2007/07/21 - 2007/07/21
426位(同エリア456件中)
まみさん
2007/07/21(土)第14日目:ブコヴィナ地方の修道院めぐり(w/現地ガイド)
【宿泊:Pension Corlatan(グラ・フモールルイ郊外)】
フモール修道院、モルドヴッツァ修道院、スチェヴッツァ修道院、マルジネア村の黒の陶器工房見学&ショッピング、アルボレ修道院
ほっとひと息、ブコヴィナ地方の田園風景写真集。
マラムレシュ地方での4泊は、現地ガイドのニコラエさんのペンションに泊ったので、ニコラエさんはホストでした。
ブコヴィナ地方での2泊はグラ・フモールルイのペンションにニコラエさんもゲストとして泊まりました。
なので、昼食だけでなく夕食のときもニコラエさんと私は一緒のテーブルにつき、ルーマニア観光に限らず、たくさん話をしました。
おしゃべり好きのルーマニア人らしく、ニコラエさんも聞く一方ではなかったのですが、ニコラエさんと話がしやすかったのは、彼が自分とは違う───つまり私の考え方や価値観を否定することなく、そういう考えも価値観もあると許容する姿勢をとってくれたからだと思います。
ガイド業を通じてたくさんの外国人観光客に接したせいもあるでしょう。
ニコラエさんは、この1週間、マラムレシュとブコヴィナの田舎に感激していた私に、「田舎に住もうと考えたことはないのか」と根本的な質問をしてきました。
ニコラエさん自身、都会の環境と生活が好きになれず、奥さんと結婚したあと、奥さんの実家近くのマラムレシュの村に住むことにしたからでしょう。
若いときはスチャヴァという都会で働き、そのあとスチャヴァよりは地方都市にあたるクンプラン・モルドヴェネスクで家具デザイナーとして工場に勤めていたそうです。
そのクンプンラン・モルドヴェネスクはブコヴィナ地方の中のマラムレシュ地方に近いところにあります。
奥さんとはそこで出会ったそうです。
クンプラン・モルドヴェネスクは、昨日、マラムレシュからブコヴィナに移動するときに通り過ぎたに過ぎませんが、そんな話を聞いたので、地名をすっかり覚えてしまいました@
現在(2007年7月)、ニコラエさんは、マラムレショ地方のヴァド・イゼイ村で、ガイドをしながらペンションを経営しています。
そのペンションを兼ねた自宅は、マラムレシュの人々と同じく、8年かけて自分の手で建てたそうです。
そして、最近、クリニックはあっても薬局はない村に薬局を作るため、薬剤師の資格をとり、資金を集め、当局の許可をとりつけるところまで済んだそうです。開業まであと一歩とのこと。
なので、もし薬局が忙しくなれば、ガイド業を減らすかもしれないし、逆にあまり繁盛せず、村人にとって必要なさそうであれば、店をたたむかもしれないそうです。でも、それはやってみなければわからない───と、チャレンジ精神たっぷりのニコラエさん。
そんなにニコラエさんにとって、田舎に感激して気に入っていた私に、「では、田舎に住まないのか」と聞きたくまなったのは自然な流れでしょう。
でも、私の答えも、ある程度、予測ついていたかもしれません。
この一週間、私はあくまで、観光客として、お客さんとして、休暇として、田舎で過ごしました。
生活をしていたわけではありません。
生活のためにお金を稼ぐわけでもなく、消費する一方です。
ニコラエさんに、楽しいところ、珍しいところを案内してもらい、いろんな場面で上げ膳据え膳でした。
基本的に好きなことしかしない日々でした。
日常の私は、田舎のすばらしさを認めつつも、都会の便利さと娯楽をたっぷり享受している身です。
学生のときに就職先を考えたときも、そんな自分の志向を自分で分かっていました。
また、ニコラエさんが都会を離れて田舎で生活することにした理由には、人に雇われるより自分自身が自分の主人となって仕事をする方がいいと思ったせいもあるそうです。
しかし私は、サラリーマンの利点も十分に分かった上で働いています。
数年前から中間管理職もどきになり、日々が非常にストレスフルになりました。
本当はなりたくなかったのですが、一方で、そのことで組織の中での自分の役割と立場に改めて意味を求めることもでき、不満しかないわけではありません。
