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死海沿岸の道路を南下する。<br />途中、何度か検問でパスポートチェックを受ける。<br />地図を見ているともうすぐ海抜−322メートル付近にまでやってくるのだが、時間の都合でカラクに向かう幹線道路に入るために右折する。<br />これで死海を完全に離れることになる。<br />再び丘陵地帯を登っていく。<br /><br />あちきは窓越しにこの景色を脳裏に焼き付けようと必死に眺めているのだが、隣のノブラは爆睡状態である。<br />助手席のモアイエットもちょっと疲れたのか寝てしまっている。<br />しばらく走るとドライバーが「キャッスル」と運転しながら前方の小高い丘に立つ石造りの建造物を指差した。<br />車の止めれそうな場所があったので路肩に下りて写真を撮る。<br /><br />カラク城である。<br />正確にはカラク城跡と言うべきか。<br />原型を完全には保っていない。<br /><br />タクシーに戻りさらに先に進むとカラクの町に入った。<br />カラク城入り口近くのレストラン前にタクシーが停まる。<br />運転手がレストランや土産物屋に連れて行くことは観光地ではよくあることである。<br />特にぼったくる気配は感じなかったので、ここで食事をとることにした。<br /><br />ノブラはメニューを見て、アンマンのレストランそのままにスープから注文を始める。<br />毎回そんなに飲み食いしていたら金がもたんぞ。<br />結局、レンズ豆のスープと羊の焼肉とトルココーヒーを飲む。<br />確かに所持金が心細くなってきた。<br /><br />食後にしっかり休憩してカラク城観光に向かう。<br />レストランから歩いて数分の場所に入り口があり入場料を払う。<br />1JD。<br />モアイエットと三人でカラク城に入る。<br />この辺りで一番高い丘の上に建てられているので景色はとても素晴らしい。<br /><br />アンマンがあまりにもしょぼかったので、カラク城は大変素晴らしく感じた。<br />1時間くらい城跡のあちこちを観たり写真を撮ってタクシーに戻った。<br />カラクからキングスハイウェイを南下する。<br />以外にも荒涼地帯が続くと思っていたら牧草地帯に入ったりと、ヨルダンの意外な一面を見ることができる。<br />でも、やっぱり緑は長く続くことがなく、再び荒涼とした風景が進む。<br /><br />突然ドライバーがあちきに携帯電話を渡してきた。<br />「えっ?、誰?」<br />驚いているあちきにドライバーが一言。<br />「ブラザー」<br />へっ? 兄弟? あちきに何をしゃべれと。<br /><br />とりあえず・・・たぶんこんな会話をしていたと思う。<br />「は、はろー」<br />「ハロー調子はどうだ?」<br />「オッケーだ」<br />「ヨルダンにはいつまでいるんだ?」<br />「あと2日だね」<br />「ペトラに行ってそれからどうするんだ?」<br />「アカバからエジプトに行く」<br />「おお、エジプトか。それは素晴らしい。で、ペトラではどこに泊まるんだ?」<br /><br />キタキタ、これが狙いか。<br /><br />「もう宿は決めている」<br />もちろん決めていないが目星はつけている。<br />「良いホテルがあるんだが、ペトラゲートから近い安くてきれいなホテルだ」<br />「ノーサンキューだ。あちきは宿を予約している」<br />「そうか。じゃあ後で会おう」<br />「え?」<br />もともと英語なんて話せないあちきだが、なんとなくそんなことを言っている気がしたが聞き違いだと思ってそのまま流した。<br /><br />かなり走っていると突然幹線道路から外れた。<br />標識にショーバックと書かれている。<br />このあたりにも遺跡があるようだが・・・。<br />そしてまばらな民家が並ぶ居住区にある売店でタクシーは止まった。<br /><br />モアイエットがうれしそうに言った。<br />「ファミリー」<br />うそ?<br />ドライバーも笑顔で降りるようにさとす。<br />この売店は、彼らの家族が営んでいる。<br />ここで先ほどの電話の主と会ってしまった。<br /><br />ホントに会うとは・・・。<br /><br />挨拶に握手を交わす。<br />モアイエットがジュースとアイスクリームを持ってきてくれた。<br />ノブラは、おじーちゃんに捕まって何やら話し込んでいる。<br />おじーちゃんは、ローマ時代の古銭をノブラに売りつけようとしていた。<br />古銭の保存状態はお世辞にも良いとは言えなかった。<br />素人目にも価値があるかは一目瞭然。<br /><br />ここでノブラが古銭を買ったら旅の劣等者とレッテルを貼るところだったが、なんとか逃げたらしい。<br />なんかほのぼのとした家族の団欒に和んでしまった。<br /><br />ホント、旅っていろいろなことが起きるからやめられない。<br />

2007 ヨルダン・エジプト旅記 0517-03

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2007/05/15 - 2007/05/24

19位(同エリア19件中)

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14

morikens

morikensさん

死海沿岸の道路を南下する。
途中、何度か検問でパスポートチェックを受ける。
地図を見ているともうすぐ海抜−322メートル付近にまでやってくるのだが、時間の都合でカラクに向かう幹線道路に入るために右折する。
これで死海を完全に離れることになる。
再び丘陵地帯を登っていく。

