2006/11/03 - 2006/11/10
2462位(同エリア2730件中)
ケン・ハンレーさん
- ケン・ハンレーさんTOP
- 旅行記7冊
- クチコミ0件
- Q&A回答1件
- 22,885アクセス
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パタヤに戻り、一晩過ごした後バンコクヘ向かいました。前半の炎天下での遺跡巡りが堪えたのかイマイチ調子が戻っていません。
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 航空会社
- タイ国際航空
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7時起床、8時間たっぷり眠って気分がだいぶ良くなった。3Fプールサイド。雰囲気のいいテーブルに陣取り、ビュフェ形式の料理をいつものペースで取る。カオ・トム・クルンのスープ、目玉焼き、ハムとソーセージ、クロワッサンにフレンチ・トースト、サラダ、フルーツ、そしてコーヒー。このホテルの朝食は標準、だがコーヒーがすこぶる旨かった。コーヒーが旨ければ気分よく一日が始められる。プールサイドというのも洒落ていて、なんだか一日をここで過ごしたくなった。
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ボーコーソーへ向かうため、乗合いソンテウに乗車。折角だからもう少しラヨーン見物をと思い、黄色い本を開いて「このソンテウは時計塔へ行きますか?誰か英語を話せる人、いますか?」と、乗り合せた乗客に(なんと図々しい)聞いてみる。綺麗な奥さんが恥ずかしそうに教えてくれた。「時計塔までは行かないわ、ボーコーソー止まりよ。」残念。
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ターミナルに到着、さてどうしようか考えていると、先ほどの奥さんが笑顔で、話しかけてくれた。「私はあそこの市場で買い物をするのだけれど、少し待って頂ければ、時計塔へ行くのなら一緒に行ってあげましょうか?」なんと優しい申し出に感激、でも、それでは余りに申し訳ないので丁重に辞退させて頂く。そして昨夜と同じようにバイタクを拾い、自力で時計塔へと向かう。しまった、美しい奥さん、貴方の写真を撮らせて頂くのを忘れてしまった。
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時計塔はいつも街の中心にある。ボーコーソーから続く大通りを挟んで、ここから南が旧市街ということなのでしばらく散歩する。古い木造家屋の民家やショップ・ハウスなど趣のある街並みが続く。雑貨店、漢方薬店、菓子屋、安めし屋などを見て歩く。なんとはない、観光地でもないごく普通の街並み。路地で子供が遊び、お母さんたちが井戸端会議。そんな景色が、今の私にはとても嬉しい。にっこり笑って「サワッディー。」と挨拶してくれる屋台のオバちゃん、ありがとう、朝のかき入れ時は終わったんですね。
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一通り街を巡って、ボーコーソーへと向かう途中に寺院があったので立ち寄る。ワット・パー・プラドゥ、アユタヤ朝時代に開かれたというこの寺院には長さ約12m、高さ4mほどの釈迦涅槃像があった。面白いのは、普通涅槃像は右を下にして横たわっているものなのだが、ここのは左を下にしている。調べてみたが、その理由はわからなかった。
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途中で見つけた車。持ち主は「のび太」さん?
