2007/08/08 - 2007/08/11
19334位(同エリア48139件中)
huwaさん
去年の夏はすごーーい田舎でアート行脚をしましたが、
今年の夏は一転 都会旅をすることになりました。
都会にはよい美術館とよい展覧会がたくさんある!
路上を歩きながら建築を見る楽しみもある!
夏だから海と港を見て船にも乗りたいな!
というわけで、まずは港町横浜を ウキウキ散策開始♪
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 船 新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩
-
ここは馬車道駅の真上にあるBankART1929。
1929年(昭和4年)に建てられた銀行が
移築・改装されて、
最先端を行くアートの拠点に生まれ変わりました。
鋭角な角地にはっと目を引く美しい建築ですね。 -
海外通りにはBankARTのスタジオとパブがあり、
エントランスがこ〜んな編み編みのトンネルになっています。
材料は市民から集められたハンガーなんですよ。
地面にも編み編みの影。 -
そこをくぐって階段をのぼって
日本郵船の古い倉庫を改装したアートスペースへ。
ここではこの夏、日仏現代美術交流展が開かれていました。 -
金色のしずく状のカタチが ぴゅるぴゅると消えたり現れたり伸びたり縮んだりする映像作品。
伊藤存「九回のジャンプ達」。
影法師でちょっと参加してみたりして。 -
無音のアニメーションが上映されていました。
シンプルな黒い線だけで描かれた、まったく人が出てこない風景の中を、視線だけがす〜っと移動してゆきます。
どこの町なのか、どこへ向かっているのか、全然わからないんですけど、不思議に心地よい旅でした。
カーペットの上に白いクッションがぽんぽんと置かれて、ゆっくり休憩してってね、と言わんばかりなのも、嬉しい心遣い。
ブノワ・ブロワザ「Bonneville」。 -
「常設展もどうぞ〜」
と言われて、狭い階段を上ってゆくと -
広大な空間に一面のお花畑。
この作品は、去年の田舎旅でも見た〜!
丸山純子さんの「無音花畑」だあ!
…思わぬ再会につい興奮してしまいました。
スーパーのビニール袋で作られた花たちが、
役目を終えた場所をお花畑に生まれ変わらせるアート。
山奥の廃校には 静かな愛らしさを添えていた作品でしたが、
港湾倉庫といういかつい空間でも 場所負けしていませんね〜。
ちなみに去年のレポートはこちらです。↓
http://4travel.jp/traveler/huwa_huwa_tanpopo/pict/11287203/ -
これも常設展示の、牛島達治「記憶−原動−場」。
何もないように見えます?^^;
床に近いところでは一本のロープがぐるぐると回転していて、
天井に近いところではそのロープから吊り下げられたバケツが2個、ゆらゆら揺れているんですよ〜。。
ただそれだけです。
この巨大な空間を使って、ただそれだけ^^;
がくんっと膝の力が抜けちゃいますね。。
実は牛島さんというのは「無用機械」を作っているアーティストなのです。
お隣の小部屋では、床にひたすら「の」の字を書き続ける機械が展示されていました。
がくんっときたあと、くすっと笑えて、
「いやあ 無用な機械があったっていいんじゃないの〜? ね〜?」
っていう楽しくも寛大なキブンになってきちゃう。
去年は緑の中で風を観測する作品を楽しませていただきました。↓
http://4travel.jp/traveler/huwa_huwa_tanpopo/pict/11219796/ -
一階の展示室入り口。
-
その脇に謎のカマボコ型の…物体? 建造物?
これな〜に?
横腹に何か文字が書いてあります。
読んでみましょう。 -
「銀行美術蒸気温泉」???(笑)
後で調べたら、横浜トリエンナーレのお客さんたちのために作られた、
石焼きサウナだったんですって。
手前に積まれている木は じゃあ 薪?
