2007/09/03 - 2007/09/03
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SUR SHANGHAIさん
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昨日はパヴィアク刑務所博物館を皮切りに、ツィタデル(要塞)の中にある10号棟博物館や旧市街地のあたりを歩いてみたSUR SHANGHAIとその旦那。
今日も宿になったウェスティン・ワルシャワから歩いて行ける距離にあるワルシャワ蜂起博物館+文化科学宮殿周辺を訪れてみることに。
外に出てみると、散歩がてら歩いていくのにちょうどいい位の気温の高曇り。
地図を片手に出かけてみます。
この日、ワルシャワで出会う風景は?
表紙の画像は、ワルシャワ蜂起博物館から文化科学宮殿方面への道筋で見た路上風景。
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地図を片手に、ウェスティン・ワルシャワを出たSUR SHANGHAIとその旦那。
ワルシャワの街並みを確かめるようにゆっくり歩くと20分ほどのGRZYBOWSKA 79にあるワルシャワ蜂起博物館。
これはTOWAROWA通りから見たその様子。
何も標識が出ていなくても、「あ、あれがそうだな!」と瞬時に悟る、塀の中の灰色の建物と塔の外観。
どこがどうだから、と言うわけでもないのに、やたら怖い雰囲気をまとった建物。 -
上の画像の場所から塀に沿って、逆時計回りに回りこんで行った所にワルシャワ蜂起博物館の入り口があった。
入場料:4ズウォティ
開館時間が曜日によって異なるのでご注意を。
木曜日は午前8時から午後8時。
月・水・金曜日は午前8時から午後6時。
土・日曜日は午前10時から午後6時。
火曜日は休館です。
このほか、毎日曜日の午後12時半にはミサも行われるようです。
≪ワルシャワ蜂起博物館≫のサイトはこちら。
http://www.1944.pl/?lang=en(英語版)
階ごとの展示紹介や、周辺地図、バス、トラムでのアクセスも載っています。 -
チケットはどこで? とキョロキョロ。
上の画像の門から入ると、まっすぐ前に見えるこの小さい建物がワルシャワ蜂起博物館のチケット売り場。
博物館内にも要所要所に英文の説明付きプリントが置いてありましたが、館内案内はまずここでいただいていきましょう。
館内は自由見学。一応確かめてみたところ、内部の撮影OKでした。 -
さて、ワルシャワ蜂起博物館館内に入ってまずドキッとするのは、軍隊の行進の靴音や爆撃の効果音。
地響きも感じられるその内部には、ワルシャワ蜂起前の街並み写真と、蜂起後のドイツ軍による報復爆撃後の街並みを再現した展示。
用意していったガイドブックには、この博物館の紹介は簡単にしか出ていなかったので、規模は小さいのかと思っていたらとんでもない。
2階3階と続くその広さだけではなく、展示品の数量、展示方法も質の高い博物館でした。
SUR SHANGHAIとその旦那は思わず知らず引き込まれてしまい、3時間ほど博物館内外を見学しました。 -
ポーランドは実に気の毒な国と言っては失礼ですが、モスクワとベルリン間のヨーロッパ東西の交通・通商の要衝だったことから、たびたび他国の支配を受けたり分断されてきた国。
この博物館の内容であるワルシャワ蜂起というのは、1939年9月1日にドイツ軍がポーランドに侵攻してきて以来の支配に対して立ち上がったワルシャワ市民が1944年8月1日に起こした戦闘。
第二次世界大戦の末期でもあったこの時期、ドイツ軍を各地で破ってきたソ連軍がワルシャワに迫ったのを見た市民が立ち上がったのだとか。
ところがソ連軍はワルシャワ市街の東を流れるヴィスワ川対岸まで来て停止してしまったので、援軍を得られなかった市民の蜂起は挫折。
蜂起に対するドイツの報復爆撃などで20万人の死者を出し、ワルシャワ市街は灰燼に帰して、10月2日には降伏してしまう結果に…。 -