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ボーコーソー近くには市場がある。市民の台所、ターミナルに近いこともあってとても賑やかだ。野菜や果物、肉、魚の店から雑貨、衣料品まで、大きなこの市場にも実に多くの店が出ている。乾物屋の店先にはスルメや干した貝柱、アミエビ、唐辛子などが色とりどりに並べられている。オバちゃんたちの威勢のいい掛け声が飛び交い、大きな荷物を抱えた買い物客が行き来する市場のこの雰囲気は、どこで見てもやはり楽しい。ゆっくりとしたペースで市場を巡る。
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バスに乗るためにボーコーソーへ。ここでも周囲の迷惑を顧みず、「パタヤ行き、どれ?」「パタヤ行きたいんだけど、英語わかりますか?」と片っ端から尋ねまわり、ようやくパタヤ経由バンコク行きというバスに乗り込む。発車まではまだ時間があるらしくがらんとした車内に一人座って、ぼんやりとバスの窓から外を見ると、別れを惜しむ恋人たちだろうか、手をとりあって中むつまじく会話しているのが見える。ビミョーな気分になりかけるのをぐっとこらえ、それにしても一向に発車する気配のないバス。
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11時過ぎ、ようやくバスはパタヤに向け無事に出発した。発車すれば1時間ちょっとで着くのだからと安心し一眠りを決め込む。ところが、その一時間ほどが過ぎ、12時過ぎに目を覚ましても、バスはまだパタヤに着いた様子がない。それどころか、ハイウエイではない全く見たことのない街中の細い道を走り、所々で停まっては乗客が乗り降りしている。ここはどこ?このバス本当にパタヤに着くのか?運転助手に聞いてみると、「パタヤ!OK,パタヤ!」と繰り返すだけ。そうなのだ、だんだんわかってきた。このバスはいわゆる普通バス、つまり各駅停車というわけらしい。だとすると所要時間は倍以上はかかるな。うーん、まいった。
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結局パタヤに到着したのは1時半をまわっていた。2時間30分のバスの旅、昨日のVIPバスが80Btで今日の各駅が70Btとは全くひどい。イラつくわ腹はへるわ疲れるわで、思わずカネ返せと叫びたくなってしまった。しかしこのバスはこのあとバンコクまで行くのだ、長い旅だな。買い物帰りのオバちゃんたちと乗合いソンテウに乗って、2時少し前、無事マークランド・ホテルに帰着。
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とにかく腹ペコなので、隣のファミリーマートへ行ってみると、店先にめし屋の屋台が出ていた。一昨日は見なかったから昼時だけの営業か。なんと好物のカオ・カー・ムーがあるので早速注文。出てくるや否やガツガツ食べてしまった。またこれが旨い。肉には十分な歯ごたえがあり、噛むと肉汁が口の中にじわっと広がる。皮の部分はゼラチン質がたっぷりでトロトロと舌触りが楽しい。味付けも醤油とスパイスの加減がほどよく、更にスープには珍しくシイタケが入っていて、実にいい旨みが出ている。これで35Btは安い。旨い昼めしを食べて、長旅に疲れた身体に次第に元気が戻ってきた。
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しかし今日はすぐ出掛けるのは止めて、もともと休養日にしてあったのでまずはホテルでのんびりを決め込む。部屋はグリーン基調の落ち着いた雰囲気。このホテル、エアコンが旧式で音が大きいことを除けば結構素敵なリゾートホテルだ。
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シャワーを浴びて、プールへ行くことにした。小説とミュージックプレイヤーを持って、人の少ないプールサイドで午後のひと時を過ごす。時間が勿体無い?本当のリゾートとは、時間を勿体無く過ごすものなのですよ。うん。
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とはいうものの、やはり無神経なファランと同じことは2時間もすれば飽き飽きしてくる。何処かへ行って何かをしなければならない気持ちになるのは、やはり日本人の悲しい習性か、うずうずして再び街へと出てしまった。昼下がりの海岸通りを散歩する。ハードロック・カフェの経営するハードロック・ホテル周辺や、例によってファランだらけの海辺をそぞろ歩き、土産物屋やショッピングセンターを冷やかし、ぶらぶらと散歩を終えてホテルに戻る頃には、陽はもう沈み始めていた。
