【世界遺産見聞録007-01】古都奈良の文化財

2006/07/01 - 2008/05/04

大阪出張中の週末を利用し、今回は奈良へ矛先を向けた。日本の歴史を語る上で外すことなどできない奈良。奈良県奈良市に存在する寺院等も、当然のことながら世界遺産に指定されている。はるか1300年前の息吹を感じるため、近鉄奈良線で大阪からひとっとび…。

エリア 奈良市(奈良)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 私鉄

●Historic Monuments of Ancient Nara
登録区分 文化遺産
登録基準 文化遺産(ii) (iii) (iv) (vi)
登録年 1998年

まず始めに向かったのは、朱色が眩しい「春日大社」。

710年、藤原鎌足の次男・不比等が鹿島神として有名なタケミカヅチノミコトを三笠山の麓に移して祀ったのが始まりとされる社。

768年(神護景雲2年)にはフツヌシ、アメノコヤネ、ヒメガミを加え、藤原氏の氏神４神を祀る神社として創建したのだとか。

創建の年代を聞くだけでも身震いがする。さぞ、重要な遺構なのだろう。

神社の場合、「式年遷宮」という伝統があるため建造物としての歴史はどうしても浅くなってしまうが、その建築様式は昔ながらのもの。本殿は江戸時代末期に建築されたものだが、春日造の古式例として国宝に指定されている。

「大杉」は樹齢800年を超える御神木。

神聖な空気が流れていて実に厳か。奈良時代から続くその歴史に緊張感さえ覚える。

奈良の代名詞といっても過言でない春日大社はやっぱりそれだけの見どころがあった。こいつぁ、ベスト・オブ・奈良！

タケミカヅチノミコトは「白い鹿」に乗って現れたと言い伝えられているため、この地域では鹿を神使として保護するようになったのだそう。正直、奈良の鹿って観光客用に飼育されているのだと思っていたのだけど…。そういう歴史的な由来があったということを知り、ちょっと感動。

こんな雄大な景色を見ながら鹿と戯れられるのも奈良の魅力の一つ。後ろに広がるのは「春日山原始林」として世界遺産にも登録される神の山で、長きにわたり狩猟・伐採が禁止されてきた聖域だ。それだけに、貴重な植物・鳥類・昆虫類の宝庫なのだとか。機会があれば足を運んでみたいものだ。

それでは、ゆっくりしてられないのでドンドン行こう。なにせ古都奈良の文化財としての登録遺産は８つ。１日で全てを見て廻るには少々急ぎ足にする必要があるので…。

次に向かうは奈良のメインエリア「東大寺」！

鹿の攻撃をかわしつつ、まず見えたのは国宝の「南大門」だ。鎌倉時代1199年に再建されて以来、焼失の危機を乗り越え現在に至る。

宋から伝わった大仏様という建築様式の代表的な建造物で、天井を張らずに中身をそのまま見せているのが特色らしい。

確かに中の構造が丸見えだけど、それだけでも充分見栄えがよいヨ。

南大門の左右を守る金剛力士像ももちろん国宝。

特徴は、向かって右に吽形、左に阿形が配置されていること。何故そうなったのかは不明だけど、プロデューサー運慶のセンスがそうさせたのだろう。

類を見ない圧倒的な迫力とスケール感…大仏への期待がいやがおうにも膨らむゼ。

って、デカッ！なんか巨大な屋根が見えてきたぞ!!

この門の向こうに…

「大仏殿」を発見(ﾟ∀ﾟ)b♪

な、な、なんだこのデカさはっ(((；ﾟДﾟ)))ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

２度の焼失により現存の大仏殿(国宝)は1709年に再建されたものであるとはいえ、これだけの建築が今もなお存在し続けていることが凄い。。。

さすが世界最大の木造建造物。このデカさには逆に引いてしまうよ。そして、更に中へ足を踏み入れると…

大仏ｷﾀ―――(ﾟ∀ﾟ)―――!!

「奈良の大仏」と呼ばれることが多いが、本名は盧舎那仏像(国宝)。聖武天皇の発願で745年に制作が開始され、752年完成した東大寺の本尊だ。大仏殿と同様に２度の焼失に見舞われ、現在の大仏は1691年に再建されたものらしい。

中学時代に修学旅行で見たときはここまで感動しなかったのだが。やはり仏像という存在に対する感覚が、あの頃とは全く違うのだろうなァ。

華厳宗大本山の東大寺。奈良時代に聖武天皇が国力を尽くして整備した寺として知られているわけだが、８世紀という大昔に、こんな巨大な寺を建立しようとすること自体が驚きだ。

圧倒的迫力の東大寺を後に、残る世界遺産を目指す。続きは次の旅行記で。。。