2007/10/13 - 2007/10/16
118位(同エリア211件中)
ヤン・ファオさん
- ヤン・ファオさんTOP
- 旅行記21冊
- クチコミ9件
- Q&A回答1件
- 89,523アクセス
- フォロワー0人
【10月14日(日)】
今回の旅の一番の目的は、韓国の田舎町に行ってみよう、ということ。最初は慶州の近くの民俗村へとも考えたが、中途半端はよろしくない。どうせなら徹底的な田舎を、と探してみたところ、見つけたのが慶尚北道の安東(アンドン)郊外にある河回村(ハフェマウル)。ソウルと釜山のほぼ等距離に位置し、釜山からだと列車で4時間、直行バスでも2時間半から3時間近くかかるという。なんでも両班(ヤンパン)、つまり貴族階級である柳氏の本貫であり、昔の土着貴族の邸宅様式を色濃く残した村だそうだ。しかも民泊、日本でいう民宿があるというではないか。釜山で買った時間表(シガンピョ、時刻表)で調べてみると、直行バス3時間とはいっても、そのバスの出る釜山総合バスターミナルまで地下鉄で1時間、さらに安東から河回村まで40分かかる。単純に足し算しても最短5時間近く。俄然、行く気が沸いてきた。結局、宿も決めずに出発することに。嫁と友人は「大丈夫か?」の連発であるが、何とかなるさ、韓国だもの。
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー
-
朝7時に起床。昨夜の喧騒が嘘のように、宿の周りは静まり返っていた。行きつけとなったチャガルチ市場の食堂へと向かう。
-
以前はもっと小汚い建物だった記憶があったが、市場自体が綺麗になったせいかあまりそうは見えない。ただ慣れただけかも知れないが。
-
山盛りのご飯にテンジャンチゲと焼き魚を主体にした韓式朝食はいつもながら美味い。値段も3000W(約390円)である。食べ方も慣れてきて、スッカラク(スプーン)でご飯をすくって汁につけて食べ、チョッカラク(箸)はおかずを食べるときにだけ使う。
-
宿に帰って荷造りをし、1泊分2部屋で45000W(約3850円)を支払った。相変わらず安い。しかも、来るたびに部屋が綺麗になっている。日本人旅行者が増えたというのも宿の主人の努力の賜物であろう。チャガルチ駅から地下鉄1号線で終点の老圃洞(ノポドン)まで一人1300W(約169円)。釜山大学を過ぎた辺りから列車は一旦地上へと上がる。車両基地があるのだろうか。再び地下へ潜り、ほぼ1時間で老圃洞へ着いた。駅と釜山総合バスターミナルは直結しており、非常に便利がよい。
-
がしかし、次の安東行きのバスは1時間以上ないという。時間表で調べてみても発車時刻は書いてなかったので当てずっぽうで出てきたのだが、1日3〜4本しか直通バスは出ていないらしい。仕方がないのでターミナルの中のロッテリアでコーラを飲みながら発車を待つ。途中で食べるためにハンバーガーも買い込んで、ようやく11:10のバスに乗ることが出来た。バス代は1人13700W(約1781円)である。
-
釜山を出たバスはすぐに高速に乗り、大邱(テグ)へと向かう。
-
空はとてつもなくいい天気であるが、一つ不安があった。
-
日本の長距離バスには大抵備えてあるトイレが、このバスにはついていない。しかし、バスは止まる気配も見せずにひたすら高速を突っ走るのだ。
-
大邱から安東へ向かう道に入ってしばらくしてようやくサービスエリアに停車したが、1時間以上ノンストップで走り続けたことになる。トイレが近い方にはあまりお勧めできないバスだろう。10分の休憩の間に嫁は売店でホットクを仕入れてきた。3個で2000Wは、屋台で買う1個500W(約65円)のホットクに比べ高いうえに甘みが少なく、最近釜山で流行の木の実なども入っていないものだった。
-
SAを出て1時間、13:35にバスは安東バスターミナルへと到着した。同じバスターミナルと言っても、釜山とは比べ物にならないほど小さなバスターミナルである。
-
そこから通りを150mほど歩いた所が安東駅だった。
-
ここの観光案内所で、安東市と河回村の宿泊情報を聞いてみる。日本語はできないが英語の堪能な女性が相手をしてくれた。が、英語が堪能ではない私は結局韓国語で聞いてしまった。彼女の話では、安東市内には中心部周辺に韓式旅館がたくさんあり、河回村には民泊が50軒ほどあるとのこと。河回村までは1日6本のバスが出ており、46番のバスに乗ればいいという。
-
バスターミナル向かいのバス停で14:05のバスを待っていると、「ハフェマウル行きはこのバス停でいいんですか?」という日本語が聞こえる。女性二人連れの日本人旅行客だった。Kさんといい、母娘での旅だという。一緒にバスを待つことにした。バス停には既にバスが数台停まっている。ふと気になって離れたところに隠れるように停まっていたバスを見に行くと、それが46番のバスだった。危ない危ない。韓国ではバスはバス停に停まるとは限らないのだ。