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パタヤを歩いての印象は残念ながら最高とはいかなかったが、この夕日だけは忘れられない。シャム湾に沈む夕日。南国の夕日は、どこで見ても叙情的でとても美しい。
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夜が来てしまった。ものは試しと、もう一度パタヤの夜を体験してみることにした。乗合いソンテウに乗りウオーキングストリートまで出る。先ずは腹ごしらえと、有名な海鮮レストラン「ナン・ヌアル」へと行く。海に面したテラスで新鮮なシーフードを味わえると評判の店、高かった。ステーキ&ロブスターがお勧めメニューだが、腹具合と財布に相談し敢えて外す。水槽から好きなものを選ぶシステムなので、手長エビを3匹選んでグリルにしてもらい、カニはカオ・パット・プーを頼む。
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デザートには外せないココナツ・アイスクリーム。洒落てココナツの実に入って出てきたそれは味も香りも申し分なかった。
「お済みですか?」ウエイトレスがエビの皿を指して言う。「ああ、おいしかったよ。」と答えると、にっこり笑ってエビの殻を次々と海に投げ入れた。何すんだこのねーちゃん?という顔の私をみて、「ルック。」という。見下ろすとライトアップされた海面に、無数の魚が集まり、私の食べたエビのおこぼれをつついている。彼女は「サカナも晩御飯ネ。」と笑った。値段は全部で420Bt、1400円ほど。エビだけで220Btだからまあ、贅沢といってもこんなものか。 -
その後の時間、盛り場をうろついても、悪名高いゲイ・ストリートを探検しても、気分はいまいち「ぱーっと」晴れるまでいかなかった、海岸通りはライトアップされ、椰子の葉の幻想的な影を道に落としている。恋人と歩いたらさぞロマンチックだろう。つまりこの街は「恋人を作らなければいけない」街なのだろうか。それをしないからバチがあたってこんなにつまらない気持ちにさせられるのだろうか?そんな考えがふと浮かんでしまった。
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「そりゃ、アンタがいけない。」ニーがマジで私を睨む。ホテルへ戻る途中のビア・バー。腕を掴まれてコーラだけでもいいから、と強引に座らされたカウンター。今の気分を話すと、これもまたイサーン出身だという30歳まぢかのカノジョは言った。「この街に来たならハッピーにならなきゃ。」「そうかな。」「この街はみんなをハッピーにさせたいんだ。」さすが年長(?)、言うことが違うな。バービアのコは話していて楽しい。でも最後には、「やっぱりこの街では恋人を作らなきゃ。ねえアンタ、アタシどう?」と営業がはじまった。ありがとう、君は正直タイプなんだ。でもやめとくよ。勘定を済ませ、ふくれっ面のニーにチップをはずんで店を出る。危ないアブない。
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すれ違うバイクのフッカーさんたちとは笑顔を交わし、立ち並ぶビア・バーの女の子の誘いを断り、幾多の障害を乗り越えてファミマまで戻ってきた。アイスクリームコーンを買って海辺で一休み。いろいろあったが、考るに、やはり私はこの街パタヤと「相性が合わない」だけだ。
パタヤ最終日が終了。部屋へ戻りシャワーを浴び髭を剃って、0時前に就寝。明日は最終目的地、バンコクだ。 -
6時起床。いつもと同じ朝食をいつものペースで平らげ、海も見納めなので出発前に散歩に出る。陽がのぼってくると気温はたちまち上がって、汗がでてきた。しかし海から吹く風は気持ちいい。いろいろあったけれど、街を離れるときはやはり少し感傷的になる。パタヤ、もう来ないな。…いや、悔しいからいつか再挑戦してみようかな?
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ホテルをチェックアウトしてバンコク行き専用ボーコーソーへ向かう。ここのボーコーソーは英語併記で、窓口でも英語が通じた。ありがたい、バスは7:40と書いてあるチケットを手にする。ちょっとしたことだが、やはり言葉が通じてどこ行きのバスが何番線から何時に出るというのがわかるのとわからないのではストレスが違う。今回の旅で最後となるバスに時間どおりに乗車、そしてバスは時間どおりに発車した。
