
2008/03/22 - 2008/03/22
1289位(同エリア9819件中)
るりさん
日本一の湯量を誇る別府温泉郷の中でも、至る所でごう音と共に温泉の噴気が立ちのぼる鉄輪温泉。
念仏行脚の途中に鉄輪を訪れた一遍上人が猛リ狂う熱泥、熱湯、噴気を収めて、湯治宿を開いたといわれている温泉地です。
この湯治宿、テレビの旅番組でもよく紹介されていますが、お膝元に住んでいるものの一度も行ったことがありませんでした。
そこで、友人達と昔ながらの貸間旅館「陽光荘」に泊まり、プチ湯治体験をしてきました。
貸間旅館とは、素泊まりで自炊するタイプの旅館です。料理は『地獄蒸し』といって、蒸気を利用したかまどを使います。
安い宿泊料金(素泊まり3400円)なので外国人や若者たちに密かに人気だそうで、長期滞在の場合はもっと割引があるそうです。
写真は鉄輪温泉郷の湯けむりです。
ここの湯けむりは「21世紀に残したい日本の風景(NHK)」第二位に選ばれています。
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車
-
いでゆ坂
亀の井バス停からお色直しされた石畳の坂道を下っていきます。 -
昔ながらの面影をのこす鉄輪温泉街です。
石畳の両側には貸間の看板が目に付きます。 -
陽光荘は昭和12年創業の木造2階建、湯治宿の中では大きいほうです。
(チェックイン2時、チェックアウト11時)
本館と別館があり、本館には、家族湯、内湯二つに、蒸し湯、
別館には露天風呂、内湯二つ、寝湯があります。 -
むし湯の効能書きです。
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フロント
戸をあけるとすぐフロントです。
履物は各自の部屋に持っていきます。 -
各部屋の入り口は板戸ではなく、ふすま戸で開け閉めします。
ふすま戸には鍵もかけられます。トイレは共用です。 -
蒸気が通るパイプがあり、部屋全体がオンドルのようにほんわか暖かいです。
部屋だけに限らず館内中暖かいので、寒い時期は滞在客が多いそうです。 -
シンプルさの中に歴史を感じる部屋です。
6畳2間続きの部屋に5名泊まりました。 -
のりのきいたカバーのかかった布団が用意されていて自分で敷きます。
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部屋の戸棚にはお釜と鍋の備品が。
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茶碗類も人数分用意されています。
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本館にある内湯とむし湯。
泉質は、ナトリウム−塩化物・硫酸塩泉。加水、加温、循環、消毒は一切なしの源泉かけながしです。
湯は弱食塩泉で肌に柔らく、風邪予防にもいいそうです。
むし湯の中は石菖(せきしょう)が敷き詰められていて、戸をあけると干草のようないい香りが漂ってきます。
蒸気で汗と共に毒素が流れ出し体内が浄化されていくようです。 -
別館にある寝湯です(深さは30センチ位)
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本館1階にある冷蔵庫。
冷蔵庫はいくつか共用のものが置いてあり、トースターも使えます。
洗濯機は1回100円で使用できます。 -
源泉から蒸気を引くタンク。大変年季が入っています。
タンク廻りには20以上もの地獄釜が並び、待たずに調理できます。(鉄輪でも多い方だそう) -
炊事施設。
蒸気を利用したかまどを使い『地獄蒸し』を作ります。
食材や調味料の持ち込みは自由で、食材をヘルシーに調理することが出来ます。
なお普段使う砂糖、塩、醤油など調味料類は用意されています。 -
調理にかかります。
下ごしらえ中です。 -
100度近い温泉の蒸気が引いてあるので手袋が用意されています。
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大体の蒸し時間が書いてあります。
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ごはんを炊きます。
コンクリートの四角いくぼみに木のふたがしてあります。
フタを取り、釜を置いて、またフタをする、だけ。
地獄の噴気を使って鍋でご飯を炊くといつまでも焦げ付かないそうです。 -
使用中の札を置いておきます。
1時間後お米はふっくらと炊き上がりました。 -
石垣餅 25分で蒸しあがり。
粉に小さく切ったサツマイモと水を入れてこねて丸めたものです。
ザルに入れてふたをしておくだけ。面白いくらい簡単に蒸しあがります。 -
さつまいも 20分で蒸しあがり。
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じゃがいも 15分ほどで蒸しあがり。
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貝汁
地獄釜で蒸した貝を使い、味噌仕立てにしました。 -
出来上がった料理
ご飯が蒸しあがるまでに他のものは蒸しあがり調理時間は1時間余り。
アットいうまに出来てしまいました。
蒸し上がったものは味が数段濃く、カボチャやイモなどはとても甘くなっています。
ポン酢、酢味噌でいただきましたが驚くほど美味でした。
各自が野菜類を持ち込み、新たに購入した食材費は一人400円也。 -
いつも湯冶にみえる方で、手際よく具財を切りそろえています。
今夜は炊き込みごはんだそうです。 -
この方は蒸し野菜とホタテのバター炒めです。
男性の方がほんとうに上手く料理しているのには感心させられました。 -
鉄輪の街を散歩しました。
どこか懐かしい風景です。
あいにくの雨でしたが通りの側溝からでる湯煙りがよく見えました。 -
細い路地が沢山あり一歩路地に入ると迷路のようです。
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石畳にある消火栓。
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近くにあるスーパーマーケット。
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カエデも芽吹きはじめています。
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無人の共同浴場。
ここは地獄原温泉組合の運営らしく、一般の人は維持、管理費として100円をお賽銭箱に入れます。
入浴時間は朝6時30分より夜8時まで。 -
冨士屋一也百(はなやもも)ギャラリー
登録有形文化財。
この建造物は貴重な国民的財産です。(文化庁) -
ここではいろんな展示会やイベントが催されています。
訪ねて行きましたがこの日は貸切中で中へは入れませんでした。 -
鉄輪むし湯
営業時間は6時30分から8時まで。
料金は500円。レンタルの浴衣(210円)もあります。
泉質は塩化物泉で効能は神経痛・筋肉痛・関節痛・慢性消化器病・疲労回復となっています。 -
むし湯と同じ敷地にあるあし湯。
無料です。 -
気持ち良さそうです。
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宿の前にある惣菜店。
店にはお弁当、おかずセット、まき寿司、ちらし寿司、栗おこわ等いろいろあり湯治客の方が買いに来ています。 -
おはぎを買いました。手づくりで1コ150円。
ボリュームがあり大変美味! -
地獄蒸し豚まん lコ180円。
大分県産の食材が使用され、あっさりした味ですがラー油がピリッときいていておいしい。 -
部屋から見た夜空にのぼる幻想的な湯けむり。
鉄輪は鄙びた共同湯や湯治宿が多くあつまり、観光地でありながら生活感も漂っている場所でした。
宿は古いのですが清潔にされています。
おかみが調理場にみえて野菜くずや調理器具などをさりげなく片付けられておられました。
湯治宿に泊まって、蒸気を浴びながら夕食を作り、食事をしながら他愛のない会話をする。
何の変哲もないことですが、とても大切で楽しく思えました。
風情たっぷりの温泉郷で地球のエネルギーを感じた楽しいプチ湯治でした。
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