あちきは窓越しにこの景色を脳裏に焼き付けようと必死に眺めているのだが、隣のノブラは爆睡状態である。
助手席のモアイエットもちょっと疲れたのか寝てしまっている。
しばらく走るとドライバーが「キャッスル」と運転しながら前方の小高い丘に立つ石造りの建造物を指差した。
車の止めれそうな場所があったので路肩に下りて写真を撮る。

カラク城である。
正確にはカラク城跡と言うべきか。
原型を完全には保っていない。

タクシーに戻りさらに先に進むとカラクの町に入った。
カラク城入り口近くのレストラン前にタクシーが停まる。
運転手がレストランや土産物屋に連れて行くことは観光地ではよくあることである。
特にぼったくる気配は感じなかったので、ここで食事をとることにした。

ノブラはメニューを見て、アンマンのレストランそのままにスープから注文を始める。
毎回そんなに飲み食いしていたら金がもたんぞ。
結局、レンズ豆のスープと羊の焼肉とトルココーヒーを飲む。
確かに所持金が心細くなってきた。

食後にしっかり休憩してカラク城観光に向かう。
レストランから歩いて数分の場所に入り口があり入場料を払う。
1JD。
モアイエットと三人でカラク城に入る。
この辺りで一番高い丘の上に建てられているので景色はとても素晴らしい。

アンマンがあまりにもしょぼかったので、カラク城は大変素晴らしく感じた。
1時間くらい城跡のあちこちを観たり写真を撮ってタクシーに戻った。
カラクからキングスハイウェイを南下する。
以外にも荒涼地帯が続くと思っていたら牧草地帯に入ったりと、ヨルダンの意外な一面を見ることができる。
でも、やっぱり緑は長く続くことがなく、再び荒涼とした風景が進む。

突然ドライバーがあちきに携帯電話を渡してきた。
「えっ?、誰?」
驚いているあちきにドライバーが一言。
「ブラザー」
へっ? 兄弟? あちきに何をしゃべれと。

とりあえず・・・たぶんこんな会話をしていたと思う。
「は、はろー」
「ハロー調子はどうだ?」
「オッケーだ」
「ヨルダンにはいつまでいるんだ?」
「あと2日だね」
「ペトラに行ってそれからどうするんだ?」
「アカバからエジプトに行く」
「おお、エジプトか。それは素晴らしい。で、ペトラではどこに泊まるんだ?」

キタキタ、これが狙いか。

「もう宿は決めている」
もちろん決めていないが目星はつけている。
「良いホテルがあるんだが、ペトラゲートから近い安くてきれいなホテルだ」
「ノーサンキューだ。あちきは宿を予約している」
「そうか。じゃあ後で会おう」
「え?」
もともと英語なんて話せないあちきだが、なんとなくそんなことを言っている気がしたが聞き違いだと思ってそのまま流した。

かなり走っていると突然幹線道路から外れた。
標識にショーバックと書かれている。
このあたりにも遺跡があるようだが・・・。
そしてまばらな民家が並ぶ居住区にある売店でタクシーは止まった。

モアイエットがうれしそうに言った。
「ファミリー」
うそ?
ドライバーも笑顔で降りるようにさとす。
この売店は、彼らの家族が営んでいる。
ここで先ほどの電話の主と会ってしまった。

ホントに会うとは・・・。

挨拶に握手を交わす。
モアイエットがジュースとアイスクリームを持ってきてくれた。
ノブラは、おじーちゃんに捕まって何やら話し込んでいる。
おじーちゃんは、ローマ時代の古銭をノブラに売りつけようとしていた。
古銭の保存状態はお世辞にも良いとは言えなかった。
素人目にも価値があるかは一目瞭然。

ここでノブラが古銭を買ったら旅の劣等者とレッテルを貼るところだったが、なんとか逃げたらしい。
なんかほのぼのとした家族の団欒に和んでしまった。

ホント、旅っていろいろなことが起きるからやめられない。

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  • 爆睡ノブラ。

    爆睡ノブラ。

  • カラクまで18キロ。

    カラクまで18キロ。

  • カラク城近くのレストラン。

    カラク城近くのレストラン。

  • 男は黙ってターキッシュコーヒー。

    男は黙ってターキッシュコーヒー。

  • 男は黙ってレンズ豆のスープ。

    男は黙ってレンズ豆のスープ。

  • 男は黙ってラム肉。<br /><br />ラムだっちゃ。<br /><br />・・・。<br /><br />

    男は黙ってラム肉。

    ラムだっちゃ。

    ・・・。

  • カラク城入り口近くの案内板。

    カラク城入り口近くの案内板。

  • カラク城のなんとか。

    カラク城のなんとか。

  • カラク城からの景色。

    カラク城からの景色。

  • カラク城のなんとか。

    カラク城のなんとか。

  • カラク城地下格納庫。

    カラク城地下格納庫。

  • カラク城から南下しています。<br />ヨルダンとは思えないのどかな風景。

    カラク城から南下しています。
    ヨルダンとは思えないのどかな風景。

  • ドライバーのファミリー。

    ドライバーのファミリー。

  • きっと高価なものらしい。<br />

    きっと高価なものらしい。

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