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バンコクに近づくにつれ名物の渋滞が始まった。窓の外は強烈な日差し、暑そうだ。隣の女の子が「バンコクは暑くてうるさいのよね。」と話しかけてくれたのをきっかけに、少しだけ世間話。そういえばこの旅で、誰かが隣に座るのは初めてだった。カノジョはパタヤの知り合いに会いに行って帰る途中だという。普通のOLさんという感じだ。
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そうこうしているうちにバスはバンコクの東バスターミナル、通称エカマイに到着時刻は10時半、渋滞のため少し遅れての到着だ。。(二つ手前のオンヌットで降りるべきだった。)ここからは勝手知ったるBTSに乗って、前回から定宿と決めたマンハッタンホテルへと向かう。チェックインは12時、荷物だけ預けて早速ショッピングに出掛ける。
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頼まれたお土産リストを消化すべく、地獄のお買い物コースが待っている。とにかく先ずは近場のロビンソン・デパートで最初はアロマオイルを探す。ボディ・ショップはあるが今回は「ゼラニウム」のアロマオイル指定なのでここでは見つからない。BTSでチットロム駅へでて、いつもの巡回コースをゆく事にした。
ゲイソンプラザ、ZEN、セントラルワールド・プラザそしてタイ伊勢丹のデパート群。ZENは改装中なので残り2つをくまなく探すがアロマオイルは見つからなかった。 -
パンティップ・プラザに寄り道。パソコンおたく向けのパーツやサプライ用品など建物いっぱいに売られている。日本人とみると「S○Xビデオ、ドウ?」「スケベDVD、ヤスイネ」と声をかけてくる。エッチなDVDは買うのは止めましょう。音楽DVDは女子十二楽房のTOKYOライブ(日本以外で発売、だそうだ)、カーペンターズ、ビートルズの映画LET・IT・BE、ピンクフロイド、ロリー・ギャラハーなど。いずれも海賊盤だから買ってはいけないが、何しろ日本ではとっくに廃盤になって手に入らないものばかりなので、うーん。
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しまった、まだアロマオイルを見つけていなかった、どうしたものかと途方にくれるが、ブログの情報でこの近くにハーブ・ショップがあることを聞いた。望みを託して行ってみると店内には各種のアロマオイルが所狭しと並んでいた、ほっと一息。日本人のような顔立ちのお姉さんに説明をうけ、ゼラニウムを数本と、カモミール、ラベンダー、ジャスミンなど計8本を購入。1本が平均125Btと、ホテルで買う半分以下の値段だった。(品物もしっかりしたものでした、情報ありがとうございました。)
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このあとプラトゥーナム市場で、定番お土産のT−シャツ、それからプラトゥーナム・センターではリクエストのあったチャイナ風の刺繍の入ったシャツを購入。ここはソフトオープンから3年経ってもテナントが入らず、相変わらずシャッターの閉まった店が多く寒々としている。なんだか心配になるショッピングセンターだ。
それにしても暑い、うるさい、汚い、臭い。いつもながらバンコク、プラトゥーナム地区は歩いているだけでストレスが間断なく襲い掛かってくる。特に長旅でまいった心身はキツイ。 -
この街を歩き、アジアの混沌を感じてワクワクするか、騒音と悪臭にうんざりするかで体調を計るバロメーターと考えるなら、今の私のコンディションは最悪というべきか。なんだかこの街が、バンコクがイヤになってくる、こんな事を感じるのは初めてだ。せめて大好物のカオ・マンカイを遅い昼飯に食べようといつものピンクのユニホームの店に行くが、なんと昼めし分は売り切れ。あーあ、うまくいかないときはこういうものか。
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裏手の「いかがわし橋」と勝手に名づけた例の橋を渡り、ショッピングセンターBIG-Cの裏手に出る。暑さで参りそうだ。冷房の利いた場所を求めて店内のクーポンレストランで昼食と決めた。ブラウンスープに骨付き鳥肉のから揚げの乗った麺、初めて試したがこれがなかなかイケる。容赦なく甘いカフェ・イエン(アイスコーヒー)のLサイズを飲み干して元気になり、ご機嫌も直った。