なんだかこの中で人間が蒸されて大丈夫なのかしらんっていう気がしますけれど(失礼)(笑)、これを作ったのはみかんぐみっていうレッキとした建築家ユニット。
そういえば、BankARTとみかんぐみが一緒に越後妻有で作っているセミナーハウスは、やけにお風呂が多い設計になっていましたっけ〜。
お風呂好き集団が作ったものならば、う〜ん 快適なサウナだったに違いない。 -
水辺のカウンターは、よく見ると
引っ張って移動できるようになっています。
「食と現代アート」という催しの際に作られた
リムジン屋台であるそうな。 -
対岸には赤レンガ倉庫。
よい眺めです^^ -
「自転車部」という集団が作ったかき氷自転車。
自転車で移動しながらかき氷が作れちゃうの〜? -
ちょっと街路を歩きましょう。
横浜税関の塔が見えています。
優雅ですね〜。。 -
日本郵船歴史博物館。
1936(昭和11)年の建築。
ずら〜り並んだ16本の列柱がかっこいい〜。 -
県立歴史博物館。
関東大震災にも倒壊しなかったという
このあたりでもひときわ古い1904(明治37)年の建築。
てっぺんの大きなドームと彫刻の施されたペディメントに威厳がありますね〜。 -
お昼を食べるところを探していたら、
なんだかいい感じのイタリアワインのお店発見〜!
馬車道から一本入ったところのIL CALICE(イル・カーリチェ)。
ワインだけでなく、ブロックからスライスしてもらえる生ハムやサラミも売ってます〜!
もちろんチーズも!
今夜はホテルのお部屋でワインの宴と決定〜♪ -
みなとみらい線に乗って移動しま〜す。
馬車道駅は 壁がすべてホンモノの赤レンガ。
そこに周辺の歴史的な建築からとりはずされたものが
コラージュのように嵌め込まれ、土地の記憶をとどめています。
例えばこの黒いのはボイラーの扉。
鉄のずしりとした重量感が迫力!
みなとみらい線は 名だたる建築家が腕を競っているので、
どの駅もデザインに個性があって、乗り降りするのが楽しいのです。 -
次にやって来たのは横浜美術館。
大好きな常設展示のイサム・ノグチ「真夜中の太陽」に挨拶してから。
ここには今回 授業を受けに来たのです。 -
つまり授業形式の展覧会なんですけどね^^
森村泰昌「美の教室、静聴せよ」。
この積み上げられた本たちが、鳥になってはばたいて
導いてくれる先に すてきな1時間目の教室がありました。 -
ここがその1時間目の「フェルメール・ルーム」。
なんとフェルメールの有名な「画家のアトリエ」の
床や調度品が実物大に作られていて、
絵画の中に入ってゆく気分を味わえるんです。
森村さんといえば、ご自身が絵画の中の人物になってしまう人ですけど、
ここでは展覧会に訪れた人の手を取って、絵画の国へといざなってくださっているかのよう。 -
抱腹絶倒してしまったのがこの作品「Mother(Judith2)」。
この絵を見てから もとのクラナッハの絵を見ると、
ユディトの服の袖が もうキャベツにしか見えなくなりました〜(笑)。
皆様もよろしかったらクラナッハで検索して、ユディトという絵をご覧になってくださいねっ(笑)。
以上3点 図録からご紹介しました。 -
山下公園に面したお部屋が取れました。
海と船を見ながら ワインで乾杯〜♪ -
翌朝は 船に乗るために、横須賀・三笠公園へ。
写真は戦艦三笠です。
もちろん これに乗るのではありません〜^^;
(時間があったらちょっと乗りたかったけど)
この隣からもっと普通の船に乗るのです〜! -
行く先はこの春オープンしたばかりの横須賀美術館。
電車とバスでも行けますが 船で行くルートもあると聞き、迷わず船を選択♪
昔昔のその昔、ヤマトタケルの妻オトタチバナヒメが
荒れ狂う海の神を鎮めるために 身を投げた
走水海(はしりみずのうみ)が この海なのだそうです…。
悲しい伝説のヒメが 今も沖ゆく船を
走水神社から見守ってくれています。
写真は 海からしか見えないという観音崎灯台。 -
小さな海水浴場があって、釣船屋さんがあって。
なんだかこのあたり、麦わら帽子が似合うのどかなところです。 -
そして横須賀美術館。
ガラスの容れ物の中にもうひとつ器を入れたみたいな構造。
潮風から建物を守りつつ、やさしい自然光をたっぷりと館内に採り込むつくりになっています。 -
アルフレッド・ウォリス展を見ました。
イギリスの港町で船具商をしながら、70歳から壁だの道具箱だのに絵を描き始め、見出された素朴画家だそうです。
ひたすら船・港・橋・灯台・海ばかりを描いています。
船乗りだったころの嵐の体験など、見ている方まで船酔いしそうな迫力で描かれ、美しいばかりではない海への畏怖が伝わってきます。
そういえば、アメリカの素朴画家グランマ・モーゼスも、
75歳から絵を描き始めたんでしたね…。
グランマが描いたのは田園の暮らしでしたが、
自らが知り尽くした世界を絵に描きたくなったという
パッションは両者に共通していて、
それがほとばしり出たのが70歳代っていうところに
なんだか人として励まされますね^^
長生きがしたくなってきます。 -
展覧会を見終わったら ちょうどお昼になったのだけど。
レストランがいっぱいで入れません。
食事はあきらめて 外のテラスでビール休憩〜♪
暑いからおいしいいんですこれが!(笑)
ミュージアムショップで買ったばかりの絵本を見たり -
すぐ目の前の海を眺めたりして。
の〜んびりと海と船を堪能した一日になりました。
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この旅行記へのコメント (9)
-
- waterlilyさん 2007/12/06 11:42:25
- はじめまして。
- fuwaさん、はじめまして。
かにちゃんさんの旅行記で、fuwaさんの朝倉響子さんのブロンズ像「Mari」のことを教えて頂き、お邪魔しています。
「ARTと建築めぐり(1)(2)(3)」拝見しましたが、何て素晴らしいのでしょう!
