歩を進めた。

去年は一面の霧。山道を歩いていると、遠くから「六根清浄」の大合唱が聞こえてくると間もなく、霧の中から十数人の信者団がぬっと現れ行き違う。誠に幻想的な信仰の山、と言った感じだったが、今日は快晴で、しかも月曜日で登山者もそれ程多くない。信者団にも行き交うこともない。

信者の代わりに確か去年も見たことのある雷鳥がここでも親子連れで遊んでいるところに出くわし、昨日に続き、今日も又ヒヨコを見ることができた。親鳥の鳴き声で小さな子供達は母親のそばまで逃げてきて、母親の大きく広げた羽の下に皆隠れてしまった。いや、母親が子供達を羽の下に隠したというのが正しい表現だろう。母性本能、雷鳥は特に強いのに違いない。

途中何回か小休止し、出発してから2時間半、丁度9時に最初のピーク、王滝頂上に到着する。全く計画通りというか、予定よりは少し早いペースかも知れない。ここにある御岳神社奥の院(王滝神社)に参拝し、石坂さんが重たい思いをして運んできたバナナを2本づつ皆に分け、栄養補給を行う。

最高点の剣ヶ峰はここからは目と鼻の先、快晴の空の下、一段盛り上がった天上の社が真近に見える。去年は強風と霧雨で、剣ヶ峰まで行けなかったが、今見たら、僅か100m程の馬の背が渡れなかったのだ。今日は大手を振って、約20分の急坂を一歩一歩思いをかみ締め頂上に向う。

直下の山小屋を回り、頂上への長い石段を駆け足で登り、遂に登頂達成する。時に午前9時半。去年達成できなかた夢を今日ここで果たすことができた。標高3067m。快晴の下、バンザイ三唱をしたい気持ちもあったが、他の登山者の手前もあり、遠慮した。しかし最高点に建立されている御岳大神には思い切り大きな拍手を叩き、今日の登山に感謝した。有難う、鳥越さん、石坂さん、菊田さん。

あそうだ、自分の事しか考えていなかったが、今日は石坂さんにとっては50座登頂の記念すべき日。高級の登山靴を今日始めて下ろし、臙脂の靴が荒涼とした山道に一際映えている。石坂さんにもおめでとう!

直ぐ下には日本一高い場所にある池、一の池がコバルト色に輝き、少し離れた下には、奥の院・王滝神社がくっきりと見えている。その横からは、今しも噴煙が立ち上っている。名残惜しい眺めではあるが、山頂には20分ほどいて、再度大神に感謝し、下山する。

下山は順調で、丁度2時間で田の原へ到着する。下山後当初予定していたうしげの湯が今日は休業で、そのまま車を走らせ、中央高速、伊那インターに入る手前の大柴町営の温泉で疲れを癒す。僅か500円だが、ジャグジーもあり、牛乳風呂もある。勿論サウナも。今日の疲れはこの温泉で半分は解消した。

帰りは再び石坂さんのハイテックな運転で、途中諏訪湖SAと談合坂で休憩しただけで、真っ直ぐ帰宅。日野バス停で下車し、6時過ぎには帰宅した。

昨日の乗鞍、今日の御岳、二日間好天に恵まれ、良い山仲間にも恵まれ、この幸運に感謝した。



< 邪気払ふ 御岳大神 剣ヶ峰 >



< 眼の下は コバルトなりし 一の池 >



< 木曽のなあ 今日のお山や 日本晴れ >


< 無色声香味蝕法 六根清浄 夏の山 >

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  • 前夜、休暇村宿舎での夕食風景。品数が多く、テーブルいっぱい。

    前夜、休暇村宿舎での夕食風景。品数が多く、テーブルいっぱい。

  • 特にこの岩魚の「骨酒」。大きな岩魚一尾と2合は優に入っている熱燗。呑み助にはたまらない。

    特にこの岩魚の「骨酒」。大きな岩魚一尾と2合は優に入っている熱燗。呑み助にはたまらない。

  • 雄大な山容の御岳。上がテーブル状に見える。

    雄大な山容の御岳。上がテーブル状に見える。

  • さてこれから登山開始の揃い踏み。

    さてこれから登山開始の揃い踏み。

  • 登り始めて直ぐのところにある大江童子の社。講の山だけあって各所に末社、社、祠が建立されている。

    登り始めて直ぐのところにある大江童子の社。講の山だけあって各所に末社、社、祠が建立されている。

  • 中腹辺りでの休憩。

    中腹辺りでの休憩。

  • ここにも雷鳥の親子がいたが、地面と同系色で、よく見えない。

    ここにも雷鳥の親子がいたが、地面と同系色で、よく見えない。

  • 余り花らしい花は咲いていなかったが、イワカガミがあちこちに咲いていた。

    余り花らしい花は咲いていなかったが、イワカガミがあちこちに咲いていた。

  • 漸く、王滝神社前の山小屋が見えてくる。ピークまではもう直ぐ。

    漸く、王滝神社前の山小屋が見えてくる。ピークまではもう直ぐ。

  • 漸く最初のピーク、御岳神社奥の院(王滝神社)に到着。

    漸く最初のピーク、御岳神社奥の院(王滝神社)に到着。

  • 更に剣ヶ峰まで山道は続く。

    更に剣ヶ峰まで山道は続く。

  • 最後の急坂を登り、

    最後の急坂を登り、

  • 漸く剣ヶ峰、御岳大神前へ。

    漸く剣ヶ峰、御岳大神前へ。

  • 山頂3067mでの記念撮影。

    山頂3067mでの記念撮影。

  • 真下にはコバルト色の一の池が見える。

    真下にはコバルト色の一の池が見える。

  • 噴煙と硫黄の匂い。まだこの山は活火山。

    噴煙と硫黄の匂い。まだこの山は活火山。

  • 直下の山小屋のオヤジさんと歓談する一行。

    直下の山小屋のオヤジさんと歓談する一行。

  • 大柴町営温泉に入った後、リラックスしている二人。

    大柴町営温泉に入った後、リラックスしている二人。

  • 最後におめかししてやってくる一人。

    最後におめかししてやってくる一人。

  • 夕暮れの諏訪湖。良い山歩きだった。

    夕暮れの諏訪湖。良い山歩きだった。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • yotchanさん 2008/07/09 17:23:07
    二座
    二座二日で征服。天気にも祟られず順調に成功されましたね。おめでとう御座いました。

    ちゃお

    ちゃおさん からの返信 2008/07/10 08:46:31
    RE: 二座


    よっちゃん、どうも有難う。おかげさまで、2座無事登頂することができました。

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