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BTSに乗って久しぶりにマーブンクローンセンターへ足を延ばしてみることにする。
私の知るMBKは庶民派のショッピングセンターで今回もバーゲン狙いだったが、ここも大分様相が変わっていた。やはり洗練されてきた、というか、こじゃれた店が増え、相応に値段も上がってきている。隣接するのはタイ東急デパートだから、まさか109かパルコの路線を狙っているのでもなかろうが。汚いT−シャツ姿で歩くのも何となくはばかれるような気さえしてきた。うーん、街も変わる、か。 -
麺しか食べていないのでもう少し食べたい。「上海小龍包」の支店があったのでここで小休止。小龍包6個で70Bt?高い。それに冷凍食品の匂いがしてまるで旨くない、これは失敗だった。ウエイトレスのおねーさんはオンナの格好をしているが、どう見てもむかしは「おにーさん」だったらしい。甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるのだが、オーダーをとるにも料理を運ぶにも変にくねくねと身体を動かし、カトゥーイ(おカマさん)を見慣れないこちらとしてはかなり困ってしまう。大体身長が180cmもあるのだから。
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17:45国立競技場駅からBTSに乗りアソーク駅まで戻る。ホテルへの帰り道、ロビンソン・デパートで食品お土産を購入。おすすめお土産の缶入りカシューナッツ80Bt、トム・ヤム味カップヌードル12Bt、ポテトスナック小袋8Bt、それにグリコのプリッツ「ラープ(北部の肉入りサラダ)味」10Btをそれぞれどっさり購入。ついでに水とペプシツイストも購入し両手に荷物を抱えホテルに戻りチェックイン。
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部屋は前回のようなデラックスルームではなかったが、改装したらしく綺麗なキングサイズベッドの部屋だった。
「皆さんホントにキングサイズベッドの部屋をご希望になるんですよねえ。」フロント係りが冗談とも皮肉ともつかぬ笑顔で言う。「ゆっくり眠りたいからに決まってるじゃないか。」と返すと、にやっと笑った。私は他に理由などないぞ。 -
2階にスパができたということなので行って見るが、タイマッサージ1時間800Btなどと書いてある。スルーして土産物やを物色。そういえば日本で人気の「リボンバッグ」はここのショップがオリジナルだった事を思い出した。需要があるかどうかわからないが、ひとつ100Btということなので色違いで3つ購入。これはスーパーへの買い物袋としてなかなか好評だった。
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夕食のため、そして今回の旅行で最後の夜の探検のため街に出る。土産物や食い物の屋台で賑やかなスクンビット通りを歩くと、たくさんの色っぽいおねーさんが微笑みかけてくれる。道路は今夜も渋滞、人や車の騒音と食い物の匂い、派手なネオンサインと高層ビルの群れ、その上にぽっかり浮かんだ満月。しゃれたブティックやスターバックスなど鼻持ちならない店も増えたが、やっぱりこの街を歩くと、なんだかやっと「帰るべき場所に帰ってきた」という実感が湧いてくる。
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ナナ・プラザ近くの屋台を見て歩くと、イサーン料理を出す店が多いのに改めて気付く。虫のから揚げの屋台なんてのもあるのに驚いた。サイクロークを売る店があったのでほぼ条件反射で買ってしまった。ムー・ヤーンと併せて20Bt、旨かった、もう病みつきだ。そして前回の最終日に食べたと同じ麺屋台があったので嬉しくなってバミー・ナームを食べる。バミー・ナームはよく煮えていないとカン水の匂いが残る事が嫌なのだがここのは旨い。チャーシューもたくさん乗って25Bt。