ワルシャワ蜂起博物館館内の映像展示。
壁のあちこちに銃眼風に開けられた小窓から、ワルシャワ蜂起前からのワルシャワの映像が見られます。
これは、ゲットーからユダヤ人の遺骸を運び出す様子だったと思います。
上の画像では、壁に双眼鏡風の小窓が付いていて、そちらでも年代とテーマ別の映像が見られるようになっていました。
壁のプレートにポーランド語と英語による説明があるほか、プリントされたものが要所要所に置いてあったのでどうぞ。
子どもの見学者にとって刺激が強すぎると思われる映像(惨殺体、死体処理場面など)は、子どもの背が届かない箱の中を覗きこむ形での展示になっていましたよ。 -
ワルシャワのシンボルは、右手に剣、左手に盾を持った人魚。今では市の紋章にもなっています。
ワルシャワ蜂起博物館にもその人魚の像がありました。
これには言い伝えがあって、
昔ヴィスワ川のほとりに住んでいた漁師が、川に網をかけたところ、人魚を捕まえてしまったのだそう。
川に戻してやったところ、漁師はその後裕福になったという、人魚の恩返し的物語。 (*^。^*)
ついでに言うと、その漁師夫婦の名がワルスとサワだったので、今のワルシャワの名もそこから来たのだとか。 -
二ヶ月に及んだワルシャワ蜂起で亡くなったという20万人もの人々の魂を慰めるかのようなキリスト像。
蜂起に立ち上がったのは屈強な若者ばかりではなく、子どもと呼べる年齢の少年もいたのが、展示からも分かりました。
重々しい壁の色と照明なので、これらの展示が一層心にずしんと応えます。 -
ワルシャワ蜂起の期間に亡くなった20万人の人々の名を刻んだ石の塀は、あとで見に行った博物館の外に長く続いていましたが、博物館の中にも慰霊の象徴的な展示が。
蜂起に対するドイツの爆撃でこれだけ多くの犠牲者とワルシャワ市の崩壊、そして蜂起の失敗を招くことを知りつつ、ソ連は援軍を出さなかったんだろうか、と普通は思うはずですが…、ここはソ連の思惑通りに歴史は進んだらしい。
結局はワルシャワ蜂起失敗のあと、ドイツも敗戦、1948年には共産党一党独裁体制に入ってしまうポーランド…。
そんな歴史を皮肉る風刺画が、博物館の出口近くに展示されていました。それはこの旅行記の後の方でご紹介します。 -
ワルシャワを眺める窓を持つ部屋を再現した展示。
これだけ見ると分かりませんが、ワルシャワ蜂起に対するドイツ軍の報復爆撃の音が効果音として流れているので臨場感が迫ってきます。
ワルシャワ蜂起に関連した映画には『地下水道』、『鷲の指輪』、『戦場のピアニスト』などがあります。
興味のある方は見てみるといいですよ。 -
ワルシャワ蜂起博物館には、当時のワルシャワの映像をスクリーンに映し出す場所も。
この画像の場所は椅子も少なくちょっと狭いですが、あとで更に見学を続けたところ、もっと大きい劇場のような造りになっている場所もありました。
音声はポーランド語やドイツ語などですが、字幕に英語の説明が出るのが親切。 -
ワルシャワ蜂起を生き延びた人々が当時を語る映像もあった。
そこを通り抜けると大きな倉庫風の空間。 -
その倉庫風空間の片隅にあったこの赤い照明の建物が異様な迫力。
これは一体…? と思ったら…、 -
…これは以前の発電所だったのだとか。
そのレンガ造りの建物全体をすっぽりと収めたワルシャワ蜂起博物館。
う〜ん、この赤い照明と黒い骨組みのコンポジションが不気味なほどの迫力だ。 -
同じく倉庫風空間に展示されていた軍用機。
これまたその存在感に圧倒される。
これはアメリカ合衆国空軍に所属する軍用機のようでした。 -
上の画像と同じ軍用機。
コンクリート打ちっぱなしの倉庫風空間と言うのは、こういうメカニックな物体を展示するには向いていると思ったその展示の仕方。 -
ワルシャワ蜂起博物館には、蜂起に関する展示のほか、軍事博物館的展示も。
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ワルシャワ蜂起博物館の銃器の展示。
