1962/01/02 - 1962/01/02
702位(同エリア823件中)
ソフィさん
1962年1月2日(火)
午後旅行者があまり訪れない町の東部を歩き、いくつかの教会を見る。
例によって裏町には子供が多く、われわれを珍しがって集まってくる。
しかしマドリッドと違い、「ウナ・ペセタ(1ペセタ下さい)」と、おねだりの手を出してこない。
要するに集まってくるのは好奇心からで、物乞いが目的ではないようだ。
はじめは遠巻きにして何やら言っているが、こちらから近づこうとすれば逃げないで寄って来る。
片言とボディランゲージで話しかけると、とても可愛い。
旅を楽しむには、警戒すべきポイントと、心を開くポイントの見境が大切らしい。
警戒心を持ち続けるのではなく、いつもは心を開いていて、必要を感じたときに警戒心を呼び覚ます心構えを持つのが良いようだ。
20時05分発の、セビリア行き急行に乗る。
三等車は木製のベンチで、照明が薄暗い。
コンパートメントには、5人がけのベンチが向かい合っている。
だがまあ、電灯が点いているだけでも、よしとすべきだろう。
ビルバオからマドリッドに入ったときには、電灯が消えて真っ暗だった。
窓外の照明の、なんと新鮮に目に映ったことだったか。
しかし薄暗くて殺風景な造りとは裏腹に、乗っている人は賑やかだ。
満員の客は、最初のうちは三等車の変な外人を無遠慮にじろじろ眺めているが、話しかけるとすぐに心の垣根が消える。
こんなときに、黙っているのは相手を警戒させて一番いけないことである。
意味がわからなくても耳覚えの言葉を、何でも口にして見ることだ。
スペイン人は人懐こくて親切だ。
特に三等車の客は、純朴なのかも知れない。
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