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ナナ・プラザ。せめてバー一軒だけ寄って帰ることにしようと、客引きに誘われるままスタンド席に腰を下ろす。ウエイトレスが注文を取りに来て、私を見るなり大声を上げる。「あんた!」「え、なに?あっ、君は!」セーラー服の制服で思い出した、ここは前回も来たことがある。なぜかウエイトレスにモテてしまった店だ。そしてカノジョは「巨乳がタイプなんでしょ、私も巨乳よ。」と言ってそのきっかけを作ったコだった。店など選ばず店名など覚える気もないのだから、これは偶然というのかな。「また来たのね。」「ああ、よく僕を覚えていたね。」「覚えてるわよ、あんた○○だもん。」お世辞が上手い。
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2時間ほどして席を立つ。店の勘定は220Btとタイ語を教えてくれた女の子に少しの心づけ。ウエイトレスのカノジョがすっ飛んできて、「帰るの?また来てね。」と笑って挨拶する、なかなか気が利くいい子だ。出口まで見送ってくれ、「今度はいつ来る?」と聞く。「近いうちに。」と答える。だが、実際次に来れるのは2年後、もう、ここには来ないだろう。旅のいい思い出にするために、引きずってしまいそうなことはすべて忘れてしまうのだ。「旅人のささやかなエゴ」といえば聞こえがいいだろうか。
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思ったよりも探検は長引き、部屋に戻ったときには0時近くなっていた。久しぶりに楽しい夜だった。土産物を整理し、風呂につかり、1時過ぎベッドにもぐり込む。いよいよ明日は最終日だ。
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7:15起床。マンハッタンホテルでこの旅最後の朝食は、窓際のお気に入りの場所に陣取り、いつものスープにトマトジュース、ベーコンエッグ、カオ・パット、太麺やきそば、クロワッサン、サラダ、フルーツそしてコーヒー。このホテルの朝食が今回の旅で一番旨かった。
荷物をまとめ、8時前にホテルを出る。今日はチャイナタウンでウーロン茶を物色する予定だ。 -
今日は新設のMRT(地下鉄)を使う。通勤ラッシュにもまれながらファランポーン駅へ8:15着、この駅は好きな駅なので構内をぐるっと見学し徒歩でチャイナタウンへ。
陽射しが強く、たちまち汗が吹き出てきた。お茶を売る店はそこかしこにあるが、どこで買ったらいいか、事前に調べてこなかったので迷う。薬膳茶を飲ませる店があったので休憩がてら聞いてみると、「タラット・マイ(新市場)へいけば沢山店があるわ。」と可愛いお姉さんが教えてくれた。 -
専門店で情報収集。英語を話すご主人さんに話を聞く。高級品はやはり中国か台湾からの輸入品だという。「タイ産のも良いのはあるが。メーサロンで買ったの?ああ、あそこのはいいね。でもお薦めはこれだ。福建省からの直輸入、どうだい?」そしてタイ産のものをさがすなら鉄観音(ウーロン茶特級)にすることを勧めてくれた。お礼代わりにお薦めのお茶を購入。100g300Bt、kg9,000円だから相当高い茶だ。
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もうすこし安いものを多く、と思いタラット・マイを探すと見慣れたパッケージのお茶がある、メーサロンで買ったものと同じだ。200gで250Bt?あそこではたしか400Btだったな?メーサロンでは観光客値段でふっかけられたか、とちょっと悔しく思いながらこの特級2パックを購入。やれやれと目的を達成し、しばらく市場をぶらつく。
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チャイナタウンからドゥシット地区へ。初めて歩く街だ。ウイマンメーク宮殿を見ようかと思ったが、お目当てのタイ・ダンスショーが当面中止とのことなので、がっかりしてやめてしまう。ドゥシット地区はいわば政治の中心、街並みが明るく、美しく整備されている。宮殿から動物園脇の並木道を通り、旧国会議事堂へと歩く。
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旧国会議事堂は大理石作りの建物と周辺の庭園がルネサンス様式で統一され、ヨーロッパの城を思わせる美しい建物だ。
裏から見ているうちはよかったが、表にまわってみて冷や汗をかく。何台もの装甲車と兵隊が正面入り口前にズラリと並んでいる。どおりで観光客が少ないわけだ。まだクーデターから間もないのだった。自然と早足になりその場から逃げ出す。 -