SUR SHANGHAIは全く知識がありませんが、旦那はうんと若かった時にドイツ海軍にいた事があるので、「あれはどこそこ製の○○で、口径がなんたらかんたら…。」
そんな旦那も、今回のポーランド旅で感じる事や新しく知った事は多かったらしい。 -
上の方でもちょっと言いましたが、これがワルシャワ蜂起後のポーランドの状態を表した風刺画。
博物館の出口間近の廊下に展示されていました。
杭に縛りつけられているのはポーランド。
蜂起前はナチス・ドイツの支配下にあったポーランド。その足かせがドイツの敗戦で外されたのはいいけれど、今度はソ連に鎌とハンマーを突きつけられている様子。 -
そして、ワルシャワ蜂起後のポーランドに、今度はソ連がやって来た…という展示が博物館出口の手前に。
ここを抜けるとカフェがあって一休み出来ますが、上記のような一連の歴史の展示のあとで談笑、という雰囲気にはなりがたいのが本音。
外に出ると、その明るさと吹き抜ける風にホッと心が軽くなる人は多いかも。 -
ワルシャワ蜂起博物館敷地にある長い壁。
その一つには蜂起の期間中に20万人も亡くなったという人々の名前が延々。
今も慰霊の花を捧げる人が訪れるらしく、ところどころに花束が。 -
ワルシャワ博物館の敷地を出て、今度はワルシャワ中央駅方面に歩き始める。文化科学宮殿があるデフィラト広場はその駅の近く。
博物館の展示は見応えがあって長居してしまった分、なかなか外の明るさに目が慣れない。
博物館付近は更地のような部分が多かったから、この画像で見えている建物もそのうちに取り壊されるのかも? -
路面電車の向こうに見えるビルは、新しく建てられた物に違いない。
まだまだ新しい高層ビルが少ないワルシャワも、ワルシャワ中央駅に近いヨハネ・パウロ2世通り周辺には増えてきているな、という印象でした。 -
ワルシャワ中央駅方向へテクテク。
大きな木立の向こうに新しいビルも見えるワルシャワ。 -
ポーランド国旗調に白と赤で塗り分けられた壁。
壁際に生えた植物が彩りを添える。
ポーランド国旗の由来:
ポーランドの伝説上の建国者レヒと言う人物が赤い夕日の中を飛んでいく白鷲を紋章にしたことに由来するのだそう。
上半分が勝利の喜びと平和を表す白、下半分が祖国の自由のために流された血を表す赤というデザインが国旗として制定されたのは、1919年だそうです。 -
ワルシャワの南北のメイン・ストリートはマルシャウコフスカ通り。
東西のメイン・ストリートはワルシャワ中央駅前を通るイェロゾリムスキェ通り。
その交差点近くにあるのが広大なデフィラト広場。
文化科学宮殿はこの広場にそびえています。
そのデフィラト広場の入口のカフェでちょっと一休みする事に。
ちょっとお腹も空いたし、軽い食事もしていこうか。 -
パラソルの下に陣取ると、座っているうちにちょっと寒くなってきた感じ。
それでも、さっきまでずっとワルシャワ蜂起博物館の中にいたから、外の空気がすがすがしい。 -
ポーランドに限らず、ヨーロッパ各国で見かける手頃なスナックはドネル・ケバブ。
肉の塊を縦にして店先で炙っているのがドネル・ケバブのお店。
炙った肉を削ぎ切りにして、タマネギやトマトなどの野菜、それにヨーグルト・ソースをピタ・パンに挟みます。
結構ボリュームのある焼肉サンドイッチ風でお勧め。
ポーランドではお値段も飲み物付きで10ズウォティ以内がほとんど。
お天気がいい日には持ち帰りにして公園などで食べるのもよし。
パンの厚さによってもお値段が変わってくるので、こんな風にお店に出ているサンプル写真でご確認を。 -
デフィラト広場にドンッと言う威圧感で存在しているのは、文化科学宮殿。
この画像はその北側の側面。
正面入口は東側(この画像だと左手に回り込んだ側)で、最上階行きのエレベーターもあるそうです。
SUR SHANGHAIたちは行きませんでしたが、眺めがいいらしいので行ってみては?