東京も横浜も普段通る道で、こんなに素敵なARTが沢山あるなんて!
ぼんやり歩いている私は見逃してしまっていました。
市民から集められたハンガーも、こんなに素敵なアートになるのですね。
fuwaさんは美術を専門的にお勉強なさった方なのでしょうか。
こういう所を注目されるfuwaさんの視点が素晴らしいです。
そしてそのARTを写されたfuwaさんのお写真もまたアート!
「Mari」、とても印象的な作品ですね。
ひと目で魅せられました。
そして影法師のfuwaさんも素敵です(*^_^*)
素敵な旅行記を拝見させて頂き、ありがとうございました。
- huwaさん からの返信 2007/12/07 02:05:28
- ありがとうございます!
- waterlilyさん
たくさんの投票と嬉しいおほめの言葉をありがとうございます。
私は特に美術を勉強したというわけでなく、どちらかというと文学が専門なのです。
ですから waterlilyさんの旅行記、最近の数冊しかまだ拝見していませんが、
とてもわくわくしながら見せていただきました。
立原道造も中原中也も三島由紀夫も、そして魯迅も 大好きなんです!
それに建築の写真がとてもお洒落^^
美しいピンクの薔薇の写真は、ポストカードにして持ち帰らせていただきました。
また今度ゆっくりとお邪魔したいです。
これからもよろしくお願いしますね!
huwaより。
- waterlilyさん からの返信 2007/12/07 11:10:25
- RE: はじめまして。
- わぁ、huwaさんもこの文学者たちがお好きなのですか!
それはとーっても嬉しいです(*^_^*)
そして、薔薇の花の写真をポストカードにしてくださったのはfuwaさんだったのですね。
ありがとうございます。
あの薔薇は薄いピンクと、開き具合が好きな薔薇でしたので、とても嬉しいです。
何だか、huwaさんと趣味が似ているようで嬉しいことの連続でした。
重ね重ねありがとうございます。
そして、こちらこそこれからも宜しくお願い致しますね。
(最初に書いたコメントで、huwaさんをfuwaさんと書き間違えてしまいました。そそっかしくて申し訳ありません。)
- huwaさん からの返信 2007/12/07 23:33:01
- 中也と薔薇と…
- はい^^本当に趣味が合いそうで嬉しいです!
西新宿の「解き放たれたイメージ サーカス展」を見に行った時は
中原中也の「サーカス」が 頭のなかでリフレインしていました。
ゆあーん ゆよーん というアレです^^
西洋におけるサーカスの 華やぎの裏のもの悲しさ、というモチーフが
中也のあの詩にもはっきりと影を落としているなあ…と思いました。
あの影は サーカスの興行そのものを見てのイメージだったのか
これら西洋絵画からの影響だったのか と ふと考え込んでしまったりもしました。
ピンクの薔薇 ほんとにきれいですね!
