2008/01/11 - 2008/01/27
9位(同エリア12件中)
tomoさん
構想1年、念願のイエメンに初1人旅!
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砂漠が大好きな私は、夜が明けるそのすべてを見届けようと、5時に目覚ましをセット。外はまだ真っ暗。急いで身支度を整え、外に出る。挫けそうなほど寒いっ。まだ誰も起きてない。砂丘を1つ越えたところで屋外トイレ。今ここで流砂が起こって埋もれちゃっても、誰も気づいてくれないな…
砂丘のてっぺんのベストポジションで、一部始終を見届けるスタンバイ完了。空が白み始めた。 -
あ、だいぶ明るくなってきた。ただいま6時。じっとしていると凍死しそうなので、砂丘のてっぺんでその場ランニングをする。
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おお、だいぶいい感じになってきたよ。まだ誰も起きてこない。私、張り切りすぎ?
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日が昇ったよ!寒さはピークに。
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耐え切れずみんながまだ寝ている砂漠をひとり彷徨う。砂漠を独り占め。
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ほら、みんなが寝てるから、砂の上に足跡だって付け放題。
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ん?これはなんだ?
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なんと!カリーマ!完全なる野宿!さすがベドゥイン。あっぱれ。
でも一番の寝坊だよ?ベドゥインは日の出とともに起きるって勝手な幻想を抱いていたのは私だけ?寝起き悪いですよ。
彼は銃を抱いて寝ていた。 -
朝食。やっぱりシャーイであったまる。
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イエメン人男性もペロペロキャンディーをなめる。彼に写真を見せたらすごくはずかしいと言ってた。
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本日のメインイベントであるサンドスキーの始球式ならぬ始滑式をジャマールが飾る。ボードの装着、大変そう。3人は仲良し。
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颯爽と滑るジャマールを見つめるカリーマ。
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平たんな場所はこうしてみんなで協力。
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ほらほら、第二ラウンド行きますよ。
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急斜面を滑走するジャマール。
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私はカリーマとこの45度はあると思われる急斜面を駆け降りる。たーのしー!細かいことも難しいことも何にも考えず、子供のような純粋な気持ちで転げまわった。一本しか持ってないズボンがどうなろうと、そんなことは気にしない。だって楽しまなきゃ損でしょ?心の底からから笑った。
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続いてビニールシートで滑るかどうか実験。あまり滑らない。カリーマが押してくれる。結局またカリーマと転げまわって斜面を下った。楽しければ何でもOK!
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今度はいたずらっ子カマルに足を引っ張られて斜面を落とされる。お返しに私も彼を引っ張って落とす。長い長い斜面を二人で砂まみれになりながら転げ落ちる。
斜面を降りたら誰かに車で迎えに来てもらって、砂丘を迂回して元の場所まで戻る。でもクレイジーなカマルはこの急斜面を一気にランドクルーザーで駆け上る。もちろん私も同乗。ホントに笑ったなあ。 -
今度はカマルがこの急斜面を車で駆け降りるから同乗してと誘ってくれる。誘いは拒まず、もちろん同乗。でもルーフから顔を出せって言われた時はさすがにびっくりしたよ。もちろんやったけど。気分爽快!
誰よりも下ったり上ったりしていたので、結局写真があまり撮れなかった(笑) -
最後、取り残されたサヘルが一生懸命降りてくるところ。そんなに慎重に降りなくても大丈夫だよ。
彼はイエメンの砂漠でスキーデビューした。マニアックだ。 -
サナアを目指す。
やっぱり車がスタックする。今回はかなり重症。 -
最後は牽引して脱出した。
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あ、ラクダ発見!
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やっぱり砂漠といったらラクダでしょう。
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なんかカマルたちが慌ただしい。どうしたのかと思ったら、なんと出産中のラクダが!水をあげるカマル。
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無事出産!赤ちゃんはまだ膜を被ってる。
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イエメンはどんな場所でも携帯が使える。砂漠だって山の上だって。そしていまやベドウィンだって携帯を持っている。
カリーマが仲間のベドウィンに電話し、ラクダが生まれた大体の場所を説明している(写真は電話するジャマールの参考写真)。そして2発の銃声と砂煙で詳細な位置を知らせる。
さすが砂漠の民、ベドウィン。それだけでちゃんと駆けつけてきた!