文化科学宮殿は高さ234mの37階建て。部屋数は3千を超えると言う巨大建築。
これはスターリンからの贈り物として1952年に着工し、4年の月日を費やして建てられたものだそう。
ワルシャワの人々にとっては、当時のソ連の権威を示す建物で評判はよくないとのこと。 -
文化科学宮殿をグルリと回りこんでみることにして、ふと、デフィラト広場の敷地外を見れば、文化科学宮殿とは対照的に現代的デザインの建物が。
これはインター・コンチネンタル・ワルシャワ。
一瞬、オッと目が留まるその外観。 -
文化科学宮殿を西側に回り込むと、劇場も入っているその巨大さ。
その塔部分を見上げてみる。
ほかにも科学アカデミーの研究所、ポーランド・テレビ局、コンサート会場、科学技術博物館、進化博物館…と、名前の如くさまざまな文化科学関連の機関が集まった場所。 -
文化科学宮殿の建物は、広告塔の役目もあるらしい。
いろんな看板が出ているなあ。
その向こうに、まだ塔の先端部分が見えている。 -
これはワルシャワ中央駅にくっついているショッピング・センターの一部、だったはず…。
戦後に復元された旧市街の街並み、
ワルシャワ蜂起などの戦時の記念碑的建築物、
ソ連からの贈り物として建てられた文化科学宮殿…、
そしてこんな奇抜なデザインの建物も混じるワルシャワの街は不思議な気持ちにさせてくれる。 -
ワルシャワ中央駅で折り返して、一旦、宿になったウェスティン・ワルシャワに戻る事に。
う〜ん、今日のワルシャワ蜂起博物館は、内容が濃い見学になったねえ、と話しながら歩く道。
これはワルシャワ中央駅の駅舎。
ちょっと重苦しい感じの灰色の建物。 -
お、可愛いスクーターがこんな所に。
ワルシャワ中央駅周辺は灰色が多い。
こんな植え込みやスクーターの色がパッと目に付く。 -
脇道の奥に見えた、西日の中の文化科学宮殿。
この分だと明日も晴れかなと思ったら、この夕暮れからは雨になった気まぐれなお天気。 -
ホテルに戻るヨハネ・パウロ2世通りに沿った歩道を誰かが歩いていく。
奥には新しい高層ビルも見えるし、手前のビルは取り壊しを待っているように見える。
上海あたりの都市造りとも共通点がある眺め。 -
塀に貼られたポスターのこの破かれ方も、一種のアートに見えるワルシャワの街角。
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ワルシャワの街角にもグラフィティが多数。
これはシンプルに細い文字の物。
落書きをするというその行為の良し悪しは別にして、その雰囲気の中に惹かれるものを感じるSUR SHANHAI. -
クレーンがシルエットになるこんな風景を見ると、ワルシャワの街にはこれからも高層ビルが増えるんだな、と思う。
数年後にまた来たら、全然別の街のように見えるのかも。 -
こんな明るい街角を見ると、今朝ワルシャワ蜂起博物館で見た蜂起のあとの灰燼に帰した街の様子が信じられないなあ。
今のワルシャワも、未来のワルシャワも、そんな歴史をくぐって来たあとに生まれるんだという感慨…。 -
ウェスティン・ワルシャワのエレベーターは、ガラスで出来た半円筒のチューブのよう。
これはエレベーターに乗って、そのチューブを下から見上げた様子。
タイム・トンネルみたい。 -
ウェスティン・ワルシャワの上階エレベーター・ホールから見た街並み。
まだ地平線が見えるこの風景も、高層ビルで変貌して行くんだろうな。
ここでちょっと一休みしてから、お次は夜のワルシャワに出てみます。
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この旅行記へのコメント (2)
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- まみさん 2008/03/06 08:16:54
- 都市風景写真もすばらしいです
- SUR SHANGHAIさん、こんにちは。
ワルシャワ蜂起博物館、すばらしい博物館を紹介していただいてありがとうございます。というか、私はそれに目をつけなかったのですごく残念〜!
軍事博物館や歴史博物館は回って、復興の記録映像などは見たんですけど。
しかし蜂起博物館の人魚は、なんか男の人みたいですねぇ。表情がごついし、胸が筋肉に見えなくもない@
旧市街広場にある人魚の方がもうちょっと色気があったような記憶が。。
それからワルシャワの都市風景、SUR SHANGHAIさんの手にかかると、とても面白く興味深く、写真としてもすばらしい@@
文化科学宮殿の迫力もさすが!
ポーランド国旗風の壁の植物との写真もとてもいいです。
インターコンチは、あのアングルから見てない。。残念。
ドネル・ケパブ、好きです@
初めて食べたのはロンドンで、ですが。
手ごろなお値段で、すぐに食べられて、お野菜も一杯で、食べ応えありますよね。
- SUR SHANGHAIさん からの返信 2008/03/06 11:51:24
- RE: 都市風景写真もすばらしいです
- おお、中欧・東欧について詳しいまみさんにお越しいただき、光栄です〜。
ワルシャワ蜂起博物館は、ガイドブックに載っていた紹介がとても簡単だったので、あまり期待していかなかったんですが、その展示品の数々、展示方法もすばらしい大きな博物館でした。
ここで思わず時間を取り過ぎてしまい、新世界通りの方には行けなかったのが心残り。
でも、未練があるくらいの方が、次の機会があった時の楽しみになりそうです。
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