-
チケットを買っていない場合、バスは乗る時に料金を払う。河回村までは1人1650W(約214円)である。嫁が3人分5000Wを払うと、おつりが500W貨幣が2枚、100W貨幣が数枚返って来た。3人分なら4950Wのはずであるが、どうやら運転手が釣りのボタンを押し間違えたらしい。Kさんは10000W紙幣しか持っていなかったため釣りがないと言われ、嫁が3300Wを立て替えてあげた。バスに乗る際には小額紙幣と貨幣は必需品である。
-
バスに揺られること40分、ついに河回村に着いた。乗り換えの接続の悪さもあり、釜山を出発してから6時間近くが経っている。
-
駐車場には入りきれないくらいの自家用車がぎっしりと停まっていた。日曜なので、韓国人が大挙して押し寄せているようだ。受付で1人2000Wの入村料を払い、村の入り口を抜ける。3時からこの村の名物である仮面劇があると観光案内所で教えられていた。Kさん親子はまずそれを観たいという。しかし、どこで仮面劇をやっているのかがわからない。私たちは仮面劇も観たいが、まずは荷物を降ろして身軽になりたかった。
-
とりあえず村の中心部を目指して歩く。河回村は川のうねりの中に突き出た半島状になった土地である。いたるところで黄金色に色づいた稲が収穫を待っていた。
-
点在する家々には「民泊」の看板があちこちに見られる。Kさん親子と別れてメインストリートから未舗装の道へと曲がり、人通りが少なくなったところに見つけた民泊に入ってみる。
-
人の気配はない。「チョギヨ〜(すいません)」と中に呼びかけてみたら、奥の部屋でハルモニ(おばあさん)が「アイゴ〜(あらあら)」と驚きながらムックリと起き上がった。「ピンバンイッソヨ?(部屋は空いていますか)」と聞いてみる。…と、「日本人の方ですか? どうぞどうぞ。」とハルモニが言った。聞くと、子供の頃強制的に覚えさせられた日本語らしい。日本語が通じるなら便利だろうと、この家にお世話になることにした。
-
荷物を部屋に置かせてもらい、仮面劇の行われる場所を聞く。すると何と、入り口の手前だという。村の中をいくら探し回っても見つからないわけだ。3時を少し回っていたので、急いで村の入り口へととって返す。駐車場の隣りに円形の藁葺きの建物があり、すでに仮面劇は始まっていた。
-
太鼓や鐘を持った囃子方がリズムを奏で、踊り手が仮面をつけて踊っている。
-
観客席は超満員で、小学生の一団らしきグループは、お土産の仮面をかぶっての観劇だ。
-
人垣の間からようやく劇を観ることが出来た。舞台の中央に牛が倒れていて、茶色い袋を持った農民らしき踊り手の発するセリフや仕草に観客たちは大受けし爆笑がたびたび起こる。…が、言葉がわからない私たちには何が面白いのかさっぱりわからない。
-
それでも嫁と友人は我慢強く劇を観ながら写真を撮っている。私は辛抱が足りない方なのですぐに飽きて、飲み物でも買おうと劇場の正面へ出た。するとそこで、ようやく場所を探し当て、一生懸命背伸びしながら中の劇を観ようとしているKさん親子と出くわした。嫁と友人のところへ二人を案内したあと、30分ほど劇場の裏手の建物に座ってジュースを飲んでいたら、ポツリと雨が落ちてきた。
-
空を見ると先程まで青空だったのに低い雨雲が迫ってきている。Kさんは荷物を持ったままだったので尋ねてみるとやはりまだ宿は探していないらしい。もうすぐ本降りになるからと全員をせかし、先程決めた宿へKさん親子を連れて向かう。
-
途中の土産物屋で念のため1本7000W(約910円)で傘を2本買い、宿に着いたとたんに雨がザアッと降ってきた。
-
母屋の軒先に腰掛けて、激しく降る雨を眺めているしかない。4回目の韓国への旅で、雨に降られるのは初めての体験だ。
-
庭先に植えられている白菜も、雨に濡れて瑞々しく葉を広げている。
-
玄関には水溜りが瞬く間に出来ていく。
-
民泊の名は「チョヨンパン」という名だった。玄関を入ると母屋と納屋が四角い形で建ち、真ん中は中庭になっている。納屋の部分が客室に使われていて、ハルモニは2人部屋だと1泊50000W(約6500円)、1人部屋だと30000W(約3900円)だという。韓式旅館に比べると滅法高いが仕方がない。私たち夫婦にあてがわれた部屋は広かったが、隙間だらけで鍵なんてものは当然、なかった。
-
友人の部屋にいたっては窓もないような2畳ほどの小さなものだ。しかし、民家に泊るのにセキュリティもへったくれもありゃしないわけで、そういう体験を求めて旅人はこの村にやってくるのだ。雨が降り出してからは気温が急激に下がり、もう一枚上着を羽織らねばならなかったが、オンドルが施された部屋の中は十分暖かく、心地よかった。
