2006/10/15 - 2006/10/15
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まみさん
2006/10/15(日)第8日目:ゲデレー城ツアー&ブダペスト
ゲデレー城ツアー(コーヒータイム付)
ブダペスト国立博物館(再訪)、応用工芸美術館、オペラ座でハンガリーのオペラ「バンク・バーン」(エルケル・フェレンツィ作曲)を鑑賞
応用工芸美術館を再訪するとしたら、本日以外チャンスがないでしょう。
明日(10/16)は月曜日で美術館・博物館はみな休館。
明後日の火曜日(10/17)から土曜日(10/21)まで地方旅行。
日曜日(10/22)は、ブダペストから日帰りでケチケメート再訪。ケチケメート再訪はもうあとこの日しか行く日が残っていないので、これは私の中でほぼ決まりです。
そして、その次の月曜日(10/23)は、夜は寝台車でルーマニアに移動する日なのでブダペスト市内に留まるにしても、月曜日なのでまたもや美術館・博物館は休館。
2週間まるまるハンガリーというたっぷりした日程をとったつもりでも、こうして予定を立ててしまうと、本当に時間が足りません。
応用工芸美術館は、常設展はなく、企画展のみのところでした。つまり展示は再訪とはいえないのですが、目当ての建物は再訪です。
トルコの建築様式をまねた幻想的な建物。ジョルナイ陶器の屋根をもつ、ハンガリーのアールヌーヴォーの代表的な建築の1つ。
2年前にすっかりファンになった、ハンガリアン・アールヌーヴォーの騎手レヒネル・エデン(1845〜1916)の代表作。
そして中は、エキゾチックなイスラム建築風。「白い貴婦人」とでもたとえたくなる、清涼なる白亜の世界。
2004年の初ブダペストのときに、その写真を自分のカメラで撮るのをとても楽しみにして出かけたものです。
ところが、思ったほど写真は撮れませんでした。撮れた写真は外観がせいぜい2枚ほど。
まだフィルムカメラ時代だったゆえ、よほど気に入った場合でない限り、同じ場所、同じ被写体で何度もシャッターを切ることはしませんでした。
その「よほど」の条件がそろわなかったのです。
建物の前には、全貌をうまく捉える十分なスペースがありませんでした。なので、いろいろなアングルから写真を撮るという楽しみ方はできませんでした。
その上、天気が曇りで、建物の色合いが暗く、どんより見えました。それでもなんとか日の当たる外観の写真を撮りました。
本当は、入口付近などの写真も撮りたかったのですが、全体的に薄暗かったので、失敗写真に終わることは目に見えていました。
建物の中の写真も撮りたかったのですが、人の目には十分な採光でもフィルムカメラではそうはいきません。
なので、あれほど楽しみにしていたわりには、写真撮影については思ったほど楽しめず、がっかりした
覚えがあります───あくまで、写真撮影だけについて言えば、です。
メインの展示「産業と芸術──ジョルナイ150年史(Industry and Art──150 years of Zsolnay)」展示は、ものすごく気に入りました。
私がジョルナイ陶器のファンとなったのは、あの企画展を見てからです。
応用工芸美術館の写真と感想
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/10507973/
関連の旅行記
「2004年夏のブダペスト・ウィーン・チェコ旅行20日間 (1)ハンガリー編(続き)
ブダペスト観光 長めの感想(ハイライトその3)」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10039103/
応用工芸美術館の建物を、一度は実物をおがんで、ひと目だけでも見たい!という焦燥感が静まると、今度は落ち着いて見直すことができるようになります。
もっときちん細部を観察し、もっと写真を撮ってくればよかったなぁと後悔します。
しかも、今回はデジカメなので、室内の写真を撮るのにも躊躇する必要がありません。露
出やシャッタースピードを多少なりともコントロールし、液晶画面で写りを確認しな
がら、自分なりのアングルで撮る楽しみがあります。
だから応用工芸美術館を撮りたい、撮りたい、撮りたい……!
でも今日をおいては他にチャンスがない……!
というわけで、再訪ターゲット筆頭の国立博物館を、後半はやや足速に見学をすすめ
て、無料の常設展以外、有料の企画展は無視することで16時10分には国立博物館の見
学を終わらせ、そして今宵のオペラ鑑賞の前に腹ごしらえをするために───そう、
この際、マクドナルドでもいいから、遅くとも17時に切り上げることとして!
