Japan つかの間の日本を楽しんで　「影と色彩の魅惑　ワヤン」展へ②　東京家政大学博物館

2007/10/18 - 2007/10/18

http://4travel.jp/traveler/tougarashibaba/album/10196661/の続きです。



ワヤンの顔はどれも同じようにみえて見分けがつきにくい。

でもこうやってコメント掲載のたびに眺めていると
高貴な身分の凛とした女性や、粗野ななかにもユーモアのあるおじさんや、なかなかのイケメンなどの区別がついてきて楽しい。

この二人もいい雰囲気。
ラブストーリー（の音楽）流さなきゃね。
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解説書からの抜粋です

話は1970年に戻るが、そのとき私はバリ等でレゴンダンスをみていた。
二回目のインドネシア訪問の際だった。
その席へ見知らぬ男がコシをかがめてやってきて、ワヤンが欲しいかという。
突然の話に、きれいなワヤンならねと応じる。
二十分ほどして彼がバリのワヤンをがさっと抱えてきて私の膝にのせた。
格別の値段でもなかったので言い値の金額を渡すと、彼はどこかへ消えた。
その顔は輪郭すら覚えていない。
すべてはバリ舞踊のまの闇から闇へのできごとだった。

そのワヤンは二十体ほど、古風で、こころ引き締まるほどな出来栄えで、ほとんどがワヤン・バリの主役級だった。
本来バリのダランは手元にあるワヤンを売ることがない。
ジャワとは違う。
それが思いもよらぬ形で私の手に届いたのは何の不思議だったのだろう。
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きっとワヤンの神様が
ほんとうに心からワヤンを愛してくれる人をみつけたからでしょう（(*^_^*)

エリア 板橋(東京)

「なめした水牛の皮に下書きして形を切り抜く。」

解説書よりの抜粋です。

ワヤンは皮の懸命な輮し、彫琢、色付けなど、美の極致をめざして細工されるが
はげしいサブタン（人形操作）にいち早く傷められようとする運命にある。
しかもそれを承知で美の極致への作業がつづけられるのだ。

「透かしの模様はひとつひとつ、のみを使って手作業で、打ち抜かれる。」

これらの絵はオランダの石板画です。

解説書からの抜粋です。

「キ・スティノはジャワ神秘主義の精神性に通じたダランで、あとで逐一を訳し分かったのだが、その語りの節々に深い処世感がちりばめられ、文学的魅力にあふれていた。

そのしぶい語りの声がいまは私の手元にある多くのワヤンたちの口をへて観客に伝わっていったのだ。

我が家のしっかりした見事なワヤンの大変はキ・スティノからのものである。」

「ジャワのどこぞの村では9年に一度、心を清めるために一流のワヤンをチャーターする。
そのために9年かけてお金をためる。」

日本ワヤン協会のＨＰよりの抜粋です。

何という高み！

これを読んだ時
もういちどインドネシアを訪れたいと激しく思ったことでした。

アルジュノ

心に染み入るお話を。
いただいた解説書からの抜粋です。

「私は魂を宿すワヤンに愛惜の思いを託するひとの心を知った。

主人のダランがなくなり、ワヤンの多くもひとに買われたが、残した幾体かがある。150年はたっていて、ほんとうに大切にしてくれるひとなら、その一体はゆずってもいいという。

その中にはクレスノとアルジュノがあった。
どちらでもいいというのでアルジュノを選ぶと、これはもう少し手元におきたいとのこと。
もし困るなら譲っていただかなくてもという私のこころの痛みは余計なことでもあったようだ。

クレスノを手にした私たちを、そのひとは道の角をまがるまでじっと見送っていた。

ワヤンを手に入れる時、一切値切ることがない私の習慣はこの経験が身に沁みているからである。」

ガトゥコチョ

スティアキ

ノロヨノ

スムボドロ

スリカンディ

カルノ

マハーバーラタの主役たちの一人
パンダワ家の異父兄弟でありながら、コラワ家から受けた恩義のためパンダワ家を敵とする。

チャキル

ボモ

インドのワヤン

イスラム化の中で偶像否定の圧力を避けるため
千年の歴史を持つインドネシアのワヤンは
人形の形を異常に長い手、尖った鼻に変形させていったと聞いたことがあります。
これは人間ではありません、というわけです。

インドはヒンドゥーなので変形させる必要がなかったのでしょうね。
人間のおっちゃんそのものです。

ボロデウォ

インドのワヤン

カンボジアのワヤン


外大でフランス語を学び、出版者に勤務してらした松本亮先生がアンコールワットを訪れてヒンドゥーの神々に出会わなかったら

また
内戦によりカンボジアを訪問できなくなった先生がかわりにインドネシアを訪れ中部ジャワでワヤンに出会わなかったら

また
先生が40代にして初めてインドネシア語とジャワ語、千年の歴史あるワヤンの古語を学ばれなかったら

私達はこの素晴らしいインドネシアの芸術を理解することはできなかったのだと思うと
深い感慨と敬服の念でいっぱいになります。

中国

タイのラーマとシータ

王家のお葬式で上演されるので普段は上演されないそうです。

トルコ

日本ワヤン協会主催

日本の影絵詩劇「水のおんな」

日本の影絵詩劇
「まぼろしの城をめざす」



日本ワヤン協会では年に何回か公演を開催されています。詳しくはＨＰをごらんください。
http://www.kt.rim.or.jp/~banuwati/content.html

私も帰国したらぜひ見に行きたいと思っています。

☆お忙しいなか、丁寧に加筆修正してくださった松本先生、ありがとうございました！