田舎の生活とその中で自然に接することは、そんな私の日常の中のあくまで非日常であり、骨休み、癒しの時間なのです。
ニコラエさんは、そういう考え方も生き方もある、と認めて話を聞いてくれました。
そのせいか、気の合う友人と久しぶりに会って、積もる話をしまくったときのような爽快感があって、びっくりです。
一方で、ニコラエさんも、「でも私は……」としっかり自分自身の考えも生き方も話してくれました。
お互い話ができたからよかったのです。
一方通行では、逆にこんな爽快感は得られなかったと思います。
★経路メモ★
(※経由村は、走行中に地名を確認できたものだけ)
フモール(Humor)修道院見学─フラシン(Frasin)村経由─ヴァマ(Vama)村経由─モルドヴィッツァ(Moldovita)で修道院見学─チウムルナ(Ciumarna)村経由─スチェヴィツァ(Sucevita)で修道院見学─マルジネア(Marginea)村で陶器アトリエ見学&ショッピング─ソルチャ(Solca)経由─アルボレ(Arbore)で修道院見学─再びソルチャ(Solca)村経由─カチカ(Cacica)村経由(地名からポーランド系の村らしい)─グラ・フモールルイ(Gura Humorului)に戻る
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グラ・フモールルイのペンションの窓から
7/20の夕方、ペンションにチェックイン後、7時からの夕食前に撮ったものです。
ブコヴロイナ地方らしい木のフェンスの向こうはお隣さんです。
家の高さほどある積みわら(クライエ)があんなにたくさん並んでいます@ -
グラ・フモールルイのペンションの窓から
同じく7/20の夕方、7時からの夕食前に撮ったものです。
庭に薪がぎっしり。 -
袋の中の干し草を食べる荷台の馬
フモール修道院の前で -
モルドヴィッツアからスチェヴィッツアへ向かう途中
私が車窓の外の景色に魅入っていると、ニコラエさんが見晴しの良いところで車を止めてくれました。
モルドヴィツァとスチェヴィツァは27km離れていますが、その間は1,100mの山越えです。なかなか眺めが良いです。
しかし、冬は道路が雪で閉ざされてしまうそうです。
冬に「5つの修道院」めぐりには向かないといわれるわけがよく分かりました。 -
モルドヴィッツアからスチェヴィッツアへ向かう途中
ブコヴィナ地方らしいフェンスのある風景 -
モルドヴィッツアからスチェヴィッツアへ向かう途中
緑のグラデーションが美しい、ブコヴィナ地方の田園風景 -
モルドヴィッツアからスチェヴィッツアへ向かう途中
草を食む馬と芝生で体を拭く馬
暑くて寝そべっているのかと思ったら@ -
チウムルナ峠(1,100m)の道路開通記念の像
モルドヴィッツアからスチェヴィッツアへ向かう途中
「ここは有名な峠だよ、写真撮る?」とまたニコラエさんが車を止めてくれました。 -
チウムルナ峠(1,100m)から見た風景
手前の白い花はレースフラワー@ -
チウムルナ峠(1,100m)
モルドヴィッツアからスチェヴィッツアへ向かう途中
並んでいるのはバンガローかしら@ -
ブコヴィナ地方の典型的な家
マルジネア陶器工房のお隣さんち
このようにぐるっとテラスで囲まれている一階建てがブコヴィナ地方の典型的な家の特徴だそうです。
古い家はこのように壁の板がむき出し。
青い窓枠の周りには、陶器が飾られています。
じゅうたんは売り物だろう、とニコラエさん。 -
緑のグラデーションが美しい、ブコヴィナ地方の田園風景
ソルシャ(Solca)村とカチカ(Cacica)村の間あたり
一日の見学が観光が終わり、アルボレ修道院からペンションに戻ると中です。
ブコヴァナ地方でも、マラムレシュ地方で作られているのと同じタイプの積みわらがあちこちで見られました。
この地方の主な作物は、とうもろこし、ジャガイモ、かぼちゃです。
とうもろこしは、ルーマニア人の食卓の「ごはん」ともいうべき「ママリガ」の材料ですが、乾燥させたものは家畜の飼料になります。
豆畑はマラムレシュ地方ほど見かけませんでした。
残念ながらここでも、今回のルーマニア旅行で一面の満開のひまわり畑の写真を撮りたいという夢はくじかれてしまいました。