私はなぜだかとっても砂漠好き。だから前世はベドウィンかベルベルか、とにかく砂漠の民だと思っていた。でも街で地図を見ながら歩いても全然違う方向に行ってしまう私は、こんな何の目印もない場所でもちょっとしたやり取りでちゃんとたどりつけるベドウィンを見て、前世が砂漠の民でないことを悟る。 -
ホントにあっという間に駆け付けたベドウィン。
ここでは私が持ってる知識とか技術なんて、何の役にも立たないな… -
この2時間後、サナアがだいぶ近づいてきた頃、カマルにカリーマから電話が入る。無事赤ちゃんは歩き始め、私の名前をとってTomokoと名付けられたと。これを聞いた時、ホントにうれしくて涙が出た。彼らは私を単なる客ではなく友達と思ってくれたことが素直にうれしかった。砂漠に来て、一緒に夢中になって遊んで、よき友達ができてよかったと心から思った。
砂漠の中をTomokoは今も元気に走っているんだろうな。 -
砂漠がだんだん遠くなっていく。さみしいなあ。
ここでカリーマから赤ちゃんラクダの件で電話がかかってきた。 -
緑が増えてきた。サナアも近い。旅の終わりを感じさせる。
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暮れゆく夕日を見ながらこの2日間のことを思い返す。イエメンに来る前、砂漠でキャンプするとは思ってなかった。そして何よりも、イエメン人とこんなに仲良くなるとは想像もできなかった。国籍とか宗教とかそんなことを超えて、一緒に砂丘を転げまわり、砂まみれになりながら共に笑った。世の中では今でも悲惨な事件が起きている。でも、時間はかかるかもしれないけど、いつかお互いのことを分かり合える日が来ると信じたいと、車の中でひとり思った。
ところが、それを揺るがすような事件が起こる。ホテルに着いた時、カマルからハドラマウトでテロが起こり、観光客が殺されたことを聞く。おそらくアルカイダが関連した旅行者を狙った無差別テロ。さっき考えていたことを否定するかのような事件、そして明日から行く予定だったハドラマウト。頭を思いっきり殴られたような気分だった。
とにかく、情報を収集しないと。9.11が起きた時、私はグアムに向かう飛行機に乗っていた。テレビでは恐ろしい映像が繰り返され、グアムの空港は閉鎖、いったいどんな事件なのかいつ帰国できるのかよくわからず、それが何よりも恐ろしかった。あの時のことが頭をよぎる。こういう場合、情報収集は何よりも大事だと学んだ。ネットを検索しても、日本では何の報道もされていない。いったいどうするべきか、ともさんと韓国人のウークとディナーに向かう道中もずっと悩んでいた。
レストランに着いた時、日本人に声をかけられる。イエメン初日にmikipomさんとディナーを食べた時、同席していた男性だった。彼に何か情報があるかと聞くと、領事とご飯を食べに来たから、彼に聞いたらいいと言ってくれた。なんという偶然だろう。
領事から情報を頂いて協議し、明日のハドラマウト行きは断念することにした。その結果、ムカッラから向かう予定だったソコトラ島も断念。どちらもとても楽しみにしていただけに、ショックが大きい。
仲良しのLisaの泊っているホテルを探し当て、彼女に電話する。2日後にハドラマウトへ向かう彼女に、私が仕入れた情報を伝え、行くなら気をつけてねと伝える。
殺されてしまったベルギー人観光客のことを考えずにはいられない。彼らはその直前まで、イエメンという国を愛し、楽しんでいただろう。ハドラマウトは今まで安全だと言われていた場所。まさか自分たちが殺されるなんて思ってもみなかっただろう。犠牲になってしまった彼らの冥福を心から祈る。
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