少し離れたワット・ベンチャマポピット(大理石寺院)で休憩。入場料20Bt。日陰に入ると大理石造りの建物は涼しく、寺院内は綺麗で騒音も届かず静かだ。敬虔な仏教徒がひとりお参りをしている。
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絵になる構図で写真を撮らせて頂くと、「じゃ、今度私が撮るね。」と日本語で言い、立ち上がって傍にいた女性からカメラを受け取った。日本人観光客の記念写真でした、思わず苦笑い。
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運河ボートに乗る。いつもながら汚い河、ボートに乗ると異臭が一層ひどい。でもこのボート結構好きで旅の途中必ず1回は乗っている。
このままプラトゥーナム地区まで行こうかと思ったが、思い立って「ジム・トンプソンの家」で途中下船。まだ行った事がなかった。 -
「ジム・トンプソンの家」はシルク王として知られる彼が生前、居住していた家が博物館として公開されている。
チーク材を用いたタイ伝統様式の家屋を6軒集合させて作られた館内は素晴らしい古美術のコレクションが並んでいるばかりでなく、建具・調度品も美しく整備され、まるでテーマパークのようだ。 -
入場料100Btはけして惜しくなかった。日本語のガイドがちゃんといて、丁寧な日本語で丁寧に説明してくれ、充実したひと時が過ごせた。
ちなみに、一緒に回った日本人女性は歌手の牧○三枝子に違いないと思ったが、ミーハーだと思われたくないので確かめなかった。 -
ひととおり館内を巡ったあと、ショップへも行って見るが、最初からわかっていたことだけれど、やはりどれも手が出る値段ではない。とにかくしかし、「ジム・トンプソンの家」は静かで涼しく興味深い。お薦めのポイントがまたひとつ増えた。
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観光バスに乗り込む他の日本人観光客とは逆方向に歩き、再び運河ボートに乗ってまたもやプラトゥーナムへ。1時をまわっていたので昼めしに例のカオ・マンガイ屋へ急ぐ。
昨日は食えなかったので悔いが残らないようにとわざわざやってきた、それだけの価値がある。店は満席、OLさんたちと相席になる。値段は40Bt、5Bt値上がりしていたが、とにかく旨い、大好物なのだ、ここのカオ・マンガイ(蒸し鶏ご飯)は。 -
昼食後、プラトゥーナム市場のいつもの露店でお土産のT−シャツをもう数枚購入、T−シャツはプラトゥーナムで買うに限る。
それにしても暑い、道端で好物のナム・ソム・カン(オレンジ生ジュース)を購入し一気飲み。「うめー!」と言葉に出してしまう。砂糖が入っていて甘いのだが、暑さにバテた身体には何よりの飲み物だ。
プラトゥーナムも最後になるのでショッピングセンターBIG−C前で座り込み、ゆっくり食後の休憩を取りながらぼんやりと道行く人や屋台を眺める。 -
こ綺麗なブティックやカフェができ、都市としての洗練度が上がるバンコク、でも一方でここには下町の変わらない庶民の生活がある。
「変わって欲しくない」というのは私のエゴにしかすぎないが、変わらない人々の生活をみてやはり安心してしまう。いつかこの国が私の理想から離れ、旅する価値を見出せなくなったとき、私は「タイへなんかもう来ない。」と思うだろうか。また寂しい考えになってしまった、いかんな。 -
2時すぎ、あまりにも暑いのでBIG−C店内へ。強烈な冷房で一気に冷やされ、身体に悪い。本屋とCDショップをまわり、店員に女性ボーカルのお薦めCDを選んで貰い1枚購入、120Bt。帰って聞いてみたら、ルークトゥンとポップが融合したような、なかなか良い音楽だった。
頭も冷えたところでBTS駅まで歩き、ホテルに向かう。途中、ロビンソンデパートでお土産用をもう少し購入。スーツケースはいつものとおりお土産で一杯になった。これも次の旅への根回しだ。 -
4時近くになって、スクンビット通りを挟んだ向かい側にある韓国料理店の集合ビル、スクンビットプラザの隣にあるタイ・マッサージ店「キング・アンド・アイ」へ。韓国人経営のマッサージ店、どんなものかと思ったが警部殿の情報なので試してみる。タイ・マッサージ2時間で500Btはこの界隈では意外と安い。担当者はアンという感じのよい女性、ちょっと年長で小柄なので期待はしなかったが、予想に反し彼女はとても上手だった。