結果的に、応用工芸美術館で、写真撮影を含め、16時40分〜17時10分まで過ごしまし
た。ほんとに大急ぎでした。
入場料は、1,200フォーリントです。さすが企画展ばかりなので、あまりお安くはな
いですが、チケットを払わないと中に入れないので仕方がありません。
(2006年10月現在、1フォーリント=約0.6円)
でも、メインの展示「コレクターと財宝(Collectors and Treasures)」は、ものすごく私好みの展示でした。
本当はパネルの説明も読みながらじっくり見学したかったところです。あいにく時間がないため、パッパッパッ……と、まるで肉眼のシャッターを切るようなかんじで鑑賞するしかありませんでした。ゆっくり感想を頭に思い浮かべる暇もありません。
という慌ただしさはあったにせよ、写真の方は、念願通り、たっぷり撮ってきました。
企画展は、他に、「2006年ハンガリー現代写真傑作展(Hungarian Masterpiece Today 2006)」という現代写真展、「歌舞伎役者の世界───東京国立博物館の所蔵品から(The World of Kabuki Stars)」、「ハンガリー・デザイン賞受賞作品展(Hungarian Design Award)」を見学しました。
どれも大急ぎで、ざっと見学しました。もうちょっとゆっくり見学したかったです。
ちなみに応用美術館は企画展のみといっても、使われているのはこの美術館の収蔵品が中心のようです。会場だけを提供しているわけではなかったのです。
その収蔵品をいつも企画展という形で紹介するのは、膨大ゆえ常設展では展示し切れないせいと、教育的・学術的方針ということかもしれません。
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応用工芸美術館
外観の全貌は2004年に撮ったし、反対側の歩道まで行かなければならないのでパスです。
でも建物の近くからこんなアングルで撮るのもいいでしょう。
しかし、こんなに離れていると、屋根がジョルナイ・タイルというのはよく分からないです。
「この博物館で注目したいのは、展示品はもとより建物自体だ。建国1000年祭の一環としてフランツ・ヨージェフ皇帝の命により建てられたもののひとつで、設計はハンガリーを代表する個性的な建築家レヒネル・エデンとパールトシュ・ジュラ。植物からヒントを得たといわれる曲線が印象的なデザインはレヒネルの特徴。ブダペストにおいてアールヌーヴォー的なデザインが施された最初の建物でもある。入口のホールを飾る列柱回廊のデザインや多彩な色どりのセラミックを使った屋根など近代的技術が駆使されている。その個性的なデザインや過剰ともいえる装飾から、建築当時は“ジプシー王の宮殿”と揶揄されることもあったという。」
(「地球の歩き方 ハンガリー 2004〜2005年版」(ダイヤモンド社)より) -
応用工芸美術館の入口の天井
本当は入口の写真も撮りたかったのです。
とてもエキゾチック、というより、エキゾチックな要素を盛り込みすぎた、というかんじでしたが、それはそれでなかなか面白かったのです。
しかし、やはり暗くて写真写りがよくないのであきらめました。
でも天井は、露出をプラスにすることでなんとか撮れました。
草のつるや花をモチーフにした可愛らしい模様です。
アールヌーヴォーというより、やはりマジャール人のフォークアートというかんじです。洗練されているというより、オリエンタルであると同時に、どこか素朴で土のにおいを感じさせます。
応用工芸美術館
「レヒネルの代表作。釣り鐘形のドーム、インド・イスラム風のアーチ、陶板で覆われたつる草のような形の手摺など、装飾はややくどい。しかし、ガラス張りの天井と吹抜けは、鉄筋コンクリート造の利点を生かしている。奇抜な外観と内装は物議をかもし、竣工後まもなく内装は入口周り以外白く塗り込められてしまった。」
(「建築・街並みガイド5」(エクスナレッジ社)より) -
応用工芸美術館の中央ホール
いよいよまちにまった応用工芸美術館の写真撮影。
これです、このイスラムチックな内部の写真を撮りたかったのです。
まるで宮殿のようです。うっとり。
「19世紀末のウィーンやミュンヘン、パリでは既に新しい建築様式が生まれていた。それらはゼツェッシォン、ユーゲントシュティール、アールヌーヴォーなどと呼ばれ、柔らかな曲線を好んだ建物が地下鉄の駅や公共の建物に現われた。ブダペストでも傑出した建物が現われる。1845年生まれのレヒネル・エデンが建てた工芸美術館、地質学研究所、そして郵便貯金局である。このレヒネル三部作といわれる公共建築は、ドイツやオーストリアに見られる世紀末建築の流れとは異なり、純粋にハンガリー的であった。それが一目で分かるのは、ハンガリー南部の町ペーチュで生産されたセラミックを屋根や外壁に使用していることだ。(中略)このセラミックを使うことで、レヒネルはブダペストの世紀末建築にマジャル人の魂を吹き込んだ。内部では柱や手摺が波打ち、天井は揺らぐ。タイルを細かく貼った装飾はどこかオリエント風。ブダペストの世紀末建築はウィーンやパリのそれとは異なり、むしろバルセロナのガウディに近いと言われている。