家庭によっては、庭に小さなポピーの畑がありました。種をケーキに使うそうです。 -
緑のグラデーションと山の影が美しい、ブコヴィナ地方の田園風景
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しましまの畑が美しい、ブコヴィナ地方の田園風景
くねくねとフェンスが続く光景がブコヴァナ地方の典型ですが、その眺望を写真に捉えるチャンスはなかなかないありませんでした。
こちらの風景では、フェンスは見当たらないのですが、畑がきれいなグラデーションになっていました。
このようになるのは、持ち主が違うからのようです。
それぞれの持ち主によって土地の使い方が違うために、色違いになるのです。 -
緑のグラデーションと山の影が美しい、ブコヴィナ地方の田園風景
手前には美味しそうな実がたっぷりのりんごの木 -
しましまの畑と山の影が美しい、ブコヴィナ地方の田園風景
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美しいしましまの畑と積みわら(クライエ)のある、ブコヴィナ地方の田園風景
この積みわら、色が緑だったら、ポンキッキのムックみたい@ -
美しいしましまの畑と積みわら(クライエ)のある、ブコヴィナ地方の田園風景
うっとりする美しさ@ -
ブコヴィナ地方の美しい井戸のある家
下調べで読んだ「東欧の郷愁」という本でブコヴィナ地方の田舎の家では井戸も見どころだと知て気をつけて見ようと思っていました。
なるほどというか、まさかこういうのだったなんて@
知らなくても注目してしまいますよね。 -
ブコヴィナ地方の美しい井戸のある家
「ブコヴィナ地方の村は井戸の博物館
(前略)この地方の村の家を注意深く観察すると、美しい模様や彫刻で飾られた小さな小屋が必ず庭にあるのが目につく。ブコヴィナ地方は信仰の深い地域なので、神棚など信仰に関係のある小屋なのかと思ったが、実は井戸だった。それらの井戸は実に個性的で、興味深い。井戸も時には旅人の目を楽しませてくれる。」
(「東欧の郷愁」菊間潤吾・監修(新潮社)より) -
ブコヴィナ地方の美しい井戸のある家
あのハンドルで水を汲み上げるんですね。
野外に湯沸かし器もある@ -
グラ・フモールルイ郊外で見かけたコウノトリの巣
マラムレシュ地方でも撮りましたけど@
なかなか近くでは撮れないですから。
ほとんど成鳥ですが、あれはみな子供たちらしいです。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12942847/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12942848/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12942849/
関連の旅行記
「2007年ルーマニア旅行第10日目(6):マラムレシュ───コウノトリもやってくる桃源郷」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10192261/ -
エサを食べるのに夢中なコウノトリたち
-
グラ・フモールルイのペンションの隣にあった正教会
ペンションに戻った後に撮りました。
教会では、ちょうど赤ちゃんの洗礼が行われた後でした。
儀式は終わっていたので、教会の中を見学することができました。 -
グラ・フモールルイのペンションの隣にあった正教会と積みわら
ほっそりと美しい姿です。 -
グラ・フモールルイで泊まったペンションの建物
2階のここから見える窓のある部屋に泊まりました。 -
ペンションのダイニングルームに飾られていた絵
フェンスに囲まれたブコヴィナ地方らしい秋の風景です。
ブコヴィナ地方の典型的な家も描かれています。
右にあるかごのようなものは、野生動物が冬を過ごすために積みわらをおいておくところだそうです。
そうしないと、畑が襲われるという切実な理由もあるそうです。
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