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ベテランなのか、気配りができるのか、例えば私の右足ひとつ動かすにもやさしく持ち上げ、着地するのを確認するようにしてからそっと手を離す。まるで壊れ物を扱うようだ。勿論マッサージも丁寧で、余分なチカラを入れず筋肉の反応を確かめるようにツボを揉んでゆく。
「上手ですね。」と褒めると、はにかみながら見せる笑顔がまたいい。「いや、ほんと、サバーイ、ナ。」「サバーイ?コプクン・カー。」イサーンのカラシン出身、年齢は教えてくれなかったが話し方も物腰もとても柔らかな、理想的な術師だ。2時間があっという間に過ぎ、私は文字通り骨抜きになってしまった。この店、彼女イチオシ。 -
店を出ると外は暗くなっていた。ロビンソンデパート地下のクーポン食堂で、ケーン・キャワーンとカイ・パローをのせたぶっかけ飯40Btをこの旅最後の夕食にする。まだ食べていなかった定番中の定番、タイの味、タイの香りを一番実感する料理、旨い。
周囲には“出勤”前の、いかにもそれとわかる身なりの女性たちもいて、視線と笑顔を送ってくるコもいる。だめだ、もう帰るんだから。 -
7時過ぎ、出発までまだ若干時間があるので夜食の買い出しを兼ねて最後の散歩に出る。どこへ行こうということも無くただ散歩をする。
スクンビット通りは相も変わらずの渋滞、露天が立ち並び、旅行者が行き交う。バンコクの金曜の夜、いつもと変わらない夜が始まろうとしている。でもあと2時間たらずで私はこの国を離れるのだ。ファミリーマートで菓子パンとスナックそれにチョコドリンクの小瓶を購入し部屋に戻る。 -
9時近くにチェックアウトし、メータータクシーが来ないのでボルボのリムジン400Btを使って空港へ向かう。
夜のスワンナブーム空港は青いライトが輝き一層美しく、大きく見える。タイ国際航空の出発カウンターは大混雑でチェックインに時間がかかった。おまけに搭乗ゲートまでは遥かに長い道のりを歩かされ、ゲートに着いたころには疲れと眠気で最悪の状態、ドン・ムアン空港が懐かしい。 -
TG644便は定刻どおり0:10にスワンナブーム・バンコク国際空港を離陸。このときのことはあまり覚えていない。勿体無いことだが、旅の終わりの感傷に浸る余裕すらなく、出されたコーラとスナックを早々に片付けると、たちまち眠りに陥ってしまった。
バンコクの灯がゆっくりと遠ざかるのも、旅したイサーンの街灯りが眼下に遠く広がっているのを眺める事すらせずに。くやしい。 -
日本時間早朝6時、アテンダントに起こされ朝食。珍しくオムレツとソーセージではなくタイ風の焼きソバがでた。
眠ったせいか気分は大分良くなっていて、すっかり平らげる。そして7:40、飛行機は定刻を10分遅れで中部国際空港に着陸した。 -
雨が降っていたようで、外はどんよりとした曇り空。入国手続きと荷物の受け取りに時間がかかり、荷物を重そうに引きずるのを見られたのか税関係員のお姉さんに「随分重そうですね、何が入っているんですか?」と職質される。「いや、カメラとビデオの機材とかお土産のシャツとか、たいしたものは入っていませんよ。」慌てて答える。「まあ、いいでしょう。どうぞ。」と通してくれたのは、私の顔が疲れているように見えたからか?
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名鉄空港線8:44発の特急名古屋行きに乗車。席に着いたとたんに全身のチカラが抜け、やっとここにきて旅のさまざまな思い出がよみがえってきた。
反省点は、バスでの長距離移動による体力の消耗は予想以上だった。疲れがあると好奇心も湧かず、大切な人との触れ合いもマイナスのフィルターを通して感じるようになって、むしろそれを疎ましく思うようになる。まるで一人旅を長く続ける若者がただ、あてもなく旅を続ける事だけを目標としてしまい、旅の終わりに「旅の重さ」だけが残るように。
折角の“中年男の一人旅“なのだから、折角のタイなのだから、次回はもっと気楽に、そうマイ・ペンライでいこう。 -
とにかく今はただ、早く帰りたい。車窓に流れるモノトーンの風景をなんとはなしに眺めていたら、寂しさが先行した今回の旅の終わりにまたもや突然、何かしら複雑な気持ちに襲われてしまった。早く大声で笑って話せる人たちに会いたい、珍しくそんな衝動にかられ、
バッグの底にしまってあった携帯電話を取り出す。無事に帰ってきた事を知らせたい、お帰りなさいと言って欲しい、などと愚にもつかぬことを本気で思いながら、私は、半ば無意識に発信ボタンを押していた。
(了)
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