もともと薔薇は ピンクとクリームイエローが好きなんですけど
waterlilyさんのあのお写真の薔薇は、開き具合もちょうど理想的で
一目で気に入ってしまいました。
スクリーンセーバーでアトランダムに流れるお気に入りの写真の一枚にさせていだいています。
本当にありがとうございました!
huwaより。
- かにちゃんさん からの返信 2007/12/08 11:39:12
- RE: 中也と薔薇と…
- huwaさん、waterlilyさん、横レス失礼しますね〜m(__)m
huwaさんは、美的なものに対する感受性が豊かな方、だと思っていたら、
それを表現する文学もお得意だったんですねー、納得です!!
waterlilyさんも、本当にいろいろなことにお詳しくて、細やかな気遣いをされる方、、、
素敵なおふたりを4トラで知ることが出来て、とっても嬉しい私です(*^_^*)
- waterlilyさん からの返信 2007/12/08 12:19:03
- RE: RE: 中也と薔薇と…
- かにちゃんさんへ、waterlilyです。
こちらこそ、huwaさんの旅行記を教えてくださってありがとうございました。
かにちゃんさんとhuwaさんという温かで素敵なお二人を知ることが出来て、嬉しいのは私の方です。
これからも、宜しくお願いしますね☆
huwaさんへ、
スクリーンセーバーに入れて頂いているなんて、光栄で感激です。
ありがとうございます(*^_^*)
- huwaさん からの返信 2007/12/09 14:16:07
- Mariのおかげですね^^
- かにちゃん^^ Waterlilyさん^^
お返事が遅れて申し訳ありません。
Mariが結びつけてくれた縁で、すてきなお二人と仲良くなれて
ほんとに幸運です!
これからお二人の旅行記を ゆっくり見せていただきますね。
とっても楽しみです。
私の夏の旅行記も 実はまだ未完成なので(遅い〜^^;)
また遊びにいらしてくださいね。
ではでは〜!
huwaより。
-
- びょんネコさん 2007/10/16 23:18:33
- なんだかおひさしぶりですね。
- おお、huwaさん。ひさしぶりですね。
横浜にいったんですね。
季節は夏のようですね。
あいかわらず、ART行脚続けてますね。
私も、実は6月に横浜出張がありました。
横浜はひさびさで、きれいになった
赤レンガ倉庫とかにもよってきましたが、
BANK ARTにも実はちょっと
だけだったけど、寄ってきましたよ。
伊勢佐木町のホテルの地図に書いてあったので、
おもしろそうと思って。。
会議が終わった夜につきあいを
すっとばして。ちょっとの時間だけ
だったけど。そこで、横浜の地ビール
飲んできました。
なかなか若い人が元気そうで、
熱気がありました。
夏にボルタンスキーの展示やるとか
言って、なんだかリキ入ってましたよ。
横浜自体に熱気を感じて楽しい出張に
なりました。(いつも、出張でしか
他県にいかない、実は出不精な私。
だから、人様にみせる旅行記も作れない
のでした。そのくせ、旅行記みるのは
好きですが(笑))
すっかり芸術の秋。
またhuwaさん、どっかにいくのかしら?
いったのかしら?
ではまた。。
- huwaさん からの返信 2007/10/18 22:00:06
- はい^^ご無沙汰してました!
- わあ びょんネコさん! ようこそ!
そうなんです ボルタンスキー企画による日仏交流展を見んがために!
この夏は横浜に馳せ参じたんですよ〜!
去年の越後妻有で ボルさまにはすっっかり脳髄を射られてしまったので!(笑)。
残念ながら今回のボルタンスキー作品は、旅行記にはちょっと載せられない映像作品だったので、載せてないんですけど…
でもBnakART空間は堪能してきました〜!
びょんネコさんも出張でBnakARTに行かれたなんて嬉しいです!
では私よりも先にあの常設展はご覧になったわけですね〜^^
夜に行かれたということは、あそこから見える夜景もご覧になったのでしょうか。
赤レンガ倉庫 ライトアップされてましたか?
横浜の地ビールおいしかったですか?
仕事が忙しかったりPCが故障したりで 夏の旅行記のUPが大幅に遅れてしまいました。
夏旅行記 まだもう少し続きますので 気長におつきあいくださいませね^^
秋は去年と同様、地元のお散歩記録を 載せられたらいいな〜と思っています。
私の住む関西でも、神戸ビエンナーレやBIWAKOビエンナーレなど、実はけっこうアートのお祭りはさかんなので♪
ではではまた^^びょんネコさん お元気で!
huwaより。
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