レヒネルの作品を見るには工芸美術館がお勧め。内には陶磁器や家具、織物などが展示されている。」
(「旅名人ブックス ハンガリー “千年王国”への旅」(日経BP社)より) -
応用工芸美術館の中央ホール
中央は立ち入り禁止で、吹抜けです。
2年前の2004年7月は、この1階のホールを囲む回廊で現代女流陶芸家の作品展が行われていたのですが、今回はなんの展示もありませんでした。
「レヒネル・エデンは、ハンガリーの伝統文化が大切にする「自然」「素朴さ」を体現し得る建築様式を模索していた。ケチケメートの市庁舎では装飾や建築細部に花、蜂、その他不思議な動植物や織物のような文様が使われているが、ブダペストの応用美術館(1891〜96)ではさらに大きく前進して、過去にはなかった新様式を出現させた。織物で出来ているかのように軽くきらびやかなテントのような大屋根と裾広がりのドーム、透明感があって多用な色を出すジョルナイ・タイルを使って、民俗芸術のモチーフを建物の内外に駆使した幻想的な装飾は、まさに新しい「ハンガリー民族様式」の到来を感じさせた。」
「民俗芸術から造形モチーフの採取と大胆なデフォルメは、細部装飾から大屋根やドームの造形にまで及び、レヒネル・エデンが探求した『ハンガリー民族様式』はここに一気に具体化する。」
(「読んで旅する世界の歴史と文化 中欧」(新潮社)より) -
応用工芸美術館中央ホール
列柱を枠に、ななめから撮ってみました。 -
応用工芸美術館
鍾乳洞をモチーフにしたとおもわれる、イスラムチックな曲線美。
真ん中の天井は2階へと吹き抜けています -
応用工芸美術館の2階から中央ホールを見下ろす
2階の回廊に、2年前は「産業と芸術──ジョルナイ150年史(Industry and Art──150 years of Zsolnay)」が、今回は「コレクターと財宝(Collectors and Treasures)」が開催中でした。
回廊なので、どちらが入口でどちらが出口か、分かりづらいです。
すばらしい工芸美術家で時代順に展示されていました。10くらいのテーマ展に分かれていました。 -
応用工芸美術館の2階の回廊
本当は企画展の展示を撮りたいくらいでしたが、それはさすがに撮影禁止でした。
あちこちでいかつい顔をした館員が見張っています。
でも、こうやって建物の写真を撮っている分には、何も言われませんでした。
その点、国立博物館では、展示室ではなく内部の写真を撮ろうとしても、注意されてしまいました。 -
応用工芸美術館の2階
吹抜けの天井を中心に。
手すりが特に乙女チック@ -
応用工芸美術館の3階へ向う階段
白い壁に黒い鉄柵が白と黒のコントラストで映えます。
3階では、「ハンガリー・デザイン賞受賞作品展(Hungarian Design Award)」をやっていました。 -
応用工芸美術館の吹抜けのガラス天井
いわゆるステンドグラスになるのでしょうか。
このあたりは、だいぶウィーンやオーストリアのアールヌーヴォーチックです。 -
応用工芸美術館の2階
いったいどこからわいてきたんだというかんじで意外や脇の方にも展示室が続いています。
「2006年ハンガリー現代写真傑作展(Hungarian Masterpiece Today 2006)」という現代写真展、「歌舞伎役者の世界───東京国立博物館の所蔵品から(The World of Kabuki Stars)」を見終わって、もう一度中央ホールの見える場所へ戻ってくるときに撮りました。
「歌舞伎役者の世界」は、なかなか面白かったです。
東京国立博物館のものなら、東京で見ればいいじゃないか、と思わなくもなかったのですが、歌舞伎役者の版画がずらりと展示されていて、なかなか壮観でした。
また、壁には役者の衣装や小道具も展示されていたり、版画の一部の拡大写真が壁紙のようにしつらえてあったり、ものすごい大きな宣伝の垂れ布みたいなのもあったり。
それから役者がメークするシーンのビデオに魅入っている人たちが何人もいました。ああいうビデオを見る機会は私もそうそうないので、ゆっくり見たかったくらいです。 -
応用工芸美術館の2階
ぼんぼりのような明かりが気に入りました。
奥には、「2006年ハンガリー現代写真傑作展(Hungarian Masterpiece Today 2006)」という現代写真展、「歌舞伎役者の世界───東京国立博物館の所蔵品から(The World of Kabuki Stars)」の展示室が続きます。 -
応用工芸美術館の2階から中央ホールとその天井
体育館か鉄道駅のような天井なのですが、意外に周りのオリエンタルチックとマッチしています。 -
応用工芸美術館の2階から回廊と天井
-
応用工芸美術館の2階から中央ホールを見下ろす
去る前に最後にもう1枚。
似たような写真を撮っていますが、迷うくらいなら、撮る、撮りたいから撮る!
でも、アングルは少しななめにしてみました。
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