2001/05/21 - 2001/05/22
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oiwasanさん
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< 伯爵の館と警察官の護衛 > Gimaraes (2001年5月21日)
ギマランエスというこの国の古い都には伯爵の館に旅人を泊めると、日本にいるときに聞いていたので、興味半分に訪ねることにした。
曲がりくねった山道をバスにゆられて街はずれのバスセンターに到着。 最近出来たらしく、スーパー、有名テナントなどが入った、田舎には不釣合いの近代的な合同ビルになっている。
伯爵をたずねるのに、荷物をゴロゴロ転がしながら、「今日は」では格好が着かないと、いやしき生まれの二人はタクシーをつかまえた。 だが、どうも様子がおかしい、近いから歩いていきなさいと言っているようだ。 「とにかく行け」と押し切る。
案の定、1分もかからない内に到着だ。門構えの前で中に入るのかと運チャンが聞く。あたりまえだ。
館の前で降りると、孔雀にえさをやっている長身の老人がいた。彼は無言で館の荘重な扉をあけ、われわれを広々とした玄関の中に招きいれたまま出ていってしまった。
二人がキョロキョロとしていると、落ち着いた物腰の貴婦人が現れた。 最初はポルトガル語で何か言ったらしいが、わからず、オドオドしていると、今度は明らかにフランス語だ。 ボンジュールだけが聞き取れた。
よくよく聞き分けてみると、当たり前のことながら何泊するのかと聞いているのだ。 危うく教養のなさが、バレるのを防ぐべく思い出したフランス語で答える。
「おお、フランス語がしゃべれるのね」と言われたようなので、内心は慌てるが、何とかこの場はしのいだ。
次は召使の登場、太ったおばチャンだが、やはり物腰はやわらかい。 部屋に案内され、明朝の食事の中身を聞かれる。 召使になめられてはイカンともっともらしく、鷹揚に応答しているつもりだが、手の内はバレているだろう。いたしかたなし。
やっとのことで、解放されて、弥次さんと喜多さんは肩のコリを感じる。まずは、風呂でも入ってユックリするべーか。 部屋の境などに大きな石組みが見えている。この建物全体が石を積み上げて出来ているようだ.部屋の調度品も時代がかったものが並んでいる. 相棒はベッドカバーなどに使われている刺繍にいたく感心している. カバーに使われている布の刺繍は、すべてが統一されているという。
あとでわかったが、最初に会ったのがヤカタの当主の伯爵、300年も続く名家とのこと。 一言も口を聞かなかったのは、下賎の者とは付き合えないとの意思表示ではないかと、いやしい生まれの二人の意見が一致した。ホントカイナ。
風呂に入ってゆっくりすると、ハラがグーグー言いだした。 やっぱり生まれは争えない。 孔雀に見送られながら、街へと繰り出す。
中心街と見えるところへ出たが、さてどうしたものか。 ウロウロしてみるがレストランは見当たらない。 向こうで、若い警官がこちらを監視しているようだ。 怪しい二人連れと思われたか、さて困ったぞ。
そうそう、最後は伯爵の客人といえばよいのだ。 ここで、胸をそらして警官に聞いてみた。 「チョット君、どこぞに、我々にふさわしいレストランはないかね。 教えてくれたまえ」とは言えなかったけれど、警官たるもの状況は飲み込めたようだ。
顔を緊張にひきつらせながら、彼は我々を先導しだした。 二人は胸をそらして堂々と警官の案内にしたがった。 しばらく歩いて、それらしき店に着いた。まだ彼の頬はピクピクと痙攣していた。 どうも顔面神経症のようだ。 やさしい心根の若い警察官に、Muito obrigado !
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
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イチオシ
伯爵夫人と仲良く撮った
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