-
晩御飯は安東の名物であるチムタッを注文することにする。鶏一羽をまるごと醤油とコチジャンで煮て大皿に盛る料理だ。鶏1羽につき20000W(約2600円)、ご飯が1人前100W追加。今夜はもう一組、昨夜から連泊している日本人がいるらしい。その人たちが帰ってきてから鶏を1羽にするか2羽にするかを決めることにする。1時間ほどで雨は上がったのでKさんたちと一緒に夕暮れ近い村を散策に出た。先程まで大勢いた観光客は観劇を終えるとほとんど帰ってしまったようで、とても静かだ。
-
緯度の高いこの村には、早くも晩秋の気配さえ漂っている。実がすっかり落ちた柿の木には、韓国の国鳥であるカーチー(カササギ)がとまっていた。
-
地中に埋設されているのだろうか、電柱は見当たらない。古い土塀の間の道を抜けていくと、村の中心に欅の木が太い枝を広げた参神堂があり、天下大将軍という災いを避けるための木製の像が建っている。
-
細い道ではあるが車も時折り通り、道の傍らにはテーラーがぽつんと置かれていた。観光地とはいえ、この村には人々が居住し、畑を耕し、普段の生活が営まれているのだ。純然たる観光地にはない、土の匂いのする場所であった。
-
ぶらぶらと歩いていると、立派な屋敷を見つけた。
-
古い表札の下に、「柳時元」と書かれた新しい表札が掲げられている。Kさんの話では、これが韓流スターの一人、リュ・シウォンの表札なんだそうだ。エリザベス女王が訪れ、公式の場で靴を脱いだということが世界中のニュースとなったという。
-
村の外れの河原には大きなブランコが置かれ、大人がブランコ遊びに興じていた。
-
農道のような道を、また村の中心部へと戻る。
-
ここにも広い貴族の邸宅があった。門が開いていたので中に入ってみると、立派な庭の先に紅葉が赤く染まっている。
-
民泊に戻ってしばらく部屋で休んでいると、もう一組の日本人客が帰ってきた。Oさんたち女性の二人連れだ。先のKさんといい、このOさんたちといい、韓国語を習っているとの事。私の我流で覚えた韓国語とは雲泥の差である。
-
Oさんたちは昨夜はサバを食べたそうで、問題なく鶏を2羽いただくことにする。いつもならこの民泊で料理を出すのだが、今夜は料理を作るおじさんが出かけてしまっているので他所の民泊で食べてくれ、とハルモニ。塀を回ったところにある隣の民泊へ移動してチムタッをいただく。鶏に春雨やジャガイモ、胡瓜、人参が入り、胡麻がまぶしてある。味噌に唐辛子も当然混ぜてあるのだが、あまり辛くはない。ただし、唐辛子の塊に当った場合はこの限りではないが。他の方たちはお酒は飲まないそうなので、私たちだけ安東焼酎を注文した。安東焼酎はアルコール度数が45度もあるので、ビールも追加で注文してチェイサー代わりにする。他の4人に7000W(約910円)ずつを負担してもらい、我々は残りの50000W(約6500円)を支払った。そのうち半分は安東焼酎の代金である。
-
7人で鶏2羽というのは量的にはちょうど良い量で、1時間ほどかけて全部美味しく頂いた。食事の最後にアジョシ(おじさん)に頼んで、全員で記念撮影をして民泊へと戻る。
-
一旦各自の部屋に戻った後、私たちの部屋にみんなが集まってきた。Oさんたちは明日釜山から帰国するので、帰り道の相談をするためだ。7:15の朝一のバスで安東へ行くことまでは確定だが、その先が大変である。釜山までの直行便の時間が何時かがわからない。
-
そのうちハルモニもやってきて、世間話に花が咲いた。おりしも今日は私の誕生日。Oさんが韓国語で「Happy Birthday to You」を歌ってくれた。自然に解散したが、まだ8時。TVもあるのだが、2つのTV局しか写らない。田舎だと、夜は本当にやることがないものだ。安東焼酎の酔いも手伝って、この晩は早く就寝した。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (1)
-
- mamamaさん 2008/03/09 20:28:28
- 楽しそうな写真
- ヤン・ファオさんこんばんわ。
今度安東へいくつもりで楽しくブログを読ませていただきました。
とりあえず日帰りのつもりなんですが、やはり民泊で1泊したほうが、ベストみたいですね。
リュシュオンの家も人気がでましたね。
とても楽しそうな写真で好感もてますね。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
安東(韓国) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
1
45